まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。テンション上がってますか?念のため断っておきますが、ここはまいど屋です。あなたが夜な夜なこっそりアクセスしている、人には言えないサイトを間違って開いてしまったわけではありません。あなたがこのページを読み終えた後、特集記事に移ってそこで数時間を過ごしたとしても、それは全く健全な、ある意味では全ての働く人たちにとって必要なたしなみでさえあるのですから、誰にはばかることなく、気のすむまで画面を凝視すればいいのです。あなたのデスクに同僚の女の子が近づいてこようが、決して画面を閉じたりしてはいけません。そうした弱気な行動をとれば、あなたはあなたの職業倫理に従って起こした正統な生産的活動を、自ら否定することになるからです。場合によっては彼女にもきちんと画面を見てもらい、モニターに表示されたその類稀なる美を二人で公然と鑑賞するプロセスを踏むことで、今月号に対するあなたの執着になんらやましいところがないことを証明してみるのもいいかもしれません。そしてムキになって嫌悪感を示そうとする彼女のポーズとは裏腹に、隠しようのない好奇心がその瞳に現れているのを認めたなら、あなたは落ち着き払った態度で彼女のためにこの革命的新商品をプレゼントすべく、間髪をいれずに商品をバスケットに入れて購入手続き画面まで突き進んでいくのもいいかもしれません。恐らく顔面を覆い隠すフリをした彼女の両手の指には、あなたに気付かれないようにほんのわずかな隙間が作られています。あなたに十分な観察力があれば、彼女の期待に満ちたまなざしが、そこを通して画面に釘付けになっているのがわかります。そして彼女のあなたに対する態度が、いつもより親密になっていることに気付くはずです。
繰り返しますが、今回の特集もいつものように、あなたとあなたの所属する会社のワークライフをより快適にするために必要な極めて公的な刊行物であり、これを熟読することは、最早公務と言って差支えがないのです。あなたの上司の方も、その辺の事情は十分承知しているはずですので、どうかご安心ください。それでは、これから会社のパソコンで堂々と、まいど屋があなたのために用意したゴージャスなフルコースをご堪能いただければと思います。さあ、召し上がれ。岡山・東京産オフィスウェアの空調仕立て、まいど屋風。季節のリチウムイオンバッテリーを添えて。

今月のテーマは空調オフィスウェア(18禁)
すみません。先月の予告編からタイトルを変更しました。確か先月の段階では、禁断のオフィスウェアという仮タイトルでしたが、もっと直截的なものに変えました。元のタイトルでは恐らくほとんどのひとがまいど屋の真意を測りかねて興味を失い、中身を見ることなくスルーしてしまうことを危惧したからです。
こっぱずかしいので、ここではあえて変更後のタイトルの意味には言及しません。なぜまいど屋の公式レポートにそんな週刊現代的タイトルが付いているのか、既に特集に目を通したあなたはもう知っているはずです。よい子が家族の中にいるお父さん、お母さん、お手数をおかけして申し訳ありません。お子さんには、まいどは大人になってからと言ってあげてください。本来ならば特集ページのバナーに、あなたは18歳以上ですかというボタンをつけておくべきでしたが、スタッフが誰も協力してくれないのでやめました。女性スタッフが多いまいど屋では、こうした人間本来の欲求を解き放つような、ルネサンス的精神を持った試みには拒否反応が出ることが多いのです。
社内では本特集に賛同してくれる人間がなかなか現れず、今現在も針のむしろに座っているような心境です。でも、少なくともこの文章を読んでいるあなたにだけは喜んでもらえるはず。そう信じてこれから今月号をアップします。それにしても結構プレッシャーがきついよなぁ。本音を言うと。
【編集部より】まいど屋は、このたびフランスのニースで起きたテロの被害に遭われた方々に、心から哀悼の意を捧げます。特集に登場するジュリアンはニースの出身でした。まいど屋は彼の友人として、かの地の人びとが一日も早く悲しみから立ち直ることをお祈りいたします。去年のまいどブラ特集でお話しした通り、ニースはまいど屋にとっても特別な場所でした。惨劇のあったあの場所が、まさに去年の特集が誕生したビーチの真後ろだったのです。
今回の特集の撮影は、事件の前に行われました。ジュリアンが深いショックを受けていなければいいのですが。

