月刊まいど屋 --特集-- 2010年11月号[クロカメ]1ページ

「BURTLE（バートル）とは、この秋からの新ブランドです。そして、ブランドの立ち上げに伴い、社名もBURTLEに変更していこうと考えています」。専務取締役の大崎さんにお願いした今回のインタビューはのっけからサプライズで始まった。ここ数年、作業服フリークたちから最も注目を集めたクロカメが、これまでの成功体験をかなぐり捨てて、敢えて新機軸を打ち出すのはなぜだろう。昔から『うまくいっているやり方は変えるな』と言うじゃないか。彼らの狙いは一体何なのか。今度の取材はそこを掘り下げてみる価値が確かにある。
「最近になって、多くの作業服メーカーがトレンドを意識したカジュアル風の作業服をリリースするようになってきました。オシャレにこだわる人たちの感性に訴えようというワケです。最初は新鮮で、それなりにお客さまからの支持を得た。一種のブームのようになって、仕事着には見えないような『作業服』がたくさん出てきた。売れ行きも好調。
しかし、しばらくすると、疑問が出てきたんです。それは、この作業服はカジュアルっぽいねという言葉。この言い方だと、カジュアルの立場のほうが上になってしまう。そんなアピールの仕方は違うのではないかと思ったんです。私たちは、あくまで作業服メーカー。カジュアルに媚びたものづくりをする必要は全くない。作業服が作業服として、その服自体のもつオーラがかっこよくあること。それが、私たちの目指すかっこよさなのです。そんな想いがあるからこそ、ブランディングという部分から見直していこうという考えに行き着いたのです」。
クロカメのウェアづくりは、まず作業服としての信頼性を100％追求することが大前提だと大崎さんは強調する。「機能性、動きやすさ、着心地。実用衣料としての本来の目的、快適に仕事をするためのツールであることを忘れてはならないんです」。
仕事服としての完成度の高さに注目して、改めてクロカメのウェアを検討してみると、確かにクロカメウェアの別の一面が見えてくる。例えば今シーズンに新たにリリースされた6071シリーズ。従来のクロカメらしい「ヒネリのあるデザイン」や、「トレンド感」はそのまま引き継がれているようにも見えるが、作業服としての実力も今まで以上にパワーアップされているようだ。「ハードな現場にも自信を持ってオススメできる高品質な日本製素材を使っています。肌触りや着心地などにも、細心の注意を払っている。JIS T-8118にも対応した本格的な帯電防止機能まで付けた。レベルの高いワークウェアです」。大崎さんが言葉を続ける。「BURTLEはプロフェッショナルなワーカーに、本物のワークウェア提案していく。それを、リーズナブルに提供します。特に意識しているのは、値頃感。『こんなにいいモノがこんなに安い』というインパクトが大事なんです。お客さまの一般的な相場感を覆すこと。それと同時に、ウチの持ち味であるカッコよさを追求すること。仕事着としてしっかり使えて、仕事着であるがままにカッコいい。なおかつ安い。そんな風に思ってもらえるようなブランドを目指していきたいですね」。そう語る大崎さんの表情は、強い自信に満ち溢れていた。