まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。師走です。師も走るほどの慌ただしさ。だからシワスって言うんだよ。子供の頃、そう教わったけど、12月に先生が走っているのを見た記憶がないです。先生が走っていないのなら、きっと誰か代わりに走っているひとがいるはずで、きっとそのひとが世の中の忙しさを一身に背負って、夜も寝ないで走り回ってるんだ。それは一体誰なんだろ。
子供心にずっと疑問に思っていたこと。最近になって、ふと気付きました。それ、もしかしてユニフォーム通販の編集長なのかも。増え続けるお客さまへの対応に加え、今年中に片づけなきゃいけない仕事が山のように残ってる。ラジオからマライヤのクリスマスソングなんかが流れ始めると、焦りで浮足立ち、ファックスを取りに行くのも自然と小走りになる。私たちには時間がないのよ。昔、キャンディーズがそう言って号泣したように、何をするにも時間が足りないように思えて泣きたくなる。毎度走と書いてシワスと読む。そのうち、小学校でそう教える日が来そうな気がする今日この頃。

今月のまいど屋は防寒ソムリエ
今年の冬は寒いんだって。そう聞いたのがこの特集を企画する少し前。ま、月刊まいど屋の連載開始以来、12月号はいつも決まって防寒特集だから、長期予報の内容がテーマの設定に影響したわけじゃないんだけど、それでも取材を進めるにあたってかなり勇気づけられたのは事実です。そんな強烈な寒波が襲ってくるなら、取材のしがいもあるってもんだ。異常な寒さにたじろいでいる皆さんに役立つ情報を、少しでも多く発信しなきゃ。数ある防寒着の中から、まいど屋が本当に皆さんにオススメできる商品をピックアップして、はい、どうぞって差し出さなきゃ。ちょうど経験を積んだソムリエが、長いワインリストから本当にいいワインだけを選びとってくれるように。
取材が終わり、各社のレポートも書きあがり、今、最善を尽くした後の心地よい疲労感と静かな緊張感に浸りながら、お客さまの反応を待っています。自信を持って推薦したワインがテーブルに運ばれ、コルクが抜かれる。グラスに注いだ液体をお客さまがゆっくりと口に含み、それからこちらを見て深く頷く。なかなかいいね。この防寒着でいいよ。そう言ってもらえたら、本当にうれしいです。

ズラの悲劇
悲しいお知らせです。まいど屋が社運をかけて今年8月に発売したまいどズラ。発売以来、トップページに誇らしげに掲げられていたあのまいどズラ。先月のある日、ひっそりと姿を消しました。現在は販売を停止しています。
まいど屋にとっても寝耳に水のコトの起こりは1本の電話からでした。まいどズラのモデルを務めてくれたアキコちゃんを斡旋してくれた人物です。相手は言いにくそうに、切り出しました。あの、ズラの件なんですけど。先方の事務所から連絡が入りまして、ズラが彼女のイメージに合わないんじゃないかと。
いやいや、そんなことないよ。すごくお似合いで、お客さまにも好評だよと伝えると、意を決したようにこう言います。彼女はテレビの仕事もあって前途有望ですから、ここはひとつ、この間の仕事はなかったことに。まいど屋のイメージキャラとしてならいいけど、ズラの販売に加担するのはちょっと。確か契約書にもズラの販売とは書いてなかったですよね。契約書に書いてない目的で写真を使ってもらっては困るんです。
加担って、違法薬物の販売じゃあるまいし。それにズラをかぶって丸一日撮影しておいて、ズラの販売だと知らなかったとはあまりに理不尽ですが、ここは彼女の将来を思って、泣く泣く画面から削除しました。近いうちに、再度オーディションを行い、新しいモデルさんで販売を再開するつもりです。こうなったら事務所が後悔するような、国民的商品に育てようと、まいどスタッフ一同、皆、闘志を燃やしています。

写真館の悲劇
こっちも悲劇。泣きっ面に蜂。今年の一月、鳴り物入りでオープンしたみんなの写真館のこと。正直言って、頭を抱えています。出足好調に見えた投稿件数も回を追うごとに少なくなり、次回コンテスト開催分はまだ4枚しか集まってません。お客さまにとっては、投稿すれば、ほぼ100%豪華賞品が貰えるという極楽状態なのですが、なぜか誰も見向きもしない。やっぱり、自分の写真を送るのは心理的なハードルが高いのかなぁ。このままいったら、間違いなく企画は打ち切り。写真館は閉鎖。館長は失業。悲劇の足音が迫りくる。誰か助けて。。。

伝説の夜
彼が9回のマウンドに立ったとき、誰もが息をのみました。なにかとてつもないことが起こっている。周りにいるひと、誰かれ構わず捕まえて、あり得ないよねって確認したくなるような光景を目にしながら、でも、なぜか最初からこうなるはずだったような、奇妙な感覚も確かにある。ヒットを打たれてピンチを背負っても、どこか確信に近い安心感が漂う。まるでハリウッド映画のヒーローが絶体絶命の危機をくぐりぬけることをあらかじめ分かっているみたいに。彼は最後の打者を三振に打ち取り、多くのファンが望んだとおりにドラマは幕を閉じました。
マー君の話です。気恥かしくてあまり言いたくないですが、あの日、感動で涙が出ました。彼の右腕には、今オフ、一説には100億の値がつくという報道もあった。フェラーリをボコボコのオフロードで走らせるような無謀な登板。ひじを故障したらどうすんの。日本シリーズとはいえ、たかが目の前の一試合のために、これから先の長いキャリアをフイにしてしまったら、一体誰が責任をとるの。彼がマウンドに向かう姿を見て、そう思ったひとは多いはずです。だが彼は投げた。損得を抜きにした潔さに、純粋なひたむきさに、おカネのことを考えてしまった自分を恥じました。そして死地を脱したヒーローが最後に笑ってエンドロールが流れるときのように、自然と涙があふれました。そうだよな。感動って、ひとと同じことをやってたら絶対に生まれない。誰もマネできないことにチャレンジするからこそ心を揺さぶられる。たとえ満身創痍になったとしても、本当に大事な時には戦わなきゃいけないんだ。まいど屋はこれから何ができるんだろう。こんな伝説を生みだす覚悟を、自分は持っているんだろうか。試合が終わった後も、何度も自問自答し続けた夜でした。

今年もありがとうございました
たくさんのお客さまに支えられ、今年もまいど屋は無事一年を終えることができそうです。ズラの発売と、新規取り扱いブランドの追加以外は、表面上、目立った進展はなかったけれど、それなりに忙しく、充実した一年でした。来年以降のさらなる飛躍に向けたマル秘プロジェクトも着々と進んでいます。皆さんにもっともっと便利に使っていただけるようなお店を目指し、スタッフ全員で懸命に準備を進めていますので、どうかご期待くださいね。
開店以来お付き合いいただいているお客さま。変わらぬご愛顧をどうもありがとうございました。今年初めてまいど屋にお越しいただいたお客さま。ご満足いただけましたでしょうか。至らない点などありましたら、どうか御遠慮なくお知らせくださいね。まいど屋は創業以来、そうしたお客さまの厳しいお叱りを受けとめてここまで成長してきました。どんなことでも率直に言っていただける、そんな関係を築けたらいいなと思っています。最後に好き勝手にやりたい放題やってきた月刊まいど屋を温かく見守ってくださった読者の皆さんにも、この場を借りて、心からお礼を申し上げます。本当に、本当にありがとうございました。なお、年末年始は、下記の通り休業させていただきます。それではよいお年を。またお会いしましょう!

【年末年始のお休み】
12/29(日)~1/5(日)