【バートル】カリスマが語るオリジナルの凄味image_maidoya3
バートルのウェアには哲学がある。大げさに言っているつもりはない。彼らの作る服を目にするたびに、確かに他とは違う何かを感じるのだ。バートルをまねた、いわゆる今風の、シャレたデザインのウェアはあまたある。中にはかなりいい線まで行ってるなと思う商品もないことはない。だが、表面だけをなぞってみても、所詮は出来のいい二番手だ。ゴンペルツ曲線がどこまで行っても漸近線を超えることがないように、それらは決してバートルになることはない。注意深く観察しなければきっと見落としてしまうような何か、しかし決定的に、致命的に重要な何かが欠落しているからだ。
  誤解のないように断っておくが、まいど屋は追随者たちに落ち度があると言っているわけではない。その何かとは、結局、いくら努力したって身に付かないものなのだ。単刀直入に言えば、バートルをバートルたらしめているものは、オリジナルのバートルにしかない、バートルのソウルそのものだ。その辺をわかっていない、いや、わかろうとしないひとたちは、おかしいな、なんでバートルばかりに人気が集まるんだろうと首をひねる。そればかりか、これだけバートルもどきがマーケットにあふれれば、そのうち本家のバートルも失速するさなどとワケ知り顔で自分を慰める。
  バートル。もう何度目の取材だろう。並みのメーカーなら、ある程度取材を重ねればいい加減に書くこともなくなってレポートがしんどくなってくるのだが、このブランドに関しては全くそれが当てはまらない。バートルがクロカメと呼ばれていたころからの長い付き合いになるが、新商品を楽しみにしていて期待を裏切られたことは一度もない。読者の皆さんだって感じることはきっと同じだろう。
  さあ、またこの季節がやってきた。いつものように、バートルを率いる大崎専務に、彼らの目指している世界を存分に語ってもらおう。今回の取材は皆さんお待ちかね、バートルだ。
 

