ワークウェア好きはスペックに弱い。デザインやファッション性といったことは結局ピンとくるか来ないかで、個人の嗜好に過ぎないけれど、スペックは優劣がハッキリしているからだ。ましてや職人なら、その違いが致命的であることが即座に理解できるだろう。ちゃんとした工具を使った後に、100均の工具を見るとスパナやレンチに対する冒涜ではないかと感じるように。それにハイスペックな商品はユーザーを別世界に連れて行ってくれる。たとえば「耐水圧10000mm」「ハイテク透湿素材」などとうたっているウェアを着れば、それだけで自分が強化&バージョンアップされた気分になる。わざわざ豪雨のなか出かけていって「さすが〇〇〇だ、なんともないぜ!」とひとりごちたり、冬に新しいアウターを買って「このジャケットなら中はTシャツ一枚で余裕!」と豪語したりした経験は誰でもあるだろう。要するに、人はハイスペックで“無双”したいのである。さて今回、訪問したビッグボーンはそんな「スペック好き」にとってかなり魅力的なメーカー。「この防寒防水ジャケットは北海道の漁師に好評です」なんて言葉を聞くと血が騒ぐ人も多いのではないか。では、さっそくビッグボーンの重厚スペックな世界をのぞいてみよう。
ビッグボーン商事
福山市のビッグボーン商事本社
ブラックラダー(型番4890-1977)着用の杉田さん
●その名は「ブラックラダー」
福山市のビッグボーン商事本社で迎えてくれたのは、営業部の中村浩司さんと商事部の杉田明人さん。自社製の明るいユニフォームのおかげで若々しい雰囲気だ。
さっそくだが、なにはさておき防寒特集ならこのブランドについて語ってもらわねばなるまい。ビッグボーン商事が国内初展開しているスウェーデンのワークウェアブランド「BLAKLADER(ブラックラダー)」である。
スウェーデンといえば、国土の7分の1が北極圏内にあり、そこでは冬の2カ月は日が昇らないことでも知られる(夏のあいだ夜でも日が沈まなくなる「白夜」に対し「極夜」という)。ブラックラダーはそんな過酷な環境で生まれたワークウェアメーカーで、今やEU圏でもトップ5に入る大手。北極圏の厳しい自然で鍛えられたウェアなんだから、そりゃもう性能は折り紙付き、というわけである。ビッグボーン商事では、よくあるロゴだけのライセンス契約ではなくブラックラダーの商品をそのまま輸入販売している。つまり北欧スウェーデンのワーカーたちとまったく同じウェアを日本でまとうことができるのだ。
「ブラックラダーの商品のうち、日本市場でウケそうなものをピックアップして展開しています。こちらで選んだ商品は日本人モデルに着てもらい、その写真で販売用カタログを作る。単純によそから取り寄せて売ってるわけじゃないんです」(杉田さん)
そんなブラックラダー防寒アウターの代表として見せてくれたのは、
・防風防水ジャケット(型番4980-1977)
・防水防風ソフトシェルジャケット(型番4949-2517)
・防風ソフトシェルジャケット(型番4950-2516)
の3点。ひと目見ただけでもそこらのアウターとの格の違いを感じる。生地や縫製のクオリティの高さはもちろん、流行り廃りに影響されないデザイン性はまさに「ヘビーデューティー」を体現しているというか。あわわ、これ本気のヤツだよ、真冬の北極海を攻められる装備だよ……。
「ごらんの通り超ハイスペックで、そのぶん値も張る防寒アウターです。ユーザーは主に水産系で北国の人が多いですね。たしかにワークウェアとしては高価格だけれど、防水性や透湿性など、同程度の性能を持つアウトドア系のウェアよりは安いということで、乗り換えるお客さんも多い。また、機能だけでなくヨーロッパのメーカーらしいカッコよさも魅力ですね。あちらでは安全帯じゃなくフルハーネスがスタンダードですから、腰袋の代わりに工具などを入れる『ネイルポケット』が付いているのもデザイン的な特徴。欧州の高い安全意識がワークウェアの違いにも現れているんです」
むやみに欧米はスゴイと喧伝するつもりはないけれど、やはりヨーロッパのワークウェアはカッコいいと言わざるを得ない。しかもブラックラダーの場合はファッション性ではなく実用性が輝きの源泉となっている。これこそ「機能美」である。
●最高レベルの防水透湿
ビッグボーンのハイスペック路線はブラックラダーだけでない。主力商品の裏アルミシリーズ(型番8386・8385・8389・8382)も、高レベルの防寒性能を誇っている。真冬の建築現場から冷蔵庫内作業まで、日本全国で使われている人気モデルだ。
「よくあるアルミプリントではなく、国産アルミシートをメッシュ生地などと合わせてキルト加工で貼り合わせています。東レの透湿防水素材を使っているので軽くてしかも快適。中綿がなくても充分な保温効果があります」(中村さん)
カラーバリエーションは7色で上着のサイズ展開はSSから10Lまで。な、なんと13サイズだ!
