【トキワ】使えるカッパはキホンが違うimage_maidoya3
朝起きて、外は雨だったとする。その日に限って、別の日に回せない現場仕事が入っているとする。泣き言は言えない。さあ、あなたはまず、何を考える?
  とりあえず、レインスーツが必要だ。正解。それも、絶対に間違いがなくって、信頼できるものでないと、安心できない。やっぱり正解。その気持ち、よくわかる。モノゴトは、切羽詰まったときにその本質が見えてくる。ギリギリになって、ホントに大事な要素がハッキリわかる。オレらがレインスーツ選びで一番重視していること。強い雨でもしみ込んでこない耐水圧の高さ。丈夫さ。動きやすさ。要は使えるかってこと。現場で安心して仕事に集中できるかってこと。
  じゃあ、どこのレインスーツを買っておけばいい?そりゃあ、トキワに決まってる。アイテム数はそれほど多くはない。新商品もなかなか出てこない。上等だ。オレらに必要なのは、目新しさなんかじゃない。流行なんか、クソくらえ。長年、多くの現場でもまれにもまれ、生き残ってきた本物中のホンモノ。そう、トキワのコレクションには10年以上のロングセラーがごろごろある。裏を返せば、たくさんのひとが使ってきた、完成されたモデルばかりだってこと。その事実だけで文句はない。
  梅雨を控え、どのレインスーツにしようか悩んでいるひと、失敗したくないひと、要注目!トキワのレインスーツの魅力について、このレポートで改めておさらいしてみようと思う。
 

