あれから2年の歳月が流れた。その間、僕たちは何をしてきたのだろう。そのことについて改めて考えてみると、貴重な時間をただ浪費してしまったという紛れもない事実に、胸がふさがれる思いがする。自分たちの志の低さが否応なく露わになり、自責の念にひどく苛まれてしまう。僕たちは何をしてきたのか。そしてどこへ行こうとしているのか。これから書こうとしているのは、まいど屋が失われた時を求めてさまよう物語である。プルーストのあの有名な大作が記憶をめぐる物語であったように、まいど屋もまた、このレポートで過去と現在を行きつ戻りつしながら、僕たちが僕たちであるための本来的な意味、レゾンデトールの根源に迫っていくことになる。こうした試みはあるいは無謀なのかもしれない。プルーストの著書が遂に未完に終わったように、答えは最後まで見つからないのかもしれない。だがそれでも、僕たちはそれを探さずにはいられないのだ。僕たちが本当の意味でまいど屋であった、はるか昔のあの幸せな日々を。
僕たちを蝕んでいるもの。それはある種の飢餓感だ。スタッフは皆、確かに毎日忙しく過ごしてはいる。日本全国、たくさんのお客さまとお話をし、たくさんの商品を出荷し、一日が終わるころにはくたくたに疲れ果てて眠りにつく。目覚めればまた昨日をコピーしたようなアナザー・デイが始まる。そうやってずっと、飽きることなく同じリズムを繰り返してきた。いや、正確に言えば、とにかく目の前の業務に忙殺されて、飽きている余裕さえなかったのだ。待ったなしの仕事が次から次へと目の前に積み上げられていけば、人はそれを手当たり次第に片付けていかないわけにはいかない。上からどんどん落ちてくるテトリスのブロックを必死にやっつけようとするときみたいに、そこには自分たちの夢や思想が入り込む余地はほとんどない。未来への地図もない。立ち止まって考えをめぐらすこともない。あるのは体力と反射神経だけなのだ。一般的にはそれを充実と呼ぶのかもしれない。自分たちのお店にお客さまがあふれ、お店がどんどん大きくなっていくのを一番の目標としているのであれば。
少なくとも2年前、僕たちの中にはまだ何か、大切なものが宿っていた気がする。胸を張ってこれがまいど屋だと言えるような、何にも代え難い確かなアイデンティティーを持っていた気がする。だが、それはいつの間にか損なわれてしまった。ふと我に返って辺りを見回してみると、そこには目指した覚えのない風景が広がっている。血の通っていない無機質な数字が、まいど屋の周囲を取り囲んでいる。出荷件数。販売額。登録会員数。僕たちはその高い壁の前で立ちすくむ。そこは僕たちが本来いるべき場所じゃない。何か決定的なものが欠落したままの、かりそめの世界だ。あの時、そう、2013年8月1日、月刊まいど屋で誇らしげにデビューしたまいど屋初のオリジナル商品、僕たちが全人格をかけて世に送り出したまいどズラは、この新しい現実世界ではすっかりと色褪せてしまっている。僕たちはもう一度、ズラが体現していたまいど屋の本質を蘇らせねばならない。ズラに託した熱い想いを取り戻さなくてはならない。
当時の記憶をたどりながら、僕たちはまいど屋がまいど屋であるために必要な何かを探し続けた。そして最後にたどりついた答えがブラだった。ズラの次はブラ。ズラ。ブラ。悪くない。最初は突拍子もないように思えたが、よく考えてみればしっかり韻も踏まれており、ラッパー的に筋が通っている。それに月刊まいど屋を愛する多くの女性ファンを啓蒙する意味でも、ブラは決して悪い話ではないように思える。これはこの後の「フランス人編」で詳しく述べるのだが、女性がノーブラで出歩いているような社会は、決して健全とは言えないからだ。文明国たるべき日本は、自ら率先して世界に範を示さねばならない。そしてまいどブラを、世界的なムーブメントに育てていかねばならない。それがどこまで本物の、時代の検証に耐えうる価値を持つものなのか、今現在はまだ誰にもわからないのだけれど。
まいどブラを得て、まいど屋は本来自分たちがいるべき場所に帰ってきたのかもしれない。苦悩の末にかすかな光を見出した僕たちが世に問うのは、古風な言い回しなら乳当て。いわゆるブラジャー。まいどブラだ。
