男は乾ききっていた。砂漠の真ん中で道に迷った旅人のように、あるいは生活に疲れ切ってしまった女の肌のように、潤いというものが全く足りていなかった。どうしてそうなってしまったのか、男には全く心当たりがなかった。今朝、家を出るときはいつもと同じように気力が充実し、体のコンディションにも異常はなかったはずだ。ところが時間の経過とともに、具体的には現場仕事が始まったあたりから、普段とは違う感覚が男の中に蓄積していったのだ。男の体からは、徐々に何かが消失していた。それは水瓶にある小さなひび割れから少しずつ水が浸み出しているような、ほとんど自覚症状を伴わない異変だった。だが、ある程度時間が経ってからふと注意を向けてみると、そこにあったはずの貴重な何かはほとんど失われており、乾燥した瓶の底が露出するまでになっていた。何が原因なのか。男は必死になって、その理由を探ろうとした。朝食は昨日と同じだった。仕事内容もほとんど一緒。天候だって特に変わったところはない。昨日までは存在せず、今日になって初めて遭遇した何かとは何か。そんなものなど、特に見つからないじゃないか。次の日も、また次の日も、状況は一緒だった。だが三日後、男がたまたま寝坊して慌てて現場に駆けつけると、男の体には以前の感覚が戻ってきていた。皮膚の表面がじっとりと汗ばんだ、あの懐かしい感覚が。そして男はようやく気付いたのだった。その日、男は前日と違うワークシャツを着用していた。本来なら、今週から使い始めたポロを着るつもりだったのだが、急いでいたため玄関わきに放り棄てていたシャツで間に合わせていた。それが昨日と今日の違いだ。家に置き忘れてきた、あの何の変哲もない見かけのワークポロ。どこにでもありそうな、新味のないただの仕事着。あれが強烈な渇きの原因だったんだ。エバードライ。汗を次から次へと蒸発させ、ハンパないドライ感を永遠に続けてしまう超サラサラの速乾仕様。有害な紫外線から肌を守るUVカット機能付き。ワークシーンが求める機能とスタイルを徹底的にブラッシュアップし、新しい常識を提示するTHEネクストスタンダードシリーズ商品。* SSとSサイズはユニセックスシルエット仕様です。
■ メーカー:シンメン
■ 型番:0130
※"シンメン"の特集1 2 3 4 5 6 7 8