まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。ちょっと!もう11月じゃないですか!あと60日で正月が来ちゃうなんて、一体どういうことなんですか!こんなに遅くまで、連日残業し続けてるってのに、年初に予定を立てた仕事がまだほとんど手つかずだなんて、そんなバカな話があるわけないじゃないですか!この責任、どうとってくれるんです?ええ、もちろん私はちっとも悪くありませんよ。根性見せろと言われたって、自分にできることは限界までやってきたんだ!プライベートなんかとっくになくなって、土曜も日曜も祝日も日々の雑用に追いまくられ、夜中までデスクにへばりついてきた結果がこの有様なんだ!これは私の能力云々というよりも、純粋な物理的問題ですよ、今となっては。
そもそもですよ、月刊まいど屋が何で月刊じゃなきゃいけないんですか?隔月でもいいじゃなですか!隔月まいど屋。または年4回でまいど四季報。それでもつらいから、まいど年次報告書。ええい、この際、オリンピックを見習って、まいど的作業着の祭典スペシャルレポート2020まで、自分の仕事に専念させてくださいよ。え?月刊まいど屋がお前の仕事だろうって?冗談言っちゃいけませんよ。編集長としての私のメインの仕事は、商品画面の更新なんですよ!新色が出たら追加する。新商品が入荷したら商品説明をつけてアップする。それが滞ったら、まいど屋に来るひとは気の毒にも旬をとっくに過ぎた流行遅れしか選べなくなっちゃうってわけですよ。それでもいいんですか?私がこんなロクでもない月刊まいど屋なんかに関わりあってたら、皆さん自身が被害を受けることになるんですよ!
え?事情は分かったから、もう月刊まいど屋やめていいよって?大して期待もしてなかったから、なくなっても一向に困らないって?なんてこと言うんですか!皆さんの罵詈雑言に耐えながら、こっちは10年間も続けてきたんですよ。今やめたら、これまでの悪あがきがムダになっちゃうじゃないですか!そうはいきませんよ。それに、月刊まいど屋がなくなったら、トップページの中央は何で埋めりゃいいんです?某他店みたいに、新庄の顔写真でも載せておけって?イヤですよ、あんなの。どこもかしこも、みんな同じじゃないですか!バブルの頃のワンレンボディコンの女子大生じゃあるまいし。自分の美意識はどこにあるんです?他人と同じことするくらいなら、閉店した方がマシですよ。そして実際に閉店したら失業者になってしまうから、やっぱり月刊まいど屋を何とか継続するしかないじゃないですか。そう結論付けてですよ、9月の本欄で仄めかした通り、編集長の後釜を必死になって探してるんだけど、未だに引き受け手が見つからないってのはどういうわけです?芥川賞作家って、そんなに忙しいんですかね。そんなにもったいぶらずに、お願いしますよ。そして私に、私本来の仕事をさせてくださいよ。このままだとホントに、新庄の顔がまいど屋のトップページの真ん中でにっこりほほ笑むことになるじゃないですか。新庄の顔ですよ。ぞっとしちゃうでしょ。そんなまいど屋なんて。

私の町のカースト制度
でですね、何かもう吹っ切れて止まらなくなっちゃったからこのまま書きますが、私の私生活は今、めちゃくちゃなんですよ。まあ、今に始まったことじゃないんだけど、仕事が終わって帰宅するのは大体3時、たまに帰宅途中に気を失って路上で寝てしまうと、4時とか5時ですよ。よくこんな生活10年もやってるって自分でも感心しますよ。何を目指しているかなんて、考えているヒマもないんだ。文句を言う余裕すらない。励ましてくれるひともいない。それでどうやって正気を保っているのかって?よく聞いてくれました。それはですね、実は私にもたったひとつだけ心の支えがあるんですよ。私が帰宅する道の途中に、バイク屋さんがあるんです。昭和チックで古ぼけた店構えなんですが、私には青山表参道のクリスマスイルミネーションよりも輝いて見えるんです。夜中の3時でも4時でも、明け方近くでも、店内に煌々と灯りをともして営業してる。そんな時間にバイクを買いに来るひとがいるとは思えないんだけど、とにかく常に店を開けているわけです。これは並大抵の意思じゃできないですよ。商人の鑑です。根性の塊です。夜中にフラフラになって家路についていると、この店が目に入って私は慰められるんです。ああ、私よりムチャな毎日を送っているひとがいるんだなぁって。インドのカースト制度では、より惨めな階層の存在を意識させることで人びとの不満を解消しているらしいけれど、私にはその仕組みが機能することがよくわかります。あのバイク屋の店主だって、自分よりさらにヒドイ境遇の人間を見つけたからこそ、ああして毎晩、修行僧のように営業を続けていられるに違いないんです。まいど屋の編集長の方がまだ恵まれているよってしみじみ思うわけですよ、その店の前を通ると。

