まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。ここのところ、ずっとテンションが上がりっぱなしです。いや、上がったというよりは、メーターの針が振り切れて元に戻らなくなったと言った方がいいかも。連日、どれだけ遅くまで残業しても、睡眠がほとんど取れなくても、もう何とも思わない。それどころか、今抱えている仕事だけでは物足りなくなってきました。もっとやれる。どんどんできる。頭がもうろうとしてきて、それが快感になってくる。へんな薬を飲んだわけでもないんだけど、もしかしたら超人になったのかもしれないです。機械の身体を持つ男。感情を失った永遠の命。自分は今、どこにいるのだろう。何をしているのだろう。わからなくなったままオートマチックに作業が進んでいっちゃう。まるで銀河鉄道999に出てくるアンドロメダの星に迷い込んだみたいに。
今、これほど忙しくしているのは、ぜーんぶあの忌まわしき値上げのせいです。そしてもちろん、まいど屋を愛する皆さんのせい。全国のまいどファンの皆さんからはメダルと感謝状をもらわなきゃいけません。想像してみてください。値上げと一口に言ったって、まいど屋には4万点以上のアイテムがあるんです。それが一斉に、雪崩を打ったように値上がりし始めるとどうなるか。長距離を走るジョガーにランナーズハイというものがあるとしたら、価格改定ハイというのだって間違いなくある。皆さんのご負担が少しでも減るようにと改定時期を引き延ばしたり、メーカーに対してあーでもない、こーでもないと価格交渉をしているうちにもう次の値上げ通知が来る。途中で何が何だかわからなくなってきます。メーカーに言われた通りに次々に値上しちゃえば、こんな苦労もしなくていいんだろうけど。いっそのこと、このまま値上げせず、ほったらかしにしたらいいのかな。皆さんきっと喜ぶだろうな。だけどまいど屋がつぶれちゃったりしたら、それはそれで多くのひとが悲しむだろうから、やっぱりこのまま機械の身体に徹して作業を続けた方がいいのかな。

月刊まいど屋は二度死ぬ
自分の記憶が正しければ、今月のテーマは鳶服特集のはず。なのにどうして号タイトルが月刊まいど屋は二度死ぬなのか。レポートを読んだら理解していただけると思いますが、そりゃ、過去数年間、編集部がある鳶服メーカーさんに何度も煮え湯を飲まされてきたからです。そんな奥歯に物が挟まったような言い方をせずにぶっちゃけてしまえば、それはもちろんレポートのトップバッターとして登場する某関東鳶。記憶によれば、彼らは少なくとも過去2回、それも連続で編集部を、そして読者の皆さんを欺いた。インタビューでは決まって今後に期待しろって言っておきながら、なんの音沙汰もなく我々に待ちぼうけを食らわせた。ファンの皆さんに対し、結果的に誤報を流すことになった月刊まいど屋は二度死んだんです。月刊まいど屋を殺した当の彼らに文句を言うこともなく、ただひっそりと、しかし確実に。
実を言うと、今回、最初は関東鳶さんのレポートタイトルに「関東鳶は二度死ぬ」ってつけてやろうと思ったんです。でも、それだとせっかく今度こそやる気を出したかもしれない彼らの心を折ってしまいそうなので、主語を「関東鳶」から「月刊まいど屋」に変えて号タイトルに格上げしました。こうすればほかの寅壱さんとか、村上被服さんにも責任が分散されて、関東鳶さんもきっと俺だけのせいじゃないよなと少しは安心できるでしょ。それに、よくよく考えれば、残りの2社だって多かれ少なかれ編集部に死ぬ思いをさせているという意味では同罪だし(ここで具体的なことに言及すると、今後本当に編集部が殺されかねないので、ここでは書くのを差し控えます)。
ともあれ、痛い目に遭い続けたまいど屋が、ジェームスボンドばりに決死の覚悟で3社に潜入した今回の特集。映画を見るように楽しんでいただければ幸いです。