僕たちを蝕んでいるもの。それはある種の飢餓感だ。スタッフは皆、確かに毎日忙しく過ごしてはいる。日本全国、たくさんのお客さまとお話をし、たくさんの商品を出荷し、一日が終わるころにはくたくたに疲れ果てて眠りにつく。目覚めればまた昨日をコピーしたようなアナザー・デイが始まる。そうやってずっと、飽きることなく同じリズムを繰り返してきた。いや、正確に言えば、とにかく目の前の業務に忙殺されて、飽きている余裕さえなかったのだ。待ったなしの仕事が次から次へと目の前に積み上げられていけば、人はそれを手当たり次第に片付けていかないわけにはいかない。上からどんどん落ちてくるテトリスのブロックを必死にやっつけようとするときみたいに、そこには自分たちの夢や思想が入り込む余地はほとんどない。未来への地図もない。立ち止まって考えをめぐらすこともない。あるのは体力と反射神経だけなのだ。一般的にはそれを充実と呼ぶのかもしれない。自分たちのお店にお客さまがあふれ、お店がどんどん大きくなっていくのを一番の目標としているのであれば。
少なくとも2年前、僕たちの中にはまだ何か、大切なものが宿っていた気がする。胸を張ってこれがまいど屋だと言えるような、何にも代え難い確かなアイデンティティーを持っていた気がする。だが、それはいつの間にか損なわれてしまった。ふと我に返って辺りを見回してみると、そこには目指した覚えのない風景が広がっている。血の通っていない無機質な数字が、まいど屋の周囲を取り囲んでいる。出荷件数。販売額。登録会員数。僕たちはその高い壁の前で立ちすくむ。そこは僕たちが本来いるべき場所じゃない。何か決定的なものが欠落したままの、かりそめの世界だ。あの時、そう、2013年8月1日、月刊まいど屋で誇らしげにデビューしたまいど屋初のオリジナル商品、僕たちが全人格をかけて世に送り出したまいどズラは、この新しい現実世界ではすっかりと色褪せてしまっている。僕たちはもう一度、ズラが体現していたまいど屋の本質を蘇らせねばならない。ズラに託した熱い想いを取り戻さなくてはならない。
当時の記憶をたどりながら、僕たちはまいど屋がまいど屋であるために必要な何かを探し続けた。そして最後にたどりついた答えがブラだった。ズラの次はブラ。ズラ。ブラ。悪くない。最初は突拍子もないように思えたが、よく考えてみればしっかり韻も踏まれており、ラッパー的に筋が通っている。それに月刊まいど屋を愛する多くの女性ファンを啓蒙する意味でも、ブラは決して悪い話ではないように思える。これはこの後の「フランス人編」で詳しく述べるのだが、女性がノーブラで出歩いているような社会は、決して健全とは言えないからだ。文明国たるべき日本は、自ら率先して世界に範を示さねばならない。そしてまいどブラを、世界的なムーブメントに育てていかねばならない。それがどこまで本物の、時代の検証に耐えうる価値を持つものなのか、今現在はまだ誰にもわからないのだけれど。
まいどブラを得て、まいど屋は本来自分たちがいるべき場所に帰ってきたのかもしれない。苦悩の末にかすかな光を見出した僕たちが世に問うのは、古風な言い回しなら乳当て。いわゆるブラジャー。まいどブラだ。
開発編
美しいフォルムを描くまいどブラ
デザイナーの菅沼さん
「まいど屋さんのアイデンティティーとか本質とか、熱い想いとか、正直、私には今でもよくわかりません。ですが、我々は我々の信念に基づいて、お客さまがお求めのブラをベストな形で提供していく。ただそれだけで頑張ってきました」。そう話すのは、株式会社ニチマン塚越(栃木県足利市) 営業部の秋元氏。なお、ニチマン塚越はブラジャー&ショーツから、ランジェリー、ルームインナーまで幅広い繊維商品を手掛けるメーカーである。「まいど屋さんを象徴する究極のブラを作ってくれと打診をいただいたのが、今年に入ってすぐのころ。さぁ、どうしたものか?いろいろ考えましたよ。まいど屋さんらしいオリジナリティーがあって、実用性もちゃんとあるもの。前回のまいどズラを参考にしながら、夜も寝ないで考えました。まいど屋とは何かっていうところから、真剣に考えたりして。それで少しずつアイデアを出しながら試行錯誤を重ねてやっと完成し、先日納品したのが例のアレなんです。本当に苦労しましたけど、気に入っていただけたみたいでよかったです」。
