【福山ゴム】ラバーとメッシュの強力ミルフィーユimage_maidoya3
ガテンな仕事を生業としているなら、福山ゴムを知らない者はいないだろう。いや、福山ゴムでピンと来なくても、寅さんシリーズやキャプテンセーフティー、アローマックスシリーズといったら話が早いだろうか。または、街中の作業服店じゃ定番中の定番、あのイルカのロゴマークを見せたら、ああこのメーカーねって分かってもらえるだろうか。
  前回の取材でもチラリとお伝えしたが、福山ゴムはその名の通りゴム製品のエキスパート。主力製品は建設機械などの産業用から車輌部品、農機具部品などまで幅広い。皆さんが日頃当たり前のように使っているイルカ印のシューズは、実はそんな彼らが培ってきた匠のワザに支えられている。安くて何より品質がいい。福山のバックグラウンドを知る身とすれば、それはある意味当然のこと。全国の作業現場で愛用されていることだって、価格と品質にシビアなワーカーたちと接するまいど屋にしてみれば、当たり前の話。
  誰もが一度はお世話になったことのある有力ブランドが目白押しの福山ゴム。本当は全ての人気シリーズを詳しく取材したいところだが、今回の特集は梅雨対策がテーマ。インタビューに応じてくれた履物営業部の小林さんには、涙をのんでラバーブーツ系に絞り、解説をお願いすることにする。
 

