まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。4月。読者の皆さんの中には、今月から新しい生活を始めたひとが大勢いると思います。きっと不安ですよね。知らない国に一人でほっぽり出されたみたいに心細いですよね。できることなら元いた場所に逃げ帰りたいと思ってるんじゃないかな。もうずいぶん前のことだけど、自分もそんなことがありました。学校を卒業して仲のよかった友達とも別の進路を歩むことになり、知らないひとたちに囲まれながら新生活をスタートさせたあの頃。環境の変化にうまく順応できる自信が持てず、不安感に苛まれながらびくびくと日々を送っていました。数か月もすると慣れてしまったんですが、それまではかなりしんどかった。臆病で、孤独で、人と交わることを切実に求めているくせに他人を値踏みして寄せ付けず、自分の殻に閉じこもってなかなか外に出てこようとしませんでした。クールな態度でいることが、自分を守る唯一の方法だと確信しているみたいに。
社会人になって年を重ねて随分と図々しくなり、もうそんな気持ちになることはないだろうと思っていたら、そうでもなかったみたいです。社会人には、社会人なりの「卒業」があるみたいなんです。オトナの社会では、それを年度末と呼ぶようです。先月、長い間まいど屋を担当してくれていたあるメーカーの営業マンが、年度末の異動で担当を外れてしまいました。なんでも営業職自体から離れて内勤になるんだとか。向こうはまいど屋と縁が切れてせいせいしているのかもしれないけれど、こっちはなんだかそわそわして妙に落ち着かないです。照れ臭くて本人には言ってませんが、本当に気持ちよく仕事ができたから。あと何か月かすれば、新しい担当さんに慣れるのかなぁ。そして徐々に前任者の記憶が薄れていき、思い出すこともなくなるのかなぁ。いつか機会があれば、同窓会でもやりたいなぁ。

今月のテーマはメディカル白衣
全国のドクターの皆さん、ケアワーカーの皆さん、それから白衣にマニア的興味を持つ一般の皆さん、お待たせしました。今月はメディカル白衣特集です。ずいぶんご無沙汰してしまい、すみません。私たちが安心して暮らせるよう、日夜努力を続けていらっしゃる皆さんには(単なるマニアのひとは除き)、大変感謝しています。何事においても水準の高い皆さんが納得できるレベルに仕上がっているかどうかはわかりませんが、がんばって取材してきたので、どうかひとつお手すきの時の時間つぶしに、どれどれと読んでみるくらいのつもりでご笑納いただければと思います。
なお、今月のレポートはいつもの3タイトルではなく、1つ減って2タイトルのみとさせていただいています。なぜかって?それを言わせるんですか?やっぱりドクターの皆さんは鋭い質問をされますね。わかりました。正直に話します。言い訳をするようですが、こっちだって何もラクをしようとしてそうしたわけではないんです。もともとはいつものように、もう一か所取材先があったんです。今さら書きたくはないのだけど、でも悔しいから書いちゃうけど、最初は今月号の目玉としてある看護学校の現場レポートを予定していたんです。ナースの卵たちは実際にどんなウェアを着て、どんなことを学んでいるのか。白衣を着た女のひとに弱い自分としても、仕事としてよりは個人的にものすごく楽しみにしていたんだけど、それが土壇場になってキャンセルされちゃった。卒業とか入学の準備で先方の時間が取れないんだって。初めはいつもの往生際の悪さを発揮してぐずぐずと泣き言を言ってみたりしましたが、相手はこちらのムリが通るメーカーさんでもなく、結局最後は涙を飲んで諦めました。原稿の穴を埋めるために、そして半分腹立ち紛れに、代わりに「あなたの知らない白衣の天使たち」的妄想小説でも書いてやろうかとも思ったけど、ちょっと怪しい路線にはまり込んでまいど屋の人格(店格?)が疑われるようなことにもなりかねないので、それもやめました。おかげでなんだか欲求不満で悶々としています。やっぱり書いちゃえばよかったのかな。清楚なナースウェアに身を包んだその女は、二つの顔を持っていた・・・どうです、こんなの。

