手前味噌で恐縮だが、まいど屋が取り扱うメディカルウェアの点数は、おそらく日本でも最大クラスである。そして日本全国の本当にたくさんのお客さまが連日、医療白衣を求めてまいど屋のサイトを訪れる。当然ながら、スタッフは皆、白衣にとても詳しくなる。お客さまから多少専門的な質問が来ても、大抵のことはすらすらと説明できると思っている。だが、正直に打ち明けると、毎日数多くのお問い合わせにお答えしながら、これだけたくさんの医療白衣をお客さまにお届けしながら、スタッフそれぞれの心の底には、いつも何か引っかかるような、釈然としないモヤモヤが残っている。それはある種のうしろめたさと言えるのかもしれない。我々は本当の意味でのエキスパートなのだろうか。商品知識はあっても、それを使っているひと達のことを理解しているのだろうか。現場を知らずして、的確なサポートが果たして可能なのか。わかったような顔をしてお客さまと相対して、実は大きな間違いを犯しているのではないか。実務経験のない経済評論家がしばしば自信満々に見当違いの提言をしているみたいに。
今回、月刊まいど屋でメディカルウェアを特集するにあたり、まずは現場を訪ねてみようと思ったのは、上述のような葛藤を抱えてきたまいど屋として、ごく自然の流れだった。取材の相手は、まさかまいど屋のお客さまに直接お願いするわけにもいかないので、まいど屋が取り扱うメディカルブランドではナンバーワンの住商モンブランさんにご紹介いただいた。快く取材に応じてくれたのは静岡県浜松市にある医療法人弘遠会 すずかけグループの『すずかけセントラル病院』。急性期・回復期・慢性期の病棟を有するケア・ミックス型の病院で、総勢400名ほどのスタッフが、毎日忙しく働いているという。年配の患者さんも多い同病院では、看護師さんが着るユニフォームをどんな基準で選んでいるのか?そして、そのユニフォームにどんな想いが込められているのか?総勢約200名の看護師を束ねる看護部長の山本さんが多忙な仕事の合間をぬって答えてくれた。
今回、月刊まいど屋でメディカルウェアを特集するにあたり、まずは現場を訪ねてみようと思ったのは、上述のような葛藤を抱えてきたまいど屋として、ごく自然の流れだった。取材の相手は、まさかまいど屋のお客さまに直接お願いするわけにもいかないので、まいど屋が取り扱うメディカルブランドではナンバーワンの住商モンブランさんにご紹介いただいた。快く取材に応じてくれたのは静岡県浜松市にある医療法人弘遠会 すずかけグループの『すずかけセントラル病院』。急性期・回復期・慢性期の病棟を有するケア・ミックス型の病院で、総勢400名ほどのスタッフが、毎日忙しく働いているという。年配の患者さんも多い同病院では、看護師さんが着るユニフォームをどんな基準で選んでいるのか?そして、そのユニフォームにどんな想いが込められているのか?総勢約200名の看護師を束ねる看護部長の山本さんが多忙な仕事の合間をぬって答えてくれた。
すずかけセントラル病院
お話を聞かせてくれた山本看護部長
看護師が集まるナースステーション
「今着ているユニフォームは、白地に袖やポケットにゴールドとパープルのラインが入っていて可愛らしいし、スラッとスタイルよく見えるとスタッフにも好評です。ただ、うちの病院では、看護師の着るユニフォームは、基本リース。ちょうどその期限が切れるので、この4月にユニフォームを一新するんですよ」。そう話すのは、真っ白なパンツスタイルのユニフォームを颯爽と着こなす山本看護部長。清潔感あふれるユニフォーム姿には、軽快さの中にも何か一本筋の通った誠実さ、真摯さが感じられ、ご自身のキリッとした所作と相まって、見る人に「この人なら」という安心感を抱かせる。着用ユニフォームは住商モンブランの型番73-1622に型番73-1331のパンツ。作業性のよさからさまざまな医療機関で採用されている人気モデルだ。「当病院ではこのパンツを履いている人が多いのですが、今はワンピースタイプのユニフォームを着ている看護師もいます。ただ、ワンピースの場合、裾が気になることもあり、いざというときパッと動けない。さらに細かいことを言えば、見た目の問題もある。ワンピースを着るなら白や肌色のストッキングを合わせるのが一般的ですよね。でも、若いスタッフの中には黒い靴下を合わせる人もいて・・・。患者さんに与える印象を考えると、ちょっと改善しなきゃいけないかなと。そこで、新しいユニフォームは、すべてパンツスタイルにすることにしたんです」。
ところでこの病院には200名ほどの看護師がいるから、すべての人が納得するユニフォーム選びはきっと想像以上に大変な作業だろう。新しいユニフォームは、いったいどうやって決めたのだろうか。「これだけスタッフがいると、年齢も体型も趣味もさまざま。全員が納得するのは難しい。だからこそ、みんなで投票して選ぶという形をとりました」。
