まいど通信


        

まず、このたびの西日本豪雨により被災されたみなさま、並びにそのご家族のみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
 とくに今回の被災した岡山や広島は、ワークウェアのメーカーも多く、取材でも訪れたことがある地域ということもあり、「月刊まいど屋」編集部としては深く心を痛めております。
 さらには記録的な猛暑も続いています。どうかご無理をなさらないようにして下さい。
 みなさまのご健康と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

●困難だった取材

 さて、今月の月刊まいど屋「考古学の発掘現場ルポ」はいかがでしたか?
 なんで考古学なのか、結論から言えば「好きだから行ってみたかった」です。昔から歴史には興味があり、歴史系のミュージアムや講演会にはよく行っていました。しかし、それでは満足できず、
「実際に発掘しているところが見たい!」
 といった気持ちを抑えることができませんでした。
 そこにたまたま「8月号は何をやってもいい」という許可があり、「ひょっとして発掘現場に行けるかも?」と企画をスタートさせたわけです。
 取材は難航しました。まず、断られること断られること。かといって、同時にいろんなところにアプローチするわけにいきません。4件も5件も「取材OK」が出てしまったら大変ですから。
 結局、2つの調査機関から取材許可をいただくことができました。2件とも大阪になったのは結果的なものです。ただ、大阪の事業所はみんなオープンマインドというか、
「取材? へえ、おもしろそうやん」
 といったノリの良さがあったことは確かです。こんなふうに度量の広い方々が対応してくれたおかげで、なんとか現場取材にこぎつけることができました。
 今回の取材させていただいた調査機関のみなさま、ならびに依頼を取り次いでくださった関係者の方々に、厚くお礼申し上げます。

●梅雨なのに……

「発掘は手作業だから夏の過酷さはすごいはず。それを見に行くのだ!」
 というのも今月号のねらいでした。炎天下の作業の苦労話がたくさん聞けるだろう、と。
 ところが、企画をスタートさせてから、大事なことを忘れていることに気が付きました。
 梅雨です。
 雨が降れば発掘はストップ。取材もできません。今年は長雨ものせいで取材が延期になったりで、かなり余裕を持っていたのに最終的にはギリギリのスケジュールになってしまいました。
 ――6、7月に「屋外取材もの」をやろうとしてはならない。
 非常に勉強になりました。
 さらに誤算と言えば、「苦労話」がほとんど出なかったことでしょう。
 まず、発掘調査をしている人は体もメンタルもタフです。「いやー、暑くてしんどい。もう地獄ですよ」みたいな人はいないんですね。おそらく、そんなタイプはこの世界から去っていくのでしょう。
 さらに、苦労話が出ないもうひとつの理由は「好きなことをしているから」でした。
「仕事に意義を感じている」とか「自分の役割に使命感を持っている」とかじゃなくて、単純に「掘って探す」のが好きな人たちなんだと思います。
 子供のような好奇心で、土を削っていく。
 発見して、喜ぶ。
 こんなに楽しそうに働く人を見たのは何年ぶりだろう、と思った取材でした。

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 というわけで、今月も最後までお付き合いいただきありがとうございました! 次回、9月号でお会いしましょう!