空調服というのをご存じだろうか。作業ブルゾンの内側に電動のファンを取り付け、衣服内の空気を循環させるという画期的な商品だ。実際に着用してみると、これが涼しいのなんの。摂氏40度に迫るような酷暑の日でも、空気が外から強制的に入ってくるから、体温と汗によるムレ感が全くない。
8年前に発表された当時は何かのジョークのように思えたこの商品は、蓋をあけてみれば現場で苦しい思いをしてきたユーザーの圧倒的な支持を得た。マスコミで紹介されたこともあり、注目度は一気にアップ。年々ファンを増やし、今ではすっかり夏の定番アイテムとして定着している。
こんなヘンテコな商品を開発したサンエスとは何者か。まいど屋がサンエス商品を取り扱い始めたのは、実はそんな興味本位の好奇心がキッカケだった。アイデアはいいけど、信頼できるの?作業服メーカーが電気のことまで責任持てるの?そもそも、そんなけったいな発想をする会社って、どんな人たちなんだろう--最初にネタばらしをしてしまうと、サンエスは本業の作業服の他、半導体メーカーとしても確固たる地位を築いている。電子部品メーカーとしての技術と作業服を融合させるのは必然的な流れだった。
「超涼しい作業服特集」と題した今回の特集は、サンエスを抜きには語れない!そう考えた月刊まいど屋編集部は、早速広島のサンエス本社に飛んで、お話を伺ってきた。
8年前に発表された当時は何かのジョークのように思えたこの商品は、蓋をあけてみれば現場で苦しい思いをしてきたユーザーの圧倒的な支持を得た。マスコミで紹介されたこともあり、注目度は一気にアップ。年々ファンを増やし、今ではすっかり夏の定番アイテムとして定着している。
こんなヘンテコな商品を開発したサンエスとは何者か。まいど屋がサンエス商品を取り扱い始めたのは、実はそんな興味本位の好奇心がキッカケだった。アイデアはいいけど、信頼できるの?作業服メーカーが電気のことまで責任持てるの?そもそも、そんなけったいな発想をする会社って、どんな人たちなんだろう--最初にネタばらしをしてしまうと、サンエスは本業の作業服の他、半導体メーカーとしても確固たる地位を築いている。電子部品メーカーとしての技術と作業服を融合させるのは必然的な流れだった。
「超涼しい作業服特集」と題した今回の特集は、サンエスを抜きには語れない!そう考えた月刊まいど屋編集部は、早速広島のサンエス本社に飛んで、お話を伺ってきた。
サンエス
空調服を着てモデルになってくれた山本氏。用意したサンプルはちょっとキツめ?
背中の電動ファンが、衣服内に空気送り込み、想像以上の涼しさを実現する。
「リーマンショック以降も、売上げが落ちないんです。売り上げのことより、欠品して、お客さまにご迷惑がかからないか、それが心配です」。そんな挑発的な言葉から幕を開けた、今回のインタビュー。取材を受けてくれたのは、過去にも何度かご登場いただいている商品開発課 課長の山本氏。冒頭の言葉は、例の空調服に対してである。ユニークではあるが、実用的で実際の効果が非常に高いから、リピートするユーザーが多く、また、新規の引き合いも伸び続けているという。「防暑対策の作業服として工事現場での使用はもちろん、溶接作業現場からのお問い合わせが目立ってきています。他にも面白い使われ方がありますよ。炎天下の駅前のビラ配りに着用したり、バイクに乗っている人が着ているのを目撃したこともあります」。
こうした消費者の反応に合わせてマイナーチェンジを繰り返し、快適性を更に向上させていきたいと山本氏は語る。「溶接現場での利用が目立ってきているのならば、耐火性を強めつつ通気性を確保する仕様を考える必要があります。そこで現在、新たな生地を試しているところなんです。目を付けているのが、傘に使用される生地。それに溶接向けの綿素材を組み合わせることで、衣服内の熱を逃がしながら、耐火性にも優れた空調服をラインナップに加えたいなと考えています」。