「それだけ人気商品なんですよ。別注で大きなサイズを作ってくれないか、というユーザーさんの声がけっこうあったので『じゃあいっそ10Lまでサイズ展開しよう』と。正直、こんな大きいの誰が着るんだろう……と思ったりしたんですけど、売れるんですよコレが。体格のいい外国人はもちろん、平均的な相撲取りでも7LくらいでOK。10Lなら200kg超の力士でも大丈夫ですよ」(同)
好奇心から10Lを羽織らせてもらった。当然、裾は床につくし、いくら腕をまくっても手が出てこない。ウチにある掛け布団より大きくて、もはや上着だと認識できないほどだ。
続いて紹介してくれたのが「BM785シリーズ」のアウター。スペックは「耐水圧1万mm/H2o」「透湿度1万g/㎡/24h」と超ハイレベル。防水・透湿・防寒アウターの真打である。耐水圧1万は登山にも使えるレベル。ここまでくるとさすがにオーバースペックなんじゃ……と思いつつも胸が躍る自分がいる。
「ここまでくるともう寒冷地モデルですね。主に北海道の水産や土木の現場で使われています。サイズもSSから6Lまであって、カラーも去年マゼンタも登場して全6色になりました。これからの主力にという期待を込めている商品です。とくに北国のお客さんはやっぱりスペックを見てますから」
防水性ではさらに上のモデルもあるので、スペック好きの皆さんは、ぜひカタログをめくってみてほしい。
「つまり、防寒といえばビッグボーンなんですよ」。中村さんの言葉が強烈な説得力をもって耳に残った。
福山市のビッグボーン商事本社で迎えてくれたのは、営業部の中村浩司さんと商事部の杉田明人さん。自社製の明るいユニフォームのおかげで若々しい雰囲気だ。
さっそくだが、なにはさておき防寒特集ならこのブランドについて語ってもらわねばなるまい。ビッグボーン商事が国内初展開しているスウェーデンのワークウェアブランド「BLAKLADER(ブラックラダー)」である。
スウェーデンといえば、国土の7分の1が北極圏内にあり、そこでは冬の2カ月は日が昇らないことでも知られる(夏のあいだ夜でも日が沈まなくなる「白夜」に対し「極夜」という)。ブラックラダーはそんな過酷な環境で生まれたワークウェアメーカーで、今やEU圏でもトップ5に入る大手。北極圏の厳しい自然で鍛えられたウェアなんだから、そりゃもう性能は折り紙付き、というわけである。ビッグボーン商事では、よくあるロゴだけのライセンス契約ではなくブラックラダーの商品をそのまま輸入販売している。つまり北欧スウェーデンのワーカーたちとまったく同じウェアを日本でまとうことができるのだ。
「ブラックラダーの商品のうち、日本市場でウケそうなものをピックアップして展開しています。こちらで選んだ商品は日本人モデルに着てもらい、その写真で販売用カタログを作る。単純によそから取り寄せて売ってるわけじゃないんです」(杉田さん)
そんなブラックラダー防寒アウターの代表として見せてくれたのは、
・防風防水ジャケット(型番4980-1977)
・防水防風ソフトシェルジャケット(型番4949-2517)
・防風ソフトシェルジャケット(型番4950-2516)
の3点。ひと目見ただけでもそこらのアウターとの格の違いを感じる。生地や縫製のクオリティの高さはもちろん、流行り廃りに影響されないデザイン性はまさに「ヘビーデューティー」を体現しているというか。あわわ、これ本気のヤツだよ、真冬の北極海を攻められる装備だよ……。
「ごらんの通り超ハイスペックで、そのぶん値も張る防寒アウターです。ユーザーは主に水産系で北国の人が多いですね。たしかにワークウェアとしては高価格だけれど、防水性や透湿性など、同程度の性能を持つアウトドア系のウェアよりは安いということで、乗り換えるお客さんも多い。また、機能だけでなくヨーロッパのメーカーらしいカッコよさも魅力ですね。あちらでは安全帯じゃなくフルハーネスがスタンダードですから、腰袋の代わりに工具などを入れる『ネイルポケット』が付いているのもデザイン的な特徴。欧州の高い安全意識がワークウェアの違いにも現れているんです」
