【ホーケン】人には言えないココだけの話image_maidoya3
手袋の良し悪しって、どうやって見極めたらいいんだろう。近所のワークショップに行っても、ホームセンターを覗いても、あるいはまいど屋のホームページをチェックしてみても、イマイチわからない。パソコンの画面にズラリと並ぶ、似たような商品たち。写真で見るとほとんど同じように見えるのに、値段がこんなに違うのはなぜ?
  本当はヒミツにしておきたいが、手袋の正しい選び方を教えよう。あまり言いたくないことだが、ココだけの話。値段が高けりゃ、品質もいい。そんな一般社会の常識が、時として、いや多くのケースで当てはまらないってことを。Aが100円で、Bが200円。Bを選べば2倍長持ちする。買ってみなけりゃ分からない特別な仕掛けがしてあるのかもしれない。ほとんどのひとはそう思うだろう。
  わかっちゃいないね、と言ったら読者の皆さんは怒るだろうか。裏切られたと思うだろうか。AとBの品質は、実は全く一緒。いや、Aの方がグレードが高いことだってある。Aを生産しているのはX社。BはY社。X社の商品は人気が高いから、たくさん作れる。たくさん作れば安くなる。いろんな情報も集まってきて品質も高まる。一方、Y社のBはいつまでたってもあまり売れず、クオリティーも一向に高まらない。売れないから現状の価格を維持することも困難になり、そのうち値上げして300円になったりする。
  手袋の正しい買い方。お店ならやっぱり店員さんに聞いてみるのが一番いい。あなたがその店員さんと良好な関係なら、ホントのことを教えてくれるかもしれない。ネット通販なら、まいど屋サポートセンターに電話してみる。電話に出たスタッフといい関係になってもならなくても、どれがおススメかを教えてくれる。電話するのも面倒なひとにはとりあえずホーケンを買っておけば間違いないと言っておこう。品質がよくて人気がある。人気があるから、たくさん売れて安くなる。安いからますます人気が出て、品質もどんどん高くなる。ホーケンブランドが他社に比べて断然いいワケ。ココだけの話として、以下のレポートで報告しよう。
 

