まいど通信
まいど! 編集長の奥野です。今月は「東海道を徒歩で歩き通した件」の後編をお贈りしました。昨年12月の初頭に制作スタートした大型特集も、ついに終了。いやー、肩の荷が下りた気分です。徒歩旅行の魅力に加えて、高機能なシューズにハイテク素材、電熱ギアなど、旅を支える最新ワークウェアの魅力も伝わったなら、これ以上の喜びはありません。
●東海道グルメ
もう長々と書く気力がないので、ここから先は、東海道のランキング発表会にさせてもらいます。ひとつ目は、みんな大好き「グルメ」です。
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【東海道グルメランキング】
1位:深蒸し茶(静岡県)……藤枝や府中のお茶屋さんで淹れてもらったほか、島田のホテルの部屋にもあった。いつものお茶とは別次元の美味しさ。やはり産地のお茶は違うのか?
2位:近江牛(滋賀県)……草津で何気なくホルモン屋に行って脱帽。近江牛がうまいのは知っていたが、ホルモンまで絶品だとは。しかも安い。滋賀に行ったらぜひホルモンを!
3位:女泣かせ(静岡県)……島田の三人組に呑ませてもらった純米大吟醸。忘れられない酒となった。また島田に行って、黒はんぺんをつまみにこれを呑みたい。
4位:もりそば(東京都)……蕎麦はやっぱり東京が強いな、と。地方にも自慢の蕎麦はあるけれど、どこにでもあるような蕎麦屋のレベルが恐ろしく高いのは東京ならではだと思う。
5位:田楽(滋賀県)……石部の茶店で食べた。これを食べて休憩していると「江戸時代の旅」って感じがしていい。東海道を歩くなら、ぜひ一度は茶店で田楽を!
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●ベスト&ワースト区間
次は東海道の旅をするなら絶対に歩いてほしいオススメ区間、そして迷わずスルーすべき区間を紹介していきましょう。つまり、ベスト区間を歩いてワースト区間を電車やバスで飛ばすと「最高の東海道旅行」の出来上がり、というわけです。
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【東海道ベスト区間】
1位:日坂−金谷(静岡県)……難所「小夜の中山」を越える区間。正直めちゃくちゃハード。壁のような坂をクリアすると江戸時代に作られた歩きにくい石畳が出現。膝がガクガクになること間違いなし。でも、そのぶんやりがいはある。土日なら美味しいお茶を振る舞ってもらえるかも?
2位:興津−由比(静岡県)……ここはもう薩埵峠の景色に尽きる。よく整備されたハイキングコースに、海! 空! 富士山! この絶景に何も感じない人はいないだろう。峠のピークには駐車場があり、クルマでもアクセス可能。
3位:土山−坂下(滋賀県・三重県)……鈴鹿峠を越えるコース。土山の街は昔ながらの風情を残していてなかなかのもの。そして鈴鹿峠に向かう遊歩道がこれまた素敵。1号線に合流するのが残念だが、三重県側に降りるとまた静謐な山里、坂下でたっぷり孤独を味わえる。
4位:箱根−小田原……心ゆくまで石畳を満喫したい貴方に。トレッキングとしてけっこう面白いコースなんだけど、信号のない車道を横断したりクルマがびゅんびゅん行く横を通りぬけたりと、危険箇所が多いのがマイナス。
5位:二川−白須賀……二川まではめちゃくちゃ退屈な国道歩き。しかし白須賀に近づいていくといきなり絶景。潮見坂で初めて海が見えたときの興奮は忘れがたい。そのまま浜名湖の弁天島まで行って夕日を見て、温泉に入るともう最高!
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【東海道ワースト区間】
1位:御油−吉田(愛知県)……歩車分離されていない狭い片道一車線にガンガン車が来る。自転車も歩行者もいない愛知県郊外だから成立する特殊な道路構造。この区間は生身の人間には歩けない。どうしても徒歩がいいなら並行する1号線を。
2位:桑名−宮(三重県・愛知県)……そもそも東海道ではない「七里の渡し」の区間。コンビニなどはたくさんあってトイレや食事には不自由しないものの、ただただ退屈で歩く意味なし。「陸の船」電車を使ってパスすべき。桑名の船着き場だけ見ておこう。
3位:草津−石部(滋賀県)……草津も石部も趣のある宿場町なのだが、この区間は道路事情がひじょうに悪い。アスファルトは割れ、不法投棄のゴミが散乱。とくに雨の日は絶対に避けること。
4位:吉原-原-沼津(静岡県)……なにもない。本当になにもない。なにもない道をひたすらまっすぐ。徒歩にこだわる場合は、東海道から外れて海岸沿いの千本松原を通るべし。
5位:川崎-品川-日本橋(神奈川県・東京都)……東海道というより東京散歩か。江戸発のスタート地点は川崎か神奈川でいいと思う。歩かなくても東海道に興味がある人は「かわさき交流館」へ行ってみよう。
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というわけで、今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回も『月刊まいど屋』をお楽しみに!