【住商モンブラン】病院を「元気の出る場所」にするためにimage_maidoya3
取材の旅を終え、地元・大阪に戻ってきた。さぁ家でゆっくり……と言いたいところだが、まだ訪問しておきたい会社がある。
   住商モンブラン――。この会社の名前を初めて聞いたのは、2018年1月号の「電話アンケート」が初めてだった。
  「へぇ、住友商事の子会社が白衣を作っているのか」
   と驚いたのを覚えている。
   それから2、3カ月経って図書館で本をあさっているとき、たまたま『なぜ、ユニフォームは、働く人を美しく魅せるのか』(長尾孝彦/ダイヤモンド社)を見つけた。住商モンブラン社長の著書である。
   この本の中で最も興味を惹かれたのは、「何十年も前に発売した白衣が、今でもカタログに載っている」というくだりだ。アパレルと似ているようでかなり違う。そんなユニフォーム事業の事情が印象深かった。
   そしてついに今回の取材である。あの住商モンブランをやっと訪問できると思うと胸が高まる。
   大阪一のオフィス街、淀屋橋。三井住友銀行をはじめ、住友グループの本社が立ち並ぶ「住友村」の中に、住商モンブランの入る住友ビルディング2号館があった。
 

住商モンブラン
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ローラ・アシュレイのナースウェアLW601-83
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アシックスの新カラー「シャインレッド」と吉倉さん
●ドラマ「ブラックペアン」に衣装協力
 
   出迎えてくれたのは商品企画室・課長の吉倉康二さん。長く食品工場や飲食店などのユニフォームを手がけ、2016年からはさらにメディカルも担当している。
   挨拶もほどほどに「住友グループに白衣の会社があるなんて」という冒頭にも書いた感想を述べると、吉倉さんはこう語ってくれた。
  「住友グループというと、すごい大手じゃないかと思うかもしれませんが、うちは白衣の業界では2番手、3番手くらいなんです。圧倒的シェアを持つナガイレーベンさんには、ドクターコートとか狭い分野で張り合ってもなかなか勝てない。そこで親会社(住友商事)の協力も得つつ、いろんなツールを使って幅広く白衣系のユニフォーム商品を展開している、という感じですね。知名度が高いとは言えない会社ですが、ユニフォームは手堅い商売ということもあり、近ごろは親会社からも注目されています」
   住友商事と言えば、金属や建設機械、インフラといった「いかにも大手商社」な分野だけでなく、食品や日用品、スーパー、ドラッグストア、メディアなど、生活に密着したジャンルにも強い会社。素材の調達から白衣が使われる現場まで、一貫した目でユニフォーム事業の戦略を考えられる、というわけだ。
   同社は、4月22日からTBS系列で放送されている医療ドラマ「ブラックペアン」にも衣装提供中。住商モンブランの看護衣やドクターコート姿を身につけた俳優・女優の姿を見ることができる。吉倉さんによると(※取材は放送前)、「手術しまくるドラマらしいです」とのこと。
   ブームになっているというのは大げさだが、ちょっとノッてる会社、くらいは言っていいだろう。
 
  ●「静」のアシュレイ、「動」のアシックス
 
   この「ブラックペアン」で、女優の葵わかなさんが着ているのが、同社の主力商品「ローラ・アシュレイ」のナース服(品番LW803-13)だ。
   ローラ・アシュレイは、イギリス生まれの女性ファッション・家庭用品のブランド。上品な花柄で知られており、世界中にファンがいる。
   住商モンブランでは2015年から同ブランド白衣の展開を始めた。ユーザーからの好評は予想以上という。
  「発売以来、毎年倍々のペースで売れています。ローラ・アシュレイの象徴と言える花柄が現場にマッチしたようです。ハードな医療現場にこそ花柄が持つ"癒し"のイメージが求める、というか。さらにヒットした要因としてはこのブランドが持つ『女性ウケの良さ』ですね。年配の女性はもちろん、若い人にも人気があって、とくに(看護)婦長さんへのウケが非常にいい。年配の患者さんからも『その服いいわね』と言われたり、老人福祉施設でのコミュニケーションのきっかけになったりもするそうです」
   病院は人が元気になる場所でなければダメ、というのが吉倉さんの持論である。年配女性をはじめ、幅広い年齢層から好感度バツグンのローラ・アシュレイは、メディカル分野にもってこいのブランドと言える。
   このローラ・アシュレイが「静」とするなら、一方で「動」に当たるブランドもある。アシックスとコラボした看護衣やシューズのシリーズだ。
   アシックスはスポーツウェアメーカーで唯一、スポーツ工学の研究所を持っており、人体の動きをサポートするウェアやシューズを開発している。その技術力を借りて、看護師や医師の仕事に特化したユニフォームを作ろう、というわけだ。
  「医療現場の人ってものすごく忙しくて、しかも重労働。女性の看護師でも患者さんを抱きかかえたりしなきゃならない。そんなハードな仕事をウェアの力で軽減できないか、というのがそもそものスタートです。アシックスの研究所なら、単に『動きやすくてラクな気がする』というのではなく、ウェアの効果を数値で計ることができる。『どれだけ動きやすくて疲労を軽減してくれるウェアか』というのが数値で検証できるんです。発売当初は、まだ普通の白衣という感じだったせいか、あまり売れなかったのですが、思い切ってスポーティー路線にグッと寄せてみると、どんどん売れるようになりました」
   なかでもヒットしているのが2017年発売の看護衣(品番「CHM354」)とのこと。2018年はニューカラーのシャインレッドが登場した。介護や訪問看護など、ウェアの機能性を重視する現場で大好評という。
 