ホーケン
image_maidoya4
縫い目のゴロつきを解消したHA-86
image_maidoya5
現場の声から生まれた清掃用ニトロン
「ホーケンブランドが断然いいワケ、ですかぁ。いやぁ、まいど屋さん、のっけからプレシャーがかかるなぁ(笑)」。取材の趣旨を説明するや、少し照れながらも笑顔で応じてくれたのは、ホーケングローブ事業部の鈴木課長と水落係長の二人。ホーケンの強みとはどんなところかとの問いに、「そうですね、やっぱり、クオリティーを大事にしてきたことだと思います。製造委託をしている協力工場の品質管理を徹底していることが商品の質に現れ、お客さまに受け入れられているんだと思います」と、鈴木課長が自信深げに答えた。
  「グローブは縫製品ですから、品質を安定させることが難しいんです。企画を立てて仕様書を作っても、工場ではなかなかすぐにはできません。ようやく仕様通りのものが上がってきたら、次は管理の人間をちゃんと置いて、その品質を一定のレベルで安定させなきゃならない。いつも同じクオリティーのものを安定的に生産できて初めて、信頼感のある商品に育っていくんです」と、水落係長も口をそろえる。
  商品開発には、ユーザーの声を反映させながら、営業スタッフたちの意見もかなり取り入れていると鈴木課長は言う。「手袋を長く扱っていると、過去の経験や知識がかなり蓄積されていきます。勘が鋭くなると言いますか、ユーザーとは違った視点で、もっとこうした方がよくなるはずだって、直感的にわかるようになってくる。そうして出てきたアイデアを、企画に反映させる。仕様が決まったら、あとは品質管理に全力を尽くせばいいんです」。
  豊富な経験に裏打ちされた確かなノウハウと地道な努力で、他社に比べて“断然イイ”製品を生み出すのがホーケン流。それではさっそく、同社きっての売れ筋商品を3シリーズご紹介しよう。
  まず初めは、牛床革手 合せ縫い(型番:HA-86)。牛や豚の皮の、一番表面にあるツルツルした『表革』の下にあるのが、『床革』と呼ばれる層。1mm以上の厚みがあって丈夫だから、ハードな仕事に向いている。建設現場などで使われる手袋によく使用される素材だ。このアイテムの特徴は、その名称にもなっている『合わせ縫い』にある。「通常は、2枚の革をつまんで縫い合わせ、縫いしろとなった部分は、内側に織り込まれます。この縫いしろが、ゴロゴロして痛い、という声をよく聞いていたんですよ。それで、革を2枚突き合わせて、その合わせ目をロールするように縫っていったのがこの製品です。ほら、縫いしろのゴロつきが全くありません(写真参照)。特に指先に固い革の縫いしろが当たらないので、ビスを持ったりネジを回したりするような細かい作業をするときにも使いやすい。今までのように手袋を脱がなくてすむと好評なんです」。
  床革を縫い合わせている糸は、通常よりも強度のある化学繊維を使っている。当初心配された、糸が表に出ることによる不具合なども全くないようだ。「発売から2年くらい経ちますが、リピーターがすごく多いんです。この手のものは、まずは使ってみないとその良さが分からない。最初によく説明して、納得して買っていただければ、あとはお客さまのほうから指名してくれるようになる。時間とともに、これからもどんどんファンが増えていくと思いますよ」と、自信たっぷりだ。
  次に取り上げたいのが、牛床革手 オイル背縫い(型番:QC-460)と、オイルマジック(型番:QC-410)の2品。「類似の商品は他メーカーさんからもたくさん出ています。だからまず、関東圏のワークショップを徹底的にリサーチして、このグレードのオイル加工品は、どれくらいの価格帯で出せばいいのかを調べました」。
  競争が激しいジャンルだからこそ、クオリティーと価格のバランスを重視したというわけだ。「一つ前のモデルも、長い間、お得意先に親しんでもらってたんですけど、不景気になってきて、皆さんが価格にシビアになってきた。そこで、ワンランク安い価格のもので、品質をできるだけ維持したものを出すことにしたんです」。
  安さの秘密は、徹底した工場開拓。足しげく海外の工場を訪ねては、ホーケンの希望に合うものを作れるところを探し出したという。「諦めて品質を落とすのではなく、その品質で作れるところを探し抜きました。それが今日のお客さまの評価につながっているのだと思います」。こちらも発売から2年ほど経つが、大人気だった一世代前のモデル(プロ革手)をしのぐ勢いでシェアを伸ばしているという。
  まだまだ魅力的な商品は山のようにあるが、スペースの関係で、あと一つだけ。ぜひ紹介しておきたいのが、清掃用ニトロン(型番:870)だ。「これは、東京都内の清掃局の方の意見を取り入れながら作ったものなんです。清掃作業はスピード勝負。パッカー車にゴミ袋を掴んで投げ入れるのに、この袋のどこを掴んだらいいかな、なんて考える余裕なんてありませんよね。だからゴミ袋に入っている串とか尖ったものとかが、袋を掴んだ拍子に手に突き刺さることがある。それをどうにかできないかって」。
  表面は、通常のゴムよりも強靭なニトリルゴム製。消耗しやすい指先と指又の部分は二重になっている。裏は綿なので、着け心地はサラリと快適だ。色はパッと目を引く、鮮やかな黄色。パッカー車の運転手は、積み込み作業する人の身振り手振りを見て車を移動させる。だから作業者の手の動きをハッキリと認識できるようにとの要望を取り入れた。「都内でも、比較的、規模の大きい清掃局で採用されたのも、お客さまの信頼につながっています。他県などで、自治体から委託された清掃業者のところに行って、23区内で使われていると言うと、一目置かれるんですよ(笑)」。
  確かな商品開発力と地道な品質管理で、作業用グローブメーカーのフロントランナーとしての地位を不動にしてきたホーケン。最後に、月刊まいど屋の読者にメッセージをお願いすると、「今まで以上にお客様のニーズをしっかり拾い上げながら、クオリティーももっともっと高めていきたい」との答えが返ってきた。優等生的であまり面白みのないコメントだが、それを本当に実行できるメーカーは実はそう多くない。そして商品ラインナップにこれほどたくさんの人気アイテムが並ぶメーカーはさらに少ない。教科書通りの製品作りを当たり前のように続けていけるところが、このメーカーの面白さなのだろう。以下に、鈴木課長が今回、月刊まいど屋読者のために厳選したイチオシ商品を紹介しよう。どの手袋を買おうか迷っていたら、ここから選べば間違いなしだ!
 
image_maidoya6
水落係長(左)と、鈴木課長
 

    

オイルなのに、こんなに安い!品質と価格に大満足のオイル革手シリーズ

徹底的に価格調査して、どこにも負けない品質と安値を実現!マジックテープとシャーリング付きで手にフィットする「QC-410」と、スポッと脱着でき、機械への巻き込まれが心配な現場でも活躍する「QC-460」。


汗をかいても、長時間使ってもベタベタしない!手袋内側に肌当たりのよい綿素材を使った内綿革手

手首のマジックテープで、ほどよく手にフィット。表はハードな作業にも対応できる床革仕様で、内側は吸湿性の良い綿メリヤス仕様。汗をかく夏場や、温度の高い現場で、サラリとした使い心地がうれしい!