社名変更
今日は何だか変なテンションが続くので、さらに突っ走っていいですかね?私は子供の頃から、きちんと整えられたちゃぶ台をひっくり返したくなる妙な衝動を抱えていて、一度自爆するとどんどんエスカレートしていく傾向があるんです。そんなわけで、まあ、読者の皆さんが止めたところで止まるものではないのだから、初めから許可など求めなければいいんだけど、とりあえずまだほんの僅かな自制心は残っている証として、一旦そう訊いてから話を始めます。恐らく、すでにドン引きしてしまったひとはこのページを去ってしまっているはずで、後はマザーテレサ並みに寛容な精神の持ち主か、人が盛大にコケる瞬間を辛抱強く狙っているパパラッチか、または怖いもの見たさの野次馬しか残っていないとすれば、今さらそんなポーズを取る必要はないんだけれども。そろそろ社名を変えようかという話です。
だってもう飽きたんですよ、まいど屋には。それに、こんなに精神衰弱してるんだから、ここはいっそのこと気分一新、新しい名前で出直したいわけですよ。それでですよ、いろいろ考えて、今、私は改めて思うんですが、ネットショップにとって、名前は本当に大切なんです。安易に決めちゃいけない。だってそうでしょう?ネットで買い物して、店名を覚えているひとが一体どれだけいると思うんです?雰囲気だけでわけのわからない横文字なんか使ったりしてたら、3分後には忘れられてますよ。一カ月後のリピートなんて、私の禁煙宣言並みに当てにならない。名前はですね、一撃で相手に刺さらなきゃいけないです。検索して表示されたら、クリックしてみようかと思わせなきゃいけない。そういう名前、思いつきますか?私は先日、やっと思いついたんです。夜明け前にシャワーを浴びていて浮かんできたんです。風呂場で、裸のまま一人で飛び上がりましたよ。これなら検索画面でクリックされること間違いなし。「作業服」で検索すると、グーグルの画面には、こんな風に出るんです。

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少なくとも私は絶対にクリックします。どん底ですよ。かわいそうだから、買ってやろうと思うじゃないですか。サポートセンターに電話をしても、お電話ありがとうございます、どん底の田中が承りますとか言われたら、店に対して厳しい要求なんてできっこないです。いいよ、いいよ、そっちの好きなようにやってください、応援してますからなんて目に涙をためながら受話器を置くに決まってる。そして、一度買ったら二度と忘れない。もちろん、この月刊まいど屋も看板を掛け替え、「月刊どん底」として再スタートです。ゴーリキーを意識し、ロシア文学的なテイストにすれば、私の趣味にぴったりです。それに、ひとは他人の不幸話が大好きですから、確実に読者が増えます。そして最後に、今のまいど屋の最重要課題の一つであるスタッフ人員の増強にも大きな効果が期待できそうです。---どん底であなたを輝かせませんか?多くの仲間があなたが来るのを待っています---。きっと、応募が殺到します。どん底に興味のある方、まずはまいど屋サポートセンターにお電話ください。

今月のテーマは秋冬作業服
最後にオマケのようで申し訳ないのですが、今月のテーマは秋冬作業服です。そう、長年のお付き合いの末、ある程度は本音で語り合える仲になっている皆さんだから今更隠し立てはしませんが、今回は特集の企画自体がほとんどオマケみたいな感覚で制作されました。秋の作業服特集は、月刊まいど屋の中で最も注目度が高く、例年ならそれなりに力を入れて取り掛かるのに、今月に限ってはどういうわけか初めからギアを上げていく気持ちになれなかったんです。取材先も決まらないまま時間だけが過ぎ、とうとう最後は切羽詰まった。そして結局、そういう場合にいつもアテにされる安直な救済措置に、まいど屋は飛びついたわけです。
予想通り、ある程度まともに仕上がったのは藤和さんだけです。寅壱さんとクロダルマさんのレポートについては、自分でも目も当てられない出来でした。アイデアが枯渇した映画ディレクターが頼りがちな、いわゆる続編のスタイルを採用したのが悪かったんです。ハリウッドみたいに第一作目が大ヒット作ならそれでもいいんだろうけど、月刊まいど屋の元ネタは、同じようにしょうもない月刊まいど屋のバックナンバーですから、そもそもパート2の方法論が機能するはずがなかったんです。我ながら、あまりにうかつでした。ちなみに寅壱は先月10月号の三段鳶「或る日の夜噺」、クロダルマは1月号のクロダルマ「笑ゥ営業マン」を読んだひとでなければ、まったく意味不明の内容だと思います。号タイトルも含めて何がなんだかさっぱりわからず、おおよそ本当に気が狂った編集長が書いているコーナーなのだろうと首をすくめて苦笑いをしてしまった新規読者の方がいたとしたら、それは全くの誤解だとここではっきりと申し上げておきます。私の頭はまだ正常です。ただ、時間がなかっただけなんです。