【トーヨーセフティー】ありきたりじゃ、つまらない!image_maidoya3
新カタログが届いたわけではないのだが、久しぶりにトーヨーセフティーの特集をやろうと思う。新商品があるわけでもないのに特集するのは読者の皆さんに対して多少後ろめたい気がしないでもないが、今月はヘルメット特集をすると決めているので、背に腹は代えられない。何か強力な磁力のあるブランドをひとつ見つけ出して取材しないと、編集部として格好がつかないのだ。全国的に知名度があって、まいど屋のお客さまからも結構な数の注文があり、なおかつ商品ラインナップがレポート映えするバリエーションをもっていること。そう条件を絞り込んでいくと、残念ながら(と言っては失礼だが)、編集部はトーヨーセフティーの名前しか思い浮かばない。だから誰が何と文句を言おうと、今月号の特集ではトーヨーセフティーを取り上げることにする。
  そんなにムリするくらいなら、別にレポートしなくてもいいんじゃない?月刊まいど屋らしからぬ消極的な物言いに対し、そんな優しい言葉をかけてくれる読者の方もあるいはおられるかもしれない。だけど、そうは言っても、特集する対象のない特集はクリープを入れないコーヒーどころか、コーヒーの入っていないコーヒーのようなもので、月刊まいど屋としても誠に体裁が悪い。それに、よくよく考えてみれば、このブランドを取材したのはもうかれこれ5年以上前のことで、それ以来、月刊まいど屋でフォローすることを忘れていたのだから、読者の皆さんに未公開のネタは十分にたまっているはずだ。
  かなり不謹慎な動機であることは承知のうえ、今回だけは読者の皆さんに切にお願いしたい。どうか、まいど屋を助けると思って、トーヨーセフティーに付き合ってください。全員、文句ないですよね。ええと、挙手された方は見当たらないようです。はい、では異議なしと認めます。皆さん、本文に進んでください。頑張って取材して情報をたくさん仕入れてきたので、お時間をいただいてもきっと損はさせませんから。
 

