ガキの頃は野球に夢中だった。どこに出かけるときだって、いつもグローブを抱えて歩いてた。中学、高校とポジションはセカンド。地味ながら、いつも的確な状況判断が求められる内野の要。サインプレーにカットプレー。体が覚えこむべき約束事は山ほどある。回によって、打者によって、点差によって、あるいはアウトカウントやボールカウントによって予測を変えて準備をする。経験を積めば積むほど、職人的な感覚が研ぎ澄まされていき、自分ではっきり分かるほど上達を実感できるのが楽しかった。
当時愛用していたのがミズノの篠塚モデル。スイートスポットが極端に小さく、初心者には扱いにくい。だが、正確に動作をし、正しい位置で捕球をすれば、手のひらに吸いつくようにボールが収まる。職人的なポジションにはピッタリの、職人的なグローブだ。グローブは六年間、一度も買い替えずに大事に使った。練習が終わるとタオルで丁寧に汚れを取り、クリームを塗った。長い間使い込んで、自分の体の一部のようになっていたから、取り換えようがなかったのだ。
今でもやってることはあまり変わってないな。そして生まれつきの職人気質も。ときどき、あの頃と今の自分を比べて一人苦笑する。現場じゃ状況を読み、的確に判断をして準備をする。経験を積んで日いちにちと仕事がうまくなっていく。そして腰にはいつものコヅチ。この道に入って以来、一度も浮気をしたことがない腰袋。
適度な重み。しなやかさと強靭さ。腰につけたときの何とも言えない感覚のよさ。他社からゴマンと出ている腰袋には目もくれず、俺がコヅチの腰袋を使うワケ。以下のレポートで詳しく説明しよう。根っからの職人である俺がほれ込んだのだから間違いない。袋選びに迷っているひとがいるとしたら、是非、参考にしてほしい。
当時愛用していたのがミズノの篠塚モデル。スイートスポットが極端に小さく、初心者には扱いにくい。だが、正確に動作をし、正しい位置で捕球をすれば、手のひらに吸いつくようにボールが収まる。職人的なポジションにはピッタリの、職人的なグローブだ。グローブは六年間、一度も買い替えずに大事に使った。練習が終わるとタオルで丁寧に汚れを取り、クリームを塗った。長い間使い込んで、自分の体の一部のようになっていたから、取り換えようがなかったのだ。
今でもやってることはあまり変わってないな。そして生まれつきの職人気質も。ときどき、あの頃と今の自分を比べて一人苦笑する。現場じゃ状況を読み、的確に判断をして準備をする。経験を積んで日いちにちと仕事がうまくなっていく。そして腰にはいつものコヅチ。この道に入って以来、一度も浮気をしたことがない腰袋。
適度な重み。しなやかさと強靭さ。腰につけたときの何とも言えない感覚のよさ。他社からゴマンと出ている腰袋には目もくれず、俺がコヅチの腰袋を使うワケ。以下のレポートで詳しく説明しよう。根っからの職人である俺がほれ込んだのだから間違いない。袋選びに迷っているひとがいるとしたら、是非、参考にしてほしい。
コヅチ
腰痛予防にもなるという、スーパーサポートベルト
プリント柄が斬新な電工袋、「粋づくし」シリーズ
「いやぁ、ありがとうございます!そんな風に言っていただけると、こちらも職人冥利につきますよ」。取材に応じてくれたのは、コヅチの代表取締役である樋口欽也氏と、営業課長の吉田哲也氏。心当たりがあるのか、二人は笑って顔を見合わせる。なんですか?その意味ありげなアイコンタクトは!?取材開始早々、意気込んで尋ねると、吉田課長が穏やかに、こんなエピソードを披露してくれた。「実はこの間、あるお客さんから、うちで作っている園芸用の剪定鋏ケースが送られてきましてね」。
それは、ハトメが取れかかり、縫い目はほつれ、どう見てもそろそろ寿命に見えた鋏ケースだった。「修理してほしいっていうんですよ。なんでも長年使っているうちに、ケースの本体が、そのお客さんの使っている鋏の形に変形していて、これじゃないと困るっていうんです。ヨタヨタしていて、正直、“これがいいのか!?”って驚きました。でもうれしかったですよ。絶対に直してやる!って思いましたね」。
