【桑和】熱も炎も防ぎます!image_maidoya3
この日も児島には、国産ジーンズがはためいていた。瀬戸大橋に鷲羽山の夕日、児島うどん、あまたの名物を駅前でPRするなか、忘れてもらっちゃ困る、とばかりに登場するのが桑和である。児島駅ホームに掲げられた「児島にはジーンズだけじゃない。作業服もある」の看板は、まさにワークウェア界の魂の叫び。このコールに「そうだ、ジーンズも坑夫の作業着なんだぞ!」とレスポンスを送りながら縫製センターへ続く道を進んで行く。考えてみれば、児島うどんも四国から来たお針子さんが持ち込んだわけだから、作業服が生み出した食文化といえる。つまり、児島カルチャーの源流は、ほとんどワークウェア! というわけで、きっと新たなトレンドも作業服から生まれてくるに違いないのだ。

桑和
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涼感ウェアを語る淺原さん
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「ブレバノプラス」はストレッチ性も
●ハイレベルな接触冷感
 
  「おかげさまで、カジュアル路線もだいぶ定着してきました。G.G.をはじめとするショップ向けの商品が軌道にのってきたので、これからは納入向けのユニフォームを強化していこうという流れになっています。やはり総合メーカーとして、どちらもバランスよく展開していくことが大事ですね」
 
  こう話すのは桑和・営業の淺原さん。5年目となるブランド「G.G.」の成果は上々のようで、次は原点と言える「会社の制服」に回帰しつつあるという。そうなると、カジュアルワークウェアで培った経験は、どのようにユニフォームに活かされるのだろうか。
 
  「G.G.では、今風のカッコよさに加えて『脱・低価格』もテーマでした。ただ他社より安いということを訴求するのではなく、いい値段でも売れるアイテムを作りたかったわけです。納入向けのユニフォームも同様に、特定のニーズに寄り添うことで『高くても欲しい』と言われるような商品を開発していきます。たとえば、単に『夏用の薄手の作業着です』と言うのではなく、『これで熱中症対策ができます』とアピールできるようなアイテムですね。」
 
  といって淺原さんが取り出したのは、G.G.の新作「0368シリーズ」。スポーティーな見た目に加えて、作業者が涼しくなるという機能に振り切ったアイテムだ。
 
  「デザイン面では、他社でよくある派手な感じにならないようにして、とにかく涼しさを追究しました。接触冷感の度合いである『Q-max値』は0.3で、一般的な涼感ウェアの0.2よりワンランク上。触れた瞬間、肌の温度を奪うのでかなりひんやり感じます。風を通すベンチレーションもついていて、対応のボトムスではハーフパンツも選べます。ミニリップストップという薄手で柔らかい生地なので、着心地もすごくいい。涼感は最高レベルでデザインもおしゃれなのに、ちゃんとユニフォームに見えるのもポイントですね」
 
  手のひらを押し付けてみると、たしかに驚くほど冷たい。接触冷感は「なんとなく涼しい」といった感じのものが多いけれど、これならちゃんと熱中症対策になるだろう。ただの涼感ウェアではなく「夏の安全対策アイテム」なのだ。
 
  さらに淺原さんは、「0685 長袖サポートシャツ」を机に広げる。メッシュ素材を多用したコンプレッション系インナーだ。
 
  「これも熱中症対策です。ファン付きウェアを夏の制服に採用した現場では、中に何を着ればいいのかわからなかったり、試行錯誤している作業者も多い。だから『これを着るのがいちばん涼しい』と提案できることが大事なんです。メッシュなので風が肌まで届いて、気化冷却の効果も高まる。結果的にノーマルなコンプレッションより体温を下げることができます。」
 
  一般的なコンプレッションは、トップスとしても着用できるものが多い。そこが、初心者にとって「ファン付きウェアのインナーにしていいのか」という迷いにつながっていた面がある。対して、こちらは身頃以外すべてメッシュなので、だれが見てもインナー専用だとわかる。まさに、痒いところに手が届く商品と言えるだろう。
 
  ●2つの難燃!
 
