まいど通信
まいど!まいど通信編集長の田中です。もうすぐ梅雨ですね。なんだかキャンディーズみたいな書き出しですが(古いなぁ)、今月のテーマがテーマですので、そう前フリをして今月号を始めないわけにはいきません。雨だからって家に引きこもっていても幸せは来ないから、ステキなレインスーツを着て出掛けませんか。そう言って読者の皆さんを無理やり梅雨モードに引っ張り込むしかありません。新聞によりますと、あ、これは懐かしいウイークエンダーみたいな言い方ですが(これも古いなぁ)、今年の梅雨は、猛暑の6月、ぐずつく7月だそう。かなり不快指数が高そうですから、ノーマルタイプのレインウェアを購入してしまうとじっとりムレたりして、まいど屋に対して八つ当たりにも似た怒りを覚える確率が高くなります。湿気と汗でかえって気持ち悪いじゃないか、こんな役立たずを売りつけやがってって。そんなこと言われても、それはまいど屋のせいじゃないんだけどって抗弁しても、そのときは頭に血が上っているでしょうから、きっと聞き入れてはもらえないはずです。だから今月号の真の目的は、皆さんにタイムリーな情報をお届けするっていうよりも、怒りのお電話を避けたいまいど屋の、やむにやまれぬ自衛策であると、あえてここで明言しておきます。皆さんにはちゃんと性能のいいカッパを買ってねって注意喚起をしたんだから、苦情がきても冷たくあしらっちゃう。だから言ったじゃない、月刊まいど屋を熟読しないのが悪いんです。何なら、泉ピン子さんを連れてきて、懐かしの再現フィルムで解説してもらいます。あ、若いひとには何のことかわからないですよね、きっと。
というわけで、今月のテーマは梅雨対策
晴耕雨読じゃないですよ。雨耕晴読。タイトルを見て、ははあ、まいど屋、難しい4字熟語を使って間違えたなって早合点した方、読みが甘いです。昔の人は晴れたら耕し、雨が降ったら読書をし、結構のんびり暮らしていたみたいだけど、そんな時代はとうに過ぎ去ってます。忙しい現代は雨が降ったって外で働く。で、晴れた日には雨対策を考えながら月刊まいど屋をゆっくり読む。これがまいどフリークを自認する皆さんの正しいライフスタイルです。いわゆるポリティカリー・コレクトな生活態度ってやつ。正しく身につけていないと非常識な人間だと思われますから、恥をかきたくなければ、皆さん、ちゃんとマスターしておくように。ところで、レポートの情報は役立ちました?うっとうしい梅雨の間、少しでも快適に仕事ができたらいいですね。それではがんばってお仕事してくださいね。
朝寝坊
一度あるサイクルにはまり込むと、なかなか抜け出せないことってありません?もがけばもがくほど、どんどん状況が悪化していっちゃうようなこと。そんなときは大抵、悪あがきをしたって効果がないです。そして、もうどうにでもなりやがれと達観したころになってようやく、あれほど絶望的に遠かった出口を抜けていたことに気付くんです。あれ、なんだか知らないけど元に戻ったみたい。もうすっかり諦めていたのに。こんなにあっけないほど、簡単なことだったんだっけ?やっぱりなるようになるまで、時が来るのを待つしかないのかも。神様がもうそろそろ許してやろうかと気まぐれを起こすのを辛抱強く待っているしかないのかも。
寝坊の話です。ちょっと前のことですが、ゴールデンウイーク明けにヒドイ寝坊グセがついちゃったんです。明日こそはって天に誓っても、朝、布団の中では完全に別人格になっちゃってる。非常ベル並みの最大ボリュームでセットしたはずの目覚ましだって、いつの間にか鳴りやんで止まってる。止めた覚えなんてまったくないのに。そこで次の日、立ち上がらなければスイッチに手が届かない、枕から遠い場所に目覚ましを置いても、目が覚めたときにはやっぱりしんと静まってる。謎です。絶対におかしいです。なぜ音が出ないのか、時計会社に電話してクレームをつけたいくらいです。あるいは自分の耳が朝になると聞こえなくなるのは、産んだ母親のせいだって実家に電話して文句を言いたいくらいです。とにかく悪いのは自分じゃなくて、世界のどこかが間違っているんです。そう言っても誰も信じてくれないんだけれど。
遅刻してオフィスに来ると、予想通り、仕事場は大変な状況になっています。もうどうにもならない。9時にやるべき仕事を10時に始めると、連鎖的に後の仕事も大混乱をきたします。10時の仕事が11時になり、11時が12時になり、JRのダイヤが一度乱れるとなかなか元に戻らないみたいに、混乱は夜まで続きます。そしてひとり焦っててんてこ舞いしている自分を、周囲は冷ややかに見ています。誰も助けちゃくれない。で、真夜中、クタクタに疲れ果てて家に帰ってそのまま布団にもぐりこむ前に、例の目覚ましを何度も確認します。現在時刻、正常。起床時刻セット。ボリューム最大、スイッチオン。そして翌朝、やっぱりぎょっとして目を覚まします。もう始業時間はとっくに過ぎちゃってる。確実に世界が間違ってます。時計会社と母ちゃんが悪いんです。そんな悪夢のような日が10日も続きました。
