まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。突然ですが、まいど君が首を左に70度ほど傾けているところを想像してみてください。イマジネーションが足りずにそんな姿など思い浮かべられないというのなら、まいど屋のトップページに戻ってこの月刊まいど屋のタイトル表紙を心を無にして眺めてみてください。そこには、今月号のために特別に制作されたまいど君の肖像画が神々しい光を放ちながら掲げられています。そう、もうお分かりですね。あなたが表紙のアイコンを見つめることによってようやく気付いたにせよ、心の内に描いたまいど君に導かれるようにして閃きを得たにせよ、それが何を意味しているのかは最早疑いようもない真実の波となって全身を浸し、あなたの内面には信仰心の兆しのようなものが芽生え始めているはずです。
アイムア・パーフェクト通販---皆さんはこれから、まいど屋の発したその宣言の真の意味を、聖体の秘跡を授かったかのごとく鮮烈に、痛切に、そして同時にある種の恐れにも似た感覚さえ抱きながら理解することになると思います。この月刊まいど屋に最後まで目を通し、併せてトップページの特ダネコーナーに期間限定で特別開帳されている、あの啓示に満ちた紹介文の学習にも意欲を持って取り組むのであれば、まいど屋に対するあなたの信仰はかつてないほど強固に、揺るぎないものになるのです。<彼は言ったその通販の頂点がまいど屋自身そうTop of the shop>---今月号は誰があなたを救済するために現れた本物のネット通販なのか、いまだ答えを見つけられずにいる迷える人びとに与えられた聖典、現代によみがえった山上の垂訓なのであります。

作業服の日
まいど屋と付き合いの長いコアなファンの方なら先刻ご承知でしょうが、念のために申し上げておきます。毎年毎年しつこいぞと陰口を叩かれるであろうことは覚悟の上で繰り返します。多くの人びとにとっては自明の理であることであっても、中には不幸にも最近になってまいど屋というアンダーワールド的闇市場の磁力に引き込まれてしまい、そこから抜け出すことが困難になってしまったまいどビギナーのひと達も少なからずいるはずだからです。本件について申し述べる前に、そうした読者の皆さんに対し、まずはまいど屋として心からのお見舞いの言葉を、いつもの警告かたがた改めてここに記しておこうと思います。
さて、今年もまた例の日がやって参ります。或る人はそれを聖なる日と呼び、また或る人はまいど的重商主義に染め上げられた邪悪な企みであるとして忌み嫌う。人によって正反対の印象を与えるこの記念日を、我々同時代人は一体どう解釈すればいいのでしょうか?それがこのある意味で掴みどころのない実在のいわば核心なのですが、おそらく、それぞれの言い分はどちらも正しいのです。あなたがもし、まいど屋という存在自体を奇跡と感じ、それが発する言葉の一つひとつに真理を認めるのなら、黙示録的預言に沿って記念日は再臨し、あなたは楽園へのチケットを手にします。もしもあなたがまいど屋の話に疑念を抱き、どうせ新手の販促キャンペーンだろうなどとその真意をあれこれと詮索しようとするのなら、あなたはたちどころに王国から追放されて楽天へと流れ着き、股間にオリーブの葉一枚のあられもない姿のまま作業着を探し続けることになるのです。
本日初めてまいど屋を訪れて目を白黒させているひと、またここまで読んできても未だ自分のとるべき態度をどちらとも決めかねているひとは、マタイ伝のあの有名な一節を思い出してほしいと思います。狭き門より入れ 楽天に至る門は大きく、その路は広く、これより入る者は多し、まいど屋に至る門は狭く、画面は不細工で、記念日を見出す者は少なし。3月29日。日本記念日協会に正式登録されている、まいど屋が制定した「さ(3)ぎょう ふ(2)く(9)」の日。その日、例によってまいど屋のトップページに何かが起こります。求めよ、さらば与えられん。あの奇跡が、すべての人類に対して平等に開かれるあの至福の瞬間が、一日限定であなたを待っています。