タブレットの中のパラレルワールド
悲しいお知らせです。1年以上の歳月をかけて作り上げたまいど屋の次世代画面が、先日、ひっそりと姿を消しました。まいど屋のヘッダーにさり気なく配置されていた「ステキな画面」への入り口ボタンも消えてなくなりました。ディープなまいどファンの想像力を掻き立て、魂をスイングさせてくれたあの夢の国へのスイッチ、異界への入り口はもう私たちの住む世界には開かれていません。それは永遠に閉じられてしまった。
思い起こせば、おととしの夏、その新世界は私たちの前に突如現れました。まるで超新星爆発のように前触れもなく、まいど屋の画面の天空でいきなり輝きを放ち始めたんです。ひとはそれをステキな画面と呼びました。旧態然としたまいど屋の伝統的スタイルに飽きてしまった多くのひと達がそこに遊び、ショッピングを楽しみました。おそらく、きっとBGMにドボルザークの交響曲第九番を聞きながら。
ステキな画面を愛用されていた方は本当にすみません。まいど屋にとっても痛恨の極みです。でも、こうするより仕方なかったんです。まいど屋のスタッフたちは、最後までどうしてもあのステキな画面のスノッブな雰囲気になじめなかった。精一杯おしゃれをして、スタイリッシュな衣をまとってみたんだけど、何かしっくりしなかった。田舎の高校生が背伸びをしてコムデギャルソンの服を着るみたいに、どうにも尻のすわりが悪くて落ち着かない。慣れの問題だと思うんだけど、結局スタッフがほとんど使わなくなり、お客さまに対しても積極的にご紹介することがなくなっちゃった。まいど屋はやっぱり、昔ながらのコテコテな雰囲気の方が似合ってるみたい。悲しいけれど。
ともあれ、多くのひとに愛されたステキな画面はその短い一生を終えました。どうか安らかに。生前はあんまりかまってあげられずにごめんね。あっちの世界で、幸せになってね。いつかまいど屋が逝ったら、そのときは昔話に花を咲かせようね。その日がいつ来るのかはわからないけど。(編集部注:「あっちの世界」は実は、タブレット端末の中に存在しています。まいど屋だって大金持ちじゃないんだから、あれだけ手間暇かけて開発した新画面を簡単にゴミ箱に捨てるわけがないじゃない。確かにパソコン画面からは見えなくなりましたが、タブレット専用画面としてちゃんと生きながらえています。調子に乗って書き進んできたけど、話をどう決着つけるのかわからなくなってしまい、結局こうして編集部注という形で補っておきます。人騒がせしてごめんなさい。)

集中力を高めるには
皆さんにはルーチンな動作ってありますか?特に意味はないけどいつも決まった手順を踏んでいるようなこと。パンツは右足からはく。靴下を脱いだらにおいをかぐ。お茶は必ず口の中でブクブクうがいして飲み込んじゃう。そして月刊まいど屋は、必ずこのまいど通信から読み始める。隠したってわかります。ありますよね。
まいど屋で仕事をしていても、ルーチンな動作ってやっぱりあります。こうして文章を書く前には、まず外に出て煙草を吸います。そして戻ってきてうがいをする。デスクに座って耳栓をする。その上に工事現場用の防音イヤーマフをする。視界を暗くして画面に集中するためにサングラスをかける。それからソリティアをして気分を盛り上げる。イチローがバッターボックスでバットの先をぐるりと回してマウンドに向け、それから袖をまくるように、一連の手順をたんたんとこなしてからおもむろに原稿に向かうんです。
気分を落ち着けてやっと自分の世界に没頭し始めると、大抵、目の前に人影が映ります。いつの間にかデスクの前に誰かが立っていて、ゼスチャーで用件を伝えてくる。マジかよと舌打ちをしてサングラスを外し、イヤーマフと耳栓を取る。途中で邪魔されるとまた一から始めなきゃいけない。外に出て煙草を吸って、うがいをして、ソリティアをやってたらまた誰かが来た。。。これじゃ、いつまでたっても仕事が始まらないです。ルーチンの話をここまで書くのに、もう5回もうがいをしました(飲み込みませんが)。頼むからもう邪魔しないでよ。本当にお願い。