【バートル】独走するカメが仕掛けた最後の賭けimage_maidoya3
社名が変わった。クロカメからBURTLE(バートル)へ。初めてまいど屋を訪れたひと、ワークウェアブランドになじみのないひとはお分かりにならないかと思う。だから何なの?まいど屋で気に入った作業服を見つけた。ブランド名はBURTLE。それだけのこと。それでいいじゃない。
  確かにそれでいい。だが、BURTLEの前身、「クロカメ」がワークウェアというジャンルの中で、これまでどんなに特別な存在だったか、その歴史を少しでも共有できれば、BURTLEのブランドを身に着けるときの高揚感が断然違ってくるのではないか。 
  クロカメをクロカメたらしめていたもの。ワークウェアに「モード」を持ち込んだ革新的なデザイン性。繊細なシルエット。ワークウェアとしての完成度の高さ。こなれた価格。全てが相まってつくられた独自の世界観。商品数が取り立てて多いわけではない。絞りこまれ、厳選されたアイテムがどれもきら星のような輝きを放つ。
  新生「BURTLE」はその遺産を引き継ぐのか。これからどう進化し、どこへ向かうのか。BURTLEの広島本社を訪れ、大崎専務にお話を伺ってきた。
 

バートル
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今後のバートルの戦略を語る大崎専務
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エントランスに鎮座する、クロカメ時代から引き継いだ大きな七福神
■ブランドとして大きく羽ばたくために、決めたこと
  「もったいないとか、随分思い切ったねとか、さんざん言われました。これまで苦労して築きあげたクロカメというブランドでしたから。うまくいっているのに、なぜだって」。大崎専務が話を切り出した。例の社名変更の件である。柔和な笑顔だが、眼には挑戦的な光が宿っている。「でも、皆さんが心配するほど、私たちはリスクが高いとは思っていないんですよ。それより、現状に満足してもっと上を目指せなくなることの方が断然怖い」。
  新ブランド「バートル」を立ち上げ、その半年後に社名変更。歴史もあり、ユーザーに浸透しているクロカメの社名を変えてまで、なぜこの2つを統一するのか?その理由は、ひとえにブランド力を高めるためだ。ショップでたまたま見つけた作業服に惚れ込んだユーザーがふとタグを見る。会社名とブランド名はともにバートル。確かに、これまでよりインパクトが高く、覚えやすい。そして、買い求めて着用してから、今度はワークウェアとしての実用性や着心地のよさに感心することになる。ふとタグを見る。バートル。そんなシーンを作りだすことが、ブランドの浸透につながっていく。実は、会社名とブランド名を統一する構想は、ずっと以前からの既定路線だったと大崎専務は言う。「リスクよりもメリットの方がはるかに大きい。今回、最終的にそう判断した。私たちが、私たちである限り、社名変更は、ある意味、必然だったんです」。
 
  ■浸透しているクロカメブランド。新会社が引き継ぐものは?
  これまで使ってきたクロカメという社名には、モノづくりへの揺るぎない信念が隠されていると大崎専務は解説してくれた。「クロカメという社名には、『クロは何色にも染まらず、ブレず、ひたむきに』、そして『カメはコツコツ真面目に着実に』との思いが詰まっていた」。そして今回、社員全員で時間をかけて話し合い、試行錯誤の末に決まったバートルというネーミングは、クロカメを英読したブラックタートル(BLACK+TURTLE)と、未来に挑戦(バトル)を一つに凝縮した造語だそうだ。その社名には、新たなステージを目指そうとする並々ならぬ決意が込められている。
  ワークウェアメーカーとして、機能もデザインも時代の一歩先を行く商品を生み出してきたクロカメは、「バートル」にどんなバトンを手渡すのだろうか?この問いに大崎専務は、「ハードな現場で働くプロたちのワークウェアとして、機能性という役割をしっかりと果たすこと。それが、クロカメから継承するものであり、歴史に敬意を払うことになると思います」と答えてくれた。未来への挑戦を掲げる「バートル」は、《現場の問題を解決する商品作り》を大きな指針として、ウェアの実用性を最大限に重視する姿勢を打ち出した。その課題をクリアした新作は、斬新さと機能性において、2011年の春夏コレクションの中でも、ひときわ目を引く完成度の高さだ。
 
  ■バートルらしさとは何か?華麗なイメージの裏に隠されたヒミツ
   2011年春夏コレクションの注目アイテムは、なんといっても、クロカメ的なスタイルを極めたニット305シリーズだ。このポロシャツには、作業ポロシャツの定番と言える胸ポケットが見当たらない。デザインを重視し、作業性を犠牲にしたようにも思えるが、よく見ると、左肩にポケットがあり、小物が収納できるようなっている。ありきたりのペン差しポケットとは明らかに違うスマートなフォルム。走る、かがむ、荷物を運ぶ。激しい動作をしてもモノが落下しにくく、取り出しもスムース。実用性がかなり高い。『作業中、胸ポケットに挿したペンが落ちて困る』というユーザーの声がきっかけとなって誕生したというシンプルなデザインには、彼らの《現場の問題解決》にかける意気込みが込められている。
  ユーザーに驚きを与える機能とデザインは、どこから生まれてくるのだろう。大崎専務は、その源を『超現場主義』と呼ぶ。取引先に足繁く通い、話を徹底して聴く。このことを繰り返していくうちに、取引先は心を開き、具体的な要望やユーザーの声を届けてくれるようになるという。そしてその声を商品企画に活かす。しかし、それだけではダメと大崎専務。「時間をかけ、手間をかけ、目を凝らして隠れたニーズを丁寧に洗い出していく。ユーザーの要望の、遥か上を行くものづくり。それが“バートル”です」と、締めくくってくれた。
 
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社屋のデザインはとてもモダン、社内のインテリアはデザイナーズ家具で統一されていた
 

    

1101シリーズ

小ワザの効いたステッチが、さりげなくトレンド感をアピール!タフでカジュアルなアメリカンワークウェアを人気のストリート系にアレンジしたシリーズ。トップスは、通気性を重視した脇メッシュボディクーラー付き。これで夏対策もバッチリ。軽い着心地でシワになりにくいソフトバーバリー素材。


1301シリーズ

程よい光沢とナチュラルな素材感は、日本製コットンならではの魅力。ハードワークに適した耐久性と、スタイリッシュなシルエットを合わせ持った、究極のシリーズ。クオリティーよし、デザインよし。お求めやすい価格もさらによし。