【藤和】感性と美意識が生むパラダイムシフトimage_maidoya3
期待通り、いやそれ以上の収穫があったと言っていい。昨秋、まいど屋の商品ラインナップに突如加わった藤和のワーキングギアコレクション。ある程度は予想していたが、これほどの反響があるとは思わなかった。意外性のある着眼点とヒネリの効いたデザイン性。そして出来上がった製品から立ち上る大人のエスプリ。まいど屋のお客さまたちは初めて目にするその都会的な洗練を、スタンディングオベーションをもって迎え入れた。誰もが感じるセンスのよさに酔いしれた。
  デビューしたての新ブランドをここまで持ち上げるのは、まいど屋としても異例のことだ。ちょうちん記事を書いていると思われるのは本意ではない。だが、一度でも藤和のアイテムを購入したことのあるお客さまなら、きっとまいど屋の意見に同意したくなるはずだ。藤和のウェアからは何かしらの強いメッセージが伝わってくることに。そしてそこにはある種の思想が感じられることに。今回の企画に合わせて詳報するニットシリーズにも、そんな特徴がよく表れている。輪郭のはっきりした主張が、我々の美意識に訴えかけてくる。彼らがニットウェアで我々に伝えようとしていること。このインタビューで深く探ってみたいと思う。
 