まず、いくつかの候補を出し、ユニフォームを取り寄せて、実際にスタッフに着てもらい写真を撮る。それを見て、スタッフが投票する。しかも、写真だけではわからない着心地なども実際に自分で着て試せるよう、サンプルを用意しておいたという。「でも、投票だけでは決めていません。投票の多かったものについてさらにみんなで話し合って、そこから絞り込みました。ウェアは広い意味では医療ツールともいえますから、実用性や使い勝手を加味してやらないと。人気があるからそれを着る、というワケにはいかないんです」。
その際、意見が大きく分かれたのが、同じパンツスタイルでも、上着を従来型のジャケットにするか、流行のスクラブタイプにするか、という点。どちらにするのか話し合いを重ね、最終的に決定されたのが、住商モンブランのナースジャケット(型番:73-1828)だった。「作業性でいえば、スクラブタイプのほうが断然動きやすいと思います。それに脱ぎ着もしやすい。でも手が上がらないスタッフにとっては、前がジッパーになっているほうが何かとラク。両者、それぞれいいところがありますよね。それで悩みに悩んで中々決まらず、結局、最後は患者さんの視点に立ってみようと。うちの病院は患者さんの年齢層が高いのですが、そういったひと達が一目見て『あ、看護師さんだな』とわかることが大事だと気付いたんです。何か聞きたいことがあったとき、すぐに看護師とわかれば気軽に話しかけてもらえますから」。
最近は、エンジやネイビーなど、色の濃いものも人気だが、看護師らしさと清潔感を優先して白に決めたという。着やすい、動きやすい、といった看護師自身の視点からだけでなく、患者さんのことを考え、患者さんの立場からも理にかなったものとして選んだユニフォームなのだ。
さらにもう一つ、今回のユニフォーム刷新で大きな点は、衛生面をさらにレベルアップするためにエプロンをやめるという決断をしたことだそう。こちらはユニフォームの変更ほど大掛かりな調整が必要ないので、既に半年前から実施しているという。「調べてみるとユニフォームはクリーニングに出すのに、エプロンは出さないというスタッフが意外と多く、思い切ってエプロンをやめる選択をしました。もちろん、今も食事の介助や排泄物の処理のときは、使い捨てのビニールエプロンを付けますよ。ただ、これまでエプロンに慣れ親しんできた中で、ペンやメモをエプロンのポケットに入れる習慣がついている看護師が多いんですね。そこで新しいユニフォームでは、エプロンのポケット代わりになるよう、パンツにポケットが付いているタイプを選びました」。
ところが、よくよく考えてみると・・・。「うちの病院では、全スタッフが消毒用アルコールを携帯していつでもどこでも使えるようにしています。容器をポシェットに入れて持ち歩いているんです。だからペンやメモはポシェットに入れればいいわけで、特にポケットは無くてもよかったのかな、と」。そう苦笑する山本看護部長。
ちなみに、選んだユニフォームのパンツには既製のSSサイズがなく、それでも全員同じユニフォームを着たいと、特注する方法をとったのだそうだ。「でも、みんなで選んだだけあって、新しいユニフォームはなかなか素敵ですよ。実際に着て作業をしてみたら、パンツのポケットも便利かもしれないですしね」と山本看護部長は嬉しそう。今のユニフォームに愛着を持ちながらも、スタッフみんなが新しいユニフォームを楽しみに待っているようだ。レポートの中でも触れたように、すずかけ病院ではリース方式でユニフォームを調達しているので今後もまいど屋の出る幕はなさそうだが、採用された住商モンブランのメディカルウェアを強く推す編集部として、今回の決定を自分のことのように嬉しく思う。なんだか山本部長と一緒になってワクワクしながら新しいユニフォームの到着を待っているような気がした今回の取材だった。
ところでこの病院には200名ほどの看護師がいるから、すべての人が納得するユニフォーム選びはきっと想像以上に大変な作業だろう。新しいユニフォームは、いったいどうやって決めたのだろうか。「これだけスタッフがいると、年齢も体型も趣味もさまざま。全員が納得するのは難しい。だからこそ、みんなで投票して選ぶという形をとりました」。
まず、いくつかの候補を出し、ユニフォームを取り寄せて、実際にスタッフに着てもらい写真を撮る。それを見て、スタッフが投票する。しかも、写真だけではわからない着心地なども実際に自分で着て試せるよう、サンプルを用意しておいたという。「でも、投票だけでは決めていません。投票の多かったものについてさらにみんなで話し合って、そこから絞り込みました。ウェアは広い意味では医療ツールともいえますから、実用性や使い勝手を加味してやらないと。人気があるからそれを着る、というワケにはいかないんです」。
