月刊まいど屋 --特集-- 2010年9月号[ベスト]1ページ

ユニフォームのことだけを考えている。そう言い切る、ベストの吉川社長。その言葉に嘘がないのは、同社が次々と繰り出すコレクションを見ればすぐわかる。ベストの特徴が色濃く出た独特のデザインやカラーリング。尽きることのないアイデアが商品としてリリースされていく。「お客さまの活動する現場や、ウェアに対するイメージはそれぞれ違います。ウェアに対する要望はそれこそ、お客さまの数だけある。お客さま全員に聞き取り調査をして商品を作ることはできませんから、自分たちでワークシーンをあれこれ想像し、そのシーンに合ったウェアをデザインするんです。イメージするシーンは具体的です。例えば、お台場のアクアシティーを清掃するスタッフにどんなウェアを着せたいか。スタッフは30歳くらいの女性チーム。派手に人目を引くようなデザインは避け、さりげなくセンスの良さをアピールできるような都会的なスタイリングが欲しい。仕事内容を考え、ポケットなどの位置や収納性にも気を配る。イメージが具体的であればあるほど、ウェアに力が生まれる。具体性が強すぎると商品の普遍性が損なわれるという考えは間違っています。イメージがないまま、最大公約数的に作った商品には魅力がでてこない」。
スモックをはじめとした女性用のワークウェアや、男女ペア対応のユニフォームの品揃えには特に力を入れていると語る吉川社長。そのワケを、彼はこう説明する。「ビルメンの仕事は、圧倒的に女性が中心。以前は、地味で目立たないスモック系のウェアが中心でした。作業をするための実用性が高ければよかった。今、時代とともに、お客さまの意識が変わって、ユニフォームがお客さまの企業イメージを表現する手段になってきた。自己表現の道具ですから、デザインやカラーに対するこだわりも相当強い。男女バラバラだったウェアにも統一感を持たせたいと思うようになる。ラインナップを厚くしていかなければ、対応できない」。
企業イメージという看板を背負うと、現場で働くスタッフの意識も変わってくると吉川社長は続ける。「仕事を真剣に考えると、今度はウェアの機能性や着心地の良さも重要になってくる。ポケットの収納力や体の動きを妨げないストレッチ性など、どんどん要望が出てきた。そこを一つひとつすくい取って、商品開発につなげています」。
作業中にたまたま横を通り過ぎるひとに好印象を与えるようなウェアを増やしていきたいと語る吉川社長。ベストの魅力を凝縮したラインナップの一端は、以下の商品紹介欄をチェックして確認してほしい。