【カジメイク】快適指数120%の最先端ウェアimage_maidoya3
カッパなんて、どれでも一緒。雨粒がしのげりゃ、それでいい。男らしい考えだ。汚れてナンボの現場なら、雨具にコダワルようなヤワな人間はお呼びじゃない。不快なジトジトも、視界の悪さも、動きにくさも、キアイで乗り越えろ。監督サンの覚えもめでたい、そんな模範的なワーキングスピリットをお持ちの方には、カジメイクはあまり縁のないブランドかもしれない。何しろ、このレポートでご紹介する同社のレインスーツは、雨の日の不快感や不便さを、母親が赤ん坊をあやすような細やかな心配りで取り除いてくれる。気合いの入ったタフな男を甘やかすシカケが満載だからだ。
  実はカジメイクがまいど屋デビューしたのはほんの半年前。まいど屋のラインナップに大事なものが欠けていますよ。新登場のきっかけは、ある業界関係者からのそんなアドバイスだった。そして半信半疑で出かけてみたDIYショー。カジメイクも出展していたこの会場で衝撃を受けた。レインウェアの進化に賭ける情熱。歴史。ラインナップの幅広さ。そして実際手に取ってみた商品の仕上がりのよさ。掛け値なしのトリプルAクラスのコレクションに一瞬でホレ込んだ。ウワサは本当だった!
  名刺代わりに企画した今回のインタビュー。読者のみなさんにまいど屋が受けたあの時の衝撃が少しでも伝われば嬉しく思う。
 