バートル
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ライダーズ『5501』、カラーはオススメのマーベリック
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シンプルで素材にこだわったスタッフジャケット『3170』
大崎専務のインタビューについて書き起こす前に、まずは昨今の作業服メーカー営業事情について少し。彼とオフレコ的に雑談したことなのだが、バートルの考え方を端的に表していると思える話なので、敢えてここに再現してみたい。
  「販売数量を伸ばすより、もっと大事なのはオリジナルであることだ」。どんな話の流れで出た言葉かは忘れてしまったが、専務は確かそんな風に断言した。「そりゃ、もちろん売り上げは大事です。ウチだってそれは真剣に考えてる。でも、オリジナルじゃなきゃ、そもそもこの仕事をする意味がないんじゃないかな」。軽い調子で言った割に、目は真剣だった。
  「専務の言うとおり、そうかもしれないですね。他メーカーさんの営業トークでよくあるのが、バートルの○○○の対抗バージョンを作ってみた。もしくは、バートルよりもお手頃価格で作った。バートルで売れている色だから売れるんじゃないか。みなさん、けっこうバートルさんを意識されているみたいですよ。それでもやっぱりバートルさんの人気が圧倒的ですけど」。
  「まあ、それは他社さんのことだからね。いろいろお考えがあってのことなんでしょう。ウチがあれこれいうつもりはありません。真剣に企画をした結果が、たまたまウチと似たようなデザインになったのかもしれない。そしてウチだって、知らないうちにどこかと似た商品を出しているのかもしれない。でも、少なくとも、ウチが出した商品は、自分たちの頭で必死に考えて作り出した作品です。だから自信を持って、ウチの商品は全てオリジナルだと言える」。大崎専務は、さらに続ける。「テイストが似た他メーカーの商品がたくさん出てきているにもかかわらず、お客さまがウチを指名してくれるのは、ブランディングがうまくいっているのも大きいと思います。2011年に社名をバートルに変更しましたよね。それまでも品質、デザインともにそれなりに良い商品を出していたけれど、社名とブランド名を統一したのが功を奏して、年を追うごとに認知度が上がってきた。バートルのマーク自体に訴求力が出てきた。このマークがついている商品はカッコいいんだって一般のお客さまに思ってもらえるようになってきた。そして価格的にも買いやすい・・・ってね」。
  専務が言うとおり、この4年で自他ともに認める作業服業界の最強ブランドとなったバートル。だが、ユーザーの期待もあり、業界をリードするメーカーとしての誇りもあり、新商品のハードルは年々上がってきているようだ。そんな状況で、大げさに言えば、誰もが固唾をのんで見守る中、まさに千両役者が花道を出てくるように登場した今期の新商品。それではさっそく専務に解説してもらおう。「『5501』はバートルが提案する新たなライダーズです。綿100%の国産チノクロス。製品洗いでヴィンテージ感を出している。ジャケットと長袖シャツは胸デザインが同じものが多いが、これはそれぞれ違うので両方とも欲しくなる(笑)」。
  同じ綿100%のライダーズでも『5201』シリーズがヴィンテージサテンでゴツイのに対し、『5501』シリーズはグッと軽め。シルエットでは、特にカーゴパンツにこだわりが見える。「現場男子には、筋肉でお尻や太モモまわりが太くなっている方が多い。そういったガッシリした体型でもできるだけ美脚シルエットになるよう、太いけど細く見える新しい型紙を採用しています。また、レディースカーゴはよりオシャレに。上下とも、ここまでデザイン感のある現場女子用はなかったと思う」。
  ちなみに『5501』シリーズでは、トップスのS、SSサイズはレディース対応シルエット。カラーは男女ともネイビー、シルバー、カーキ、マーベリックの4色展開だ。「バートル的には、今秋の注目カラー『マーベリック』がおすすめ。マーベリックは防寒にもあるが、色味が違う。それと、ネイビーはこれまでより渋めを提案しています」。
  ハードワーキングではなく、サービス系のウェアにも注目のアイテムが登場している。続いての新商品は、爽やかでPOPな印象のスタッフジャケット『3170』。「普段使いできるジャケットをスタッフブルゾンにしてみたらどうか、という発想で作った商品。女のコが着てカワイイと思うデザインを意識し、できるだけシンプルにしてファスナーのカラーだけで遊んでみた。それから素材にもこだわって、撥水性、透湿性に優れたユニチカの『タフレックス高密度織物素材』を使ったんです。だから現場使い的な実用性だって文句のないレベルに仕上がっている。また、この素材には制電糸も入っているので、例えばガソリンスタンドに必須のJIS T-8118にも適合しています」。
  袖の機能ポケットは意匠登録していて、デザイン的にもいい味付けに。フロントファスナーは下からも開閉できる2WAYタイプで、下を少し開ければ、お腹まわりが突っ張ることなくラクに動ける。「S、SSサイズがあるので今流行りのDIY女子にもオススメ。こういったタイプはスポーツ店やカジュアルショップにもあるけれど、機能ポケットがないですよね。コレがあるからワークにもユニフォームにもDIYにも使えるし、ユニフォーム的な雰囲気が残っている分、塗料で汚れても似合うと思う」。カラーは6色。一番人気はブルーだそうだ。
  さて、最後はコンプレッションの新作を2つ。ベーシックタイプは各メーカー出尽くした感があるので、「より防寒性を高めて、どこにもない付加価値を提案していく」というスタンスで企画したという。
  1つめは極寒仕様の『4034』。メガホットというだけあって、接触温感の肉厚裏起毛素材を使用しているが、圧迫感のないストレッチで非常に着やすい。「フリースのようにボリューム感のある裏起毛です。吸汗速乾で消臭・制電テープ付き。肉厚でも縫い目がフラットになる縫製なので、ゴロツキ感がなく、肌当たりがいい。1枚でも着られるように、袖にマルチポケット、袖と脇には反射材を付けている。カラーは3色で、おすすめはカモフラホワイト。ワントーンのカモフラは今年のトレンドです」。
  2つめの『4035』は、レギュラータイプの『4012』より少し肉厚感があってより暖かく、ネック丈が長いのが特徴。こちらも吸汗速乾で消臭・制電テープ付き。縫い目がゴロつかないフラットロックシーム縫製は先ほどと同様だ。「コンプレッションにネックウォーマーが付いた感じ。タートルのように折り返さず、立てたまま自然なクシャ感を出すのがバートル風かな。アウターとしても着られるように袖にはポケットを付けました。チャコールブラック、ミドルグレーは早くも品薄。ベーシックなブラックはまだまだあります」。
  ここまで何一つ資料を見ることなく、よどみなく商品を説明してくれた大崎専務。言葉の端々に、商品開発に深く関わっていることから生まれる自信があふれている。そして出来上がった商品に対する深い愛情も。新商品の出来栄えのよさもさることながら、そんな彼らの仕事に対する誇りにも改めて圧倒された今回の取材だった。編集部としては、各商品の細かなスペックよりも、むしろそんな旬のカリスマがもつ勢いのようなもの、ある種の雰囲気がこのレポートを通じて読者の皆さんにうまく伝わればいいと思っている。
  冒頭の命題に戻る。バートルをバートルたらしめているものは何か。読者の皆さんは大崎専務の言葉の中に、その秘密を見つけることができただろうか。明確には語られなかったが、あえて翻訳すれば、それは機能特性やら、素材特性やら、いわゆるカタログのスペック欄に明示できるような要素の卓越性からくるものではなく、私たちの感情面に訴えてくる何かのように思われる。そして、スペック的な数値に置き換えられない、ある意味で非論理的な文脈が大きく作用している分、私たちを捉えてしまうドライブの力も非常に強いように思われる。最強の戦闘機にロックオンされてしまった哀れなターゲットみたいに、私たちはバートルの世界観、言い換えれば彼らによって作り上げられ、魂を吹き込まれた価値観から容易に逃げ出せなくなってしまうのだ。月刊まいど屋編集部も、そしておそらくこのレポートを読み終えた読者の皆さんも。
 
 
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メガホットフィッテッド『4034』、カモフラホワイト
 

    

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綿のハードさにポリエステルのしなやかさをMIXした、日本製T/Cリップクロス素材の超人気ライダーズ。無駄のないスリムシルエットにスタンドカラーが自然なハード感を演出。ジャケットは右胸Phone収納ポケットや内ポケット、袖にペン差し。カーゴもPhone収納ポケット、ペン差し付き。レディースモデルも揃って現場女子をオシャレにサポート。制電ケア設計。カラー3色。