まいど通信


        

まいど! 編集長の奥野です。日に日に冷えが厳しくなる今日このごろ、というわけで今回は防寒特集をお贈りしました。街でも使える軽防寒ウェアから、北国仕様の重防寒、雨や雪も心配無用の防水防寒、さらにはバッテリーで発熱する電熱ベストまで「冬将軍もドンと来い」なワークウェア情報をお届けしました。寒さに負けず、免疫力アップで試練の冬に打ち勝ちましょう!

●振り回された1年

気が付けば12月、師走じゃないですか。毎年思うことですけど、今年は早い、あまりにも早い、いくらなんでも早すぎる……。カウント間違いじゃないの? おれの1年間返して! と鈍色の空に向かって叫びたい気持ちです。どうやら、こう思うのは編集長だけじゃないようで、周囲でも「今年は何もできなかった」といった話を聞きます。

言うまでもなくコロナ禍のせいです。思えば4月の緊急事態宣言から、ずーっと、のべつ幕なしに、寝ても覚めても、この得体のしれないウイルスの脅威に振り回されていた気がする。普段から「病は気から」主義なので、むやみに怯えたりすることはなかったのですが、さすがに世の中がこういうムードになると気分が暗くなる。2020年があっという間に終わってしまったのも、世の中を覆う不穏な空気に呑まれて毎日ニュースをチェックしたり、あれこれ心配したりしていたからでしょう。

ただ、こういう時間が完全に無駄だったとは思いません。とくに外出自粛は、ライフスタイルを見直す貴重な機会となりました。

たとえばコンディション維持の習慣ですね。感染の疑いで隔離されるなんて絶対イヤだし、家族やご近所に迷惑もかけたくない。そう思えば風邪すらひけないわけで、いつのまにか健康に気を遣うようになりました。食事・睡眠・運動において、コロナ以前より丁寧な生活を送っています。

●筋トレ継続中

昨年の春頃に始めた筋トレも、気が付いたら1年を超えていました。小笠原に行くフェリーの二等船室(いわゆる雑魚寝で24時間)とか、どうしてもできない日を除いて毎日、YouTube動画に合わせて、スクワット・腕立て・上体起こしからなる10分間のメニューをこなし続けています。出張中は朝食前、ホテルの部屋で。2019年の秋には韓国・釜山行きの船の中でも欠かさずやり抜きました(こちらは個室だったので)。

ちょっと困るのが、早朝から山に行くようなケースです。春頃、高野山の山頂まで25kmほどハイキングをしたときは、始発電車スタートだったので筋トレするヒマがなかった。そして、山の中で汗をダラダラ流して登りながら思ったのは「帰ってから筋トレしたくない!」ということ。しかし、こんなことくらいで「特別に免除」としていたら、習慣は崩壊してしまう。帰りの電車でビールくらい呑みたい。そこから自宅について「はい、スクワット20回を2セット!」なんて、とてもじゃないが考えられない……。

苦悩した末の結論は、山の中で終わらせることでした。トレイルの終盤、展望台にベンチがあるのを確認すると、意を決して登山靴を脱ぎました。間髪入れずスマホで動画を再生し筋トレ開始。コンクリートで膝や背中を痛めつつ、なんとか完了です。ノルマから解放されたおかげか足取りも軽くなって、1時間ほどでゴールの高野山大門に到着しました。で、しばらく写真を撮ったりしていると、なんと後ろから若い女性ハイカーが登ってくるじゃないですか。

筋トレを始めるのがあと5分遅かったら、展望台でハァハァ言いながらスクワットや腹筋運動をしているところに女性が登ってくる、という悲惨な構図ができていたでしょう。本当にラッキーでした。これも高野山の開祖、弘法大師のおかげかもしれません。

●新テーマ「酒」

運動の方は習慣化しつつあるので、9月ごろから新たなテーマに取り組むことにしました。節酒です。

じつは編集長は365日、晩酌をする人間なのです。泥酔したり二日酔いしたりするほど呑むのは、数カ月に一度くらいですが、毎晩酔っぱらっているのが体にいいわけありません。血液検査で肝臓の値が、正常値をわずかに上回ってしまったのを機に、潔く節酒に入ることにしました。

このまま何も手を打たないと、いつか医者に酒を止められてしまう! 酒を愛するが故の節酒です。

過去にもさまざまな節酒を試してきましたが、すべて失敗してきました。週×回の休肝日は「明日にしよう」であっさり崩壊。計量カップで規定量を定める方法も「今日は特別だから!」でいつの間にか破綻。一方、ウイスキーなどのボトルを家に置かないのは、まあまあ効果がありました。でも、毎晩呑むのはやめられません。コロナの外出自粛もあって、春から夏にかけて酒量は増えていました。

そこで、今回は以前から温めてきたシンプルなルールを適用することにしました。

「偶数日は禁酒。ただし、旅行・出張・行楽・会食のケースは除外」

これです。これなら多少の除外日があっても月10日以上は休肝日が取れる。たまに31日→1日というボーナスがきてガス抜きになるし、元旦や大晦日もちゃんと呑める。一晩だけの我慢なら、なんとかなりそうです

で、スタートから3カ月経ちました。今のところ上手くいっています。

偶数日をやり過ごすコツは「酒の存在を忘れること」です。具体的には次のようなことに気を付けます。

・酒を売っているコンビニやスーパーにできるだけ入らない
・居酒屋の前を通らない。店の看板を直視しない
・飲酒シーンのある映画や小説・マンガを読まない
・それでも強い欲求を感じたら、とりあえず炭酸飲料を飲む

困るのは予期せぬ「酒との遭遇」です。サウナでビールのCMが流れるくらいなら目を閉じて耳を塞げばいいけれど、完全な不意打ちになると対処が難しい。

「戦争作品は酒が出てこないから安心だな」とテレビで第二次世界大戦の映画を見ていたら、いきなり軍の幹部が執務室でウイスキーをクイッと飲み干したときは、けっこうぐらりときました。ほかにも「ハロウィンパーティー」が「ワインパーティー」に見えて肉と赤ワインの白昼夢を見たり、メールが届いたので確認したら酒井さんからだったり……。

でも、なんとか呑みませんでした。欲求というのは最初の数十秒間さえ我慢すれば、なんとかなるものです。それにこういう日を繰り返すうち、欲求はどんどん弱まってきている。このまま偶数日禁酒を続けていれば、来年の今頃は「酒なんていらない」と言っているかもしれません。

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というわけで、今月号はこれでエンディングです。コロナに振り回されっぱなしでしたが、1年間お付き合いいただき、ありがとうございました。ご登場いただいたメーカーの皆さんにも感謝です。それでは、みなさまよいお年を!