【クロダルマ】貴方の”カスタム欲”に応えます!image_maidoya3
今月の特集で扱っているアレのことは、正確には「ファン付きウェア」という。「空調服」は(株)空調服の商品名だから「△△社の空調服はさぁ……」と言ったりするのは、じつはあまりよろしくないのである。とはいえ、ファン付きウェアの世間一般に通っている呼び名はどう考えても「空調服」だから、「空調服は空調服だけだろうが!」という指摘は、あまりにも社会通念とかけ離れていると言わざるを得ない……と鵺(ぬえ)のような説明をしているのは、次のひとことを書きたいからである――。クロダルマの空調服「エアセンサー」は3年目に突入。デバイスの完成度、ウェアのバリエーション、さらにカスタム性まで、一段とアップしました! よし、書けた。そう、クロダルマはウェアだけでなくファン、バッテリーまでを自社開発で商品展開する”インディペンデント系”空調服メーカー。デバイスメーカーとの協業によっていずれかの「陣営」に入るのではなく、ブランド「エアセンサー」を独自展開する道を選んでいる。

クロダルマ
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福山市のクロダルマ本社
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着せ替えカバーで印象が変わる
●デバイスの完成度アップ
 
  クロダルマは上下もの作業服をメインとするワークウェアメーカー。アイロン不要で洗濯して干しておくだけで形が整う「ミラクルケア」など、ハイテク素材の商品に定評がある。
 
  ファン付きウェア「エアセンサー」は2017年にスタート。今季で3年目に入った。すっかり夏用ウェアとして定着した感のあるエアセンサーだが、従来モデルと比べて大きな変化はあるのだろうか?
 
  「風量やバッテリー容量などに大きな変化はありませんが、今年はファンもバッテリーも全体的に完成度を高めました。見た目は変わっていないものの、羽根は強化することで壊れにくくなったし、バッテリーも何かトラブルがあったときに給電をストップするようになり、安全性もアップしています」(杉原剛志さん)
 
  デバイスの完成度アップはすばらしい。しかし、何かもっとこう、思わず声を上げるようなサプライズが欲しいと思ってしまうのは、取材者のわがままだろうか……。そんなことを考えていると、杉原さんが何やら赤い円盤状のパーツを取り出した。中心にはエアセンサーのロゴが浮かんでいる。こ、これは一体?
 
  「今シーズン、私たちがイチオシしている『着せ替えファンキャップ(KS-17)』です」
 
  着せ替え? リカちゃんじゃあるまいし、いったい何を? と戸惑っていると、杉原さんは「エアセンサー」のファンカバーをくるくる回して開け、赤いキャップに付け替えた。さらにそれをウェアに取り付けると……おお、腰上のメタリックレッドが際立つ"ギラギラ系"のウェアになったではないか!
 
  「最初は、みなさんノーマルの黒いキャップで満足だと思うんです。しかし、2年目、3年目ともなってくると、だんだん飽きてくる。ちょっとカスタムしたり気分によってカラーチェンジしてみたくなったりするわけですね。そんなとき、こういう『着せ替えカバー』があればいいんじゃないかと思って開発しました。ウェアの色と組み合わせでもかなり個性が出せるし、着て仕事に行くのが楽しみになりますよ」
 
  ●気分によってコーディネートも
 
  この商品は「クルマのカスタム」をヒントに開発したという。クルマ好きな人は、最初は買ったままの愛車に満足していても、徐々にホイールを変えたりシートを変えたりと”カスタム欲”が出てくる、と杉原さん。いわれてみれば、スマートフォンや加熱式タバコ「アイコス」など、愛用するモノにはだんだん自分の個性を投影したくなってくるものだ。
 
  「着せ替えカバー」は全6色。単なるカラー違いだけでなく、カーボン調のグレーやひび割れ状の柄の入ったホワイトなどもあって、なかなか芸が細かい。編集長は子供のころ遊んだ「ミニ四駆」を思い出した。タイヤを赤に変えたり、ボディを迷彩ペイントにしたりすることで「自分だけの1台」を作ったものだ。この着せ替えカバーにも同じように、男心をくすぐる何かがある。
 