  ●着るもので意識は変わる
 
   癒しのローラ・アシュレイ、機能性のアシックスという強力なシリーズがあるかと思えば、さらに同社には「最高のブランド」と位置付けるシリーズがある。「JUNKO KOSHINO」だ。
   同ブランドのドクターコート(品番JK191-11.JK111-11)の定価は3万円超。デザインはシンプルながら、確かに値段に見合うスペシャルな存在感を放っている。
   これはすごい……(でもどんな人が着るんだろう?)という顔を浮かべている筆者を見て、吉倉さんはしみじみ語りだした。
  「はっきり言って医師は着るものに無頓着だったりするわけですが、患者さんから見れば命を預ける人です。そう考えると、できれば心から信頼できる装いをしてほしいな、と。実際にコシノジュンコさんにお会いしたとき『着るもので意識が変わる。服にはそれだけの力がある。ユニフォームは大事だ』という話をうかがいました。本当に服にかける想いがすごい。そんな世界的デザイナーが考えたプレミアムなドクターコートがありますよ、というわけです」
   最高のブランドは値段も最高、というのが世の常ではあるものの、今後はやや価格を抑えたモデルも登場するという。
   2018年の秋口には、新ラインナップ「JUNKO uni」として初のナースウェアが発売予定。スタイリッシュさ、機能性といった看護衣に求められる条件をクリアしつつ、「JUNKO KOSHINO」ならではのデザイン性をプラスしている。予定する価格帯は6000~7000円程度と、かなり手が届きやすくなりそうだ。
   定番の白衣に加えて、ローラ・アシュレイ、アシックス、JUNKO KOSHINOといった持ち味の違うブランドたち。さらには「ミニオン」などのキャラクターもの、天然素材で染色したカラースクラブ「Onibegie(オニベジ)」といった"変化球"の商品まで、バリエーションは非常に豊かだ。
  「生地屋からスタートしているので、生地開発のノウハウもある。さまざまな選択肢を提案し、現場のモチベーションをアップできるウェアを作りたい」(吉倉さん)
   そんな熱い思いを抱きつつ、これからもメディカルの現場を支えていく。
 
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ナチュラルな色が魅力の「オニベジ」スクラブ
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携帯用白衣の「折り畳み」を実演

    

全女性の憧れ「ローラ・アシュレイ」がナースウェアに!医療の現場をエレガントにするナースウェア

看護師はもちろん、患者さんにも大好評の女性ウケ抜群ブランド「ローラ・アシュレイ」シリーズ。袖口や襟元に花柄をあしらい上品でフェミニンな雰囲気を演出。ウェアが持つ和やかでエレガントな雰囲気が医療の現場に癒しをふりまき、コミュニケーションも円滑に。ナースのモチベーションアップも間違いなし。患者もスタッフも元気にしてくれる"スペシャルな"ナースウェア。


カッコいいだけじゃない、この「動きやすさ」はまさに別格!アシックスのスポーツ技術を結集させた看護服

住商モンブランとアシックスがコラボしたスポーティー系ナースウェアに新色「シャインレッド」が登場。印象に残るアシンメトリーなデザイン。ストラップホールや脇下ベンチレーション、小物を探しやすい内ポケットなどの機能に加えて、スナップテープとジップアップで着脱もスムーズ。レディース6色、メンズ5色のラインナップで、部署やチームごとのカラー分けもばっちり決まる。