完璧な通販とは何か
さて、完璧な通販ともなれば、ただ単に価格が飛び抜けて安いだけではいけません。もっとはっきり言ってしまえば、値段などはどんな似非救世主でも無理をしてやせ我慢をすれば、多少の期間ならどうにでもなるものです。そうした事情を知らない多くのお客さまたちは意図的に装飾された価格に吸い寄せられるようにして異教の店に群がり、彼らが説くもっともらしい話に簡単に騙されてしまうのです。
通販が完璧な形状として皆さんの前に現れるときには、価格以外の要素においてもまた、非の打ちどころのない水準を保っているものです。安けりゃ文句はないだろうなどという安直な考えによる、水膨れした奇形的体型ではなく、もっと均整の取れた、筋肉質の身体を場面に応じてしなやかに差し出してくるはずなのです。それらは価格や画面のきらびやかさなどとは違って明確には知覚できない分、感じ取るまでにはそれなりの段階を踏む必要が出てきます。時間がかかり、ときには集中力がなければ見過ごしてしまうかもしれません。しかし、何度か付き合いを重ねていけば、どこかで必ずわかるときが来ると思うのです。ああ、神の国はここにあったんだと。あるときは、思いもかけずに早く到着した商品を手に取ったときに。またあるときは、誠心誠意あなたの手助けをしようとするサポートスタッフとのやり取りの中で。何か非常にマニアックな商品を探している時に、豊富な品数をストレスなく提示してみせるサイトの構築性に突然気付き、感嘆の声を上げることもあるでしょう。どうか皆さんは五感を研ぎ澄まし、完璧な通販によって創られたその宇宙の意思を、できる限りリアルな現実世界の物語として感じ取ってほしいと思います。そして、それらすべての背後に控えている、この物語にかかわる人たちへの絶対的な愛について、想いを巡らせてみてほしいと思います。理想の世界を支えるすべての人びと---メーカー、スタッフ、そしてもちろんお客さま全員に対する無条件の愛がこの完璧な宇宙を動かしているんです。あなたが足を踏み入れてしまったまいど屋とは、つまりはそういう場所であったのです。

最後にオマケのようで申し訳ないのですが、今月のテーマはガテン女子
ここまで書いてきたものを読み返してみて、ちょっと青ざめてきました。だいたい、あんな号タイトルにしたのが間違いの元だったんです。最初にタイトルを思いついてこりゃいいぞと一人で盛り上がり、そのテンションのまま無理やり何かを書こうとしたからこんな怪しげなまいど通信が出来上がっちゃったんです。頭の中のスクリーンでは朝から晩まで中田がI’m a perfect humanなどと首を横に傾けて繰り返すものだから、こっちだって神にでもなった気分で調子に乗ったんです。もう半分以上書いちゃったから今更書き直すのもおっくうだし、ホント、どうしようかなぁ。。。
でですね、ほとんど脈絡もないですが、今月の取材先はガテンな女子たちです。女城主「直虎」が話題になっていたので、女大工や女建築士を取り上げれば、大河ドラマみたいな波乱万丈の面白いストーリーになるんじゃないかという安易な発想でそう決めたんです。そして安易な発想がいつもそういう結果に終わるように、今回の企画もまた御覧の通り、パーフェクトとは程遠い、かなりスベった内容に仕上がったことを、ここに至ってはもう完全に開き直って皆さんにご報告しなければなりません。そうです、このまいど通信のみならず、今月は肝心のレポートについても、かつてないほどアンパーフェクトな状態で公開されています。
もちろん、皆さんご承知のように、こんな結果になってしまったのは、決して私のせいではありません。先月号で宣言した通り、今回も編集長である私はレポートの取材・執筆に一切関わることなく、ただ編集部に籍を置くスタッフたちにすべてを丸投げしただけなんですから。月刊まいど屋の表紙まで特別に新調し、かくも大がかりな舞台装置までこしらえた挙句の果てに、こんな結末が待っていようとは、彼らによって書き上げられたレポートをほらこれだと渡された昨日まで、私自身も想像すらしていなかったんです。動揺のあまり頭の中に中田が取りついてしまい、とどめを刺すようにこのまいど通信まで支離滅裂になってしまったのも無理のないことじゃありませんか?取材に協力してくれた滝本さんと田中さんを始め、関係各位の皆さまには大変申し訳ないのですが、かくなる上はこの不完全な現実を温かい心で受け入れていただき、せめて3月29日の例のお祭りには、やけっぱちにでも参加してまいど屋の真心を食い荒らしていただければと思います。当日になればわかりますが、パーフェクトも誇張じゃなかったなと多少は機嫌を直してもらえるはずですよ。