その際、意見が大きく分かれたのが、同じパンツスタイルでも、上着を従来型のジャケットにするか、流行のスクラブタイプにするか、という点。どちらにするのか話し合いを重ね、最終的に決定されたのが、住商モンブランのナースジャケット(型番:73-1828)だった。「作業性でいえば、スクラブタイプのほうが断然動きやすいと思います。それに脱ぎ着もしやすい。でも手が上がらないスタッフにとっては、前がジッパーになっているほうが何かとラク。両者、それぞれいいところがありますよね。それで悩みに悩んで中々決まらず、結局、最後は患者さんの視点に立ってみようと。うちの病院は患者さんの年齢層が高いのですが、そういったひと達が一目見て『あ、看護師さんだな』とわかることが大事だと気付いたんです。何か聞きたいことがあったとき、すぐに看護師とわかれば気軽に話しかけてもらえますから」。
最近は、エンジやネイビーなど、色の濃いものも人気だが、看護師らしさと清潔感を優先して白に決めたという。着やすい、動きやすい、といった看護師自身の視点からだけでなく、患者さんのことを考え、患者さんの立場からも理にかなったものとして選んだユニフォームなのだ。
さらにもう一つ、今回のユニフォーム刷新で大きな点は、衛生面をさらにレベルアップするためにエプロンをやめるという決断をしたことだそう。こちらはユニフォームの変更ほど大掛かりな調整が必要ないので、既に半年前から実施しているという。「調べてみるとユニフォームはクリーニングに出すのに、エプロンは出さないというスタッフが意外と多く、思い切ってエプロンをやめる選択をしました。もちろん、今も食事の介助や排泄物の処理のときは、使い捨てのビニールエプロンを付けますよ。ただ、これまでエプロンに慣れ親しんできた中で、ペンやメモをエプロンのポケットに入れる習慣がついている看護師が多いんですね。そこで新しいユニフォームでは、エプロンのポケット代わりになるよう、パンツにポケットが付いているタイプを選びました」。
ところが、よくよく考えてみると・・・。「うちの病院では、全スタッフが消毒用アルコールを携帯していつでもどこでも使えるようにしています。容器をポシェットに入れて持ち歩いているんです。だからペンやメモはポシェットに入れればいいわけで、特にポケットは無くてもよかったのかな、と」。そう苦笑する山本看護部長。
ちなみに、選んだユニフォームのパンツには既製のSSサイズがなく、それでも全員同じユニフォームを着たいと、特注する方法をとったのだそうだ。「でも、みんなで選んだだけあって、新しいユニフォームはなかなか素敵ですよ。実際に着て作業をしてみたら、パンツのポケットも便利かもしれないですしね」と山本看護部長は嬉しそう。今のユニフォームに愛着を持ちながらも、スタッフみんなが新しいユニフォームを楽しみに待っているようだ。レポートの中でも触れたように、すずかけ病院ではリース方式でユニフォームを調達しているので今後もまいど屋の出る幕はなさそうだが、採用された住商モンブランのメディカルウェアを強く推す編集部として、今回の決定を自分のことのように嬉しく思う。なんだか山本部長と一緒になってワクワクしながら新しいユニフォームの到着を待っているような気がした今回の取材だった。
患者さんにも優しいすずかけセントラル病院
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デキるナースは女性らしさも忘れない!優しい雰囲気とスラッと見えるシルエットが人気の73-1622シリーズ すずかけセントラル病院で今着ているユニフォームはコレ!襟元があいていて胸元もスッキリ。シャンパンゴールド&ラベンダーのラインで女性らしさも演出。布地は伸縮性があり、体にフィットして動きやすさも◎。通気性よく、耐久性も抜群! |
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動きのあるデザインが好印象!清潔感と一目見て看護師とわかるスタイルも魅力の73-1828シリーズ すずかけセントラル病院の看護師の新ユニフォームはコレ!白とネイビーの組み合わせは、清潔感があり年齢層を問わないマルチなスタイル。優しさを感じるアシメトリーの襟元がデザインのポイント。PHS専用のポケット(実用新案)は、かがんでもPHSが落ちないと好評!女性にうれしい透け防止も◎。 |
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