【アイトス】厚みを増した当代一級のコレクションimage_maidoya3
何をやらせてもソツがない。それどころか、やることなすこと全てが水準以上。そういうひとがたまにいる。一つのことでさえなかなか道を究めることができない凡人には、うらやましい限りの多芸多才ぶり。一体、あのひとのアタマの中は、どうなっているんだろう。ああなりたいと思ったって、できやしない。きっと、もともとのデキが違うんだろうなぁ。一流と呼ばれるひとは当たり前のように一流であり続ける。ベートーベンが作曲家として大成する前はピアノ奏者としても第一級の才能を発揮したように。オペラのような大作を書けば右に出る者のいなかったモーツアルトが、ピアノソナタのような小品でも優れた作品を残しているように。
  さて、アイトスである。日本を代表する作業服メーカーとして、数々のヒットウェアを生み出していることは言を待たない。本来ならこのようなニット特集ではなく、先月の作業服特集で彼らのウェアを徹底的に解説した方が読者の皆さんも喜ぶのかもしれない。だが、今月号の企画を練っているときに、編集部はどうしてもアイトスのニットウェアを外して考えることができなかった。その月のテーマで最も競争力の高い商品についてレポートすることをポリシーとする月刊まいど屋として読者の皆さんに筋の通った報告をするのなら、業界内でも1、2を争うアイトスのコレクションを無視して通り過ぎることは考えられない選択肢に思えた。ガテンな現場の職人に好まれそうな機能性に優れたウェアから、ショップや飲食などのサービス業のユニフォームとして喜ばれそうなスタイリッシュ系まで、バリエーションの厚みが際立っている。そして、当然のように、どれもが一流のレベルを保っている。広く一流と認められているワークウェアと同じくらいの質と量で、ワークウェアの場合と同じように他のメーカーを圧倒している。一体、アイトスの会社の中はどうなっているんだろう。そして企画を担当するひとのアタマの中はどうなっているんだろう。今回、編集部の取材に応じてくれたのは正に同社の企画・製造を統括する商品部商品課の柴山さん。夏本番を前に読者の皆さんが一流のニットウェアを探しているのなら、まずは彼の話を聞いてみてほしい。
 