カジメイク
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営業の塚原課長は、超軽量の防水透湿3Dモデル7520で登場。
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自ら企画した、こだわり尽くしの2WAYサイクルコートを着る織田課長。
迷彩のレインスーツでキメたマネキン。その足元には、小さなレインウェアを身に着けた犬のぬいぐるみ。そして、奥には昔の雨具「蓑(みの)」があり、棚にはディスプレイ用とおぼしきミニチュアウェアがズラリ・・・。カジメイク本社ショールーム(富山県高岡市)は、遊び心に満ちている。所狭しと並ぶカラフルなレインウェアは、ワークからレディース用のオシャレなコート、キッズ用まで実に多彩だ。
  カジメイクの原点は、大正14年(1925)創業の、和傘の製造販売に遡る。その後、レインウェアの分野へ進出して業績を伸ばし、昭和39年(1964)には全国に代理店を設置、昭和40年代には海外に生産拠点を構えるまでに。近年、防寒ウェア、ワークウェアなども手掛けるようになったが、レインウェアの分野ではゆうに半世紀以上の歴史を誇る。
  お話を伺ったのは、そんなカジメイクで自ら商品開発に携わる商品部企画課の織田課長。「ウンチクは、山ほどあるんです!」という自慢の商品の中から、代表的なものを厳選してご紹介いただいた。
  まずは、デビューから20年以上経った今でも人気が衰えない超ロングセラー商品『オールマインドスーツ』(型番:3250)。ワークにおけるカッパの常識を覆した、伝説の商品である。「それまでワークのカッパといえば、濃紺、ブルー、エンジの3色位しかなかった。そこに、ターコイズやフラッシュグリーンなどのビビッドカラーを面白半分に投入したんです。初めのうちは、販売店のウケが悪かったですよ。こんな色、誰が作業用に着るんだってね。お店に置いてももらえなかった。実験的に取り扱ってくれたお店も全然期待していなかったと思う(笑)。ところが、ぽつりぽつりとリピート注文が入るようになり、気がついたらワーク用レインスーツの定番色になっていた。誰も違和感を持たなくなった今では、どこのお店でもワーク用のカラーとして取り揃えていると思います」。当初は5色でスタートしたシリーズは、現在は全10色、7サイズにも拡大した。カラーとサイズのバリエーションを広げることで、今も愛用者が増え続けている。
  運動性能で業界をあっといわせた商品もある。2002年誕生の『3Dレインスーツ』(型番:3600)は、立体裁断によって肘と膝の曲げ伸ばしをスムーズにしたところがミソ。それまでカッパを着たときに感じていた窮屈感を劇的に解消したことで評判を呼んだ。「取引先から要望があったんです。伸縮性のあるニット素材を使って動きやすくしてほしい、と。でも、ニットでカッパは難しい。それならパターンを工夫して動きやすくすればいいじゃないか。そう考えたんです」。この3Dデザインは、2011年秋に『3Dブリーズレイン』(型番:7520)となってさらに進化を遂げる。「ムレにくい防水透湿素材の3Dで、スポーティーなツートンカラー。こういったタイプは登山用ではありましたが、廉価版のレインウェアでは業界初です」。
  ムレの解消にこだわり、着心地をとことん高めた商品もある。『エントラントレインスーツⅡ』(型番:7250)は、耐水圧10,000mm以上、透湿性10,000g/m2・24hr以上という標準を大きく上回る防水透湿性により、雨や風は通さず、発汗によるムレを逃す。しかも、上下で500gという超軽量だから、着ていて疲れない。快適性を重視するひとにはオススメのシリーズだ。
  ワークのカッパに求められる「丈夫さ」についても、カジメイクが試みるさまざまな角度からのアプローチに注目したい。2011秋の新商品『レインストロング』(型番:3410、3415)は、擦れやすい肩、肘、膝に丈夫なオックス素材を重ねた補強がウリで、土木系のユーザーに人気の商品。また、『煌(きらめき)』では、引き裂きに強いリップストップ生地を使用。上下別売とすることで、「上下違う色で」「上はLで下はM」といった声にも応えている。さらに、丈夫さを含めて徹底してワークにこだわったのが、その名もズバリ『仕事合羽』(型番:KM-001)だ。作業時の動作や環境を徹底的に分析して商品化した仕事のための特殊仕様は、多くの現場作業者から高い評価を受けている。
  シーンに特化したニッチなアイデアはまだまだある。その中でも、自転車用に企画した『CYシリーズ』の『2WAYサイクルコート』(型番:CY-002)は、織田課長、渾身の作。汗をかいてもムレにくい透湿素材を使用。フロント部には、脚さばきをスムーズにして雨の浸入を防ぐ三角布。さらにズボンやスニーカーが濡れないよう、着脱式のレッグカバー、シューズガードで完全防備できるようになっている。しかもフードは、ヒモを絞るとツバごと締まって、風に吹かれても外れにくい構造。「好きなようにやっていいよ!と言われたので好きなようにやった。ちょっとやりすぎた感もありますが(笑)」。
  先駆的な商品を次々と生み出し、業界をリードしてきたカジメイク。彼らのユニークな発想はどこから生まれてくるのだろうか。「企画課はとても自由な雰囲気です。上の人の考え方が柔軟なので、やりたいことをやらせてもらえる。こんなの作りたい、と思ったら、企画書をまとめてサンプルを作って提案すればいい。ただ、自分の考えだけで提案したものは、個人の思い入れが強くて商品化は難しいですね。やはり、営業が集めてきた情報を分析して、戦略的に商品作りしていかないと・・・。だから、打率は2割ってところです(笑)」。
  こうして世に送り出されてきたレインウェアの数々。この他にも読者の皆さんにぜひ紹介したいトリプルAクラスが揃っているので、以下でチェックしてほしい。初めてカジメイクを知ったときのまいど屋のあの感動を、きっとお分かりいただけると思う。
 
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エンタープライズ号みたい(by 織田課長)という個性的な外観の本社社屋。
 

    

◆動きやすさが断然違う!立体裁断を採用した3Dレインシリーズ

立体裁断によって肘と膝の運動性能を高めた3Dレインシリーズ。グッドデザイン賞受賞の3600は、表はナイロンラミネート、裏は総メッシュでベタつき感を緩和し、背中のベンチレーションでムレを放出。ツートンカラーの7520は、ムレにくい防水透湿素材で快適な着心地を実現。


◆ハードな現場にもヘコたれない!肩・肘・膝を補強し、耐久性を大幅アップしたレインストロングシリーズ

傷みやすい肩、肘、膝に耐久性抜群のオックス素材を重ねて補強し、ハードな作業にも負けない強さを実現。着脱可能なフードは、フェイスまわりが透明仕様で視界を確保。上下ともに抗菌・消臭効果のあるデオドラントネーム付き。