【タカヤ】実戦にめっぽう強いワザありブランドimage_maidoya3
ビッグクラブではないが、バランスのとれたいいチーム。スーパースターを集めたマンUでは決してない。個々のメンバーは小粒に見えても、それぞれの質が思った以上に高く、想像以上に個性もある。キラリと光る個人技を持った、スペシャリストの集団。勝負に勝つのは、そして観客の心に強く訴えるのは、結局そんないぶし銀の選手たち。浮ついたところが全くない、いわばなでしこのようなチーム。
  真冬の本格シーズンを前にタカヤの防寒コレクションを準備していて、ふと夏のオリンピックで活躍した彼女たちを思い出した。どれもが一芸に秀でた、レベルの高いプロフェッショナル仕様だから、実戦になるとめっぽう強い。現場でこれほど頼りになるパートナーはめったにお目にかかれない。
  例えば厳しさで知られるヨーロッパの安全基準をクリアした高視認性。例えば激しい雨や雪からも身体をしっかりガードしてくれる透湿防水性。またはタウンユースでも違和感なく着用できそうな洗練されたカジュアル感覚。それぞれのウェアに秘められた高水準のスペックはまだまだたくさんある。これから真冬の寒さと闘っていくなら、まずは味方の戦力分析が必要だ。今回の取材でタカヤのコレクションの潜在能力を、アイテムごとに解説してもらおうと思う。
 

