まいど通信
まいど! 編集長の奥野です。今月はすっかり夏の風物詩となった空調服の特集をお届けしました。毎年、夏が来るたびに街で見かける頻度が増してくるファン付きウェアですが、今年はとくにすごいですね。先日の日曜日はファミレスにカジュアルな空調服の人が入ってきました。普通のおじさんが昼間のお出かけ用に使っているのです。ひょっとしたら2021年は「一般人でも空調服を着るようになった始まりの年」として記録されるかもしれません。
●一念発起の夏
いきなり「中年あるある」で恐縮ですが、じつは編集長は5月からダイエットに挑戦しています。
今年で40歳。20年前には50kgだった体重はじわじわ増え続け、今や65kg近くに。身長が低いぶん体重増加の影響はデカいんです。夏が近づいて薄着になるとおなかの肉が気になってしまう。年をとると代謝は落ちていくわけで、このまま普通に食べていたらおそらく年間1kgくらいのペースで増えていくのは間違いない!
そんなわけで、この夏で体重を60kg以下に戻そうと決意しました。
とりあえずエクセルで表を作成してみます。毎日80gほど体重を落としていけば1カ月で2.4kgのダイエットになり、2カ月で目標達成です。まずはこのシナリオでチャレンジしてみることに。食べるのは控え目にし、ラーメン&ライスといったヤバい組み合わせもやめるけれど、酒は従来通り普通に呑みます。あまり締め付けすぎては続きませんからね。
ダイエットを始めて1週間、体重はピクリとも減りません。1日80gなど夢のまた夢。当初のシナリオはあっけなく破綻です。やはりカロリー制限をやるしかないのか……。
計算は面倒なので、主食を減らす戦略を考えてみました。いつもワシワシ食べているごはんやパスタを少な目にすれば、摂取カロリーは自然と落ちるに違いない。というわけで「ダイエット中のごはんの量の目安」をネット検索する。と、ダイエット本も書いている糖尿病の専門医が「男性の場合、1食あたり120gを目安にしてください」と言っているのを見つけました。
120gとはどれくらいの量か、よくわからないのでさらに調べてみると「1合=360g」と判明。同時にイスから転げ落ちそうになりました。編集長はよく「軽い食事」として電子レンジでごはんを1合炊いて食べているのですが、あんなもんペロリです。瞬殺です。その3分の1にしろって、おれを殺す気か! ちなみにパスタの場合、「適量は70g」。こちらも普段150g以上食べている人間にとっては目を疑うような数字……。
しかし、もはやほかに手もありません。できる・できないはひとまず置いて、ライス120gの食事を実践してみることにしました。料理用のはかりを使ってキチッと軽量してみると……、やはり信じがたい量です。普通に食べたら3口で終わってしまう。いったいどうすればこの量で満足感が得られるのか?
考えに考えて、海苔巻きにすることにしました。普段の「三角食べ」はやめて、少量のごはんを手巻き寿司のようにして、おかずの合間に食べる。海苔に乗せるライスの量をできるだけ少なくすると4つか5つくらいは「巻き」を作れました。
結果、ライス120gの食事は不可能ではないことがわかりました。通常のおかずにインスタントの味噌汁や春雨スープなど汁物を加えれば、さらに空腹感を紛らわせることができます。
こ、これは、意外とイケるかもしれない……。
●ダイエット最優先
ただ、それは食後すぐの話です。食べ終わって1時間もすると猛烈に腹が減ってくる。机に向かっても空腹で頭が働かない。扉に伸ばした手がドアノブの手前でスカッと空振りしたりする。
そんな状態では仕事に悪影響が出るのでは? と思う人もいるでしょう。もちろん出ます。が、私はこの「計量ダイエット」を始めた時点でもうハラをくくりました。「仕事よりダイエットの方が大事だ」と。この夏、ダイエットに失敗すれば、これからずっと「腹の出たオヤジ」として生きていくことになる。それに比べれば、仕事のパフォーマンスが下がるくらいなんだ、文句を言われたら「ダイエット中だから仕方ない」と言ってやろう。
当然、心理的な影響もありました。常に腹が減ってイライラしているから、ついものの言い方がキツくなったりする。家族に悪いのではないかと多少は心配したけれど、やはり60kg達成までは「ダイエットの方が大事」です。しかし、この悩みは自然に解決しました。空腹も続きすぎると、怒る元気もなくなるのです。何か言おうにも腹から声が出ないし、そのうち他者への関心もなくなる。これは仕事においても同様です。頭が働かないのはマイナスではあるものの「余計なことを考えなくて済む」というメリットがあることにも気づきました。もはや「時間ができたらアレをしよう」と考える気力もない。さすがに頭がピクリとも働かない時は、チョコレートや飴で補給しますけれど。
ほかにも楽になったことがありました。たとえば、減量のためならコスパは考えず美味しいものが食べられます。お金の節約より「ダイエットの方が大事」なので、平日のランチに上等な寿司を買ってもいい。お金は減るけれど、ここは必要な投資です。
近所の持ち帰り寿司では、中トロのにぎり4貫を600円で売っています。以前なら贅沢品だし、これだけでは食事にならないから買わなかったけれど、ダイエット中の今なら理想的なランチメニューです。にぎり寿司1貫のごはんの量は20gだから4貫で80g。適量を下回るライス量ですから、より減量のペースを速めることができます。もちろん、寿司を普通に食べたら秒殺なので、野菜たっぷりの豆乳スープを作ってお腹に入れてから、ゆっくり味わいます。
さて、この原稿を書いている時点で、ダイエット開始から40日が経過。体重はマイナス2.6kgです。ちょうど折り返し地点といったところでしょうか。次回の「まいど通信」では、60kg達成のご報告ができると思います。きっと、いや、必ず。
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というわけで、今月も最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回も『月刊まいど屋』にご期待ください!