おねげえです
まいど屋はインターネットの通販会社なのですが、社内の雰囲気はかなりアナログです。静かなオフィスでデジタルな人間がお客さまのご注文を淡々と処理しているなんて思ったら大間違い。もし、読者の皆さんが一日、まいど屋のオフィスを見学したら、きっとびっくりしちゃいます。昭和の大衆酒場のように騒々しくて混沌としていて、これでよく日本全国からの無数のご注文に対応できるなって、きっと感心すると思います。自分たちでさえときどき信じられない気がするほどだから。
何がドタバタかって、本当にネット通販かと疑うほど、とにかく電話が多いんです。ジャパネットさんみたいに、スタッフの誰かがこっそりテレビで実演販売しているのかもしれないです。で、ひっきりなしに電話がかかってくる。オペレーターチームは朝の9時から対応を始めて、夜8時近くなってもまだ受話器に向かってしゃべっている。これって、実際にやってみると、けっこうタフです。慣れていないと夕方過ぎにはもうぐったりしてきます。好きじゃなきゃ、絶対に続かない。幸い、まいど屋にはMっ気のあるスタッフが集まっているので、何とかなっているのだけれど。
お客さまに真剣に対応していると、たまに愉快なことが起こります。愉快な話は文字にすると往々にしてちっとも面白くないことが多いんですが、読者の皆さんにも愉快な気分を味わってほしくてがんばって書いてみます。事件はある日の夕暮れに起こりました。彼女がその電話を取ったとき、たまたま何分間か凪のようにコールセンターの電話が鳴りやんでいたんです。ほかのスタッフは画面に向かってたまっていた仕事をかちゃかちゃと打ち込んでた。IT系らしい、つまりまいど屋らしくない、静かなオフィスの中に彼女の声だけが響いていました。丁寧な物腰で的確な対応ができ、お客さまからの評判も非常にいい彼女の声が。
お客さま、そういうお仕事でしたら、○○メーカーの△△なんかが大変評判がいいですよ。理由はかくかくしかじかです。あ、ありがとうございます。では、ご注文はこれこれでお間違いないですね。発送はいついつになります。合計金額は。。。いつものように、熟練したドライバーのシフトチェンジのようななめらかで的確な話ぶり。ちょっと離れた席にいると、まるで心地よいBGMのように聞こえます。BGMですから、話の内容まで意識して聞き耳を立てているわけではなかったんですが、多分、そんな会話だったんだろうと思います。ところが突然、彼女が話の途中で言ったその一言が実にリアルに、はっきりと輪郭をもって部屋中のスタッフの耳に届いたんです。おねげえします、と彼女は確かに言いました。前後の脈絡はわかりませんが、間違いなく確実におねげえですと。そこにいた全員が息をのみ、何が起こったのかと顔を上げたはずです。メトロポリタン美術館に週刊現代の袋とじが飾ってあるのを見つけてしまったみたいに、またはダライ・ラマが説教の最中に屁をこいたのを聞いちゃったみたいに、あまりに唐突で、ひどく生々しい「おねげえします」にみんな一瞬で固まった。それから一呼吸おいて、その場にいた一人ひとりが必死で声を殺して肩を震わせ始めた。まだ彼女はお客さまとやり取りしている最中だったので、さすがに声が出せないんです。ただ、部屋中に嗚咽のような笑い声が充満して、それがどんどん膨張していく。当の彼女も周りの反応にすぐに気づいて、それから自分自身も必死で笑いをこらえながらお客まさに対応し続ける。それが5分くらい続きました。今思い出しても、顔から汗が出るくらいおかしいのですが、ほら、やっぱり文字にするとあまり面白くなかったでしょう?まいど屋に見学に来て、実際にその場にいてくれなきゃダメですね。
物流の混乱についてお詫び
まいど屋に商品を運んできてくれるある運送会社さんの物流システム変更により、4月初めから多くの商品が一日遅れで入荷することが続いていました。まいど屋ではすべてのお客さまに最短納期でご連絡をしているので、予定通り商品が入ってこないとものすごく困るんです。そして、もちろん、まいど屋のスピーディーな対応に期待してくれていた多くのお客さまだって、まいど屋以上に困っていたと思います。納期が遅れてしまった多くのお客さまに、この場を借りて深くお詫び申し上げます。本当に済みませんでした。
今現在は、運送会社さんの営業所から毎日チャーター便を出してもらっていますので、なんとか混乱は収まってきています。まいど屋ではこれからも、皆さんに1日でも早く商品をお届けできるよう、最大限の努力を続けてまいります。今後とも、よろしくお願いいたします。