まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。だから何だと言われると困るのだけれど、もう9月です。9月。気力を振り絞るよすがであった夏休みは既に過去となり、正月はあまりに遠い9月。夢も希望もないくせにただ残暑だけやたら厳しくて体力を奪っていく9月。そしてもう目前に迫っている秋冬シーズンの準備で非人道的なほど忙しく、労基署の監査におびえながらも果てしない残業が続く9月。それでもほんのわずかな時間を見つけてこうしてロクでもない月刊まいど屋の執筆に充て、まいど!などと空元気を装わなければならない9月。さらにそうまでしてやっと出来上がった原稿が、公式通販サイトにアップするコンテンツとは思えないほど、あからさまにネガティブモード全開になっている9月。もちろん、それを読んだ読者の皆さんまでまいど屋に引きずられてだんだん憂鬱な気分になり、そんなまいど屋を批判することさえ馬鹿らしく思えてくる9月。遂にはそれが全国に伝播し、日本全体がもうどうにでもなりやがれとやる気を失ってしまう9月。
いいじゃないですか、みんなでやさぐれてしまえば。ひとりだけだと単なる怠け者になってしまうけど、全員一緒なら目立つことはありません。よって、今月号の月刊まいど屋は徹底的に手を抜きます。レポートは編集部のスタッフに丸投げです。だって9月なんだから。そんなら普段はハードに働いてるのかと問い詰められると、それはそれでやっぱり返答に困るのだけれど。

今月のテーマはオフィスウェア
先ほど宣言した通り、今月のレポートは、全編に渡って編集部の女性スタッフたちが執筆を担当しています。号タイトルを除き、編集長の私は手も触れていない。テーマがオフィスウェアなら女性陣も張り切りますから、お願いするのも比較的ラクなんです。そして一旦その気にさせれば、後はあれこれうるさく言わなくたって、締め切りまでには原稿が出来上がってきます。編集長、ハイこれって。
ただ、誤算だったのは、出来上がった特集には完全な治外法権があるみたいで、編集長の私ですらうかつに干渉できなくなってしまったことなんです。一歩でも足を踏み入れようとするなら、女性専用車両に迷い込んでしまった酔っ払いのように眉をひそめられ、それでも立ち入ろうとすると、ここはお前の居場所じゃないんだよとものすごい剣幕で睨まれる。まあ、こっちももともと女性向けの文章が得意ではないからあれこれ注文をつける気もなかったんだけど、編集長の威信にかけてタイトル命名権だけは死守しました。で、付けたのが、「エゴイスティックなオフィスウェア」。どんなにエゴイスティックな要求にも応えられるほど充実した内容のオフィスウェアコレクション。エゴイスティックなまでに貪欲に、美しさを追い求めているオフィスウェアブランド。いろいろもっともらしい理由を並べれば、ほら、なんとなくそれらしく思えてくるでしょ。
でも、最初は、スタッフに無理やり任務を振った自分自身を皮肉るつもりで温めていたタイトルだったんですよ。それが次第にスタッフたちのエゴの方が勝っていることがわかってきて、これはますます譲れないタイトルだぞと。先程は虚勢を張って、特集に「手も触れていない」なんて書きましたが、実情は「手を触れさせてもらえなかった」ということなんだから。まあ、どちらにしてもぴったりのタイトルじゃない?