タカヤ
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高視認性安全服『Night Knight』シリーズ
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レスキュー隊にも採用されたGR-1103
「“実戦に強い”とか“現場で頼りになる”とか、うれしい言葉でお褒めいただいて光栄です。ウチが目指している製品づくりは、まさにそれ!当社は昭和40年代からレディスジーンズを手掛けていることもあり、今でもタカヤといえば “カジュアルに強くて、製品は綿100%の洗い”というイメージをお持ちの方が多い。確かにそういった製品もありますが、他にも特徴ある製品を数多く出しているので、ウチの懐の深さをもっともっと知っていただきたいですね」。そう話すのは、ユニフォーム事業部 生産部 生産管理課の後藤主任。早速、自慢のラインナップの中から選りすぐりのコレクションを解説していただこう。
  まずは、寒くて危険な冬の夜、路上など屋外作業の最前線で活躍してくれる高視認性安全服『Night Knight(ナイトナイト)』の防寒ウェアから。このシリーズ、サッカーでいうなら、攻めのタカヤを代表するフォワード。それもキラリと光るワザで一目置かれるエースストライカーだ。「“作業服から安全服へ”をコンセプトに、ワークの分野に新たなカテゴリーを作ろうという意欲作です。ベースとなっているのは、EU(欧州連合)の規格『EN471』に適合した高視認性安全ベスト(型番:TU-NP10ほか)。昼中は蛍光色、夜は再帰性反射で視認性を高めるのですが、EUの規格は非常に厳しくて、蛍光生地や反射材の使用面積や角度、デザイン、素材の耐久性など、基準がとても細かい。そんな難しい規格をクリアした安全ベストに採用している反射材をそのまま使用し、夜間の高視認性を実現したのがNight Knightシリーズです」。
  防寒コート(型番:TU-N009)、ウインドブレーカー(型番:TU-N006)ともに幅広の高性能反射テープ(3M社のスコッチライト)がしっかり付けられ、その存在感あるシルバーラインはデザインのアクセントにもなっている。「反射材の面積が大きければ大きいほど視認性が高まりますが、その分、コストもかかる。だから、人の輪郭がわかるように効率よく付けているんです。クルマのヘッドライトが当たるとクッキリと浮かび上がって、360度どこから見ても、そこに人がいることがわかります。前回まいど屋さんに取材していただいた時は、もともと割高な高視認性ウェアを採用していた会社がウチのシリーズに乗り換えているというお話をしましたが、最近ではNight Knightを見て初めて高視認性ウェアを採用するケースもたくさん出てきた。作業員の方たちの安全性について真剣に考える企業がどんどん増えてきているんです」。* (編集部注)Night Knightシリーズについて、もっと詳しくお知りになりたい方は、月刊まいど屋2011年5月号の記事をご覧ください。
  タカヤが誇るフォワードのもう一つは、タフな堅牢性と雨雪をものともしない防水性で、レスキュー隊にも採用されているハーフジャケット(型番:GR-1103)のシリーズ。「見るからにしっかりとした生地でしょ。テフロン加工で撥水性が高く、耐水圧は雨合羽として十分使える5,000mm以上。しかも透湿性があるのでムレにくい。それでもムレてきたら、脇の下のファスナーを開けて換気すれば、ウェア内の温度調節もできて快適に着られます」。  
  上着の裾は、風による巻き上げや裾からの冷気の浸入を防ぐために、内側から絞れる仕様。グローブのままでも開閉しやすい大きなポケットフラップ、前ファスナーを開けなくても使える隠しポケット、かじかんだ手を温めるハンドウォーマーなど、細かな気配りも抜かりない。除雪作業員、スキー場スタッフなど、屋外の厳しい環境下で働く人たちにはうってつけだ。「ブルゾン(型番:GR-1105)は、どちらかというと座って作業する方や、腰に工具を付ける方向き。パンツ(型番:GR-1104)は、しゃがみこんでも突っ張らない立体裁断で、直接中のズボンのポケットに手が入れられるスルーポケットや、ファスナー付きのサイドポケットを施して使い勝手を高めています」。
  次なるアイテムは、「防寒アウターだって、汚れるんだから洗いたい!」という方にオススメの丸洗いシリーズ。仕事へのモチベーションを上げてくれるムードメーカーで、サッカーでいえばゲームメイクを担うボランチといったところ。「裾の裏側や袖口の中を見てください。先端がメッシュになっているでしょ。だから水が抜けやすく、風が入って速く乾く。それと、中綿はウォッシャブルタイプの『シンサレート』。これだと水洗いしてもヘタリにくいので、洗濯を繰り返してもふんわりとした厚みがキープされます。こうした丸洗いタイプは2シリーズあって、一つは防水なのに洗える『TU-8050』シリーズ。耐水圧3,000mmの防水防寒生地を使っているのがウリです。もう一つの『AZ-8838』シリーズは、洗濯耐久性と速乾性にとことんこだわっているのがポイント。生地には、糸そのものを撥水剤でコーティングしてから織り上げたものを使っていますから、繰返し洗濯しても防水性能が衰えにくいんです。速乾性については、裾裏、袖中、ポケットや背中にもメッシュを取り入れ、脇には水抜きホールを設けることで、洗濯後の乾きやすさが相当向上しています」。
  最後にご紹介するのは、カジュアルで定評のあるタカヤならではの “綿100%の洗い”シリーズ。タカヤ的には伝統を守るディフェンダーといった存在だが、キレのいいセンスで前線に上がって攻撃をしかける実力も持つ。アウターが軽量傾向にある中、あえてしっかりしたつくりとしながら、味わいのあるカジュアルなセンスを堪能できるアイテムだ。「ウチのロングセラー商品『GC-2000』シリーズの防寒バージョンです。カジュアルウェアのテイストそのままに、ペン差し、大きな胸ポケットといったワークの機能をプラスし、製品洗いによって風合いよく仕上げています。色落ちのビンテージ感が好きな方には『GC-2100』がオススメです。肌ざわりのいいピーチチノ素材で、ステッチ部分を中心に色落ち感がハッキリと出る。裏地は密度の高いスノートップボア、袖先にはリブ編みの内袖口を付け、保温性にもこだわっています。これに対し、製品洗いのこなれ感をスタイリッシュに楽しみたい方は『GC-W257』ですね。素材は、ほどよい厚みのブロークンオックス織り。胸ポケットは見た目もスッキリとしたファスナー式で、衿を立ててカッコよく着こなしてほしいです」。
  どうだろう。タカヤの防寒コレクションの総合力の高さが少しは伝わっただろうか。どの防寒ウェアも作業環境や作業スタイルに即した高いスペックを持っていて、解説の続きを話したいところだが、今回は涙を呑んでこの辺で。この他のアイテムは下記で紹介しておくので、そちらを見てほしい。
 
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ファスナーポケットがクールなGC-W257
 

    

本格仕様の防寒性能がウリ。だから雨風なんかコワくない!際立つカラーリングも印象的なGR-1103シリーズ

耐水圧5,000mm以上。テフロン加工の高い撥水性と透湿性、シンサレート中綿の保温性を備えた本格仕様の人気シリーズ。パンツは立体裁断で動作もスムース。カラーはビビッドな赤、黄、青など5色で、レスキュー隊、除雪作業員、スキー場スタッフなど寒冷地での屋外作業者を幅広くサポート。


防寒ギアが進化すると、スタイルはここまで洗練されてくる!本物を愛するひとにこそオススメしたい、綿100%素材シリーズ

ほどよい色落ち感が粋な綿100%の製品洗い。ジャケット(GC-W257)は、ファスナーポケットでスッキリフェイス。衿を立ててスタイリッシュに着こなせるのもGOOD!防寒ブルゾン(GC-2100)は肌ざわりのいいピーチチノ。裏地は高密度のスノートップボア、リブ編みの内袖口付きで保温性もマル!