まいど通信
まいど!まいど通信編集長の田中です。楽しかったお盆休みも終わり、気がつけば9月。年末まで、もうまとまった休みがないんだなと思って気持ちが折れそうなひと、いませんか。正月まで、もうどこにも逃げる場所がない。長いよなぁ。これから仕事も忙しくなるし、何とかしてテンション上げる方法はないかなぁ。
そんな読者の皆さんに、編集部で実践しているとっておきのウラワザ、教えます。それは自分で自分をダマすこと。慣れると結構カンタンです。例えば今日は12月1日だと自分に言い聞かせる。今年もあともう少し。これなら何とか耐えられる。え、残暑が厳しくて実感できない?応用力がないなぁ。ここはハワイです。常夏の島。だからいつでも暑いの。汗が止まらなかったら目を閉じて強い日差しを感じ、うん、極楽、極楽。ついでにコンビニチョコを買ってきて口に放りこめば、マカダミアナッツに思えてきます。お、あっちからビキニの美女が歩いてきた。え、目の前にいるのはおばちゃんだけ?何度も注意させない。想像力を働かせなきゃ。暑苦しそうなエプロンはパレオです。その下にはきっとスリムなナイスバディー。目を細めて眉間に力を入れれば、歪んでさらにスラリと見える。ここまでくればもう上級者。きっと年末まで乗り切れます。
さあ、テンションが上がってきた。大勢の美女たちに囲まれ、パラダイスと化した編集部から今月も月刊まいど屋をお届します!
今月のテーマはマスク
正直に告白しちゃいます。今回のマスク特集、今までやってきた中で一番自信がないです。レポートの冒頭に出てくる就活中の彼じゃないけど、マスクと聞いただけで逃げ出したくなる。専門的で、種類が多くて、おまけに本体に取り付ける別売り部品もたくさんあるから、覚えなきゃいけないことが幾何学的に増えていく。カタログを読んでいると、ダイオキシンを吸っていないのにどんどん頭が痛くなってきます。月刊まいど屋が始まってもう6年近く。だから今までマスクの特集は避けてきたってワケ。
正直ついでにもっとカミングアウトしちゃうと、今月はちょうど特集するネタが切れてしまって、それで仕方なくマスクに手を付けることにしたんです。でも、やるからには完成度の高いものにしなきゃいけない。人の命や健康にかかわるアイテムだから、いいかげんなことなんか出来っこない。90点じゃだめで、100点の答案を提出しなきゃ。こんなに勉強したのは高校受験以来かなというくらい知識を詰め込み、それでも不安とプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、このレポートを書きあげました。
読者の皆さん、レポートの内容はいかがでしたでしょうか。わかりにくい点などありましたか。合否の発表を待つ受験生のような気分で、皆さんの反応をお待ちしています。
エリア51
例のウワサが本当だったって話、聞きました?アメリカ政府が存在自体を否定していた、あのエリア51が実在していたってニュース。UFOマニアのタワゴトなんかではなく、ネバダ州の砂漠の中に、そのヒミツの基地が確かにある。ある研究者がアメリカ政府に情報公開請求したら、とうとうあるって認めたって、ちゃんとした新聞に書いてあった。もちろん、地球外生命をひそかに運び込み、研究を続けているなんて言ってませんが、そこで何が行われているのかは公表しないんだって。ベールに包まれたフェンスの向こうで、ひとには言えないことが行われている。まさか中で賭けマージャンでもやってんのかなぁ。
実はまいど屋でも、誰にも言えない極秘のプロジェクトが今も着々と進んでいるんです。公式にはプロジェクトチームの存在自体も否定されているあるヒミツの計画。プロジェクトの作業エリアは関係者以外立ち入り禁止。中で何が行われているかは。。。おっとこれ以上はノーコメント。読者の皆さんから情報公開請求があっても教えられませんので、悪しからず。
最強のチームになるには
先日、テレビを見ていて久しぶりに涙が出ました。知らないうちに涙腺が緩んで、ジワっと目頭が熱くなってしまったストーリー。NHKでやってた、アテネ五輪の男子体操チームの話です。その大会で、日本は二十何年振りかの金メダルを取った。普通だったら、それほど感動しない、ありふれた成功談にクギ付けになったのは、勝利をつかむまでの道のりの背景にあった、チームの団結という隠れたテーマに共感したから。
体操って、一般的には個人の能力で勝敗がきまるイメージがあります。舞台に立つのは一人きり。演技中は誰も助けてくれない。野球やサッカーのような団体競技じゃあるまいし、勝つも負けるも、全部そのひと個人の力の差じゃないの?そう思うはずです。でも、実際はそうじゃなかった。日本は団結していた。素晴らしかった。彼らが勝ったのは当然だった。最後に競り負けたアメリカの監督が、インタビューでそう答えていました。5人のチームメンバーは誰もが、次に演技するひとにバトンをつなぐことだけを考えていたと言っていました。絶対に裏切ることができない仲間がいる。それだけで自分の能力を超えた力が出せる。それほどまでに強い人間のつながり。傍からは孤独に見える一人ひとりが、信頼しあい、助け合う姿が自分にはひどく新鮮で、羨ましく思えたんです。
まいど屋もそんなチームでありたいと思います。スタッフ一人ひとりがお客さまと接するとき。一人で対応していても、後ろには裏切れない仲間が大勢いる。まいど屋は素晴らしいよ。ここに頼むのは当然だよ。お客さまにいつでもそう言っていただけるお店であり続けたいと思います。
ひと夏の経験
ある知人の話。いつもコワモテで近寄りがたい雰囲気を漂わす彼が、ある晩、電話をかけてきました。近所のローソンにカワイイ店員さんがいるんだよ。俺、店ではいつも同じ弁当を買うだろ。なあ、聞いてる?君の弁当のことなんか知るかいなと思いながら、眠くてたまらない目をこすり、適当に相槌を打っていると、さらに話が続きます。普通の店じゃ、何度行ったって温めますかって聞いてくるんだけど、彼女は違う。最初に断わったらすぐに理解してくれて、次の日からは何も言わずにそのまま差し出してくれるんだ。俺は温かいのが嫌いだからな。
それは手間が省けてよかったね、じゃあ、おやすみと戻しかけた受話器から、彼の大声が聞こえてきます。でね、最近は無言で買い物なんだよ。お金を渡して弁当と釣りを受け取るだけ。だんだんつらくなってきてさ。何とか話しかけようと思うと、顔が引きつって声が出ないんだ。どうしたもんだろ。
どうしようたって、そりゃ、どうしようもない。ただでさえコワい彼の顔がさらに威圧感を増し、相手も身の危険を感じて口がきけないに違いないんだから。危うくそう言いかけたのを何とかこらえ、ここは彼の相談に乗ることに。もうすっかり目も覚めちゃったし。
いいか、恋愛はまず、お互いが相手を知ることだ。知らないひとと恋に落ちるなんてことは絶対にあり得ないんだから。とりあえず、何かしゃべらなきゃ。きっかけはなんだっていいんだよ。次は弁当を温めてもらえばいいじゃない。今日は温めてもらいたい気分なんだ。いいかな?って。
なるほど、なるほど。ついでに俺の心も温めてくれよ。こんなんでいいかな。いいよ、いいよ、その調子と彼を励まし、自信を取り戻したのを確認して電話を切りました。いい年をしたオトナが真夜中に交わす会話としては、結構ファンキーだなと思いながら。その後、何度か彼と電話で話す機会があったけど、その話題には触れていません。あれからひと夏の経験、できたのかな。今晩、自分から電話してみようかな。