作業着上がったまいど死ね
ええ、上げましたよ。値上げしましたとも!だけど全て政府が悪いんです。こう立て続けに、何から何まで値上がりしたんじゃ、まいど屋としたってどうすることもできないんです。だからあなたがまいど屋に怒りを覚えたとしても、それは筋違いというものです。本来死ぬべきはまいど屋じゃなく、理不尽に暴力的な世の中の仕組みそのものじゃないですか!それでも死ねとおっしゃるのなら、お望み通り死んで差し上げます。後悔したって知りませんよ。明日の朝刊を見てください。ユニフォーム通販の雄、まいど屋壮絶に命を絶つって出てますから。
お店が死ぬということは、すなわち閉店、店じまいです。グーグルでまいど屋と検索しても、もうどこにも見つからないってことです。代わりにまいど屋が会社更生法申請などという経済記事と、まいど屋つぶれた日本死ねなどというブログの書き込みがたくさん出てきます。そのうち国会でも問題になり、政府も慌てて対策を考え始めるでしょう。そしてそれからやっと、国民の間にもある一つのコンセンサスが形成されることになる。誰もがいつでも便利にユニフォームを買うためには、多少の値上げは容認するべきだと。
結局そうした結論に落ち着くのなら、最初から今回のまいど屋のやむにやまれぬ非常措置に理解を示し、見て見ぬフリをしてスルーしてしまう方が賢明です。今月から、ほんの少しだけだから。でも、本当にごめんなさい。

ゴールデンウイークのお休み
今月のカレンダー、確認されました?めったにない日並びのよさに、思わずガッツポーズしたひとも多いかと思います。一般的な会社なら、29日から始まって5日まで7連休は固い。うまいこと理由を作って明けの6日も休んじゃえば、なんと夢の10連休です。10日もあれば別れた彼女の家に押しかけてヨリを戻すことだってできる。カノッサの屈辱の故事に倣い、三日三晩も裸足で門前に立ちつくせば、彼女もきっと赦してくれるはずです。それほどまでして取り戻すような彼女じゃないというのなら、常日頃不満に思っている今の会社に見切りをつけ、本格的に転職活動だって行えます。一日に10枚履歴書を書けば、10日で100社にアプローチできるんです。こんなチャンスはめったにない!
え?彼女とはうまくいってるし、仕事にも満足してるって?そうですか。ずいぶん恵まれた人生のようで、うらやましい限りです。でも、そんなあなたにも、おそらくあなた自身さえ気づいていない重大な問題が残っています。その10日間、あなたはどうやって時間をつぶすのか。元カノの家の前で張り込みをすることもなく、転職サイトをチェックしまくることもしないなら、その貴重なゴールデンウイークを一体どうやって意義あるものにできるのか。
ほら、動揺し始めましたね。お気の毒に。かわいそうだからあなたにはヒントを差し上げましょう。この月刊まいど屋には過去8年以上の膨大なバックナンバーがたまっています。今開いているページの上の方に「目次へ」と書かれた場所がありますね。クリックすると創刊以来のレポートタイトルが一覧になって出てくるはずです。さあ、もうお分かりですね。今月は99号目ですから、10日かけてゆっくりと残りの98タイトルを読めばいいのです。連休が終わるころには、きっとあなたは日本でも指折りのまいど通として、ユニフォームの権威に生まれ変わっているはずです。そしてそうした基礎学力の向上が、今後の月刊まいど屋を本当の意味で理解するための大きな助けとなるはずです。
申し遅れましたが、ちなみにまいど屋では、4月30日と5月6日が営業日のため、そんなおとぎ話のような連休は望むべくもありません。以下の通り、平凡な5連休とさせていただきます。皆さんのように、意義深い人生を送れないのが残念です。

4月29日(金)
5月1日(日)~5月5日(木)まで
*6日から元気に営業いたします。ユニフォームに詳しくなった皆さんに再びお会いできるのを楽しみにしています!