まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。10月。私の記憶に間違いがなければ、もう秋のはず。秋といえば長袖。重ね着のファッションも楽しめる、すがすがしい季節。朝、オフィスの窓を開ければ、澄んだ空気が気持ちよく室内に流れ込む。よおし、今日も一日がんばるぞう。ああ、Aさん、おはよ。Bさん、今日もキレイだね。秋冬シーズンが始まって、お客さまからのお問い合わせも増えているから、大変だけどキアイで乗り越えようね。韓流ドラマのような、絵にかいたような爽やかな会話。それが理想の秋の朝。
なのになんで9時からエアコンがフル回転なの?地球環境を真剣に考えるまいど屋であったはずなのに、真夏でもエアコンを使わないまいど屋だったのに、新人スタッフが増えてきた最近では多勢に無勢。窓は閉め切られ、天井の送風口から冷気が容赦なく吹き付けてくる。凍える思いで一日を過ごし、夕方、それとなくスタッフの様子をうかがいながら、そっとエアコンのスイッチをオフにします。気付かれないように、資料を探すフリをして、さり気なく壁際のボタンを押して席に戻ります。すると5分もしないうちに、あちこちの席からウチワの音がパタパタと聞こえてくる。当てつけじゃないとは分かっていても、いたたまれなくなってまたスイッチをオンにする。そんな神経戦が続く現実の秋。

今月のテーマは鳶服
何だかおかしいなってずっと思ってました。モヤモヤはもう一年以上。きっと、まいど屋で買い物してくれている多くの鳶さんたちもそう感じていたはず。少しずつコレクションの種類が減っている気がする。この前買った、あの超超、今日見てみたら、まいど屋の画面に出てこない。ひそかにチェックしていた、このアイテムもない。いったいどうなってるの?
今回の特集のタイトル、「鳶業界、同時恐慌5秒前」は、そんなまいど屋の危機感を率直に表現したもの。各社、売れ行きの悪い商品をバサバサと切り捨てていったこの一年。新商品の情報もなかなか入ってこず、先行きの展望が見えてこない。これからどうなるのか、お客さまに説明する前に、まいど屋自身がさっぱりわからない。。。
まいど屋で特集を組むのは、通常は、新鮮なネタがたくさんあるときです。今回、ネタが十分とは言えない状態で、敢えて取材に踏み切ったのは、お客さまのためというよりは、まいど屋自身が納得のいく話を聞いて安心したかったから。
取材が終わって、とりあえず事情は飲み込めましたが、今度はそれを読者のみなさんにどうお伝えしたらいいか、相当悩みました。確かに各社、今後の積極的な展開を説明してくれた。これから飛躍します。どうぞ、ご期待下さい。縮小は一時的。心配は杞憂で、安心して待っていればいい。彼らの言葉を信じて楽観的になるか。それとも今後の行動を見ないと信用できないと思うか。まいど屋もどう考えたらいいのか、まだよくわかりません。判断するのは、読者のみなさんにお任せします。

悩み多き秋
ところで、この時期、多くのまいどファンのアタマを悩ますのが、衣替えのタイミングだと思います。冒頭の新人まいどスタッフのように暑がりのひとも多いから、まいど屋がお客さまからいただくご注文には、夏物と冬物が入り乱れる。まだまだ暑い日が続きそうだから、もう少し薄地でがんばろうかな。いやいや、どうせすぐに寒くなるから、早めに冬物を注文しちゃえ。日々のご注文状況を眺めていると、皆さんがいろいろ悩んでいる姿が目に浮かんできます。お彼岸も終わって、そろそろ秋冬の新作も入荷し始めました。今、順次まいど屋ホームページにアップしている最中です。おっ、いつもの秋冬買おうと思ったら、こんな新商品が出てるじゃん。どうしようかなぁ。皆さんにとって、ますます悩みのタネが増えていく、罪深き季節です。

