【自重堂】ハンパなヤツには着こなせない!image_maidoya3
遊びゴコロを刺激する。初めはそんなタイトルを考えていた。だが取材をしていくにつれ、そんなヤワな表現では言い表せないほどの奥行きがあることを痛感させられた。緻密さと大胆さ。ワークウェアとしての実力をトップレベルに保ちながら、一目見ただけで強烈な印象を残す突き抜けたデザイン性をどう纏わせるか。流行のシルエットを取り入れて、ちょっと今風のウェアを作ってみようか。そんな薄っぺらな動機は微塵もない。自重堂は遊ぶときでもホンキで遊ぶ。中途半端でない、ホンキ度120%の真剣な遊び。
  このレポートで取り上げるのは、自重堂が敢えて別ブランドでその是非を世に問いかけるJawinシリーズである。まいど屋だって、生半可な気持ちで取り扱ったら、それこそ返り討ちにあいそうなほどピンと張りつめた独自世界を、以下に詳報する。
 

自重堂
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ゴールドファスナーが話題をさらった51500シリーズ
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カタログにHIROYAを起用。ミリタリーテイストの51700シリーズ
「“自重堂”よりも、もっと一般に馴染みやすいブランドを立ち上げたかったんですよ。世の中の人に、ブランドネームで認知されるようなものをね。機能面でのこだわりも、もちろんありますが、誰でもハッキリと違いがわかる、ビジュアル的にインパクトのある、カッコイイ作業服を作りたかったんです」。Jawinとは、どんなコンセプトで生まれてきたブランドなのかという質問に対し、自重堂の営業担当者からはそんな答えが返ってきた。「で、どうせやるなら徹底的に男前なウェアを作ろうと。おっかなびっくり、ほどほどにしたんじゃ別ブランドにした甲斐もないし、なかなか認知もされないでしょう。ショップの購買担当の方から、ちょっとヤリ過ぎじゃないって逆に心配されるくらい突き抜けたものを提案してみようと」。そう、これからご紹介する「Jawinシリーズ」は、確かに自重堂が持つマジメで手堅いイメージからはほど遠い。別ブランド化したのは、営業氏が言うように、従来の製品企画のやり方にとらわれず、とことん遊びつくすという自重堂の強い決意の表れだろう。
  シリーズが誕生してから4年目。背景にある思想は一貫している。追及しているのは洗練された力強さ。ハードな現場にも耐える堅牢性。それを誇示するように綿密に計算された精悍なフォルム。そしてそんな男くささを覆い隠すように大胆に取り入れた挑発的なデザイン性。それら全てが相まって、独自の世界観を紡ぎだす。これまでにも「男は仕事で強くなる」「本気な分だけ強くなる」「プライドを成長させる服」と、あくまでも強い男のイメージを前面に押し出してきた。「メインキャラには、格闘家の桜庭和志さんと、キックボクサーのHIROYAさんを起用しています。Jawin とは、Japan + Win の意味でもあるんです。どんなことがあってもギブアップしない、そんなお二人のタフな男のイメージが、このブランドのコンセプトに合致していると思います」。
  では、この4年間でスタート当初から変わってきた点はあるのだろうか。「最初は、ラフなテイストを出すために、綿100%のものだけを作っていました。コットン素材だと、適度なクタ感や洗いざらしの感じを出しやすいんです。でも最近は、ヘリンボン調の生地を採用したり、シャドーストライプを入れたりして、デザインに変化を持たせたり、冬は起毛させた素材を使ってより暖かくしたりなど、バリエーションも増やしています。本質的には作業服なので、ユーザーの仕事をサポートする、それぞれの仕事に適した素材も入れて、なおかつ最初のコンセプトを失わないように気をつけています」。
  今シーズン初登場した51800シリーズも、そんな素材へのコダワリを表現した典型的なコレクションだ。「ストライプの織り模様がうっすらと浮かぶミニヘリンボンを使うことで、ウェアにニュアンスのある表情を持たせています。また、生地表面に起毛を施していますから、柔らかくて肌触りがいいんです」。
  ジャケットは、今、流行りのライダース風のデザイン。前回、ゴールドファスナーとオリジナルなデザインボタンで話題をさらった51500シリーズに対抗するように、シルバーファスナーとデザインボタンを採用。クールでスタイリッシュな印象に仕上げてある。「胸のポケットもシャープなカットデザインになっていて、すっきりと見えますが、右胸ポケットは二重になっているので収納力も抜群です。作業服としての使い勝手のよさも十分計算してあるんですよ」。
  カーゴパンツはスマートに見えるノータック仕様。もちろん、普段着のノータックとは違って、現場作業に必要なゆとりと動きやすさを考慮してある。裾には紐が通せるようになっているので、紐やゴムを通して絞れば、ニッカズボンのように穿くことも可能。鳶服から乗り換えてくるユーザーにとっては嬉しい配慮だ。
  まったく新しいコンセプトで圧倒的な成功を収めてきたJawinシリーズ。だが、ここまで人気が高まってきたことに、自重堂自体が多少の戸惑いを感じているのではないか。営業氏との打ち合わせの途中、そう感じることが何度かあった。彼がふと漏らした言葉が印象に残っている。「本当はプロ中のプロにだけ着てほしいんですよ。なんといっても、今季のJawinのキャッチは、『俺が、日本を強くする。』ですから」。
  本音か。いや、たぶん冗談だろう。メーカーの営業マンは自社商品をたくさんのひとに使ってもらいたいに決まっている。だが、月刊まいど屋編集部では、敢えて読者の皆さんに言っておきたい。Jawinシリーズは半端な人間、ダサい人間が着ていると恥をかく。着こなすには、それなりの覚悟がいる。高品質ゆえに価格帯も高めだから、興味本位に試すほど手軽ではない。以下の商品レポートは、自分に自信のある人だけが読んでほしい。自重堂の挑発を余裕でかわせる実力の持ち主だけにそのよさを味わってもらいたい。
 
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優れた防寒機能ジャンパー 58100他
 

    

デキる男ならコレを選ぶ!カジュアルさとハードさを融合させたワークウェアの進化形、51800シリーズ

キラリと光るシルバーのファスナーとデザインボタンがクールかつスタイリッシュ。素材の起毛ミニヘリンボンは柔らかい肌触りでありながら、タフな現場もこなせる耐久性を併せ持つ。消臭&抗菌効果のあるDEO+ テープ付き。


ミリタリーテイストのデザインで差をつけろ!インパクトのあるスタイルと充実した機能でファンを魅了する51700シリーズ

肩章や胸ポケットのライン、デザインリベットのアクセントが伊達男のおしゃれ心をくすぐる。消臭・抗菌効果のあるDEO+ テープやダブルポケットといった機能も充実。ミリタリー調のデザインで大人気のシリーズ。