【ジーベック】帰ってきた「現場服」image_maidoya3
ジーベックって、どちらかといえば大人しくて真面目な雰囲気だと思う。ほら、帆船をあしらったロゴも上品だし、アイテムも定番デザインかつ機能的にもバッチリで、「何を買っても失敗はない」って感じ。これがお見合いの相手なら「申し分ない」と言えるだろう。しかし、恋愛ならどうか? 地方出身、子供の頃から勉強一筋で旧帝大に現役合格した真面目くんと、東京育ちの遊び上手で有名私大に通うイケメン。きっと、後者の方が心惹かれるという人もいるに違いない。明るく爽やかなルックスだけれど、彼は黒い噂が引きも切らず、毎晩のように芸能人も訪れるクラブのVIPルームで……。あ、話が行き過ぎた。とにかく、ちょっとワルっぽい方がモテるって話ですね。じゃあ優等生のジーベックはモテないのかといえば、そんなことはない。彼にはもうひとつの顔、「現場服」があるからだ!

ジーベック
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久々に登場の現場服!
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新作のエコ制電「1520」
●第三の柱に!
 
  ジーベック本社のショールームに現れたのは、営業の稲葉さん。さっそく秋冬コレクションの特徴を教えてもらおう。
 
  「今回の注目点は、まず久々に登場した『現場服』ですね。ユニフォームとしての納品が多いジーベックとして、ここ数年はショップ向けも強化しようと、カジュアルでスポーティーな『C.ZONE(クロスゾーン)』に注力してきました。しかし、屋外ハードワーク向けの新作を出すなら、やはり『現場服』だろう、と。改めて、企業ユニフォームに軽作業向けワークウェア、そして建設土木の現場服という三本柱を意識していきたいですね。現場服のタフでワイルドな雰囲気って、うちの商品ラインナップの中では貴重だし、店頭での人気もありますから」
 
  と言いながら、稲葉さんは待望の新作、現場服「2820シリーズ」を取り出した。コットンの表情を活かした素朴な風合いに、肉厚なドビー織り生地でワイルドな印象。まさに「ハードワーク」を体現するような上下作業着だ。
 
  「久々の現場服なのに上下1セットだけ? と言われるかもしれませんが、そのぶん機能やデザインには徹底的にこだわってます。ゴツさのある綿の生地は、ポリウレタン3%を配合し、現場服史上もっともストレッチ性のあるウェアに仕上げました。見た目はハードですが、着心地はすごくソフトで動きやすい。まずはこのギャップを楽しんでください」
 
  素材だけでなく、見た目やカラーリングも力を入れたという。
 
  「ルックスの面では、年配の人でも抵抗なく来られる『ちょうどいい感じ』を追求しました。洗い加工でヤンチャな味を出しつつも、胸ポケットのデザインやステッチの入れ方はシンプル。どこか落ち着いた雰囲気もあります。その結果として、素材の味というか、コットンの生地そのものの魅力を打ち出せたと思います。さらに、3色のカラーリングもかなり大人っぽくて、長年デニム作業着の人気が続く中で、ひと味違う提案ができたかな、と」
 
  可動性と着心地の良さに、コットンの質感、そして年齢を選ばないデザイン。満を持してリブートした現場服に、弱点はない。
 
  ●「制電」と「バイオ」
 
  続いては、ジーベックお得意のユニフォームについて聞いていこう。稲葉さんによれば、近頃の納品向けアイテムには、必ず求められるいくつかの要素があるという。
 
  「まず『JIS規格の制電』ですね。正確には、『JIS T 8118 静電気帯電防止作業服』の適合商品といって、化学工場やガソリンスタントで火災や爆発を予防したり、工場で電気機器や電子部品の不調を防いだり、といった用途で使われる作業服の機能です。これが、近頃はマストになりつつあります。厳しい試験をクリアしなければならないぶん値段も上がるので、以前は限られた現場でしか採用されなかったけれど、最近は『JIS制電のユニフォームが欲しい』と言われる。現場での防災意識が高まったり、工場の品質管理がシビアになった結果でしょう」
 