福山ゴム
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強さの秘密は4層構造。カカト部は肉厚にしながら軽量化も図っている。
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シンプル&丈夫さで人気の親方寅さんシリーズ
「昔からある一般的な長靴は、裏生地のメリヤスと外皮の2層構造です。これに対し、ウチのは4層構造。内側から順に1)メリヤス、2)ラバー、3)ナイロンメッシュ、4)ラバーってね。だから、引き裂きに強く、破れにくい。履き方によっても違いますが、一般的な2層構造の長靴に比べて、3倍ぐらいの強度があるといっていいでしょう」。そう言うと小林さんは、「ほら、こんなふうにね」と、ゴム長を縦半分に切った断面見本を見せてくれた。ほほう、なるほど、なるほど。パッと見ただけでは気づきにくいが、目を凝らしてよ~く見ると、内側から布、ゴム、ナイロン繊維、ゴムがピッチリと重なり合っているのが分かる。まるで熟練のパティシエが丹精込めて作ったミルフィーユのように。
  この4層構造ラバーブーツ、ナイロンメッシュ入りで強さは申し分ないが、生産にとても手間がかかるという。製品を見ると分かるが、同じラバー素材でも、つま先、甲の切り替え、カカト、サイドソール、ソールと、部位ごとに厚さも表情も異なっている。これは、長靴の型にメリヤスを張り、そこに生ゴムの部材を、それぞれ必要な個所に一つ一つ手で貼り合わせて作っていくため。こうして手作業で成形した後、「加硫」(かりゅう)という工程を踏む。「加硫」とは読んで字のごとく、硫黄を混ぜ合わせて加熱することで、生ゴムが化学反応を起こし、強度と弾性を持つラバーに生まれ変わる。
  「ゴムはいいですよ。柔らかく、しなやかで弾力がある。触ってみると分かりますが、ビニール(PVC/ポリ塩化ビニル)のものは硬いでしょ。ビニール長靴は、金型に液を流し入れて一体成形するだけなので、価格を抑えられます。これに対し、ゴム長靴は手間がかかるので値段は高くなりますが、履き心地と強度は比べ物にならない。当社はそんなラバーブーツにこだわっているんです」。
  確かに、福山ゴムの製品の中には一部PVCの製品もあるが、そのほとんどがゴム長靴。あまりに種類が多くて、何から紹介していただこうか迷ってしまうほどだ。解説いただく商品を絞るため、やむなく「ワーカーたちに最も支持され、よく売れているものは?」と尋ねると、「これでしょ!」と、迷わず2つのシリーズを挙げてくれた。
  1つ目は、作業靴でもお馴染みのブランド、『親方寅さん』シリーズ。スッキリとしたブラックフェイスに、存在感ある黄色のマークが光るこのシリーズは、シンプルさと丈夫さがポイント。作業靴は既に20年以上もロングセラーを続けているが、長靴は10年ほど前から作り始めたという。「カラー化が進む中でも、昔からの黒い長靴がいいと言う人が意外に多く、根強い人気がありますね。ベーシックタイプ、カバー付、先芯入があり、価格帯はビニール(PVC)長靴の倍以上ですが、 “丈夫な長靴”として市場に定着しています」。
  メッシュ入り4層構造の強さと、ラバーならではのしなやかな履き心地。そして、飾らないその姿カタチはキリッとして美しく、ガテン系御用達の愛されアイテムになっているのもうなずける。
  もう1つの人気商品は、スマートな配色とデザインがカッコいい『ジョルディック』シリーズ。「通常の長靴として、カバー付きの『ジョルディックDX-2』が非常に評判がよかったんですね。それで、鉄先芯入り、土木作業用、重作業用とラインナップを広げました。もうしばらくしたら、そんなDX-2の後継商品『ジョルディックDX-41』がデビューします。この新商品は、履く人の体格が良くなってきたことと、ズボンを中に入れて履けるようにとの配慮から、DX-2より胴の部分をひとまわり太くして、丈も少し長くしています」。写真3を見ていただくと分かるが、実質的にはDX-2よりボリュームアップしているものの、縦に曲線を配したデザインによって、ぼってり感なく、スマートに見える。発売され次第、まいど屋のホームページにもアップするので、乞うご期待だ。
  以上2シリーズが実力で広く支持されているラバーブーツだが、この他にも作業長靴のメッシュ入り4層構造タイプには、軽さを追求した『カルサーエース』や、ショート丈の『Gレックス』など、履くひとのニーズや用途に合わせて開発した商品が多々ある。また、ガテン系とは少しばかり方向性が違うが、ガーデニング向きのショート丈ブーツや、花柄プリントのレディースブーツなど、華やかで楽しい商品も揃えている。これらの商品については、詳細をレポートの後の商品紹介ページに載せておくので、ぜひ目を通してもらえればと思う。
  最後に、小林さんから「これだけは言っておきたい」というコメントを預かったので紹介しよう。「営業でまわっていると、こんなに種類があっても、当社製品はまだまだ種類が少ないと言われます。今や型さえあれば製品化できるので、衣料メーカーやアウトドアメーカーなどが参入し、安価な長靴がやたらと出回っています。でも、履けば違いがハッキリ分かる。当社は安直なモノづくりをするつもりは絶対にありません。品質と履き心地の良さをないがしろにしたら、フクヤマはフクヤマでなくなっちゃう。価格だけをウリにするような商品は、他社に任せておけばいい。長靴を必要とするシーンで、いかにストレスなく快適に、安全に履いていただけるか。いかに長く愛用していただけるか。ウチはそれを追求しているんです。良い長靴は決して裏切りません。この取材を通して、まいど屋さんのお客さまに、わたちたちの想いがしっかりと伝わったらいいなと思います」。
 
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ジョルディックシリーズ新商品DX-41(左)と、DX-2(右)
 

    

耐久性よし!足入れ感よし!スベリにくさもさらによし!実用性の高さで選ばれ続ける人気の現場ブーツ

シンプルなブラックフェイスに黄色のワンポイント。作業靴でお馴染みの『親方寅さん』ブーツシリーズは、丈夫さがダンゼン違うメッシュ入り4層構造。ベーシックタイプ、砂・泥を防ぐカバー付き、先芯入り、3タイプ揃って現場ニーズにしっかり対応。


シャレたフェイスの裏に隠された実力を堪能せよ!ハイスペックと快適性、どちらも欲しいひとにオススメのラバーブーツ

メッシュ繊維入りで強度UP!砂や泥の侵入を防ぐカバー付き。普通の長靴としても大活躍のDX-2、鉄製先芯入りのセフティーDXは吸汗メリヤス裏で履き心地グッド!同じ先芯入りでもDX-8は、爽やかなダブルメッシュ裏&反射材付き。