そう、例のアレ。秋元氏が言ったように、まいど屋はまいどブラの出来栄えに、大変満足している。写真でおわかりかと思うが、まいどブラはバストに貼り付けて使う、いわゆるヌーブラタイプ。胸を寄せるようにしてホックで固定するため、装着するだけでしっかりバストアップでき、キレイな谷間を作ってTシャツやタンクトップを美しく着こなすことができる。背中が大きく開いた勝負ドレスを着るときにももちろん活躍する。だが見た目以上に重要なのは、その解放感だ。バックベルトやストラップなどボディを締め付けるパーツがないからストレスフリー。つまりまいどブラは、幼いころから枷をはめられたような息苦しさを感じていた女性たちに美と自由と解放感をもたらすブラなのだ。「ヌーブラって、日本ではどちらかというと夏場しか売れないイメージがありますがね」、と秋元氏は月刊まいど屋読者の疑心を制するように力強く言う。「でもね、日本では需要が少ないですけど、世界では広く使われているんですよ」。秋元氏が言う「世界」が具体的にどういった地域・国々を差すのか聞きそびれてしまったが、とにかくそういうことなのだ。
「ベースとなるカップは既存商品があるので問題なく作れます。ただ、そこにプリントするのが難しい。確か当初は、まいど君の顔をそのままプリントしたいというご希望でしたよね。でも、3色使いでは野暮ったくなるし、プリントの難易度も上がってコストもかかる。それで、タトゥー感覚で黒一色のワンポイントにしましょうと・・・」。その通り。まいどブラをまいどブラたらしめているのは、左胸の左端にさり気なくつけられたワンポイント。無表情、無個性のブラに人格ならぬブラ格を与え、まいど屋が主張する理念を表象するカギとなる。図案はまいど君のヘアスタイルのシルエット。ズラブラの韻を踏んでいるだけではない。まいどズラのスピリットをデザイン的にも継承したその造形には、まいど屋が抱く心象風景が深く刻み込まれている。いわば、まいど屋のセルフポートレートがそこに凝縮されているのだ。
ところで、貼ったり剥したりして使うブラって、実際のところ、何回ぐらい使えるものなのか?ブラのプロである秋元さんの口から読者の皆さんに教えてあげてください。「素材は、表地がポリエステル、中材はポリウレタン。内側の粘着面はシリコンオイルで粘着性を出しているのですが、一般的には50~60回着用可能といわれています。ただ、粘着力は次第に弱くなっていきます。あと、安物は粘着力が弱いですよね。まいどブラのクオリティは普通レベルなので、適正に使用すれば50回ぐらいは大丈夫でしょう」。
そうか、普通レベルなのか。でも、あんまり強力にして剥がすのに苦労するようなブラだと皆さんの乳が心配だし、まあ、いいとしよう。ところで、ブラをできるだけ長持ちさせるために、お手入れはどうすれば・・・「劣化の原因は主に汗と皮脂。ですから、まず装着前にお肌を清潔にしてください。バストを石鹸などで洗い流し、よく拭いてから付けることをおすすめします。そして、使い終わったブラは、毎回必ず手洗いを。石鹸をよく泡立ててやさしく洗ってくださいね。たまに洗濯機で洗っちゃう方がいますが、これをやると粘着部がダメになる。洗剤も漂白剤入りとか中性洗剤はダメ。乾燥機、ドライヤーもNGです」。
まいどブラの取り扱いについて詳細を聞いたところで、ここからは、企画部 デザイナーの菅沼さんにバトンタッチして、実製作について話を伺うことにする。菅沼さんは入社5年目。ふだんはブラのデザインや、パターン(型紙)の修正、工場への指示を担当している。「やはり、最も苦労したのはワンポイントのプリントです。画像データがないので、まいど君のヘアスタイルを描き起こしてデザインすることから始めました。柔らかい曲面にプリントするのはとても難しくて、業者さん探しに苦労しました」。
あちこちの業者をあたり、やっとのことで「どんなものにもプリントする」を自負する腕利きの職人のいる業者に依頼。それでも、そのままプリントするとカップが潰れてしまうので、土台となる型を作り、その上に置いてプリントしたという。「位置決めも難しかったですね。BカップとCカップでは同じように配置しても微妙にバランスが違ってきます。ミリ単位でずらしたり、角度を変えたりして、収まりのいい位置を決めました。職人さんに指示を出すときも、定規を当てて端から○cm 〇mmのところにお願いしますって言っても、なかなか伝わらなくて・・・」。