トーヨーセフティー
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2013年金賞受賞のBLOOM(右2つ)とBLOOMⅡ(左2つ)
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超高性能の390シリーズはカラフルな全8色
兵庫県三木市に社屋・工場を構えるトーヨーセフティーは、その名のとおり、安全用品の製造を手掛けるメーカーである。今回、取材に応じてくれたのは、営業本部長の近藤廣幸さん。「ヘルメットをメインに、関連商品を含めて総合的に作っています。防塵メガネ、防塵マスク、安全帯、耳栓など、当社だけで作業に関するほとんどの保護具が揃う。これがトーヨーセフティーの強みです」。
  そう、確かにトーヨーセフティーは間違いのない定番ラインナップの厚みに定評がある、実直な安全保護具メーカーだ。だが、トーヨーブランドの真の面白みは、一風変わった、いわば傍流のようなアイテムにより強く現れていると思われる。他社がやらない、いや、やろうと思ったことすらないであろう商品も非常に多く、そこにユーザーは強く惹きつけられる。防災用折りたたみヘルメット『BLOOM(No.100)』などはそのいい例だ。普段はコンパクトに収納でき、イザという時はヒモを引くだけで頑丈なヘルメットに早変わりする文字通りの変わりダネ。しかもその機能性とデザイン性から2013年にグッドデザイン賞『金賞』の栄誉にも輝いたという実力派だ。こうした革新的な商品が開発できるのも、チャレンジ精神旺盛な企業風土があるから、と近藤本部長は話す。
  そんな同社が送り出すヘルメット、まずは、ひときわ目をひくカラーリングの『390』シリーズから紹介しよう。ビビッドカラーに透明素材がシャープさを添え、見た目は近未来的で見るからに個性的。トーヨーセフティーらしいセンスが印象に残るアイテムだ。「今、最も伸びている商品です。2013年に4色でスタートし、作業服の色との相性でコーディネートを楽しむ方が増えていることから、新たに赤、ピンク、ライム、紫を加え、他社にはないカラー展開にしました。特に赤は、昔は血の色だからと嫌われたものですが、今はそんなことを思う方もなく、ご要望が多いですよ」。
  『390』の人気の理由はカラーだけではない。「次世代の超高性能ヘルメット」と謳っているだけあって、機能性もハイレベル。特に暑さ・ムレ対策、ニオイ対策にはしっかりこだわっている。「前2つ、左右、後ろの計5ヶ所の通気孔によってヘルメット内に空気の流れを作る。ただ歩くだけで風が入ってきて換気できるんです。それと、内装は汗で臭くなるので、アゴひもは備長炭を練り込んだ素材、汗止めには抗菌防臭加工、ハンモックテープは光触媒加工と、トリプル対策で消臭・防臭を徹底しています。また、透明ひさしは特殊ハードコーティング加工で傷がつきにくいですし、紫外線も99.9%カットします」。
  この『390』シリーズの好評を得て、2014年にはシールド内蔵の『391』シリーズが登場。幅広の曇り止め加工付きシールドレンズが必要に応じて出し入れできるハイエンドタイプである。「シールドレンズのクオリティが高いのが自慢です。当社には防塵メガネで培った技術がありますからね。きちんとしていないレンズでは景色やモノが歪んで見えて気分が悪くなるけど、ウチのはちゃんとまっすぐ見える」。試しにヘルメットをかぶってみると、確かに、窓枠や蛍光灯が歪まずまっすぐ見える。意地悪な気持ちであえて端の方を見てみるが、問題なし。同様に透明ひさしも歪まないので、上を見るときの安全性が高まる。
  次に注目したい商品『170F-OT』は、頭の大きい方から小さい方までオールOKの3サイズ対応ヘルメット。このシリーズで揃えれば、型違いの特大ヘルメットを選ばなくても、社員全員が同型ヘルメットで統一できるから実用性がかなり高い。まいど屋でも多人数の会社単位でよく引き合いのあるアイテムだ。「当社のヘルメットの中で一番人気の『170F-OT』(スチロールライナー入り)でSとLを作って3サイズ展開にしました。小型Sサイズは51cm~57cm。特大Lサイズは56~65cm。同型で3サイズを揃えているのは当社だけ。最近は女性の方も増えていますし、Sサイズは子供用の防災ヘルメットにも使っていただけます」。カラーバリエーションは標準サイズが11色。小型Sサイズと特大Lサイズは各5色を用意している。
  以上、3シリーズの特徴的な例を示してトーヨーセフティーの個性派ぶりを解説してきたが、彼らは目に見えない部分、具体的にはヘルメットのかぶり心地にも強いこだわりを持って開発を行っているようだ。近藤さんはこう強調する。「ヘルメットのフィット感は内装(ハンモック)によって決まります。テープ内装のみ、プラスチック内装のみ、というメーカーさんが多い中、当社は、テープとプラスチックを併用し、二重仕様にすることで衝撃吸収力を高めながらフィット感を向上させています」。ハンモックと帽体との隙間を大きくすると衝撃吸収力が高まる半面、ハンモックが浅くなり、頭にちょい乗りになってかぶり心地が悪くなる。その加減が難しいらしいが、二重構造にすることで、安定したかぶり心地が実現できるのだそうだ。
  最後に蛇足ながら、まいど屋でも特に人気の高い、トーヨーセフティーブランドのヘルメット関連商品について近藤さんから一言。「そっち方面も得意分野です。ヘルメットに付けるペンホルダー、ゴーグルクリップ、ホイッスルホルダーなどのアクセサリー類は他社ヘルメットに合う商品も出しています。中でも10年ぐらい前に出した『汗取りデコパット』は大ヒット商品。今治タオルを使っているので品質が良く、付けるだけで当たりが柔らかくなるので冬でもよく出ます」。
  こんなふうに裾野の広い商品展開のノウハウから生み出されるトーヨーセフティーのヘルメット。けっこうニッチなポイントをズバッと突いていて、「こんなん欲しかったんだよね!」という、まさにカユイところに手が届く商品が目白押しだ。そういえばカユイところがあるなぁと思っていた読者の皆さんは、以下に並べた人気商品をぜひぜひチェックして、ドンピシャのヘルメットを見つけてくださいね。
 
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営業本部長の近藤さん
 

    

安全性とファッション性を同時にゲット!透明バイザーのキャッチーなデザイン性と多様な高機能が魅力の370シリーズ

視界をクリアに広げる長さ約50mmの透明ひさしには、キズが付きにくい特殊ハードコーティング加工を施し、紫外線も99.9%カット。帽体は帯電防止処理でホコリが付きにくいのもGOOD!雨の日でも雨が顔に垂れにくく、アクセサリーも付けやすい溝付きタイプ。カラーは帽体4色、ひさし3色。サイズ53~62cm。


これなら真夏の作業もムレ知らず!人気の370シリーズに通気孔をプラスした380シリーズ

通気孔付きで爽やかなかぶり心地。視界を広げる透明ひさしは、キズが付きにくい特殊ハードコーティング加工でクリアな視界をキープし、紫外線も99.9%カット。帽体は帯電防止処理でホコリが付きにくいのもウレシイ。ひさし長さ約50mm。カラーは帽体3色、ひさし3色。サイズ53~61cm。