インタビューの間中、山本氏は「自分自身で考えること」の重要性を強調した。そうすることで、「ユニークであること、他社と違っていること」を恐れなくなるという。それは山本氏が服づくりについて、特に意識している点でもある。「メーカーである誇り。それを、欠かさないことですね。他社の商品を見て、マネて、ただ漠然と服づくりをすることだってできるんです。世間ではそれを、『トレンドを意識したマーケティング』などと呼んでいますね。でも、ウチでは、服がお客さまの所に届いて役に立つかどうかを自分たちの頭で考え抜くことを大切にしています。そのためには、エンドユーザーのことをもっともっと知る必要がある。営業からの情報を発想の入り口にしながらも、本当にそうなのかと常に自分に問いかけます。それで試作したサンプルに、フィードバックをもらって最終形に仕上げるんです。自己満足で考えても、必要のないものは意味がない。どれだけユーザーに近づけるか、この課題に答えることがメーカーとしてのテーマであり、誇りだと思っています」。ユニークな形だけに注目してしまいがちな空調服ではあるが、その背景にはこんな強い信念が隠されていた。猛暑が襲う今シーズンの夏も、日本全国でそんなサンエスの思いが込められたウェアが大活躍中。暑くてヘバっている読者の皆さんも、是非、彼らの空調服を試してみてほしい。
こうした消費者の反応に合わせてマイナーチェンジを繰り返し、快適性を更に向上させていきたいと山本氏は語る。「溶接現場での利用が目立ってきているのならば、耐火性を強めつつ通気性を確保する仕様を考える必要があります。そこで現在、新たな生地を試しているところなんです。目を付けているのが、傘に使用される生地。それに溶接向けの綿素材を組み合わせることで、衣服内の熱を逃がしながら、耐火性にも優れた空調服をラインナップに加えたいなと考えています」。
インタビューの間中、山本氏は「自分自身で考えること」の重要性を強調した。そうすることで、「ユニークであること、他社と違っていること」を恐れなくなるという。それは山本氏が服づくりについて、特に意識している点でもある。「メーカーである誇り。それを、欠かさないことですね。他社の商品を見て、マネて、ただ漠然と服づくりをすることだってできるんです。世間ではそれを、『トレンドを意識したマーケティング』などと呼んでいますね。でも、ウチでは、服がお客さまの所に届いて役に立つかどうかを自分たちの頭で考え抜くことを大切にしています。そのためには、エンドユーザーのことをもっともっと知る必要がある。営業からの情報を発想の入り口にしながらも、本当にそうなのかと常に自分に問いかけます。それで試作したサンプルに、フィードバックをもらって最終形に仕上げるんです。自己満足で考えても、必要のないものは意味がない。どれだけユーザーに近づけるか、この課題に答えることがメーカーとしてのテーマであり、誇りだと思っています」。ユニークな形だけに注目してしまいがちな空調服ではあるが、その背景にはこんな強い信念が隠されていた。猛暑が襲う今シーズンの夏も、日本全国でそんなサンエスの思いが込められたウェアが大活躍中。暑くてヘバっている読者の皆さんも、是非、彼らの空調服を試してみてほしい。
電動ファンは小型のバッテリーで稼働。内ポケットに収めれば、作業の邪魔にもなりません。
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AG10001シリーズ 麻のようなシャリ感が肌に心地よいワークウェア。真夏の作業を快適にする高い通気性、放熱性、吸汗速乾性がウリ。過酷な現場で清涼感を求めるワーカーにオススメのシリーズ。 |
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CR10451シリーズ 優れた通気性と吸汗速乾性でサラリとドライな肌触り。汗ばむ季節も着心地さわやかなワークウェア。上着の背裏メッシュやノーフォークなど、着心地、作業性を向上させる工夫も満載の人気シリーズ。 |
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