カラダにいいものを美味しく食べたい。誰もが望む、そんなシンプルな願いをかなえてくれるのが、三軒茶屋に店を構える『Restaurant愛と胃袋』だ。
取材に伺ったのは、平日の昼下がり。ランチタイムもそろそろ終わろうかという時間帯にもかかわらず、店内は地元のママ同士のグループで、満席状態。赤ちゃんからお年寄り、障がいのある方、どんな人にも食事を楽しんでもらいたいというオーナー夫妻の思いを形にした店内には、車いすやベビーカーでも入りやすいスロープやおむつ交換台、授乳室などがしつらえられている。
メニューは、「おいしいとやさしいをテーブルから」というコンセプトのもと、日本の食材にとことんこだわった「和フレンチ」。「愛と胃袋」という印象的なネーミングとロゴに込められた思いを、オーナーシェフ・鈴木信作さんと、信作さんの奥様で共同オーナーの石田恵海(えみ)さんに伺いつつ、日々の仕事で着ているユニフォームへのこだわりについて、取材してきた。
取材に伺ったのは、平日の昼下がり。ランチタイムもそろそろ終わろうかという時間帯にもかかわらず、店内は地元のママ同士のグループで、満席状態。赤ちゃんからお年寄り、障がいのある方、どんな人にも食事を楽しんでもらいたいというオーナー夫妻の思いを形にした店内には、車いすやベビーカーでも入りやすいスロープやおむつ交換台、授乳室などがしつらえられている。
メニューは、「おいしいとやさしいをテーブルから」というコンセプトのもと、日本の食材にとことんこだわった「和フレンチ」。「愛と胃袋」という印象的なネーミングとロゴに込められた思いを、オーナーシェフ・鈴木信作さんと、信作さんの奥様で共同オーナーの石田恵海(えみ)さんに伺いつつ、日々の仕事で着ているユニフォームへのこだわりについて、取材してきた。
Restaurant愛と胃袋
日によって調理法が変わる「岩城島産のレモンポーク」。この日は柔らか煮で
のれんには、都道府県のモチーフと「愛と胃袋」のロゴ
「うちは、ホール担当の制服はないんです。私物の普段着で清潔感のあるもの、似合うものであればOK。基本、シャツとパンツに、エプロン、といった格好です」。フロア担当のユニフォームについて、鈴木さんに聞くと、こんな答えが返ってきた。取材の日、ランチタイムのフロアをきびきびと動き回っていたスタッフが身に着けていたのも、洗濯の行き届いた白いシャツに、臙脂色のパンツ、黒のエプロン。アンティーク調のイスとテーブルが並び、赤の差し色が効いた落ち着いた店の雰囲気に、シンプルですっきりとしたいでたちが似合う。
「でも、調理場に入ってもらうときは、胸まであるレストラン用のエプロンを着けてもらっています。白と紺のストライプでワークスタイルなもの。数人のスタッフ分をお店でそろえています」。ナチュラルな感じのものを選んだというエプロンは、カフェとレストランの中間的なもので、男女どちらでもOKなデザイン。油や火もしっかりガードしてくれそうな厚めの生地のエプロンは、デザイナーの小野塚秋良氏が手がけたものだ。オーソドックスな色と柄だが、胸ポケットの形などに遊び心が感じられる垢抜けたデザインが、このお店の雰囲気にもマッチしている。
一方、主に厨房で料理を担当している鈴木さん自身が身に着けているのは、「昔から、この型のものを着ています。リーズナブルっていうのもあって」という白いコックコート。気に入っているポイントを聞くと、「夏冬関係なく、着られるところですね。あと、耐水性、耐熱性があるところ。それから丈夫さ。少し大き目のLサイズの長袖の袖をまくって着ています」。長袖のままでは、洗い物などをするときに袖口がもたついて邪魔になる。かといって半袖では夏しか使えない。そこで、油のハネなどもガードしてくれる、しっかりした素材の長袖を、必要に応じて袖まくりしながら一年を通して着ているという。
「去年の夏、あまりの暑さにコックコートをやめて、Tシャツとエプロンにしてみたんです。でもやっぱり、白衣のほうが“レストラン感”があっていいかなって」(恵海さん)。以前は、ズボンもお揃いの白いものを持っていたというが、「そこまですると、逆に“やりすぎ感”がしてやめたんですよ」。厨房での調理がメインだが、フロアに出てきてお客様にあいさつをしたり、料理をお出しすることもしょっちゅうだという鈴木さん。全身が白で統一されていると、「本当に“厨房にいる人”な感じになってしまう」(恵海さん)ので途中から、下は普段着のパンツにして、「お客様ともコミュニケーションをとる、カジュアルなシェフ」という、今のスタイルに落ち着いたという。