藤和
image_maidoya4
フラッシュインパクトのコーディネート提案
image_maidoya5
さりげなさがカッコイイ蛍光ステッチ
「私たちが皆さんに送っているメッセージはいつもたった一つなんです。ワーキングウェアはもっともっと自由になれる。そしてどこまでもカッコよくなれる。自分の感性にあった作業着に出会えれば、きっと仕事に対する意欲も高まってくる。皆さんにはお店で私服を選ぶときと同じように、高揚した気持ちで作業着を選んでもらいたいんです」。そう話すのは、前回の取材でもお世話になった藤原専務。確かに、作業着を着て働くひとたちはそれこそ一年中、同じウェアを着て過ごすわけだから、編集部も専務の主張に全面的に賛同する。例えば、今季の新商品、蛍光色+反射機能のフラッシュインパクトなどは、今注目の高視認性セキュリティーウェアにしびれるほどの洗練を纏わせて、あっさりとファンの心を奪い去った。新たに突きつけられた世界観は、これまで慣れ親しんできた常識を一瞬にして古臭いものに変えてしまう。まるで我々が抱いてきた根拠のない確信をあざ笑うかのように。藤原専務はフラッシュインパクトを出した意図をこう説明する。「日頃から安全に気を配っているワーカーだけでなく、一般の方にもデザインで気に入ってもらえるようなものを作りたかった。安全のため、仕方なくセキュリティーウェアを着るのではなく、セキュリティーウェアが持つ高視認性という特徴そのものをデザインとして捉え直してみたかったんです」。
  一般的に蛍光色というとイエローやグリーンなど、交通安全のオジサンや選挙運動のボランティアスタッフといったイメージがあるが、藤和のフラッシュインパクトはモノクロが基本。ベースカラーを黒、白の2色に抑えて、モダンな雰囲気づくりに成功している。「黒に差し色という考え方で、ポケットとファスナー周りに蛍光色、反射材を使用しています。暗がりで少しカラーが浮く感じです。デザインに惹かれて、手に取ってみたらセーフティー機能が付いていた。そんな感じで選んでいただきたいですね。安全意識が高いヨーロッパでは、ワーカーに蛍光+反射材の着用が義務づけられています。また、着用義務のない一般の方でも安全のために自ら進んで着ています。ですが、日本はまだまだ意識が低いので、安全を前面に打ち出すより、カッコイイから着て!というアプローチの方が有効なんじゃないかと」。
  なるほど、なるほど。その狙い、よ~くわかるし、ちゃんと届いている。インタビューが行われている展示室を見回しても、フラッシュインパクトのディスプレイからはセンスのよさがジンジン伝わってきて、デスクワーク中心の月刊まいど屋編集部員でさえ、「これ、街で着てみよっかなぁ」って気になってくる。シリーズはコンプレッションや小物を含めてラインナップが充実しているので、重ね着やトータルでのコーディネートも楽しめそう。では、そんなシリーズの各アイテムを、ここらで詳しく説明してもらおう。まずは『FLASHニットシャツ5015』から。「機能性をキチッと押さえた上で、美しさにとことんこだわりました。まず、細身でシャープなシルエット。右胸にはパッと目を引くオレンジのファスナーポケット。さらに裾のサイドにオレンジの蛍光ステッチを入れて、さりげなくカッコよく。夜間、ライトが当たれば、袖とファスナー周りの反射テープが光って、昼間とは違う表情が楽しめます」。
  ニットシャツにファスナーポケットって、斬新というか、けっこう大胆ですよね?そう水を向けると・・・。「デザイン性を考えてのことですけど、屈んでもモノが落ちないので機能的にもいい。ファスナーポケットを右胸に付けたのは、左胸に社名やロゴを入れていただくスペースを確保するためです。それと、ニットの場合、胸ポケットにモノを入れると、重さで下がって形が崩れますよね。特にスマホなんかを入れると、ポケットが変に角張って見た目もよろしくない。それならばと、ほらここ、左肩のところ。デザイン的なアクセントに見えますが、実はこれも収納(マルチスリーブポケット)。スマホも入る大きさで収納時の安定感もいい。サッと入れて、サッと取り出せます」。前身と後ろ身であえて生地を変えているのも、トータルでの雰囲気を考えてのこと。素材はポリエステル100%の吸汗速乾ドライメッシュ。後ろ身には清涼感あふれる粗目のメッシュを採用している。
  次に目を引いたのは、適圧サポートのインナー(コンプレッション)に視認性を取り入れた『FLASHロングスリーブシャツ』(型番:84135)。「主に日焼け防止と安全のためですね。UVカット99.9%で両袖に反射材付き。涼しく快適に着ていただけるよう、接触冷汗、吸汗速乾素材を使い、脇と背中全面をメッシュにしています。この商品はツヤっぽい質感が特徴で、カラーはブラックベースに、イエロー、オレンジ、シルバーグレーの3色。消臭機能もあるので、ニオイが気になる方も安心して着ていただけます」。
  まだまだあるぞ、フラッシュインパクト。小物もブラックベースに蛍光色+反射材で期待以上のクールな仕上がり。「安全のために長袖を着ますが、暑い夏はたまりません。半袖ウェアに『FLASHパワースリーブ』(型番:841316)をプラスすれば、作業中は腕を保護し、休憩時にはズリ下げるだけで涼しくリフレッシュできます」。
  このほか、接触冷感素材の『クールアイスグローブ』(型番:84916)は、手を入れた時にヒンヤリ感がうれしい夏のグローブ。手のひらと指にはハニカムパターンの滑り止め。指先はスマホ対応仕様で、急な連絡にも着脱の手間いらず。パンツの裾がまくれたり、ハタめいたりするのを防ぐ『FLASHパワーソックス』(型番:841317)も揃い、小物をプラスするだけでカッコよく快適にセーフティー対策ができる。
  以上、今回は新商品のフラッシュインパクトシリーズを解説しながら、藤和の考え方に迫ってみた。デザインをつきつめ、機能面もぬかりない。そして何より、思わず着てみたいと思わせる磁力の強い個性がある。そんな藤和の特徴が、うまく読者の皆さんに伝わっただろうか。もしもあまりピンとこなかったとしたら、それは編集部の力量が足りなかったからだ。そんなひとはどうか一度、実際に商品を手に取って確かめてみてほしい。月刊まいど屋が伝えたかったことが、きっとわかってもらえると思う。試して、納得して、藤和のユニフォームを着て少しでも気分よく働くひとが増えるとしたら、編集部にとっても本当にうれしいことだ。
 
image_maidoya6
白黒でここまでカッコよくなれる藤和マジック
 

    

視認性を追及すると、デザインはますます洗練されてくる!マジでかっこいいセーフティーウェア、5015シリーズ

細身のシルエットにファスナーポケット&蛍光ステッチのアクセント。ライトが当たれば、袖とファスナー周りの反射テープがキラリ。袖はスマホも入るポケット付き。吸汗速乾のドライメッシュでサラッと爽やか。脇に消臭テープ。素材はポリエステル100%。


コンプレッションに視認性を取り入れるという新発想!常識破りのパラダイムをデザインに昇華した84135シリーズ

蛍光+反射材のフラッシュインパクトがインナーや小物に!接触冷感でヒンヤリ、吸汗速乾でサラッとドライ、UVカット99.9%、消臭、メッシュ仕様、適圧サポートと機能満載のコンプレッション。インナー不要で腕を護るパワースリーブをはじめ、ソックス、グローブと小物も充実。