まいど通信


        

●製作体制が変わりました

やっと暖かくなってきた、と思ったらもう桜の咲く季節となりました。花粉症に耐えながら書いた「月刊まいど屋4月号・安全スニーカー特集」をお届けします。
読者にとってはどうでもいいことですが、今月号から製作体制が変わりました。取材から記事作成・写真・商品説明まで、外部スタッフの手を借りず、今回から完全に編集長の私が作っています。
ところどころ分業するのではなく、取材から最終原稿まで一貫体制で引き受けるというのは、私の希望でした。理由はまず、その方が構成を考えたりボリュームを調節したり、いろいろ融通が利くから。それに、関係者が少ない方が事実確認などがスムーズだからです。
川上から川下まで一気通貫! 気分いいわー!
……といったスカッとした気分の一方、作業しているうちに「こりゃ大変だ」という思いもふつふつ涌いてきました。前の編集長(田中氏)から聞かされた「孤独な作業」の辛苦を、まさに味わい始めたところです。
そんな悩みをバッサリ解決する試みとして、導入部分など、一部フィクションを織り交ぜることにしました。あんな人間いるか? というのは言わずもがなですが、つまりは安全スニーカーをどんな切り口で語るかに悩んだとき、筆者の脳内にふっと出現した"イマジナリー・フレンド"というわけです。設定としては、天才でもちろん美形、神出鬼没、お金持ちで政財界にも強い影響力を持つカリスマ、ということになっています(便利だ!)。これからもきっと困ったときに編集長を助けてくれるでしょう。
と、こういう「遊び」はあちこちに入っているものの、商品説明や取材先のコメント内容はすべてノンフィクションですので、そのへんはご安心ください。

●キャラクターで語る安全スニーカー

せっかくなので、メーカーごとに初めて安全スニーカーを取材した僕の印象を語っておきましょう。これはあくまで個人の主観なので、まぁ話半分に聞いてください。
まずドンケルの「ディアドラ」。その佇まいから伝わってくるのは「安心感」ですね。いや「安全靴だから」というわけじゃなくて、「君なら娘を嫁にやってもいい」みたいな堅実な印象というか。それでいて実力は隠し持っている。「サザエさん」のマスオさんのように一見おとなしそうだけど、じつはアブノーマルな要素があるというか……、ああもう、自分でもなに言っているかわかりませんけれど。
次にミズノの「オールマイティー」。これは小学校のクラスにいる「おもろいやつ」みたいな感じですね。わりと何でもできる優等生なのに、オープンマインドで友達も多い。いつもクラスの中のおいしいポジションを占めている。要は自分の売り方をわかっているんです。でもじつはけっこう計算高いというか、すごく空気を読んでる部分も多かったりする。もちろん、アシックス君をバリバリ意識してるわけで……。
最後にアシックスの「ウィンジョブ」は、とにかくハイスペック。醸し出す一流な雰囲気は頭ひとつ抜けていますね。例えるなら成績抜群で部活のエースも務めるクラスの筆頭格、という感じでしょうか。努力家ですごい人であることは誰もが認める一方、ちょっと近づきがたい気もする。でも勇気を出して話しかけたら意外と親しみやすかったたりして……。
はい、ここまで書いておいて今まるごと消したくなってますが、「素人が見た各メーカー製品の印象」として残しておくことにします。

●1万円の安全スニーカーは高いか

執筆を終えて、改めて思うのは、今回の商品はどれも「けっこういい値段がする」ということです。試しに近所のホームセンターで同種の先芯入りスニーカーを見てみたら、なんと相場は2000~3000円くらいでした。もちろん安全規格はぜんぜん違うわけですけど。
今回取り上げた商品の実売価格は倍以上ってところでしょうか。なかには1万円以上するモデルもあるでしょう。
これは高いのか。3000円の靴を3カ月で履き潰すケースと、12000円の靴を1年履くのを比べれば、月当たりコストは同じですね。ただ、後者の場合は高い安全性と快適性、そして「いい靴を履いている」という精神的な充足、といったプラスアルファがあるわけだから、後者の方がお得、という考え方もできます。毎日履くなら、さらにこのプラスの恩恵は大きくなってくると言えるでしょう。
とくに今回紹介した商品なら、ほぼ機能的な不足はない。あとはフィット感やデザインなどの好みと価格帯で選ぶしかないですね。
僕も取材を進めるうちに、「安全スニーカー、ちょっと使ってみたい」と思うようになってきました。というのも、デスクワークなのに毎日、安全スニーカーを履いているという愛用者に会ったからです。彼はこんなことを言っていました。
「すごい快適だよ 踏まれても平気だし静電気もないし、意外と歩きやすい。でもこの前フットサルしたらちょっと足が痛かったけど」
マジで? と思いつつ、いま履いているスニーカーがボロボロになったら、次は安全スニーカーにしてみようかな……、という誘惑にかられているところです。



というわけで、今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次は5月号「白衣・メディカルウェア特集」でお会いしましょう!