こうしてブラの制作に細心の注意を払いながら、もちろんパッケージにも徹底的にこだわった。ディレクションは秋元氏と菅沼さんの共同作業。最終的にオレンジベースにシルバーの箔押しで贅沢に仕上がったパッケージはエルメスを彷彿とさせるというよりは、ほとんどエルメスである。いや、エルメスにまいど屋独自のオリジナリティーを加えたそれは、その時点ですでにエルメスを完全に凌駕していると言っていい。「本来ならば馬車が入るんでしょうけど」と菅沼さんは笑う。「まいど屋さんは作業服を販売している会社ですので、馬車の代わりにミキサー車にしてゴージャスに仕上げました。あ、これは秋元のアイディアです(笑)」。
知識豊富なベテラン営業マンと女性デザイナーの協力を得て作り上げたまいどブラ。まいど屋はこのブラを彼らと一緒に作り上げていく過程で、時に精神を揺さぶられ、時にそこにたくさんの血を流し、少なからず痛みを感じながら、我々自身の根源に迫っていったのだと思う。確かに神の存在を感じたし、大切なことを学んだのだと思う。我々人類は哺乳類である。哺乳類が哺乳類であるためには、乳がなければならない。だから乳は神聖なものであり、大事にされるべきものなのだと。
折しも季節は夏。女性の皆さん、乳を大切にしよう。まいどブラで胸元をキレイに見せて、いつものブラの呪縛から心身を解き放とう。そして、男性の皆さん、気になる彼女がいるのならば、この機会に美と自由と解放感をプレゼントしてあげよう。あなたが望めば、まいどブラはもう手の届くところにある。そしてそれがあれば、あなたと彼女の関係は表面をなぞっただけの薄っぺらなものではなく、ある意味で血を流すような痛みを伴った、深く神的なものとなる。あなたと彼女はまいどブラを手に、根源的な関係を求める旅に出ることになる。ちょうどまいど屋が秋元氏と菅沼さんの二人と一緒にそんな経験をしたように。
そう、例のアレ。秋元氏が言ったように、まいど屋はまいどブラの出来栄えに、大変満足している。写真でおわかりかと思うが、まいどブラはバストに貼り付けて使う、いわゆるヌーブラタイプ。胸を寄せるようにしてホックで固定するため、装着するだけでしっかりバストアップでき、キレイな谷間を作ってTシャツやタンクトップを美しく着こなすことができる。背中が大きく開いた勝負ドレスを着るときにももちろん活躍する。だが見た目以上に重要なのは、その解放感だ。バックベルトやストラップなどボディを締め付けるパーツがないからストレスフリー。つまりまいどブラは、幼いころから枷をはめられたような息苦しさを感じていた女性たちに美と自由と解放感をもたらすブラなのだ。「ヌーブラって、日本ではどちらかというと夏場しか売れないイメージがありますがね」、と秋元氏は月刊まいど屋読者の疑心を制するように力強く言う。「でもね、日本では需要が少ないですけど、世界では広く使われているんですよ」。秋元氏が言う「世界」が具体的にどういった地域・国々を差すのか聞きそびれてしまったが、とにかくそういうことなのだ。
「ベースとなるカップは既存商品があるので問題なく作れます。ただ、そこにプリントするのが難しい。確か当初は、まいど君の顔をそのままプリントしたいというご希望でしたよね。でも、3色使いでは野暮ったくなるし、プリントの難易度も上がってコストもかかる。それで、タトゥー感覚で黒一色のワンポイントにしましょうと・・・」。その通り。まいどブラをまいどブラたらしめているのは、左胸の左端にさり気なくつけられたワンポイント。無表情、無個性のブラに人格ならぬブラ格を与え、まいど屋が主張する理念を表象するカギとなる。図案はまいど君のヘアスタイルのシルエット。ズラブラの韻を踏んでいるだけではない。まいどズラのスピリットをデザイン的にも継承したその造形には、まいど屋が抱く心象風景が深く刻み込まれている。いわば、まいど屋のセルフポートレートがそこに凝縮されているのだ。
ところで、貼ったり剥したりして使うブラって、実際のところ、何回ぐらい使えるものなのか?ブラのプロである秋元さんの口から読者の皆さんに教えてあげてください。「素材は、表地がポリエステル、中材はポリウレタン。内側の粘着面はシリコンオイルで粘着性を出しているのですが、一般的には50~60回着用可能といわれています。ただ、粘着力は次第に弱くなっていきます。あと、安物は粘着力が弱いですよね。まいどブラのクオリティは普通レベルなので、適正に使用すれば50回ぐらいは大丈夫でしょう」。
