【山田辰】防寒ツナギの新たな可能性image_maidoya3
ツナギ服だって防寒タイプがある!真冬の現場の厳しさをよく知るツナギユーザーなら先刻承知。地ベタを這いまわる仕事だから、ジャンパータイプは使えない。昨今流行りの保温インナーでは心もとない。やっぱり、ツナギ服自体に保温性があって、体を温めてくれなくっちゃ。
  「暖かくって動きやすい」--素材とデザインをバランスよく組み合わせ、相反する要求を克服するのがメーカーの腕の見せ所。山田辰の防寒ツナギシリーズは保温性をしっかり確保しながら、専門メーカーならではの作業性や機能性も高水準を保つ。
  最新の防寒素材を使ったアイテムや、クラシカルなスタンダードタイプなど、奥行きの深い品揃えで寒さに凍えるツナギフリークたちの救世主となってきた山田辰。今回のインタビューでは、同社の大阪本社を訪ね、各商品の特徴とその実力についてお話を伺ってきた。

山田辰
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これが光電子を採用した防寒タイプのツナギ服。その暖かさは、直接体感したものにしか分からない。
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ウェアの内側には信頼のAUTO-BIロゴ。
山田辰にはさまざまなタイプの防寒ツナギがあるけれど、いったいどれがオススメなの?アイテムごとに、強みを発揮できる現場状況が分かれば、まいど屋のお客さまにも的確なアドバイスができるハズ。そんな漠然とした質問に丁寧に答えてくれたのは、生産管理部の島部さん。それぞれの商品の特徴については、本文の後にご紹介している商品特集欄に譲るが、島部さんによると、山田辰の防寒ツナギには、大きく分けて、3種類のタイプがあるという。「一般的なのは、裏地にアルミキルトを使って保温するタイプ。アルミは丈夫で柔らかく、魔法瓶の原理で体温を逃がさないので暖かいです。値段も安くできるので、作業服の防寒素材として最適なんです。A-700などがこのタイプです。見た目の暖かさにこだわる人には、ボア付きのA-300防寒ツナギ。ボア独特の肌触りを重視する人にも人気があります」。
  最後のタイプの話を始める前に、島部さんはいったん席を外し、一着のツナギを手に戻ってきた。光電子という素材を使い、体温の輻射による遠赤外線効果で体を温める防寒ツナギだという。「光電子は通常の綿に比べて段違いに暖かいので、薄手でも保温性に優れたウェアをつくることができるんです」。
  触れてみて、まず驚いたのはその薄さ。ダウンジャケットの半分ほどの厚さしかない。これで本当に暖かいのかという疑問も、実際に袖を通してみて吹き飛んだ。じんわりとやさしい暖かさが、少しずつ体を包み込む。この素材の実力は、タダモノではない!「今年で光電子を採用して4年目になります。商品の型番で言うと、まず810が光電子を採用したツナギです。防水・防寒性能を突き詰め、極寒地仕様で仕上げました。高い評判をいただいたのですが、作業中に着るには暑いという声もあったため、翌年発売した820では極寒地でなくても着られるように光電子と綿の配合を調整しました。防寒ツナギが使われる現場は、普通の整備工場の他に、土木・農作業や漁船など多肢にわたりますから、光電子を使ってまだまだ可能性を増やしていきたいですね」。そう語る島部さんの表情からは、この素材に惚れ込んだ山田辰の決意が読み取れる。
  防寒ツナギが好まれるのは、北海道や東北などの雪の多い地域というのが一般的な見方だが、月刊まいど屋編集部は、敢えて他の地域のお客さまに防寒ツナギをオススメしたい。なぜなら、寒冷地のユーザーだけに独占させておくのはもったいないほど、山田辰の防寒ツナギは性能と着心地が進化しているから。興味のある読者は、是非、一度試してみてほしい。
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丁寧に商品が仕上げられていく本社2階の工場。職人さんの技が積み重ねられていく様子に、つい見入ってしまう。
 

    

A-810

体温を遠赤エネルギーに変換する特殊繊維を採用した防寒ツナギ。耐水圧2000mmの防水仕様に、ムレを防ぐ透湿性能をプラス!


A-300

暖かさは折り紙付き!シンプルデザインが理屈を超えて身体を温める裏ボア仕様の防寒ツナギ。カーゴポケットは実用性大!