まいど通信


        

●大阪駅前ビル地下の「攻略法」

 今回は、なんと編集長の地元・大阪のグルメレポートです。鉄の胃を持つと噂の盛山さんに大阪駅前エリアを、もとい大阪駅前ビルの地下街を食べ歩いてもらいました。
 なんだ地下街だけかって? いやいや、実はここはとんでもない穴場なんですよ。100件以上の飲食店がある、昼から一杯やれる、というだけではなくて、どの店も相場より安くておいしい。しかもアクセスも至便。JR大阪駅前(地下鉄梅田)でメシを食うなら、ここに決まり! と断言しておきます。
 じつは僕もサラリーマン時代、この地下街に通い詰めた記憶があります。当時は毎日のように、ここでメシを食い、純喫茶で休憩し、夜になると呑みに行っていました。それでも、行けたお店はごくごく一部。しかも老舗を除いてテナントはコロコロ変わっているので、いま行っても昔よく通っていた店があるか、さだかではありません。
 そんなとっても奥が深い飲食街、大阪駅前第1~4ビルですが、ここで記憶を頼りにその"攻略法"を書いておきましょう。
 まず、訪問するなら必ず平日にしてください。基本的に周辺オフィス街で働く人がランチや呑みに行ったりする場所なので、土日は多くの店が閉まっています。とくに日曜日はぜんぜんダメ。ほとんどシャッターが降りていて、平日の賑わいが信じられないほど閑散としています。
 もし、休日にメシを食べるなら、この地下街に直結している「堂島地下センター」やその周辺が空いていてまあまあ安くておいしいのでおすすめです。
 続いて攻略法の二つ目は、迷ったらカレーを狙うことです。レポートした「カレーショップ ミクロ」をはじめこのあたりの地下街にはカレーの名店がたくさんあるのです。「カレーならしょっちゅう食べてるから、ちょっと変わったものがいいなぁ」という人は、インド人のカレー屋に行きましょう。大阪駅前ビルはエスニック料理でも昔からの激戦区なのでハズレなし。無料でナンのおかわりができたり、ビールが安く呑める「ハッピーアワー」をやってる店もあります。
 さて、最後のポイントは(というか呑みに行くなら)1軒目を「角打ち」にすることです。地下の飲食街にたくさん「立ち呑み」があることはよく知られていますが、じつはここの第1ビルの地上1階には酒屋もある。それも冷蔵庫から勝手にビールを取って、おでんやポテトサラダで呑む「角打ち」スタイルのお店です。ほぼ原価で酒が呑めるということで、サラリーマンの憩いの場としていつもにぎわっています。こういう繁盛した空間で1杯目を呑めば、気分が上がること請け合い、でしょう。
 あ、そうそう、この地下街で気に入った店を見つけたら必ず店名をメモするなり写真を撮るなりしておくのをお忘れなく。なにしろどこもほぼ同じ風景なので、「たしかあの角にあったはず」「金券ショップの向かいだった」くらいの記憶では、二度と行けない店になってしまいますよ。

●「安くてウマいを」支える人々

 今回ご登場いただいたのは、どれも数人で切り盛りする小さなお店。
 カレー・韓国料理・イタリアンと料理のジャンルこそバラバラですが、みなさんユニフォームについては「動きやすさ」や「着心地」を重視していたのが印象的でした。
 食べものを扱う仕事だから清潔感が大事で、火を使うから燃えにくくて、しかも油汚れも付きにくい素材で……、といったことばかりイメージしていました。ところが、意外にも実際の声はそういうデザインや機能より「作業性」のウエイトが大きかった。
 同時に思いました。飲食業ってものすごく体を使う仕事なんだな、と。
 キッチンを歩き回って料理を作るばかりではなく、配膳や片づけ、それに会計もしなければならない。小さな店ではお客さんとの会話も大事になる。飲食ユニフォームは、ただ料理を作るためだけのウェアではないということがよくわかりました。
 また「長時間、立ちっぱなしの仕事だから靴が大事」という声には、「安くておいしい料理」を提供する側の苦労が垣間見えた気がします。他の場所で食べたら絶対に1000円以上するおいしい料理がこの地下街では800円もしないわけで。その「安さ」の裏には、こういったお店の人たちの努力があるのです。
 それでも「お客さんが『安くておいしい』の声がうれしい」というのは、さすが大阪の料理人ですね。こちらも難しいことは考えず、出されたものをおいしく食べて、感謝しながら大満足で帰っていくのがきっと一番いいのでしょう。
 改めて、取材させていただいたお店の方々にお礼申し上げます。

●今年も来ました!「3.29作業服の日」

 ところで、今月末ついにあの日がやってきます。
 そう、待ちに待った「作業服の日」です! 当日は作業服や事務服をはじめ、飲食ユニフォーム、白衣などに身を包んだ提灯行列が明治通りを埋め尽くし、全員で祝詞を唱えた後、日本書紀の神代から伝わる作業服を奉納します。今年はローカル局の生中継もあるみたいなので、いけない人はテレビでご覧ください。
 ……というのは私の妄想ですが、「3月29日は作業服の日」というのは本当です。「3(サギョウ)29(フク)」で作業服の日。覚えやすいでしょう?
 ウソだと思うなら(私もこのあいだまで半信半疑でした)、一般社団法人 日本記念日協会のウェブサイト(http://www.kinenbi.gr.jp/)で検索してみてください。
 同サイトによると「作業服の日」のほかにも3月29日は、服の日、サニクリーンの日などにも決められているようです。理由は言うまでもなく語呂合わせですが、なんとこの「服の日」は毎月29日だそうで、「作業服の日」が1回来る間に12回も来ることになります。肉屋の特売日と同じ頻度でやってくるわけで、これは強い……というかちょっとズルくないっすか? あ、でも「服」という点では仲間だからいいか。
 さて、3月29日というのはただの語呂合わせのようでいて、なかなかすばらしいタイミングといえます。なぜかというと、そう、年度末だからですよ。
 記念日協会ウェブサイトの「作業服の日」の解説文にもこうあります。
「ものづくり大国の日本では多くの労働者が第二次産業に従事している。日本の屋台骨を支えている作業服姿の人々に感謝し、新年度の4月1日から新しい作業服でさらに頑張ってもらいたいとの願いを込めて」
 今年の3月29日は木曜日。カレンダー通りなら翌30日(金)で2017年度の仕事納めとなります。この日程を踏まえると、たとえば3月末までに「まいど屋」で新しい作業服を発注しておき、新年度は新品ウェアに袖を通して仕事をスタート、なんてことも可能です。満開の桜の中、颯爽と仕事に出かけていくなんて、まるで出陣前の戦国武将が身を清めて真っ白なフンドシを身につけるみたいで、いいじゃないですか。
 作業服の日には「まいど屋」トップページに何かが起こるというという話があるようで、こちらも要チェックです。
 というわけで、今月もお付き合いいただき、ありがとうございました。来月は「安全靴」の特集をお届けする予定です。お楽しみに!