まいど演歌道
まいど屋を覗きに来るお客さまのなかには、フツーのユーザーの他に、いわゆる業者の方もたくさんいらっしゃいます。例えばユニフォームにあまり強くない金物屋さん。お得意さまについでに作業着頼まれちゃったけど、取り扱ってないからどうしよう。無碍にも断れないし、どこかで調達できないかなぁ。悩んだ末に、パソコンで検索。そして辿り着くのがまいど屋というワケ。
業者の方でも、たいていの場合、一般のお客さまと同じようにネットで注文をしてくれます。毎回違う社名でネーム入れをしたり、お買い物をされる商品のジャンルがバラバラだったりしますから、まいどスタッフも何となく事情がわかる。たまに電話で直接お話しすることがあると、もっとはっきりその業者さんのイメージが湧いてくる。今回のご注文は上下で違うシリーズなんですが、大丈夫ですか。え、そうなんだ。お客さんに聞いてみなきゃ。折り返し連絡します。電話を切って、ああ、やっぱり。そしてすごーく親近感がわく。今回はこんなお客さまに頼まれたんだ。納期も大変だろうから、ムリしてでも早く仕上げなきゃ。中には、わざわざ事前に電話をしてきてくれるひともいる。あの、オタクで買った商品を売りたいんだけど、問題ないよね。もちろんです。できるだけご協力しますから、何でもご相談くださいね。
業者さんはプロですから、まいどスタッフもいつもとは違った意味で気を使います。業者さんの先にいるお客さまのことまで考えて、できる限りの対応をしています。最後にユニフォームを着るひとはまいど屋のことなど知らなくてもいい。昔流行った演歌の歌詞みたいに、遠くで見守って、幸せ祈る。知らずにみんながHappyになれたらいいな。そう思っています。

まいどヅラその後
ちょっと前、7月号のまいど通信でちらっとお話ししたまいどヅラの話。覚えてますか。まいど君の髪形のかつらを作って、大々的に売り出そうという例のアレです。え、忘れた?そうですよね、誰もホンキにしていない。まいどスタッフでさえウソだと思ってる。覚えていたら、それこそ奇跡。病院に行ったら、きっと強迫性障害だと診断される。
見積もりを頼んだ取引先も、真剣に取り合ってくれません。まいど社内でも誰も進捗状況を確認しようとしない。そうか、みんなヅラのスゴさが分からないんだ。それならデモをするしかない。みんなが興奮するような、心の琴線に触れるような、アッと驚くインパクトで局面を打開するしかない。
お願いしている業者は、ウイッグの世界で手広く商売をしています。ファッションに敏感な女性客が多いようですが、男性用もある。仕方がないから、自腹でひとつ買いました。9500円。茶髪のロン毛。ネットの画面では、細面のイケメン君が涼しげに微笑んでる。こりゃ、イケてる。女性スタッフにステキなんて言われちゃったらどうしよう。ドキドキするなぁ。一般客を装って、普通にバスケットに入れて送信です。何日か経って届いたその茶髪を、何の予告もなくかぶって仕事をしていると。。。
キャーという黄色い悲鳴の代わりに聞こえた、あ゙-という喉を詰まらせたようなくぐもった叫び声。精一杯の気を使っていることがミエミエの、取ってつけたようなぎこちない笑顔。いっそのこと、笑ってくれたらこっちも気がラクになるのに、シャレにするきっかけを失って、結局その日は茶髪のまま仕事を続けました。
それ以来、カツラは机の引出しにしまったままです。9500円の投資は、触れてはいけない社内のタブーになり果ててしまったけれど、その代りに思いがけない進展が。カツラが届いた後、その会社の担当者から連絡があったんです。たまたまその日の出荷履歴をチェックしていたら、届け先にまいど屋の名前を発見したそう。買ってくれたんですね。真剣なのが分かりました。まいどヅラ、やってみましょう!
9500円、やっぱりムダじゃなかった。今度はアフロにしてみようかな。それともみんなの抵抗が少なそうな、黒髪のショートにしようかな。イケメンになって、スタッフにホレてまうやろ、なんて言われたらどうしよう。。。

アベちゃん
そう言っても、誰のことだかわかりませんよね。まいど屋に毎日集荷に来てくれていた、佐川急便のドライバーです。先月、そのアベちゃんがまいど屋の担当を外れました。え、あまり興味ないって?まあそう言わず。まいど歴が長い皆さんなら、彼に助けられたことだって何度かあるはずだから、少しだけお付き合いを。
まいど屋はオープン当初から彼に感謝しきれないほどお世話になってきたんです。忙しい季節はまいど屋出荷チームの梱包作業が終わるのを、いつも夜遅くまで待っていてくれたり。集荷が終わってトラックがまいど屋を出た後、積み残しや出し忘れのオーダーに気付いて慌てて連絡すると、すぐに飛んで帰ってきてくれたり。まいど屋だけを、いつも特別待遇してくれたアベちゃん。彼のおかげで納期が早まったお客さまもたくさんいるんですよ。だから、みんなで感謝。アベちゃん、いままでありがとう!