  思い当たる節がある。たしかに「制電モデル」は、4、5年前なら新作ラインナップの末席にちょこんといたのが、今や筆頭としてカタログの表紙になっていたりするのだ。なるほど、そういう事情があったのか。
 
  「そして、もうひとつが『エコ』です。会社がSDGs対応をアピールできるようなウェアでないとユニフォーム採用は厳しい。それも、年々条件が厳しくなっています。少し前なら石油由来のPET樹脂の再生利用で環境配慮を謳えたけれど、今はバイオベースと呼ばれる植物由来の合成繊維が中心になっています。うちではもう、商品企画の振り出しから『必ずエコマークが取得できるように』と考えていますね」
 
  バージンPET樹脂に比べて、再生PET樹脂のCO2排出量は半分以下と言われる。さらに植物由来のバイオベース樹脂なら、そもそも素材に化石燃料を使っておらず、焼却した場合でも、原材料の植物が光合成で吸収したCO2が大気中に放たれるだけ。つまり「カーボンニュートラルなユニフォーム」と呼べるのだ。
 
  ●歴史を背負う新作?
 
  そんな「JIS制電」と「エコ」のニーズを高次元で融合させたのが、新商品の上下作業着「1520シリーズ」だ。一見したところ、定番感のある今風のカジュアル作業着だが、あらゆる面でユニフォーム採用を狙った商品だという。
 
  「ポイントは、まず生地ですね。ポリエステルと綿という作業着としてはオーソドックスなもので、この素材じゃないとダメという会社も多いんです。そしてポリエステルは先ほど説明したバイオベース。もちろんエコマーク付きです。環境負荷の削減をアピールするなら、これ以上のユニフォームはないでしょう。さらにJIS制電モデルなので、ボタンやファスナーはすべて樹脂。精密部品工場などの制服としても安心してお使いいただけます」
 
  いかにもジーベックらしい欠点がないユニフォームである。言ってしまえば、「売れる」というより「消去法で最後まで残る」といった感じ。そのせいか、新商品なのにどこかロングセラーのような雰囲気をまとわせている。
 
  「じつは、このアイテムは長い歴史を背負っているんです。まず『1570』というロングセラーのリサイクル素材を使った裏綿作業着があって、その後継バージョンとして数年前にバイオベースの裏綿『1500』が生まれました。この1500が引き合いが多く、うちの中でもトップクラスに売れているので、もっとシンプルな『ザ・ユニフォーム』を作ってみよう、というわけです。だから、デザインはあまり変えず、裏綿はやめて、企業が求める『バイオエコ&JIS制電』として打ち出していくことにした。対応のパンツはカーゴとスラックスの2種類で、両方ともレディース型番を用意したので、合計4タイプから選べます。しかもウエストは二重ゴムで3cmくらい伸びるので体型を選ばない。まさに『どんな会社でも大丈夫』『迷ったらこれ!』と断言できるユニフォームですね」
 
  売れている商品を繰り返しアップデートし、さらに人気のアイテムへ--。ジーベックは貪欲に「定番」を研ぎ澄ます。
 
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「1760」(左)と「1520」
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営業の稲葉さん

    

待ってました! 俺たちの現場服! ハードワーカー向け作業着「2820」シリーズ

建設や土木といった屋外ワークシーンで活躍する「現場服」の上下作業着。肉厚なドビー織りコットン生地は、ポリウレタン3%配合。驚異的なストレッチ性で動きやすさと着心地の良さを実現した。シンプルなデザインにワイルド感のある洗い加工のギャップに加えて、大人っぽいカラーリングも魅力。


「迷ったらこれ」な万能選手! バイオエコ×JIS制電ウェア「1520」シリーズ

植物由来の合成繊維を使った「エコ仕様」の定番ワークウェア。ストレッチ性のある生地はポリエステルと綿の混合。ポリ素材はバイオベースで、カーボン排出量を削減できる。「JIS T 8118 静電気帯電防止作業服」の適合商品。静電気による火災予防や精密部品などのトラブル防止にもおすすめ。