FW:8月号の特集について
FROM:滝沢
TO:黒田
8月1日
編集部からこんなメールが来てたんだけどさ、見た?全く、あそこは何考えてんだろ。やりたい放題じゃない。そのうち、本当に大変なことになって、新聞沙汰にでもなって、ウチらも巻き添えを食うことになるんだよ。マジ、ヤバくない?こそこそ隠して後になってバレるより、最初からオープンにした方がいいと思うんだけどなぁ。そうだ、編集部に内緒で、月刊まいど屋にアップしちゃおうよ。当日、まいど通信にコピペしておくからさ。なに、大丈夫。もうすぐお盆休みになるし、休み明けにはほとぼりも冷めているんじゃない?やっちゃえ、やっちゃえ。じゃ、またね。
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件名:8月号の特集について
FROM:編集部
TO:全スタッフ
分類:TOP PRIORITY
7月31日
<<このメールは社外秘です。読み終わったら直ちに削除するなど、取り扱いには十分注意してください>>
スタッフの皆さんに大変重大なお知らせがあります。本来、もう少し早く説明をしておきたかったのですが、お伝えすべき内容に極めてセンシティブな情報が含まれており、また、状況も二転三転したために、公表するとかえって社内的な混乱を招く恐れもあったため、心ならずも本日まで極秘裏に作業を進めてきました。この件に関し、最近、社内で様々な憶測や噂が飛び交っていることは編集部でも承知しています。どうか、皆さんはそういった不正確な情報に惑わされることなく、このメールに記された当社の公式見解にのっとって、それぞれの持ち場でベストを尽くしていただければと思います。
さて、皆さんがうすうす感づいていた通り、当社では明日から空調オフィスウェアについての特集を強行します。この特集を一般公開するにあたり、当社はこれから様々な困難に直面することになるでしょう。もっとも心配されるのは、オリジナルの空調服を製造販売しているサンエスさんの反発です。サンエスさんが社運をかけて拡販している空調服は、その概念自体がパテントでしっかりと守られており、うかつに類似品を開発しようとすると、法的な対抗措置を取られる恐れがあります。仮に裁判によって当社の主張が認められたとしても、サンエスさんとの関係が決定的に悪化し、今後、オリジナルの空調服を取り扱えなくなることも予想されます。ただし、現時点では情勢は流動的です。万一、お客さまから問い合わせがあった場合には、まいど屋はこれからも変わらずサンエスさんとの協力関係を維持していくと答えてください。
次に問題となるのはこの特集に協力をお願いしたタレントの高橋さんと宮脇さんの事務所側の反応です。当日、時間が経つにつれて現場がヒートアップしてしまい、事前の打ち合わせにはなかった、かなり過激な写真が多数撮影されたのではないかとクレームが入っています。実際、それはその通りで、編集部にはそうした写真が厳重に保管されています。ただし、際どすぎるショットは全てふるいにかけられ、本特集記事では採用していませんので、先方にはそうした写真は存在しないと言い切ってください。編集部にある写真を個人的にハードディスクにコピーし、自宅に持ち帰るなどの行為は絶対にしないようにお願いします。写真が流失するなどした場合、まいど屋には賠償責任が発生し、お店の存続が困難になる可能性があります。
最後に、まいど屋が一番恐れなければならないのは、この特集を目にしたお客さまの反まいど屋感情です。人はこれまで見たことがないもの、常識からはみ出したものに接するとき、往々にして過剰な拒否反応を示すことがあるのです。オフィスウェアを空調服化して本当に効果があるのかとの悪意を持った問い合わせには、感情的に反撃せず、数値を用いて冷静に反論してください。空調オフィスウェアを着用することで肌面を流れる気流の速度は、ダイソンの扇風機に1メートル離れたところであたる場合の5倍以上であるなどと強弁するのが効果的です。また、空調オフィスウェアの特集写真が過度に煽情的であり、公衆道徳に反するのではないかとの批判に対しては、美に対する見解の相違であるとしてその場を収め、後は当社法務部に対応を一任してください。
以上が皆さんが今回の特集中に注意すべき事項です。当社はこれから創業以来の試練を迎えます。全員で一致団結し、このピンチを乗り越えましょう。私たちにはその力があります。編集部はそう信じています。

お盆休み
ほとぼりを冷ますためではありませんが、まいど屋は下記日程でお盆休みをいただきます。今回のお盆お休みがまいど屋始まって以来の5連休となったのは、今月号の特集にまつわるごたごたのために社員一同が逃亡するからではなく、去年まではなかった山の日などというわけのわからない祝日がいきなりぽこっと出現してきたためであることをここではっきりと申し上げておきます。山の日が何を意図して作られ、私たち日本人にとって何を意味するのかなどは今もってさっぱり不明ですが、とにかくまいど屋はこれを奇貨としてほとぼりが冷めるのを祈りつつ、サポート業務を一時中断いたしますのでご了承ください。お休み中は特集に対する皆様からの苦情などには一切頓着せずにバケーションを謳歌し、連休後に再開される猛烈なバッシングに耐えうる体力を回復しておく所存です。
<お休み期間>8月11日(木)~8月15日(月)
16日(火)には何食わぬ顔で元気に戻ってきます。また、お会いしましょうね。