寅壱が鳶さん御用達のブランドだと思っているひと、まだまだ認識が甘い!ド派手なカラー。威圧感のあるフォルム。ハードな現場仕事を想定した堅牢性。確かにそうだが、寅壱の一面を言い当てているに過ぎない。寅壱のもう一つの顔、鳶衣料ではないノーマルなワーキングウェアの完成度について語らなければ、片手落ちになる。
知ってるひとは知っている。実際、まいど屋のワーキングウェア部門でも、寅壱の人気は圧倒的だ。男心をくすぐる絶妙な風合いや存在感。どんなにタフな現場でも軽々とこなしてくれそうな信頼感。鳶衣料で培った独特のエッセンスを取り込んだウェアには、他社の製品に見られない華やぎがある。期待通りのパフォーマンスを発揮してくれる実力がある。ハレの日、一張羅に袖を通すような、特別なキモチにさせてくれるワークウェア、寅壱。今回の取材では、そんな寅壱ワーキングウェアにスポットを当ててみた。寅壱フリークにも、寅壱初心者にもその魅力をたっぷりと味わっていただきたいと思う。
知ってるひとは知っている。実際、まいど屋のワーキングウェア部門でも、寅壱の人気は圧倒的だ。男心をくすぐる絶妙な風合いや存在感。どんなにタフな現場でも軽々とこなしてくれそうな信頼感。鳶衣料で培った独特のエッセンスを取り込んだウェアには、他社の製品に見られない華やぎがある。期待通りのパフォーマンスを発揮してくれる実力がある。ハレの日、一張羅に袖を通すような、特別なキモチにさせてくれるワークウェア、寅壱。今回の取材では、そんな寅壱ワーキングウェアにスポットを当ててみた。寅壱フリークにも、寅壱初心者にもその魅力をたっぷりと味わっていただきたいと思う。
寅壱
春夏コレクションのおすすめポイントを説明する難波課長
本社に隣接した工場では、急ピッチでワークウェアの縫製がすすめられている
■揺るぎない信念と鳶職人へのオマージュが寅壱流の始まり
今回、取材に応じてくれたのは、営業課長の難波さん。長いインタビューを通して、彼が強調したのは『寅壱の独自性』ということだった。他社が決してマネのできない、寅壱だけが持つオーラはどこから来るのか。寅壱のいいところは何かとの問いに、彼が即座に出した答えが印象的だ。「ユーザーの意見、いわゆる市場の声をあえて無視する強い信念。いい意味でユーザーに媚びない独自の商品開発哲学があるんです。大勢に流されない。流行を追いかけようとしない。時代が寅壱に追いついてくるのを信じて待つ強さが我々にはある」。
現会長が自ら営業をしていた時代、街の現場の仕事着にはごくオーソドックスなデザインとカラーしかなかった時代。『鳶職人たちは、仕事着に個性を出したいハズだ』という強い思いに賭け、寅壱は次々と斬新な商品を発表していった。派手なカラー、粋なフォルム、柄ものの生地など、従来にない特徴を備えた仕事着が疾風の如く市場を席巻した。これが単なるブームで終わらなかったのは、彼らのもう一つの信念である筋金入りの『本物志向』があったからだ。素材と品質に決して妥協を許さない姿勢は、いったん捕まえた多くのユーザーたちを『寅壱信者』に変えた。伝説が始まった。
周囲がどちらを向いていようと、決して流されない姿勢は、創業当時から始まっており、もはや企業風土ともいえそうだ。では、その風土が生み出した鳶衣料のエッセンスを、彼らは一般のワークウェアにどう生かしているのか。鳶衣料の長所を、普通の作業着にどう落とし込んでいるのか。気になる寅壱のコダワリとは?