「ほんとはね、三ツ星店のシェフが着るような、スタイリッシュなユニフォームにもあこがれます。でも、そういうのは見ててカッコいいけど、この店にはカジュアルなものの方が似合っていると思うんです」(鈴木さん)。「赤いチーフを襟元に結んだりするのもかわいいですよね。でも、この地域、このお店でそこまでしちゃうと、やっぱり“やりすぎ”かなって。お店を始めてお客さまと接しているうちに、“お店の雰囲気に合っているかどうか”をすごく意識するようになりました」(恵海さん)。鈴木さんたちにとって、スタッフのエプロンや白衣は、単なる仕事用のユニフォームという枠を超えて、お店の演出にも一役買う、重要なアイテムでもあるようだ。
ユニフォームに対する思いを伺ったところで、どうしても聞きたかった、「愛と胃袋」というネーミングと、お店のロゴについて伺ってみる。まずはその印象的な店名から。「愛は胃袋を通してやってくる、っていうことわざがあるんです。愛と胃袋は、人間に必要な究極の二つ。他の動物は胃袋だけでも生きていけるけど、人間は愛もないと。その二つのどちらかに偏りすぎても駄目だし、うまくバランスが取れているのがきっと人にとって幸福なんだろうなって。そんなバランスの取れたお店になれるようにっていうことで付けた名前です」。
ロゴをよく見ると、胃袋の中に、日本地図がある。「店名が愛と胃袋なので、胃袋をマークにしようと思っていました。うちは日本の食材にすごくこだわっていて、90%以上が日本の食材、日本の生産者が作ったものを使っています。そこから“日本を食べよう”ということで、胃袋の中に日本を描きました」。
主に四国や長野県から調達しているという食材を中心に調理された料理は、フレンチでありながら味噌やしょうゆといった和風のテイストがアクセントになっている「和フレンチ」。そこで、胃袋の隣には、「お箸」を描いた。知人の紹介などを通じて、ご縁のつながった日本各地の生産者が作る食材から生まれる料理は、どれも「おいしい」と「やさしい」のバランスがとれた一品だ。
三軒茶屋を選んだのは、「二人とも長く住んでいて地の利があったから」。地元に根付いた店舗には、二人の友人たちも多く訪れるという。
最後にこれからやってみたいことを伺うと、「世界進出(笑)。いやほんとに、三軒茶屋にとどまらず、赤ちゃんからお年寄りまで、誰もが来られて、喜んでいただけるお店を増やしていきたいです」と、鈴木さん。「古びてきた備品なんかを見直してクオリティーをアップしながら、新しいメニュー、新しいお取引先の開拓などにチャレンジしていきたいですね。お持ち帰りのニーズに応えて、テイクアウトできるメニューを拡大したり、ね」。
一口食べると、素材の持つ力強さ、やさしさが、体にしみこむような料理が、今日もコックコートの袖をまくった鈴木さんの手から生まれる。少しクタ感のある、洗いざらしのユニフォームもまた、このお店に来るお客さんを暖かく迎えるアイテムの一つ。白衣選びには、機能や形だけではなく、「そのお店らしさ」という視点も忘れてはならないのかもしれない。そんなことを感じた取材となった。
■Restaurant愛と胃袋
http://www.aitoibukuro.com/
・東京都世田谷区太子堂1-15-13 トキワヤビル1F
・TEL 03-3411-1296(イイイブクロ)
・東急田園都市線、世田谷線 三軒茶屋駅より徒歩5分
・営業時間
11:30~14:00 18:00~22:00(LO)
・定休日
月曜日・第3火曜日
「でも、調理場に入ってもらうときは、胸まであるレストラン用のエプロンを着けてもらっています。白と紺のストライプでワークスタイルなもの。数人のスタッフ分をお店でそろえています」。ナチュラルな感じのものを選んだというエプロンは、カフェとレストランの中間的なもので、男女どちらでもOKなデザイン。油や火もしっかりガードしてくれそうな厚めの生地のエプロンは、デザイナーの小野塚秋良氏が手がけたものだ。オーソドックスな色と柄だが、胸ポケットの形などに遊び心が感じられる垢抜けたデザインが、このお店の雰囲気にもマッチしている。
一方、主に厨房で料理を担当している鈴木さん自身が身に着けているのは、「昔から、この型のものを着ています。リーズナブルっていうのもあって」という白いコックコート。気に入っているポイントを聞くと、「夏冬関係なく、着られるところですね。あと、耐水性、耐熱性があるところ。それから丈夫さ。少し大き目のLサイズの長袖の袖をまくって着ています」。長袖のままでは、洗い物などをするときに袖口がもたついて邪魔になる。かといって半袖では夏しか使えない。そこで、油のハネなどもガードしてくれる、しっかりした素材の長袖を、必要に応じて袖まくりしながら一年を通して着ているという。
