まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。9月になりました。楽しかった夏休みも終わり、秋冬シーズンへの準備でいよいよ気合も充実してきた今日この頃。サマーシーズンも最終盤。この時期になると、夏モノ商品のフォローに加えて、秋冬モノのお問い合わせがどんどん増えてきます。もっと風通しのいい涼しいウェアはないの?冬場も乗り切れる厚地の服を探しているんだけど。まいど屋サポートセンターには真逆のリクエストが入り乱れるから、スタッフの季節感が少しずつ麻痺していってしまう。真夏のおでん屋さんのような不思議な季節。お客さまの立場に立って考えようと、真冬の現場を想像しながらお話したり、5分後にはうちわを仰いで夏を実感しながら、暑さ対策のアイテムを探してみたり。みんなそれぞれ工夫しながら、電話をくれたひとのテンションに合わせているようです。
夏をギリギリまで引っ張る現実派。カレンダーがめくれたら天候はどうあれ秋に気持ちが切り替わる規律重視派。読者の皆さんがどちらのタイプでも、まいど屋スタッフにお任せを!紅白の小林幸子並みの変わり身の早さで、華麗に皆さんをサポートします!

今月のテーマはヘルメット
かなり勇気のいる特集でした。企画を立てたのが6月ごろ。震災後にほとんど全てのヘルメット商品の調達ができなくなり、多くのお客さまに大変なご迷惑をおかけしてしまった記憶がまだ生々しかったころ。大混乱がどうにか収まりかけてはいたものの、これからどうやって正常化していくのか、見通しが全然たっていなかったころ。
企画を進めるべきか、もう少し様子を見るべきか。背中を押してくれたのは全国のお客さまから頂くたくさんのご注文と温かいご理解。注文を受けたヘルメットの納期が正確にお答えできないとお電話で連絡すると、ほとんどのお客さまが事情を分かってくれる。いいよ、いいよ、今、どこも大変だろうから。待っているから、入荷次第、送ってよ。。。
これだけ多くのお客さまがまいど屋が取り扱うヘルメットの復活を待っている。そんな人たちの期待に、何としてでも応えたい。ご注文をお受けしたら、以前のようにスムースに出荷できる姿をお見せしたい。9月頃には正常化してるはず。いや、してなきゃいけない。やるしかない。。。
あの時企画を通しておいて、やっぱり正解だった。取材を終えた今、心からそう思います。各メーカーに実際に足を運んで、以前とほとんど変わらないほど復活した工場の生産ラインを見て、お客さまに対する大きな責任を果たせたような気がします。これで安心して、胸を張ってヘルメット製品のご紹介ができる。いつも取材後に感じるささやかな達成感より、安堵感の方が大きかった、そんな特集でした。

レンタカー
お盆休みに海が見たくなり、レンタカーを借りました。ちょっと奮発して、スポーツカー。お休みの間、ずっと借りっぱなし。土日も返上して連日夜中まで頑張り続けた自分へのささやかなご褒美。。。
当日。前もって予約しておいたから、引き渡しはラクちんだよね。そう思っていたら大間違い。現れた係りの人が延々続ける注意と説明。卒業式の校長先生の祝辞以来の長い長い一方的な情熱。シートの調整はこのレバー、トランクはこのボタン、窓はこれ、ガソリンの種類は○○、ナビを動かすには、高速への近道は。。。。。
はい、はい、はい、はい、はあい。では、返却日にまたお会いしましょう。しっかり理解したつもりでしたが、実際一人になると、ほとんど何も頭に残っていない。もらった説明書も、細かい字でいろいろ書いてあるから読む気がしない。手当たり次第にボタンを押して、どうにかこうにか、動かせるようになるのにしばらく時間がかかりました。
お客さまへの説明は、シンプルに、もっとわかりやすく。説明なしで直感的に操作できれば理想的。ユーザーの立場に立ってみると、それがよくわかる。まいど屋の画面操作で分かりにくいところがあったら、どうか遠慮なく、ご連絡くださいね。また、コールセンターのスタッフの説明で、理解できないことがあったら、何度でも聞いてほしいです。説明を受けるひとは、わからなくって当たり前。そんなことを改めて考えながら、車を走らせたお盆休みでした。

みみせん
月刊まいど屋編集部の悩みの一つは平日の昼間にまとまった時間が取れないこと。集中したくても、ひっきりなしに横ヤリが入る。用事ができる。5分以上、ほっておいてもらえない。時間が細切れにされる。。。
自衛のために、耳栓を買いました。まいど屋で売ってる、工場向けの高性能なやつ。耳の軟骨がヒン曲がるほど強く奥まで押し込んで、騒音を断つ。ウソのように静寂に包まれる。自分の世界に入っていける。周囲にいる方々、耳栓、見えてるよね。邪魔してほしくないの、わかるよね。話しかけないでね。めでたし、めでたし。。。。ではないんです。
自分のデスクの向こうに、サポートセンターの狂騒がいやでも目に入ってくる。チャップリンの無声映画を見ているように、スタッフが動き回っている。気になって仕方ないから耳栓を少し緩めてみます。聞こえる、聞こえる、電話がジャンジャン鳴っている。△△さんからお電話ですよ。かすかな声が遠くから聞こえて耳栓を外します。やっぱりほっておいてもらえない。今度は目隠しでも買おうかな。

異常が正常になる異常
よく考えるとヘンです。何がおかしいって、天候のこと。観測史上最高の。記録的な。ニュースのアナウンサーが伝えるそんな枕ことばを聞いても、いつものことのようにしか感じない。数年前は異常に思えた天気も、もう慣れっこになってきたような。。。
まいど屋のある埼玉県も、先日、大変な豪雨に見舞われました。昼時、夕方のように空が真っ黒になったと思ったら、見たことがないような大量の雨粒が落ちてきた。いや、落ちてきたというより、高圧洗浄機で街を洗い流すような、猛烈な水が吹きつけてきた。
物流センター前の道路が冠水し、川になって通りを流れていきます。排水溝から、水が噴水のように噴き上げます。シャッターを下ろして、雨が収まるのを待ちました。入出荷のためのトラックが来ようが、ヤクルトのお姉さんが来ようが、1センチたりともドアを開けられない。宝くじ当選連絡の使者でも、大臣就任の依頼でもお断り。来なかったけど。。。
慣れは怖いです。あれだけの豪雨でも、まいど屋物流センターの出荷業務は中断もなく、淡々と進んでいきます。窓の外を見て、はしゃぐ人もいない。まいど屋から新鮮な気持ちが失われているとしたら、ちょっとマズい。よくよく考えると慣れは怖いです。お客さまから褒められたこと。お叱りを受けたこと。初めのうちは謙虚に受け止めていても、同じようなことが続くと、だんだん感度が鈍ってくる。毎日の忙しさの中で、お客さまとの対話がいつもと同じ流れ作業になっていないか。ほどほどの対応でお茶を濁していないか。雨があがって、泥が積もった道路を片付けながら、自戒を込めてそんなことを考えました。