そうか、普通レベルなのか。でも、あんまり強力にして剥がすのに苦労するようなブラだと皆さんの乳が心配だし、まあ、いいとしよう。ところで、ブラをできるだけ長持ちさせるために、お手入れはどうすれば・・・「劣化の原因は主に汗と皮脂。ですから、まず装着前にお肌を清潔にしてください。バストを石鹸などで洗い流し、よく拭いてから付けることをおすすめします。そして、使い終わったブラは、毎回必ず手洗いを。石鹸をよく泡立ててやさしく洗ってくださいね。たまに洗濯機で洗っちゃう方がいますが、これをやると粘着部がダメになる。洗剤も漂白剤入りとか中性洗剤はダメ。乾燥機、ドライヤーもNGです」。
まいどブラの取り扱いについて詳細を聞いたところで、ここからは、企画部 デザイナーの菅沼さんにバトンタッチして、実製作について話を伺うことにする。菅沼さんは入社5年目。ふだんはブラのデザインや、パターン(型紙)の修正、工場への指示を担当している。「やはり、最も苦労したのはワンポイントのプリントです。画像データがないので、まいど君のヘアスタイルを描き起こしてデザインすることから始めました。柔らかい曲面にプリントするのはとても難しくて、業者さん探しに苦労しました」。
あちこちの業者をあたり、やっとのことで「どんなものにもプリントする」を自負する腕利きの職人のいる業者に依頼。それでも、そのままプリントするとカップが潰れてしまうので、土台となる型を作り、その上に置いてプリントしたという。「位置決めも難しかったですね。BカップとCカップでは同じように配置しても微妙にバランスが違ってきます。ミリ単位でずらしたり、角度を変えたりして、収まりのいい位置を決めました。職人さんに指示を出すときも、定規を当てて端から○cm 〇mmのところにお願いしますって言っても、なかなか伝わらなくて・・・」。
こうしてブラの制作に細心の注意を払いながら、もちろんパッケージにも徹底的にこだわった。ディレクションは秋元氏と菅沼さんの共同作業。最終的にオレンジベースにシルバーの箔押しで贅沢に仕上がったパッケージはエルメスを彷彿とさせるというよりは、ほとんどエルメスである。いや、エルメスにまいど屋独自のオリジナリティーを加えたそれは、その時点ですでにエルメスを完全に凌駕していると言っていい。「本来ならば馬車が入るんでしょうけど」と菅沼さんは笑う。「まいど屋さんは作業服を販売している会社ですので、馬車の代わりにミキサー車にしてゴージャスに仕上げました。あ、これは秋元のアイディアです(笑)」。
知識豊富なベテラン営業マンと女性デザイナーの協力を得て作り上げたまいどブラ。まいど屋はこのブラを彼らと一緒に作り上げていく過程で、時に精神を揺さぶられ、時にそこにたくさんの血を流し、少なからず痛みを感じながら、我々自身の根源に迫っていったのだと思う。確かに神の存在を感じたし、大切なことを学んだのだと思う。我々人類は哺乳類である。哺乳類が哺乳類であるためには、乳がなければならない。だから乳は神聖なものであり、大事にされるべきものなのだと。
折しも季節は夏。女性の皆さん、乳を大切にしよう。まいどブラで胸元をキレイに見せて、いつものブラの呪縛から心身を解き放とう。そして、男性の皆さん、気になる彼女がいるのならば、この機会に美と自由と解放感をプレゼントしてあげよう。あなたが望めば、まいどブラはもう手の届くところにある。そしてそれがあれば、あなたと彼女の関係は表面をなぞっただけの薄っぺらなものではなく、ある意味で血を流すような痛みを伴った、深く神的なものとなる。あなたと彼女はまいどブラを手に、根源的な関係を求める旅に出ることになる。ちょうどまいど屋が秋元氏と菅沼さんの二人と一緒にそんな経験をしたように。
エルメスを超えたBOXと同梱されているまいど君のマンガ
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世界中にあふれている溜め息と、君と僕の甘酸っぱい乳に捧ぐ!神が宿っているとしか思えない出来栄えの最高傑作 まいど屋が社運をかけて、というよりは全人格をかけて、そしてすべての仕事をほっぽりなげて開発に成功した今世紀最高のマスターピース。数々の試練を乗り越えていく過程では、いつもバックにスガシカオのProgressが流れていたという。まいど屋の偉業に誰もがこうべを垂れ、祈りを捧げずにはいられない。世界的なムーブメントの幕開けを予感させるまいどブラ、ここに誕生! |
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