「去年の夏、あまりの暑さにコックコートをやめて、Tシャツとエプロンにしてみたんです。でもやっぱり、白衣のほうが“レストラン感”があっていいかなって」(恵海さん)。以前は、ズボンもお揃いの白いものを持っていたというが、「そこまですると、逆に“やりすぎ感”がしてやめたんですよ」。厨房での調理がメインだが、フロアに出てきてお客様にあいさつをしたり、料理をお出しすることもしょっちゅうだという鈴木さん。全身が白で統一されていると、「本当に“厨房にいる人”な感じになってしまう」(恵海さん)ので途中から、下は普段着のパンツにして、「お客様ともコミュニケーションをとる、カジュアルなシェフ」という、今のスタイルに落ち着いたという。
「ほんとはね、三ツ星店のシェフが着るような、スタイリッシュなユニフォームにもあこがれます。でも、そういうのは見ててカッコいいけど、この店にはカジュアルなものの方が似合っていると思うんです」(鈴木さん)。「赤いチーフを襟元に結んだりするのもかわいいですよね。でも、この地域、このお店でそこまでしちゃうと、やっぱり“やりすぎ”かなって。お店を始めてお客さまと接しているうちに、“お店の雰囲気に合っているかどうか”をすごく意識するようになりました」(恵海さん)。鈴木さんたちにとって、スタッフのエプロンや白衣は、単なる仕事用のユニフォームという枠を超えて、お店の演出にも一役買う、重要なアイテムでもあるようだ。
ユニフォームに対する思いを伺ったところで、どうしても聞きたかった、「愛と胃袋」というネーミングと、お店のロゴについて伺ってみる。まずはその印象的な店名から。「愛は胃袋を通してやってくる、っていうことわざがあるんです。愛と胃袋は、人間に必要な究極の二つ。他の動物は胃袋だけでも生きていけるけど、人間は愛もないと。その二つのどちらかに偏りすぎても駄目だし、うまくバランスが取れているのがきっと人にとって幸福なんだろうなって。そんなバランスの取れたお店になれるようにっていうことで付けた名前です」。
ロゴをよく見ると、胃袋の中に、日本地図がある。「店名が愛と胃袋なので、胃袋をマークにしようと思っていました。うちは日本の食材にすごくこだわっていて、90%以上が日本の食材、日本の生産者が作ったものを使っています。そこから“日本を食べよう”ということで、胃袋の中に日本を描きました」。
主に四国や長野県から調達しているという食材を中心に調理された料理は、フレンチでありながら味噌やしょうゆといった和風のテイストがアクセントになっている「和フレンチ」。そこで、胃袋の隣には、「お箸」を描いた。知人の紹介などを通じて、ご縁のつながった日本各地の生産者が作る食材から生まれる料理は、どれも「おいしい」と「やさしい」のバランスがとれた一品だ。
三軒茶屋を選んだのは、「二人とも長く住んでいて地の利があったから」。地元に根付いた店舗には、二人の友人たちも多く訪れるという。
最後にこれからやってみたいことを伺うと、「世界進出(笑)。いやほんとに、三軒茶屋にとどまらず、赤ちゃんからお年寄りまで、誰もが来られて、喜んでいただけるお店を増やしていきたいです」と、鈴木さん。「古びてきた備品なんかを見直してクオリティーをアップしながら、新しいメニュー、新しいお取引先の開拓などにチャレンジしていきたいですね。お持ち帰りのニーズに応えて、テイクアウトできるメニューを拡大したり、ね」。
一口食べると、素材の持つ力強さ、やさしさが、体にしみこむような料理が、今日もコックコートの袖をまくった鈴木さんの手から生まれる。少しクタ感のある、洗いざらしのユニフォームもまた、このお店に来るお客さんを暖かく迎えるアイテムの一つ。白衣選びには、機能や形だけではなく、「そのお店らしさ」という視点も忘れてはならないのかもしれない。そんなことを感じた取材となった。
■Restaurant愛と胃袋
http://www.aitoibukuro.com/
・東京都世田谷区太子堂1-15-13 トキワヤビル1F
・TEL 03-3411-1296(イイイブクロ)
・東急田園都市線、世田谷線 三軒茶屋駅より徒歩5分
・営業時間
11:30~14:00 18:00~22:00(LO)
・定休日
月曜日・第3火曜日
おむつ替えや授乳のスペースあり。車いす、ベビーカー、補助犬同伴も大歓迎!
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