むやみに欧米はスゴイと喧伝するつもりはないけれど、やはりヨーロッパのワークウェアはカッコいいと言わざるを得ない。しかもブラックラダーの場合はファッション性ではなく実用性が輝きの源泉となっている。これこそ「機能美」である。
●最高レベルの防水透湿
ビッグボーンのハイスペック路線はブラックラダーだけでない。主力商品の裏アルミシリーズ(型番8386・8385・8389・8382)も、高レベルの防寒性能を誇っている。真冬の建築現場から冷蔵庫内作業まで、日本全国で使われている人気モデルだ。
「よくあるアルミプリントではなく、国産アルミシートをメッシュ生地などと合わせてキルト加工で貼り合わせています。東レの透湿防水素材を使っているので軽くてしかも快適。中綿がなくても充分な保温効果があります」(中村さん)
カラーバリエーションは7色で上着のサイズ展開はSSから10Lまで。な、なんと13サイズだ!
「それだけ人気商品なんですよ。別注で大きなサイズを作ってくれないか、というユーザーさんの声がけっこうあったので『じゃあいっそ10Lまでサイズ展開しよう』と。正直、こんな大きいの誰が着るんだろう……と思ったりしたんですけど、売れるんですよコレが。体格のいい外国人はもちろん、平均的な相撲取りでも7LくらいでOK。10Lなら200kg超の力士でも大丈夫ですよ」(同)
好奇心から10Lを羽織らせてもらった。当然、裾は床につくし、いくら腕をまくっても手が出てこない。ウチにある掛け布団より大きくて、もはや上着だと認識できないほどだ。
続いて紹介してくれたのが「BM785シリーズ」のアウター。スペックは「耐水圧1万mm/H2o」「透湿度1万g/㎡/24h」と超ハイレベル。防水・透湿・防寒アウターの真打である。耐水圧1万は登山にも使えるレベル。ここまでくるとさすがにオーバースペックなんじゃ……と思いつつも胸が躍る自分がいる。
「ここまでくるともう寒冷地モデルですね。主に北海道の水産や土木の現場で使われています。サイズもSSから6Lまであって、カラーも去年マゼンタも登場して全6色になりました。これからの主力にという期待を込めている商品です。とくに北国のお客さんはやっぱりスペックを見てますから」
防水性ではさらに上のモデルもあるので、スペック好きの皆さんは、ぜひカタログをめくってみてほしい。
「つまり、防寒といえばビッグボーンなんですよ」。中村さんの言葉が強烈な説得力をもって耳に残った。
「裏アルミ」シリーズは大人気
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女性におすすめのマゼンタ色(型番BM786)
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とことん暖かく、とことん軽い! ビッグボーン防寒アウターの代表「裏アルミ」シリーズ ビッグボーンの代名詞といえる「裏アルミ」防寒アウター。東レの透湿防水素材を採用し、裏面には国産のアルミシートをキルト加工で貼り合わせることで、高い防寒性と軽量化を両立した。ジャケットから着丈長めのコートまで、バリエーションの豊富さもウリ。カラーは全7色。サイズ展開もSSから10Lまで(スーパーロングコートはS~5Lまで)と非常にワイド。 |
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耐水圧&透湿性ともに鬼スペック! 寒冷地もイケるBEE MAXの防水防寒シリーズ 寒冷地での作業や水産業の現場などで活躍する防水防寒アウター。防水・透湿性能は耐水圧1万mm、透湿性1万g/h/24hで「雪も寒気もドンと来い」な仕様。主要な縫製部分には目張りテープを使用し、防水性を高めている。上着のフードは取り外し可能。カラーは全6色。 |
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