トキワ
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輝度が際立つファミネットアジャスターの反射板(右)
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入口のオブジェには「誠信」の2文字
「我が社は今年で、創業82年。代々受け継いできたものは、使い勝手と利便性を重視してモノを作るというポリシーです」。そう語るのは、トキワの4代目 代表取締役の萩原重睦社長。
  「ウチのスローガンは“消費者主導型の製品づくり”。実際に使う人が何を求めているかが重要で、それに応えられる会社でありたい。製品の一つ一つが他社にないセールスポイントを持っていて、しかもその良さが、一目見ただけで素人の方でもすぐ分かる。それがトキワのモノづくりのコンセプトです」。
  今でこそ、消費者主導を謳うトキワだが、実はこの業界、ずっと旧態依然とした体制が続いていたという。「雨の日にカッパを着て仕事をしない人間が、机上で考えたものをそのままお客様に売る。用途によって製品を作り出すのではなく、一つのアイテムをいろんな用途に使ってもらう。十把一からげに『雨が降ったら、コレを着てください』とね」。
  そんな姿勢を、ここ十数年の間、少しずつ見直してきたのが萩原社長だ。まず、レインウエアを使っている、あらゆる分野の要望を集約するために、ユーザーへのリサーチを徹底的に繰り返した。例えば新聞配達員に使ってもらうウェアを作るなら、意見を求めて販売所の一つ一つに飛び込む。そして、実際に配達している人たちからレインウエアの使い勝手を聞きだしてくるのだ。ゴルフに行けばキャディーさんに。ピザを頼めば、雨の中、バイクを走らせてきたデリバリー担当に。そうして集めた「こういうことがあったら便利」「こんなところが不都合だ」という意見をもとに、1年半から2年をかけてアイデアを製品化。同時に、似たような機能の製品は思い切って統廃合した。「必要ないと判断したものは、どんどん廃番にしましたよ。だから、うちの製品ラインナップは品種こそ少ないが、一つ一つが意味のあるものになっているんです」。また、いくらいいものができても、在庫が不十分で、必用なときにお客様の手元に届かなければ、全く意味がない。そのため、数はしっかりと用意して、在庫が切れないよう、万全の準備を整えているという。
  同業他社に比べてアイテム数は少ないかもしれない。しかし、いや、だからこそ厳選された人気商品ばかりのトキワのレインウエアコレクション。その中でも、今、もっとも好評を博している商品2点を、営業部特需課の萩原重政氏に解説していただいた。
  まずは、トキワの技術を結集させた、今イチバンの売れ筋商品「ファミネットアジャスター(型番:1982)」だ。「生地と仕立てにこだわって、徹底的に水漏れを防ぐ工夫をしています。レインウエアは、どうしてもミシン目から水が染みてしまうんです。だから縫い目には全て裏から防水テープを施しました」。生地は防水性にすぐれたナイロンを使用。1インチに何本の糸を使うかなど、防水布の品質にも妥協を許さない。そして、特に雨水が浸入しやすい箇所は、念入りに仕様チェックをしたという。
  お客様からの要望を盛り込むことによって加わった、「使える」機能も大きな魅力だ。例えば、パンツの長さを、立ったまま2段階で調節できる『パンツ丈調整』という機能。太ももの外側の部分で、ズボンを軽くたくしあげ、調節用ボタンを留めて長さを2段階に調節することができる。最大で12cm短くできるので、今まで、上着はちょうどよかったけどズボンが長すぎた、という人も、ズボンの裾をボロボロにせずに済む。また、上着の方も、お客様の、「どうしても半袖のレインウエアがほしい」という意見を取り入れ、袖をロールアップして半袖にできるようにした。
  最近では従来のサイズ展開にB体サイズが2つ加わり、カラーも3色から6色に増えたから、ユーザーの選択肢も大きく広がっている。さらに、ヘルメットの上からでも被れる大き目フードがオプションで装着可能になったので、現場関係者にはますます注目のアイテムだろう。
  もうひとつの人気商品、RNレインバイザー(型番:090)についても、ここで詳しく紹介したい。萩原氏によると、商品化のきっかけは、近所の知り合いの女性との会話だったという。「雨の日、カッパを着ながら自転車やバイクを運転している人の中に、キャップ帽やサンバイザーをしている人がたくさんいたんですよ。なぜかなぁ、と思って、その理由を聞いてみたんです」。雨の日に自転車などを運転すると、風圧でフードが後ろに煽られてしまう。結果、頭部も顔面も濡れてしまうが、それをかろうじてサンバイザーなどでしのいでいたようだ。「大抵の人は、『もう顔も髪の毛も諦めちゃってます』と言うんですよ」。
  そこで開発したのが、このレインバイザーだ。雨の日でも前方が見えるように、ツバを透明にし、風雨に耐えられる硬度のあるフィルムを使った。頭の大きさに合わせて調節可能なヒモとストッパーが付いているので、フードの上から装着すれば、風に煽られることもなく、しっかりと頭部と顔面を雨風から守ることができる。試作したバイザーを例の女性に試してもらったところ大好評だったため、生産に踏み切ったそうだ。
  トキワのレインウェアコレクションには、萩原社長の言う「消費者主導型製品」を目指すモノづくりの精神が、どの製品にも息づいている。「当社は、どんな製品にも“完全防水”を目指しています。完全に防水してこそ、カッパですから。これからも、さらに優れた防水性を目指して製品を作っていきたいですね」と話す萩原氏。あくなきチャレンジ精神はトキワがお客様から永きにわたって支持されているゆえんだろう。その矜持を随所に感じるトキワの精鋭商品を以下に紹介する。雨のシーズンを前に、一見の価値アリだ。
 
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風雨から頭部と顔面を守るレインバイザー
 

    

◆大雨が降っても目を開けて自転車通勤!レインバイザー

視界を確保してくれる透明ツバには、硬度のあるフィルムを採用。頭の大きさに合わせて調節可能な調節ヒモとストッパーでしっかりとフードを固定すれば、どんな風雨からも頭部と顔面をしっかりガード!これさえあれば、メガネもコンタクトも快適装着、視界も良好!女性は雨の日のお化粧くずれの心配も解消!


◆上着の袖がロールアップできる!ズボン丈が調節できる!自分仕様に調整可能なファミネットアジャスター

袖をロールアップして暑いときは半袖に。ズボンの丈は調節ボタンで最大12センチの裾丈調節が可能。シルバー・ブラック・イエローも加わって、カラーもサイズもお好み次第!背ヨーク・ベンチレーションでムレ知らず、高輝度の反射材で安全性も確保。トキワの技術の集大成!