【関東鳶】ファンを魅了するカントビマジックimage_maidoya3
「東京日本橋 関東鳶」。以前はローカル色の濃かったこのブランドも今や全国区。まいど屋にも、日本全国、すべての都道府県から連日多くの注文が入る。関東地区からのオーダーは数の上では今や少数派。すっかりナショナルブランドとしての地位を確立した。もはや寅壱の単なる対抗軸、一部の「反寅壱」層のためのアンチテーゼ的存在ではない。「関東鳶」そのものが評価され、熱狂的なファンに支えられたブランドとして、存在感を放ち始めているのだ。
  関東鳶が出色なのは、新商品や新色のリリースがかなり頻繁なこと。目新しさや話題性が常にあり、鮮度の高さがファンを引き付ける。また、発表される商品のレベルの高さ。ユニークで毛色の変わった生地や柄を作業服に落とし込み、完成度の高い商品に仕上げてしまう技量は「カントビマジック」と呼んでいい。半端なデザイン力・企画力では破錠してしまいそうな危険な素材が、安定感のある商品となってデビューする。まるで一流シェフが難易度の高い食材をさりげなく洗練された一皿に仕上げてしまうように。
  今回の特集では、新作発表の名古屋展示会場に足を運び、「カントビ」ブランドの企画・立案をリードする営業次長の浜辺氏を直撃取材。関東鳶の魅力を徹底解剖すべく、詳しくお話を伺ってきた。

関東鳶
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展示会場は熱気でむせかえっていた。たくさんの商品がならび、プロのバイヤーたちが新作を一つ一つ念入りにチェックしている。名古屋地区でも、関東鳶に対する期待はこれまでになく高い。会場の雰囲気がそれを物語る。そんな大盛況の会場で取材に対応してくれたのは、営業次長の浜辺さん。営業の責任者を務めながら、商品の企画・立案から生産まで、カントビブランドの全てを統括するキーマンだ。
  彼が語る、カントビが全国的な人気ブランドになったいきさつが興味深い。「私たちは関東鳶という名前のとおり、元々は東京のブランド。関東でお客さまに育てられ、ファンを増やしてきた。地元のファンの皆さんの期待に応えようと努力を重ねていると、他の地区からの引き合いも徐々に増え始めた。地方の職人さんが仕事で東京に来て関東鳶に馴染んでから、地元に帰るんですね。カントビを着て現場に出ると、『それどこで買ったの?』ってことになる。地元のショップで『カントビ置いてない?』なんて聞くようになって、それでショップも『カントビやってみようかなぁ』と。扱い始めると、お客さんの評判がいいから、だんだん売り場が増えていく。そのうち、近隣のショップからも、『ウチにも営業に来るように』って呼ばれるようになって(笑)。今では、全国のお客さまにブランドを認知していただけたかなと感じています」。
  カントビの真骨頂は素材選びの妙とデザイン性だと浜辺氏は強調する。「ウチの強みは商品開発力。常に面白い素材はないかって、探しているんです。モノになりそうな素材があれば、常識にとらわれずにとりあえず試作してみる。作り込みながら改良を重ねているうちに、徐々にカントビらしさが出てくるのが面白い。作業服には程遠いような生地が、最後は雰囲気のある商品に生まれ変わる。そこが一番の醍醐味ですね」。
  現在のテーマは、「関東鳶らしさの再構築」だという浜辺氏。その真意を氏はこう説明する。「使用する生地にこだわり抜きたい。一目で『関東鳶だ』とわかるような、見た目の美しさを徹底したい。例えば、今開発中の商品は、サージ織りといって、ドレープを効かせた生地を採用しています。高級感が出て、それが関東鳶らしい雰囲気にぴったりハマる。生地のクオリティや縫製も含めた、トータルとしてのグレード感もこれまで以上に高めていくつもりです。今後を楽しみにしていただきたいと思います」。
  他社にはない独自の路線を突き進んできた関東鳶。これまでの「らしさ」に、本格派の風格が加わるとき、カントビの魅力はさらにパワーアップしていくはず。関東鳶は今後も全く目が離せない存在だ。
 
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7440シリーズ

表面の凹凸が特徴のハニカムメッシュ生地を採用。蜂の巣構造の生地のため、夏はサラッとした肌触り、冬は保温効果と、一枚でオールシーズン使える優れモノ。耐久性のよさもマル。


ニットシリーズ

カントビ独自のスタイリングはニットシリーズにも色濃く表れる。タフな現場で、スタイリッシュにキメるなら絶好のアイテムだ。