アイトス
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部屋干し素材を使った新商品『時乾短縮』シリーズ
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介護施設にオススメのサイドポケット半袖ポロシャツ
「当社におけるニットウェアはまだまだ少数派。サブのサブといった存在ですが、震災後の節電によるクールビズでガーンときて、このところ毎年10万点単位で伸びています」。インタビューが始まってすぐ、柴山さんのそんな言葉に編集部はまず度肝を抜かれた。数ある商品の中でニットは主力でないと謙遜するものの、扱う単位が違う。ただ、それだけの数量になると、いかに販売力のあるメーカーだとはいえ、何か際立つ特徴がなければ捌ききれるものではない。「アイトスのニットウェアは、あくまでもユニフォームとしてのニット」だと柴山さんは説明する。そして目の肥えた企業ユーザーが納得するようなクオリティーを常にキープすることが大事だと強調する。「着つぶして1シーズンで終わりというんじゃなく、2~3年着られるものを提案する。その上でできるだけ快適に着ていただけるよう、機能面でも差別化を図っています」。
  そのいい例が、新商品の『時乾短縮(じかんたんしゅく)』シリーズ。“PM2.5や花粉が心配”“昼間留守なので外に干せない”“夜洗って朝着たい”など、部屋干しニーズが高まるなか、“乾きにくい”“不快なニオイになる”といった部屋干し特有の問題に正面から向き合っている。「あのイヤなニオイは、悪臭物質を作り出す原因菌が増殖するからなんです。最近は洗剤もずいぶん良くなってきましたが、こういった菌は洗濯しても完全には取りきれず、水分を含んだ状態で長時間放置しておくと、どんどん増殖する。だから、まず菌を寄せつけないこと。そして、脱水時点でできるだけ水分を除いて、早く乾かすことが大切です。この2点を踏まえて、素材そのものの抗菌効果と脱水率の高さで部屋干しの問題を解決したのが『時乾短縮』シリーズです」。今回はニット特集ということで、『部屋干しポロシャツ』(型番:7666、7667)を挙げたが、『時乾短縮』シリーズはブルゾンやパンツといったワークウェアでも展開している(興味のあるひとはトップページの「キーワードで探す」に「部屋干し アイトス」と入力してチェックしてください)。「おかげさまで非常に好調!」と柴山さん。特に東北地方や日本海側などの雨の多い地域、出稼ぎでひとり暮らしの方が多い地域で人気が出ているという。
  好調な滑り出しといえば、今春、介護士さん向けにデビューした『サイドポケット半袖ポロシャツ』(型番:7668)もなかなかのもの。ソフトイメージの中にもキチンと感があり、介護施設をはじめ各種サービス業で好感度の高いユニフォームとなりそうだ。「着丈を長くして、手帳やスマホも入る大き目のサイドポケットを付けました。ニットって収納が少ないし、あったとしてもポケットにモノを入れるとダブつくでしょ。このサイドポケットは身頃に挟み込んで付けているのでダブつき感が少なく、自然に手が入れられる位置にあるので非常に便利です」。
  衿はボタンダウン仕様で、パイピングの配色がオシャレ。機能も吸汗速乾、透け防止、制電、UVカット、消臭テープ付きと押さえるべきポイントを網羅。現在のところ、個別ウェアから統一したウェアへと切り替えを図る小規模施設での導入が多いという。
  新商品ついでに、もうひとつ。ガテン系諸兄に向けた『コンプレスフィットシャツ』(型番:551034、551034)は、炎天下のワークにうってつけのNEWアイテム。「涼しさのヒミツは、遮熱、接触冷感、吸汗速乾のトリプル効果。特に遮熱は、特殊鉱石が入った素材が太陽光の熱を遮蔽して、従来品と比べてマイナス3度の効果が確認されています。通気メッシュ仕様で、紫外線も96%以上カット。夏の日差しに負けず、ガンガン働く方にオススメです」。
  さて、最後は人気の定番商品、制電ポロシャツ(型番:50010、50012、50005、50006)で締めくくることにしよう。「50010(長袖)、50005(半袖)はラグラン袖で、もう3~4年目になるのかな。ユニフォームとして決して安いポロではないけど、最もよく出ています。再生ペットポリエステルのECO素材で吸汗速乾、消臭ネーム、導電糸入りの制電と、フル装備。カラーバリエは13色で、特に白、ブラック、ネイビー、サックスが人気です」。
  一方、同じ制電ポロでも50012(長袖)、50006(半袖)は衿元にポイントを置いている。衿元がだらしないと、全体がだらしなく見えてしまう。特にニットは衿がヨレやすいので接客、サービス業では気を遣うところだ。ならば繰り返し洗濯しても衿元が型崩れしにくく、だらしなく見えないポロを作っちゃえば?そんな発想から、キチンと感あるポロが誕生した。「ほら、衿がしっかり立ち上がっていて、見た目から違うでしょ。一般的なポロは衿がフライスですが、これは共生地。衿の中に芯地を入れ、台衿も付いたシャツ仕様です」。素材、機能は前述の50010、50005と同じ。だが、印象の違いは一目瞭然で、身だしなみを重視する業種、職種で人気があるという。
  以上、アイトスのニットシリーズを取材してきたが、どんな業種、職種にも対応できる多彩なラインナップ、充実した機能、カラーバリエ、サイズ展開に改めて驚かされた。しかも、レディース対応商品も揃って文句ナシの充実ぶり。詳しいことは以下に挙げておくので、読者の皆さんもぜひぜひ一流どころのニットワールドをチェックしてみてほしい。
 
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人気のシャツ衿仕様50006(左)とラグラン袖の50005(右)
 

    

洗濯を部屋ですませば時乾短縮!部屋干し素材で清潔、快適な部屋干しシリーズ

部屋干しのイヤなニオイにサヨナラ!乾きの早い抗菌&速乾の部屋干し素材は、綿60%、ポリエステル40%のクレーターメッシュ。清潔感あふれる白衿、胸トリコロールテープのアクティブポロはカラー6色。キチンと感あるボタンダウンポロはカラー5色。


汗ばむ季節も身だしなみには気をつけたい!吸汗速乾素材に消臭機能をプラスしたクールコンフォートシリーズ

ロングセラーのボタンダウンポロは、脇下&衿に消臭テープ。新商品10600、10601は腕にツインペン差しがついて超便利。10589は、美しくポロを着こなしたい女性のために。いずれもポリエステル100%のディンプルメッシュ。