さっそく自社工場に持ち込んで修理をし、問屋さんを経由して無事、ケースは持ち主の元へ戻っていった。「そんなことができるのも、国内に工場があるからだと思います。ウチの製品の40%くらいは国産品。もちろん、うちにも海外で作らせている商品もありますが、自社工場で培ったノウハウがあるから、“この手の袋はこういう作りをしちゃいけない”など、モノつくりのポイントが分かっています。それも強みの一つですね」と、樋口社長。
もともとコヅチには、東北電力をはじめとする全国の電力会社やユアテックなどの電設関係の会社が使用する腰袋を一手に引き受けている実績がある。「電力会社は、国産品でないと使ってくれないんです。高所で作業することなんかが多いですから、やはり安全性や耐久性には非常に厳しい。たとえ糸目が一つでも飛んでいれば即返品。次回から、こうならないようにするために、こう改善します!っていう報告も上げないといけない。でも、そのおかげで、相当な技術力がついたのは確かです」。
素材選びにも妥協がない。「ウチの革製品の材料は、厚くてしっかりしている北米産と決めています。生皮の状態で輸入して国内でなめす。帆布は、中国から綿花のまま輸入して、国内工場で織ります。海外で革をなめしたり、帆布に織ったものを輸入したほうが安いけど、結局、いい品物ができないんですよ」。
厳しいフィードバックに応えることによって、鍛えぬかれ、蓄積されたノウハウが、商品全体のレベルアップにつながっている。なるほど、電力会社向けのものをコアにして、一般向けにアレンジですね、とまとめかけると、「いや、それだけじゃないですよ」、と樋口社長は続ける。「もう15~16年になるかなぁ。製品には必ずアンケートはがきを付けているんです。お客さまからアイデアや改良してほしい点を書いてもらって。“もっとカラフルなものはないの?”って言われて、12色展開のシリーズを作ってみたりね」。12色もあれば、出る色、出ない色と分かれるが、「それでも、ま、やってみようや、と思って(笑)」。
道路を車で走っているときに、高所で作業している人を見かければ車を止め、使っている腰袋の使い勝手や困っている点などをヒアリングするのは日常茶飯事。「この間も、この建物の外壁を塗り替えたんですが、そのとき来てくれた塗装屋さんと足場を組んでくれたところの作業員にも、どんな腰袋が欲しいかを聞きました。そしたら、“水平器が入るものが欲しい”っておっしゃるんで、さっそく現場に商品改良の指示を出したところです」。
そういった新商品の開発は、どれくらいの頻度で行っているのかと聞くと、「しょっちゅうだよなぁ」と、またもや顔を見合わせ頷く。「もちろん機能性が第一なんですが、腰袋って、ちょっとファッションの部類に近い商品でもあるんですよ。3~5年も同じものを出していると、やがて飽きられちゃう。特に最近の若い人は、人と同じものは持ちたがらないでしょ。それに、新しい工具が出れば、その工具に対応した袋も必要になりますしね。あとは、やっぱり使いやすいって感じてもらうことも大切だと思います。さっきの剪定鋏の話じゃないですが、こだわりを持って使ってくれる人が結構、多いんですよ」。
試作品を提供して現場で使ってもらうこともある。「とりあえず使ってみるから置いてっていいよ、なんて言われてね。でも、革製品ともなると寿命も長いし、使っているうちに馴染んでくるから、結局、意見を聞けるのは1年後だったりすることもあります」。
時代に合わせ、道具に合わせて。お客さまに認めていただける製品をしっかりと作っていきたい、と、樋口社長はインタビューを締めくくった。そんなコヅチから最後に一つお知らせを。「来年の夏公開予定の『WOOD JOB!』(長澤まさみ、染谷将太、伊藤英明ら出演)という、林業に携わることになった若者を描いた映画に、うちの腰袋が使われています。あの宮崎駿監督が原作を読んで、ビジュアルで見たい!と思った作品だそうです。エンドロールに、コヅチの名前が出てくると思いますので、ぜひ見てみてください」。
それは、ハトメが取れかかり、縫い目はほつれ、どう見てもそろそろ寿命に見えた鋏ケースだった。「修理してほしいっていうんですよ。なんでも長年使っているうちに、ケースの本体が、そのお客さんの使っている鋏の形に変形していて、これじゃないと困るっていうんです。ヨタヨタしていて、正直、“これがいいのか!?”って驚きました。でもうれしかったですよ。絶対に直してやる!って思いましたね」。