■コーディネートの楽しさを仕事現場に、それが寅壱の功績だ
寅壱のワークウェアの特徴は、コーディネートの幅が圧倒的に広いという点にある。同じマテリアルを使って、鳶衣料からワークウェアまで、幅広いアイテムをラインナップしているから、シーンに合わせてさまざまな組み合わせを楽しめる。難波さんはこう解説する。「例えば鳶服で馴染んだ生地と同じブルゾンやカーゴパンツを買い足せば、あるときはフォーマルに、あるときはハードな現場向けにといった使い分けができますよね。特に、最近は鳶服の着用を禁止する現場もでてきています。寅壱の鳶服を着たくても着られないユーザーが、慣れ親しんだマテリアルでそのままワークウェアを揃えることも多いようです。馴染みのある素材、カラーを生かしたワークウェアなら、鳶装束の粋なイメージを壊すことなく、そのまま仕事に入っていける。違和感なく袖を通せる」。
難波さんが指摘したように、寅壱の鳶服ユーザーが一般のワークウェアを購入する場合、かなりの確率で鳶服と同じシリーズの商品を選ぶ理由は何だろう。ただ単に、既に持っているアイテムを組み合わせて使い回ししたいだけ?まいど屋のコールセンターで、日々、お客さまの声を聞いていると、どうもそれだけの理由でもなさそうだ。もっと本質的なワケ、そのマテリアルが持つ着心地や耐久性、質感、雰囲気を積極的に評価しているユーザー心理が働いているのではないか。そのことを伝えると、難波さんは嬉しそうにこう答える。「寅壱のワークウェアが普通の商品と明らかに違うのは、『粋』であるということ。鳶服の『粋』をワークウェアに移植するのはそう簡単なことではなく、それなりのテクニックがいるんです。鳶服用に作った生地をワークウェアの形にカットして縫製すればハイ出来上がり、ではない。一般のワークウェアとしての魅力を最大限に引き出すよう、細心かつ大胆にデザインし、そこに鳶のエッセンスが詰まった生地を当てはめる。そうしたプロセスを経て、初めてワークウェアに寅壱らしい生命感が吹き込まれる。そしてもう一つ、ユーザーにとっては丈夫さについての安心感も大きいと思います。もともとがハードな現場を相手にする鳶服用のマテリアルですから、耐久性が違うんです。寅壱には生地の耐久性や縫製の丈夫さを担保するために、厳格な基準があります。その基準をクリア出来なければ絶対に製品化しません。それは、ワークウェアの命ですから」。
厳格な寅壱基準に支えられた寅壱ブランドは、スタンダードからカジュアル色の強いものまで、デザインの幅も実に多彩。また、色数豊富なニットなどのインナー類やベルトなどの小物類も同じ色番で揃えられることも付け加えておこう。細かな配慮が、おしゃれ心を刺激する。例えば、単体でも十分存在感を発揮するボトムに、オリジナルTシャツや、アンダーシャツを組み合わせてみる。ワークウェアでありながら、さながらセレクトショップのような楽しみ方ができるのも人気の秘密だ。今年の春夏コレクションは、昨年来のカジュアル路線をさらに進化させ、新たな素材にもチャレンジしたという。すでにヒット中のアイテム、そして新作のおすすめポイントをうかがった。
■格好よさだけじゃない。売れ筋アイテムのポイントは?
月刊まいど屋読者のために、難波さんが特に力を入れて説明してくれたのがブロークンデニムの表情感が味わい深い3942シリーズ。その中でも目を引くのはライダースジャケットだ。精悍なフォルムが印象的な一着である。「スタンダードなものより15cmあまりも短いです。丈が短い理由は工具ベルトを巻くためなんです。このシリーズ、鳶服の売れ筋アイテムからヒントを得てつくったところ、大きな反響を呼びました」。人気の秘密は見かけの格好よさだけではなく、抜群の作業性にもあるようだ。また、春夏コレクションの新作の中では、カジュアル路線がさらに進化した3960シリーズの前評判が高い。ウリはなんと言ってもブルゾンのバンブーネックだ。「スタンドカラーの部分は、やや厚手になっています。それは首もとをケガから守り、さらに直射日光を遮る役割を果たすため。綿100%の素材が多いこのタイプにはめずらしく、ポリエステル65%、綿35%。軽くてシワになりにくい」。
今年の寅壱の春夏コレクションには上記2シリーズの他にも、読者の興味を引きそうなシリーズがまだまだたくさんある。今回のインタビューで各シリーズの特徴をしっかりとチェックし、以下のレポートにまとめてみた。寅壱のウェア選びに迷っている読者は、是非、参考にしてほしい。
今回、取材に応じてくれたのは、営業課長の難波さん。長いインタビューを通して、彼が強調したのは『寅壱の独自性』ということだった。他社が決してマネのできない、寅壱だけが持つオーラはどこから来るのか。寅壱のいいところは何かとの問いに、彼が即座に出した答えが印象的だ。「ユーザーの意見、いわゆる市場の声をあえて無視する強い信念。いい意味でユーザーに媚びない独自の商品開発哲学があるんです。大勢に流されない。流行を追いかけようとしない。時代が寅壱に追いついてくるのを信じて待つ強さが我々にはある」。
現会長が自ら営業をしていた時代、街の現場の仕事着にはごくオーソドックスなデザインとカラーしかなかった時代。『鳶職人たちは、仕事着に個性を出したいハズだ』という強い思いに賭け、寅壱は次々と斬新な商品を発表していった。派手なカラー、粋なフォルム、柄ものの生地など、従来にない特徴を備えた仕事着が疾風の如く市場を席巻した。これが単なるブームで終わらなかったのは、彼らのもう一つの信念である筋金入りの『本物志向』があったからだ。素材と品質に決して妥協を許さない姿勢は、いったん捕まえた多くのユーザーたちを『寅壱信者』に変えた。伝説が始まった。
周囲がどちらを向いていようと、決して流されない姿勢は、創業当時から始まっており、もはや企業風土ともいえそうだ。では、その風土が生み出した鳶衣料のエッセンスを、彼らは一般のワークウェアにどう生かしているのか。鳶衣料の長所を、普通の作業着にどう落とし込んでいるのか。気になる寅壱のコダワリとは?