編集長求む
本日、ようやく立ち入り制限が解除され、私自身もスタッフが書いた今月号のレポートを読みました。ふむふむ。合格。普段、編集長の私が書いているものより、よっぽど読みやすいかもしれない。そうか、それならいっそのこと私が月刊まいど屋を外れ、スタッフ持ち回りで原稿を担当すればいいんだ。メンバーもやりがいを感じるだろうし、読者の皆さんもよりクオリティーの高いレポートを楽しめて一石二鳥。しめしめ、こりゃ、ラクでいいや。ね、君、来月もやっといてくれないか。え?他の用事が詰まってる?仕方ない、じゃ君は?ちょうど新商品のアップ作業に追われてるって?ええい、それなら、まさか君まで忙しいはずはないよね。何?今月だけの約束だったはずだって?そりゃそう言ったけどさ。編集長は約束を守るひとだと思っていたのに見損ないましたって、そんな目で見ないでよ。わかったよ、もう頼まない!いつまでも苦労するのはひとりだけでいいんだ!それがみんなの意見なんだ!
だけど、そうは言ってもこっちだって他の人類と平等に一日は24時間しかないんだからさ。ほとんど一年中、深夜残業を続けても一向に減らない仕事を抱えてるんだからさ。超人じゃあるまいし、限界っていうものがあるんだよ。自分にも基本的人権があるなんて言うつもりはないけど、たまにはまともに家に帰ってベッドで寝たいんだよ。月刊まいど屋創刊以来、もう10年もこんな生活してて、いつ倒れてもおかしくないよ。ホントに。
それでよく考えたんだけど、これから次の10年、そんな苦労をするひとりは、別に自分でなくてもいいわけじゃない。新しい編集長を探して、今月号みたいに全部やってもらえばいいんだよね。読者の皆さんの中に、誰か編集長職を引き受けてくれるひと、いませんかね。毎月、ちゃんと締め切りを守ってくれるなら誰でもいいんだけど、とりあえず、応募資格は芥川・直木賞受賞者に限っておきます。作家さんなら、月刊まいど屋ごときは片手間で書けるでしょ。人助けだと思って、本当にお願い。
(編集部注:この話、ジョークではありません。まいど屋、ホンキです。編集長が芥川賞作家に片っ端からアプローチしているみたいですよ。かなり真剣に。)

後払いができないんだけど
って連絡をくれるひとはほとんどいません。また仮に電話をもらったとしても、そんなことはまいど屋の知ったこっちゃありませんと言う他ありません。ご面倒でしょうが、他のお支払方法をお選びくださいと申し上げるしかないんです。そんな不運なひとには、電話がくる前にお支払方法変更のための専用メールもお送りしているのですから、どうか、その辺の微妙なニュアンスを察していただければと。。。まいど屋のお支払メニューにある「NP後払い」のことです。
NP後払いは商品が到着してからコンビニで代金を支払う決済方法で、非常に便利なのですが、ひとつだけ大きな欠点があります。それは、注文ごとに後払いのための審査があり、その審査にはまいど屋は一切タッチできないということなんです。少し専門的に言うと、後払いの注文に対する債権は、まいど屋ではなくNP後払いを運営しているネットプロテクションズ(NP)という会社に移ります。つまり、後払いの注文を受けるかどうかはNP社が判断するということです。NP社は審査結果をまいど屋に連絡し、まいど屋は審査が通ったオーダーだけを発送する。審査をしているのはNP社のコンピュータです。コンピュータですから、血も涙もありません。太郎君はいい人だからとか、花子ちゃんはまいど屋の昔からの常連さんだからとか一切考えない。セクハラ常習犯で飲んだくれのあのひとがOKで、人知れず献血を続けているけなげな彼女がNGなんてこともある。そしてその哀れな彼女には「お支払方法変更のお願い」メールがしれしれと届きますが、深く傷ついた彼女はその呼びかけに答えることもなく、静かにまいど屋との縁を切ろうとするのです。
もし、あなたが今まさにそんな状況にあり、傷口に塩を塗るようにまいど屋から未練がましい最後の電話を受けたとしても、どうか怒らないで話を聞いてください。拒否の理由は、ご注文の際に入力した「住所の番地が抜けていた」とか、「電話番号やメールアドレスが間違っていた」などの単純な行き違いだったのかもしれません。誤解だったんだよと笑って話せる関係に戻れるかもしれません。ただ、その電話でまいど屋のスタッフが口ごもり、「今回のご注文ではご利用できなくなってしまいまして」などと明確な説明をしないようでしたら、まいど屋をあまり深く追求せず、今後もまいど屋との関係を続けるのかどうか、ご自身の頭でもう一度冷静に判断してもらいたいと思います。拒否をしたのはまいど屋ではなく、NP社です。まいど屋には何の責任もありません。あなたの名前がNP社のブラックリストに載っていたのか、またはあなたの買い物金額の合計がNP社が設定した支払限度額を超えてしまったのか、あるいは単なる嫌がらせなのか、こちらもさっぱりわからないんです。どうか、NP社の機械的な冷酷性と血の通ったまいど屋の真心を混同しないでください。支払方法は他にもたくさんあります。まいど屋は冷めてしまったあなたの気持ちが再び前向きになることを信じています。