  単純に飽きてきたから見た目の変化を求めるのもいいし、ほかの人とカブらないようにファンを目立つカラーに変えてみるのもいい。さらに「今日は白いブルゾンに赤ファンでビシッと決めよう!」とか「黒い服にゴールドファンもシブいかも」とか、想像しただけで楽しそうだ。
 
  このように見た目を変えるものに加えて、機能性のパーツ類も新登場している。
 
  高所用ファンキャップ(KS-20)は、ウェアからファンが外れたときに落下を防ぐベルトホール付き。合羽用ファンキャップ(KS-21)は上から雨具を着ても空気を取り入れられる。耐熱ファンキャップ(KS-22)は火花が飛んでもウェアの中に入りにくい特殊形状のキャップだ。さらに上に貼るだけのファン用フィルター(KS-19)もあり、状況に応じたオプション品を使うことで、さまざまな現場に対応できる。
 
  デザイン性に加えて機能性も。「エアセンサー」は多彩なファンキャップでユーザーの期待に応えていく。
 
  ●今年はベスト型で勝負!
 
  と、ここまで主にデバイスの中心に語ってきたが、じつは「エアセンサー」はウェアにも特徴がある。背中から首にかけてのカマボコ状の立体裁断、そして首の後ろで生地を肌から浮かせるメッシュ構造だ。これらの工夫によって、ファンを稼働させると背中から首の後ろに風がガンガン通り、この部分はちょうど「風洞」のような状態となる。
 
  この仕組みは長袖・ベスト型を問わずすべてのウェアに共通。杉原さんによると、他社ウェアにも同じように首の後ろを大きく開けて涼しさをアップさせる機能はあるというが「どうせみんな最大にするんだから、最初から大きく開けておいた方がいいと考えた」とのこと。このあたりの明快さも「エアセンサー」の持ち味と言えそうだ。
 
  さらに今シーズンの特色はベストの豊富さ。フード付き、スポーティーデザイン、カモフラ柄など、なんと5種類のベストがラインナップされている。
 
  「今年はもう”ベスト祭”ですよ! というのも去年、エアセンサー用の無地ベスト(26861)を出したら、展示会でも話題になって大ヒットになりまして、今年はベスト型で大攻勢をかけよう、というプランになったんです。2年目まではいかにもワークウェアな雰囲気でしたが、今シーズンはデザインやガラもカジュアル感を出していますよ」
 
  なかでもイチオシは「フード付きベスト(26864)」。フードは帽子の上からかぶれる大き目のもので、フチにはストレッチのテープを使用。キャップ上からかぶってつばに引っ掛けることができる。長袖のコンプレッションインナーや帽子と併用することで、気温だけでなく直射日光からも体を保護。右わき腹には草刈り機をぶら下げるベルトも付いており、建設現場に限らず、農業や造園など、屋外作業に幅広く活用できそうだ。
 
  「次のシーズンには、もっともっとおもしろい商品を用意しますよ。うわ、そこ来たか! と言われるようなものを、いま開発しているところです」
 
  そつのない商品より、話題性のある独特の商品を生み出したい――。そんな”インディペンデント魂”をビシビシ感じるのだった。
 
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エアセンサー独自の"吹き抜け"
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杉原剛志さん(右)と光野真之さん

    

真夏の高所作業も快適に♪ 「エアセンサー」のフルハーネス対応モデル

高所作業用のフルハーネスに対応した「エアセンサー」用ウェア。背中にはランヤード取出口、左右の胸にはハーネスフック、ファンは脱落防止の留め具付きと、とことん高所作業を考えた仕様。腕を上げても脇がつっぱらないリラックスカット、風の通りをよくする背中の立体加工など、機能面もハイスペック。


ファン付きウェアをカラーでオシャレに! 「エアセンサー」の無地タイプ

オーソドックスな見た目がうれしいブルゾンとカラーバリエーション豊富なベスト。ともにエアセンサー用。ポリエステル100%素材のため、ロスなく大量の風を上半身に送り込めるほか、背中から首にかけての立体造形でさらに涼感アップ。長袖タイプのみ収納式フード(サイドメッシュ)付き。