まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。暑いです。夏バテで牛丼屋の並が完食できなくなるほど、暑いです。ツユダクにしてもらっても、紅ショウガをたっぷり乗せても箸が重い。へえへえ言いながら頑張って食べると、肉だけなくなってごはんがどっさり残ります。こんなことではまいどの夏は乗り切れないぞと自分を叱りつけても、肉のないツユダクごはんは正直ツライ。残るものはノコル。
そうだ、ここはムキにならず、自然体で。編集部員だってまいどスタッフの一員だから、まいどスピリットを発揮してポジティブに。まず、ジュースの飲み過ぎで夏太りしてきた体を絞るのにちょうどいい。断食道場でさえ健康にいいそうだから、ごはんを残すくらいが理想的。それに生卵を引っ掻き廻す気力も起きないから、卵代の節約にもなる。ついこの間まで、挫折を重ねた倹約の誓いを苦もなく実践できる。無気力が生む、思わぬ自尊心の回復。ああ、理想的。健康を回復し、自信を取り戻し、貯金も増やせる、理想的夏バテが続く今日この頃。

今月のテーマはまいど屋
ごめんなさい。オトコらしく、率直に、潔く、最初から謝っときます。またまたやってしまいました。二か月連続でオキテ破りのまいど屋特集。一度味をしめるとクセになる、禁断の社内取材。読者の皆さんのブーイングが目に浮かびますが、運がよいことにネット通販ではお客さまの声は直接編集部の耳に入らない。パソコンの向こうからの罵声はとりあえず聞こえませんから、自分自身に甘くなる。
オトコらしくないけど、イイワケさせてもらうと、この時期はネタがないんです。エサがないとタコが自分の足を食うように、安易な解決策に飛びつきたくなる。で、実はヒキョウにも先月号のまいど通信で布石を打っておきました。カンのいいひとは気付いていたでしょ。日々の業務に追われて、9月号の企画がまだ決まっていませんって、確かに書いといた。アレを読んでいたあなたは、これでもう立派な共犯者。今月号のテーマについて、批判する権利を失いました。暗黙の同意があったとみなします。さあ、では、さっそく大手を振って、今月号を始めちゃいます!

まいど君とまいど屋のヒミツの話
まいど屋は、何でまいど屋っていう名前なんだろ。そうギモンに思ったことのあるひとは、かなりの洞察力の持主。モノゴトを深く考える習性をお持ちとお見受けします。そんなの別に意味なんかあるワケないじゃん。そう考えるのがフツウです。でも実は、理由があるんです。まいど屋出生のヒミツが。今まで誰にも話したことのない、思い出すだけで背筋も凍る、あの日の出来事。事件はまいど屋のオープン直前に起きました。
実は、まいど屋はオープン直前まで、まいど屋ではなかったんです。名前は仕事屋。ホームページのオープンまで2年以上の時間をかけ、ようやく準備が整って来月オープンというまさにその時、仕事屋っていう社名が使えないことになっちゃった。念のために仕事屋の商標登録を申請したら、なんと既に同じ社名で登録があったから。
ホームページ内のすべての文書にある仕事屋の文字やロゴ。仕事屋の名前で開設した銀行口座やフリーダイヤル。封筒などの印刷物。全てがパー。途方にくれました。
とりあえずは新しい社名を考えなきゃいけない。3日間悩みに悩んで思い出したのが、まいど君でした。まいど君は仕事屋時代から大事に大事に育てていこうと思っていた看板息子のキャラクター。画面上では、お買い物をしていただいた全てのお客さまに、「まいどー」と挨拶する元気者。どんな逆境にもメゲそうにない能天気なキャラも魅力です。そうだ、彼にあやかって、社名もまいど屋にしちゃえ!こうして誕生したのがまいど屋。生まれてくるハズではなかったまいど屋がここまで順調に育ってくれたのも、まいど君のおかげかも。仕事屋でなく、まいど屋で逆によかったのかも。今月号のまいど君特集には、そんなスタッフの万感の思いが込められています。なお、今でもまいど君が付けている前掛けには「仕」のマークがあります。仕事屋時代の名残です。

君はオリンピックを見たか、いや聞いたか!
祭りは準備しているときが一番楽しい。始まってしまえば、あとは終わるのを待つだけだ。そんな言葉をどこかで聞いたことがあります。4年に一度のスポーツの祭典、オリンピック。大会中、多くのまいどスタッフがそんな気持ちを抱いていました。
日本中の注目を集めたなでしこジャパンの試合と女子マラソン。まいど屋はそのラジオ中継のスポンサーでした。テレビじゃなくて、ラジオ。なんか、昔のドラマみたいなタイトルを持ち出したのは、ラジオでオリンピックを聞く人なんか、ほとんどいないことを初めから知っていたから。世界のお祭りにささやかながら参加できる。その喜びでスタッフが盛り上がった大会前。終わってから知人に聞いてみると、やっぱりみんなテレビで観戦したとのこと。世界最高峰のアスリートたちのパフォーマンスは映像で見て感動するもの。聞くもんじゃない。やっぱりそうだよなぁ。でも、楽しかったから、まあいいか。
祭りは終わってしばらくすると楽しさが戻ってくるとも言います。思い出という余韻になって。読者のみなさんの中に、奇跡的にラジオを聞いていたひとがいたら嬉しいです。ひと時の興奮と宴のあとの心地よい疲労感。まいどスタッフとおんなじ気持ちで大会を思い出しているひとがいるとしたら、本当に楽しいです。

贈る言葉
8月の終わり、あるまいどスタッフがまいど屋を去りました。まいど屋がまだ影も形もなかったころから共に働いた、創業メンバー。彼がいなくなって、まいど屋もどうやら一つの区切りの時期にきたのかな。これから始まる第二のステージを前に、今、柄にもなく、これまでの日々を振り返ったりしてしまいます。彼もきっとどこかでこのまいど通信を読んでくれている。そう思いながら、この文章を書いています。
マニュアルなんて一つもなく、頭に描いた理想形を目指して、考えて、考えて、一つひとつ地道な作業を続けたオープン前の日々。ゴールがどこにあるかも見えない、あまりに膨大な作業量に、一体いつオープンできるんだろうなんて弱気になったこともあったよね。開店後もどんな流れでお客さまに対応していいのか分からず、ずっと手探りだった。お客さまからはたくさん、たくさん怒られたね。まいど屋がオープンして間もない頃の口コミ掲示板に書かれたお客さまからの怒りのコメントには、食事もできなくなるほど打ちのめされた。そのたびに反省して、仕事の仕方を改善していった。
まいど屋で、僕らは一生分の失敗と、数え切れないほどの喜びを経験したと思う。必死で何かを追い求めていれば、そのうちに形になってくることも学んだと思う。そして、一度始めたことには決してゴールはないということも。たった数人で始めたまいど屋に、大勢のスタッフが働くようになって君は去った。苦しかったけど、充実した日々だった。次の職場でも、そんな経験ができたらいいね。今後の君の人生に、幸多かれ!!