■コーディネートの楽しさを仕事現場に、それが寅壱の功績だ
寅壱のワークウェアの特徴は、コーディネートの幅が圧倒的に広いという点にある。同じマテリアルを使って、鳶衣料からワークウェアまで、幅広いアイテムをラインナップしているから、シーンに合わせてさまざまな組み合わせを楽しめる。難波さんはこう解説する。「例えば鳶服で馴染んだ生地と同じブルゾンやカーゴパンツを買い足せば、あるときはフォーマルに、あるときはハードな現場向けにといった使い分けができますよね。特に、最近は鳶服の着用を禁止する現場もでてきています。寅壱の鳶服を着たくても着られないユーザーが、慣れ親しんだマテリアルでそのままワークウェアを揃えることも多いようです。馴染みのある素材、カラーを生かしたワークウェアなら、鳶装束の粋なイメージを壊すことなく、そのまま仕事に入っていける。違和感なく袖を通せる」。
難波さんが指摘したように、寅壱の鳶服ユーザーが一般のワークウェアを購入する場合、かなりの確率で鳶服と同じシリーズの商品を選ぶ理由は何だろう。ただ単に、既に持っているアイテムを組み合わせて使い回ししたいだけ?まいど屋のコールセンターで、日々、お客さまの声を聞いていると、どうもそれだけの理由でもなさそうだ。もっと本質的なワケ、そのマテリアルが持つ着心地や耐久性、質感、雰囲気を積極的に評価しているユーザー心理が働いているのではないか。そのことを伝えると、難波さんは嬉しそうにこう答える。「寅壱のワークウェアが普通の商品と明らかに違うのは、『粋』であるということ。鳶服の『粋』をワークウェアに移植するのはそう簡単なことではなく、それなりのテクニックがいるんです。鳶服用に作った生地をワークウェアの形にカットして縫製すればハイ出来上がり、ではない。一般のワークウェアとしての魅力を最大限に引き出すよう、細心かつ大胆にデザインし、そこに鳶のエッセンスが詰まった生地を当てはめる。そうしたプロセスを経て、初めてワークウェアに寅壱らしい生命感が吹き込まれる。そしてもう一つ、ユーザーにとっては丈夫さについての安心感も大きいと思います。もともとがハードな現場を相手にする鳶服用のマテリアルですから、耐久性が違うんです。寅壱には生地の耐久性や縫製の丈夫さを担保するために、厳格な基準があります。その基準をクリア出来なければ絶対に製品化しません。それは、ワークウェアの命ですから」。
厳格な寅壱基準に支えられた寅壱ブランドは、スタンダードからカジュアル色の強いものまで、デザインの幅も実に多彩。また、色数豊富なニットなどのインナー類やベルトなどの小物類も同じ色番で揃えられることも付け加えておこう。細かな配慮が、おしゃれ心を刺激する。例えば、単体でも十分存在感を発揮するボトムに、オリジナルTシャツや、アンダーシャツを組み合わせてみる。ワークウェアでありながら、さながらセレクトショップのような楽しみ方ができるのも人気の秘密だ。今年の春夏コレクションは、昨年来のカジュアル路線をさらに進化させ、新たな素材にもチャレンジしたという。すでにヒット中のアイテム、そして新作のおすすめポイントをうかがった。
■格好よさだけじゃない。売れ筋アイテムのポイントは?
月刊まいど屋読者のために、難波さんが特に力を入れて説明してくれたのがブロークンデニムの表情感が味わい深い3942シリーズ。その中でも目を引くのはライダースジャケットだ。精悍なフォルムが印象的な一着である。「スタンダードなものより15cmあまりも短いです。丈が短い理由は工具ベルトを巻くためなんです。このシリーズ、鳶服の売れ筋アイテムからヒントを得てつくったところ、大きな反響を呼びました」。人気の秘密は見かけの格好よさだけではなく、抜群の作業性にもあるようだ。また、春夏コレクションの新作の中では、カジュアル路線がさらに進化した3960シリーズの前評判が高い。ウリはなんと言ってもブルゾンのバンブーネックだ。「スタンドカラーの部分は、やや厚手になっています。それは首もとをケガから守り、さらに直射日光を遮る役割を果たすため。綿100%の素材が多いこのタイプにはめずらしく、ポリエステル65%、綿35%。軽くてシワになりにくい」。
今年の寅壱の春夏コレクションには上記2シリーズの他にも、読者の興味を引きそうなシリーズがまだまだたくさんある。今回のインタビューで各シリーズの特徴をしっかりとチェックし、以下のレポートにまとめてみた。寅壱のウェア選びに迷っている読者は、是非、参考にしてほしい。
仕事を楽しむための一着をつくる、それが寅壱のウェアづくりのモットー
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