さっそく自社工場に持ち込んで修理をし、問屋さんを経由して無事、ケースは持ち主の元へ戻っていった。「そんなことができるのも、国内に工場があるからだと思います。ウチの製品の40%くらいは国産品。もちろん、うちにも海外で作らせている商品もありますが、自社工場で培ったノウハウがあるから、“この手の袋はこういう作りをしちゃいけない”など、モノつくりのポイントが分かっています。それも強みの一つですね」と、樋口社長。
もともとコヅチには、東北電力をはじめとする全国の電力会社やユアテックなどの電設関係の会社が使用する腰袋を一手に引き受けている実績がある。「電力会社は、国産品でないと使ってくれないんです。高所で作業することなんかが多いですから、やはり安全性や耐久性には非常に厳しい。たとえ糸目が一つでも飛んでいれば即返品。次回から、こうならないようにするために、こう改善します!っていう報告も上げないといけない。でも、そのおかげで、相当な技術力がついたのは確かです」。
素材選びにも妥協がない。「ウチの革製品の材料は、厚くてしっかりしている北米産と決めています。生皮の状態で輸入して国内でなめす。帆布は、中国から綿花のまま輸入して、国内工場で織ります。海外で革をなめしたり、帆布に織ったものを輸入したほうが安いけど、結局、いい品物ができないんですよ」。
厳しいフィードバックに応えることによって、鍛えぬかれ、蓄積されたノウハウが、商品全体のレベルアップにつながっている。なるほど、電力会社向けのものをコアにして、一般向けにアレンジですね、とまとめかけると、「いや、それだけじゃないですよ」、と樋口社長は続ける。「もう15~16年になるかなぁ。製品には必ずアンケートはがきを付けているんです。お客さまからアイデアや改良してほしい点を書いてもらって。“もっとカラフルなものはないの?”って言われて、12色展開のシリーズを作ってみたりね」。12色もあれば、出る色、出ない色と分かれるが、「それでも、ま、やってみようや、と思って(笑)」。
道路を車で走っているときに、高所で作業している人を見かければ車を止め、使っている腰袋の使い勝手や困っている点などをヒアリングするのは日常茶飯事。「この間も、この建物の外壁を塗り替えたんですが、そのとき来てくれた塗装屋さんと足場を組んでくれたところの作業員にも、どんな腰袋が欲しいかを聞きました。そしたら、“水平器が入るものが欲しい”っておっしゃるんで、さっそく現場に商品改良の指示を出したところです」。
そういった新商品の開発は、どれくらいの頻度で行っているのかと聞くと、「しょっちゅうだよなぁ」と、またもや顔を見合わせ頷く。「もちろん機能性が第一なんですが、腰袋って、ちょっとファッションの部類に近い商品でもあるんですよ。3~5年も同じものを出していると、やがて飽きられちゃう。特に最近の若い人は、人と同じものは持ちたがらないでしょ。それに、新しい工具が出れば、その工具に対応した袋も必要になりますしね。あとは、やっぱり使いやすいって感じてもらうことも大切だと思います。さっきの剪定鋏の話じゃないですが、こだわりを持って使ってくれる人が結構、多いんですよ」。
試作品を提供して現場で使ってもらうこともある。「とりあえず使ってみるから置いてっていいよ、なんて言われてね。でも、革製品ともなると寿命も長いし、使っているうちに馴染んでくるから、結局、意見を聞けるのは1年後だったりすることもあります」。
時代に合わせ、道具に合わせて。お客さまに認めていただける製品をしっかりと作っていきたい、と、樋口社長はインタビューを締めくくった。そんなコヅチから最後に一つお知らせを。「来年の夏公開予定の『WOOD JOB!』(長澤まさみ、染谷将太、伊藤英明ら出演)という、林業に携わることになった若者を描いた映画に、うちの腰袋が使われています。あの宮崎駿監督が原作を読んで、ビジュアルで見たい!と思った作品だそうです。エンドロールに、コヅチの名前が出てくると思いますので、ぜひ見てみてください」。
樋口欽也社長(右)と、吉田哲也課長
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