  さて、続いて紹介してもらうのは、難燃素材のユニフォーム「6042」と「6052」のシリーズ。ほとんど違いがわからず、首をひねっていたら、なんと両者は「同デザイン・素材違い」の兄弟モデルだという。
 
  「もともと溶接や鋳造作業など、火に強い難燃素材が求められている職場でのユニフォームを作ろう、と企画したアイテムです。けっこう普通の綿の作業着を使っている人も多いのですが、安全意識の高まりもあって、難燃のウェアがあれば欲しい人もいるだろうというわけですね。ただし、難燃生地には2つのタイプがあって、それぞれ長所と短所がある。それなら両方のアプローチでまったく同じ見た目のものを作ってみよう、と2つのシリーズが生まれました。」
 
  説明による2タイプの特色は、次の通り。
  6042:綿100%の難燃加工を施して作ったウェア。重くて防火性能はブレバノに劣る。そのぶん低価格
  6052:難燃繊維「ブレバノプラス」を使ったウェア。軽くて防火性能も高い。そのぶん高価格
 
  「ブレバノは、服に火が付いても勝手に消える『自動消火機能』が長所です。対して、綿の難燃加工は自然に消火することはないけれど、燃え広がるスピードが緩やかなので、服に着火しても脱ぐ時間はあります。落ち着いて行動するようにすれば、安全性に大きな差はありません。同デザインなので、あとは着心地や価格で選んでいただければ」
 
  とはいうものの、機能性フェチとしては「自動消火」に惹かれる。もっとブレバノプラスのすごさを語ってほしいじゃないか。
 
  「ブレバノは消防士の活動服にも使われているくらいで、難燃素材としては最高レベルです。6052では、さらにストレッチ性や着心地の良さを持たせた『ブレバノプラス』を使っています。大手企業の工場ユニフォームなどに使っているケースはありますが、1着から買える普通の商品にブレバノプラスを使ったのは業界初でしょう。軽さも動きやすさも、そして安全対策も、という人は、ハイスペックな6052をおすすめします」
 
  襟元を見ると、両シリーズとも難燃ウェアの認証マークがついている。いかにもプロ仕様でかっこいい。
 
  「このJIS認証のマークは、ウェアの目に見える場所に付けることが義務化されているんです。ちゃんと安全対策した作業着を着ているか、監督者がチェックしなければならないから。そうなると、隠せるようにもできないので、いっそ目立つ場所につけようという話になりました。あえてデザインの一環として落とし込んで、スタッフの危険を防ぐと同時に、安全意識の高い会社であることをアピールしてもらおう、というわけです。火を使う仕事でも、こういう防護服があれば安心だね、ということになれば、企業のPRや採用活動なんかにもお役に立てるかな、と」
 
  安全性へのニーズはどんどん高まっている。また、さまざまな現場には、それぞれ特有の危険がある。
 
  「デザインや作業性で他社と競っていくのも手ですが、これからのユニフォームは安全対策や防護性といった面に着目するアプローチも重要だと思っています。特定の業種や特殊な現場にターゲットしたほうが、広くウケなくてもニーズをしっかり捉えたアイテムができる。そんなふうに、コンセプトがはっきりした商品を作っていきたいですね」
 
  ユニフォームから安全対策ウェアへ--。SOWA発のトレンドがワーキングの世界を変えるかも?
 
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JIS認証マークがカッコいい!
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「ユニフォームもSOWAで決まり!」

    

カラダを蒸し暑さから解き放て! 超涼感ワークウェアシリーズ

高温多湿な日本の夏を快適に過ごすための涼感作業着の上下。ナイロン90%の生地は接触冷感タイプで、「ひんやり度」を示すQ-max値は0.3と一般的な冷感ウェアのさらに上を行く。下にハーフパンツを合わせれば、もっと涼しさアップ。さらにサポートシャツをインナーにすると最強のセットアップに。


夏を彩るカラー展開! やさしい着用感の快適作業着「964シリーズ」

ナチュラルな肌触りで人気がある裏地コットンの作業服。汗をかいてもベタベタせず着心地もよし。ブルゾンは8カラーの多色展開なので、コーポレートカラーに合わせたり、部門別にカラー分けしたり、といった具合にユニフォームにするのもおすすめ。「JIS T8118規格適合」の制電性商品。