【フォーク】医療現場にファッションを。image_maidoya3
私は看護師。ひとの健康や、ときには命を預かる仕事にとてもやりがいを感じてる。忙しい毎日で、別の仕事に就いた友人たちのようには自由な時間が持てないけど、充実してる。ドクターの補助の他、定期巡回に採血、点滴。ナースコールの対応に加えて食事や入浴の介助まで。いつでも体がいくつあったって、足りゃしない。ナースのお仕事って、ホントにハード。だから毎日着るユニフォームは使い勝手がよくて動きやすいものを選ぶ。戦場のような職場だから、見た目は二の次。とにかく、実用本位であればそれでいい。。。
  そんな看護婦A子さんの独白に心を打たれた読者の方、お許しいただきたい。上記は編集部のフィクションである。だが、そんな天使のような人物像は、あながちまいど屋だけが勝手に作り上げたってわけじゃない。それが証拠に、普段私たちが目にするナース服は、機能性を目いっぱい考えて作られたものばかり。白衣メーカーはどこもA子さんをターゲットにしてウェアの性能を競い合っている。
  業界の誰もが盲目的に信じていたもっともらしい神話のヒロイン。そんなA子さんのフィクションに果敢に異議を唱えて注目を集めているのが、今回ご紹介するフォークのメディカルウェア・コレクション、「FOLK」だ。ファッションとは無縁だった医療現場の世界に持ち込まれたとびきりのモード性。ときにはウエストを軽くシェイプさせて女性としての魅力を引き立てたり、またあるときは、フェミニンな甘い香りでかわいらしさを演出したり。オフィスウェアの分野でフォークが長年培ってきたワザの数々をそのまま受け継いだ医療白衣は、発表後、これまでのウェアに飽き足りなかったナースたちから瞬く間に支持を得た。A子さんだって、友人たちと同じようにおしゃれに敏感な普通の女性。そして、それを証明して見せたFOLKの白衣たち。今回の取材でその魅力を詳しくお伝えしようと思う。
 

フォーク
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鮮やかな色展開と小花の裏地が女心にジャストミート!
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2013年のカタログは、色と花柄のバリエが豊富
「フォークの医療用白衣といえば、『ソワンクレエ』では?」そう思った読者の皆さん、正解!従来、フォークが医療現場で使う白衣として展開してきたのは「ソワンクレエ」、フランス語でズバリ「看護」を表す名のブランドだった。
  「実は、今年の1月から、ブランド名をソワンクレエからFOLKに変えたんですよ」。そう語るのは、今回の取材に応じてくれたフォーク東京支店の三牧弘和営業課長と、本社営業部の児玉朱音さん。改名の理由を伺うと、「社名をそのままブランド名にすることで、もっと認知度を高めようというのが狙いです。10年後、20年後を見据え、より当社のことをお客様に知っていただくには、ブランド名=社名のほうがいいだろうという考えのもと、『FOLK』としました」。
  フォークが医療用白衣を手掛けるようになってから今年で11年目。自社のオリジナルブランドを展開する一方、2007年にはワコールとの共同開発も開始。仕様や機能を充実させ、ファンを増やしてきた。さらには、ウィルコムやピンクリボン、国境なき医師団などとコラボするなど、斬新な試みで新しい付加価値を加えた商品を提案している。「後発組だからこそ、機能もデザインも、他社に負けない良いものを作りたいし、新しい価値を生み出して現場の方にモチベーション高めていただきたいと思っています」。既存の考え方にとらわれず、現場が求めることをどんどん取り入れる。異端のレッテルを恐れずに進めば、いつかそれが正統になる。常にチャレンジし続けるというコンセプトのもと商品開発がなされてきたのが『FOLK』というわけだ。
  そんなフォークが、今、もっとも力をいれているのは「色・柄」に着目したシリーズ。最新のカタログをめくってみると、「医療用=白」の先入観をくつがえす色鮮やかなウエア群が目に飛び込んでくる。取材を進めていくと、フォークのカラー展開には、大きく二通りの方向性があることが分かってきた。
  まず一つ目が、PANTONE(パントーン)が提供している、世界的なスタンダードカラーを取り入れた、ビビッドな色使いのシリーズ。「これは他社にはない、うちの強みなんですが、カラフルなスクラブやパンツなどのアイテムが豊富にそろっているんです。こういったカラー系のウェアは、ここ2~3年、急速に出回るようになりましたね。『コードブルー』っていうドラマの影響で、青い色のスクラブなんかは、特によく出ていますよ。毎日違うカラーを着たり、上下の色の組み合わせを変えたりして、色の変化を楽しむこともできます」。
  ちなみに、スクラブとは、半袖で衿がVネックになっているTシャツ型の上衣。最近はウェアの形も、いわゆる「白衣の診察着」タイプから、スクラブとパンツの組み合わせが好まれるようになってきた。ドラマなどの影響もあるが、いわゆる「白衣」からのシフトが進んでいるのには、もう一つ別の理由があるという。「白にはどうしても“威圧感”がありますよね。ある大学で、患者さんを対象にしたアンケート調査を行った結果、白には“責任感、信頼感”などの肯定的なイメージの一方、威圧感や『何かされる』という緊張感があることが分かりました。その一方で、花柄とか、ちょっと色のついたものには、明るさや柔らかさが感じられています」。
  そこで二つ目の方向性としてフォークが注力しているのが、パステル調の花柄模様を生かしたシリーズだ。花柄には、患者に「安らぎ」「思いやり」「癒やし」を与え、不安や緊張を和らげる効果が期待できる。またアンケートでは、9割に近い人が“看護服は魅力ある病院づくりの大切な要素である”と答えていることから、「これからはウェア選びの基準を、従来の『看護師視点』から『患者さん視点』に変えていくことが大切になっていくと思います」と、三牧課長は語る。
  人とのコミュニケーションツールとしてのウェア作り。見られることを前提とした、好感度の高いデザイン性。それはオフィスウェア作りで長年経験を積んできたフォークがもっとも得意とするところ。だが、試作を重ね、着心地を試し、実際にアイデアが形になっていくまで、商品開発には最低1年、長くて2年以上がかかると営業担当の児玉さんは説明する。「実際、私が着て、着心地を確かめたりもするんですよ」。そうしてできあがった商品は、病院で実際に働く人たちに試着を繰り返してもらい、現場の業務と雰囲気にもっとも適したものを選んでもらう。実際に現場で着ている看護師たちからは、「今までの白い白衣よりも、院内が明るくなった」「自分の気持ちまで明るくなった」「着用感もラクで動きやすい」という声が届いている。大手の医療機関でも、積極的に花柄やカラーのスクラブに切り替えるところが増えてきているそうだ。
  看護師A子さんの着るウェアが、彼女の気分だけでなく、病院の雰囲気、ひいては患者さん方の気持ちまで変えてしまうというのなら、ウェア選びは気が抜けない。病院スタッフが着るウェアの「色・柄・デザイン」で、病気の治りが早くなることだってありえるというのなら、それは医療行為と同じように重要な意味を持つ。紙面の関係上、紹介しきれなかった機能や仕様については、以下でじっくりと紹介する。なんとなく沈んだ雰囲気の院内をガラッと変えたい、そう思っている関係者の方は、是非、読んでみてほしい。
 
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東京支店の三牧課長(右)と、本社営業部の児玉さん
 

    

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