【コーコス信岡】突如浮上したこの冬の大本命image_maidoya3
予想外の展開に編集部自身が驚いている。いや、正確には戸惑っていると言ったほうがいい。こうしてレポートを書き始めてもなお、本当にこんなことをして大丈夫なのかと心配になってしまい、自分の決断に100パーセントの確信を持てずにいる。
  実は今回、コーコスの防寒を特集する予定は全くなかった。当初の計画では、先月号の作業服特集で取り上げるはずだったのだ。コーコスブランドの防寒コレクションは2年前にレポートしているし、名前は出さないが、防寒なら他に取材してみたいと思うメーカーがたくさんあったからだ。それが実際に取材に出向いて気が変わった。タイトなスケジュールで動いている、つまり予定外の変更があると仕事上かなりムリが生じてくる編集部としてはあまりありがたくない成り行きなのだけれど、とにかくその取材の場で、今シーズンのコーコスは防寒着抜きには語れないことに気付いてしまった。本欄では皆さんにお伝えしていない昨シーズンのコレクションが非常にいい出来栄えだったのに続き、今年の新商品もそれに輪をかけて充実しているようなのだ。この2年で、編集部がまだ時期尚早だろうとタカをくくっているうちに、彼らの防寒コレクションは格段にその魅力を増しているようなのだ。初めは打ち合わせ通りに作業着の説明をしてくれていた営業さんの口ぶりからもそれが伝わってくる。口にこそ出さないが、まいど屋さん、今日は防寒着の話をしようよって身体全体で訴えているのがはっきりわかる。しかも、手回しがいいことに、取材のために通された部屋には彼ら自慢の防寒服がしっかり用意されてあるのだ。こうなると、もう作業服の取材はメタメタだ。いいだろう。それなら防寒服の話を聞こうじゃないか。コーコスで予定していた11月号の作業服特集の穴をどう埋め合わせるのかなんてことは、あとでゆっくりと考えればいい。さあ、早いとこ、そこに並べてある防寒着の話を始めてくれ!そして、間際になってのこの大胆な決断が、100パーセント正しかったんだと証明してくれ!
 

コーコス信岡
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旬のウェアが一堂に揃ったショールーム
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軽くて暖かい防風ストレッチ『G-2240』シリーズ
取材開始から20分以上が経過していた。話に熱が入っていないことは、彼の表情を見れば明らかだった。作業着について語っていたはずが、ややもすると、話題は今年の寒波予想へと脱線した。こちらはそのたびに軌道修正をかけようと試みるのだが、彼は頑なだった。何かの前フリを懸命にしようとしているのだ。「これからどんどん寒くなりますから、やっぱり作業着の上下だけだと、現場のひとはつらいですよね」と彼はさもユーザーを気遣っているような口調でつぶやいた。そしてトドメの殺し文句だ。「まいど屋さんのお客さんも、そう思っているんじゃないかなあ」。わかった。負けたよ。じゃ、防寒着の話にしよう。おそらく彼がこのインタビューが始まる前に念入りに、計画的にそこに並べておいたはずの、コーコスの一押し防寒コレクションについて。
  紹介し遅れたが、インタビューの相手はコーコスの営業担当、柴田さん。まいど屋とはかなり付き合いが長いから、どうすれば彼の思惑通りにこちらが動くのか、よくわかっているようだ。そして彼が頭の中でシミュレーションしていた通りに本日のトピックスが変わると、俄然、生き生きとした表情になってきた。嬉しそうな顔をしてまず彼がテーブルに持ってきたのは、表地がニット素材で動きやすそうな、防風ストレッチ『G-2240』シリーズ。ラインナップは、ブルゾン、ベスト、パンツ、そしてデザインをガラッと変えた中綿ジャケットの4アイテムである。「風はシャットアウトするけど、ウェア内の温まった空気は外に逃さない。そんな寒風に負けない暖かさをキープしながら、動きやすい防寒着をと、ニットとマイクロフリースの間に防風フィルムを挟んだ3層構造素材を採用しました。ストレッチ性があるのでスムースに動けますし、軽い雨ならしのげる程度の防水性もあります」。
  ブルゾン『G-2240』とベスト『G-2249』はやや細身のシルエット。擦れやすい肩とヒジは二重仕様で、肩の切り替え部には反射パイピングが施されている。「最近は防寒タイプのインナーが発達してきているので、関東あたりなら真冬でもコンプレッションとこのブルゾンで十分です。ベストの場合は、下にコンプレッション、上に普通の作業ブルゾンでも軽防寒としてイケます」。
  これに対し、中綿ジャケット『G-2246』は、より暖かさを求める方、アウターらしいハード感を求める方にオススメ。中綿といっても、綿が入っているのは前後の身頃だけ。脇と袖はブルゾンと同じ防風ストレッチ素材なので作業時も動作がモタつかず、スッキリ着こなせる。「中綿入りでも胸の部分はステッチがなく、のっぺりしているでしょ。これ、ネーム刺繍を考えてのことなんです。同様に、背中の上部もステッチをかけずに名入れスペースを空けています」。
  これらのトップスに合わせるボトムは、「予想以上に反響があって驚いた」という防風ストレッチパンツ『G-2243』。確かに一般的な防寒パンツと違って、スラリとしたシルエットでルックスの良さが際立つ。「防寒パンツといえば、一般的には作業ズボンの上にはくオーバーパンツ。中綿入りでモコモコして動きづらく、見た目もボテッとしていて、よほど寒くなければ着用しない。でも、この防風ストレッチパンツは、3層ボンディングで薄くて軽くて動きやすい。タイツの上にはけば見た目もスマート。一般的な作業服と合わせても違和感なくマッチします」。細身だが、中腰になってもストレッチが効いて突っ張りにくく、ストレスなし。擦れやすいヒザ部分は二重仕様、ポケットは手袋をしたままでも手が入れやすい大きめサイズになっている。
  柴田さんが、ね、いいでしょっていう顔をしてこちらの同意を求めてくる。うん、確かによさそうだね。でも、そうだなぁ、なんというか、もっとレポート映えする、専門的なウンチクを語れるような防寒着はないのかなぁ。じゃなきゃ、こっちも突然、防寒着の特集に変更する意味がないし。そう伝えると柴田さんは待ってましたとばかりに深く頷いて、今度は夜間の路上作業の安全に配慮したという『A-3270』シリーズを持ってきた。昨年デビューした再帰反射材付き作業服『A-3170』シリーズの防寒バージョンで、中綿・裏アルミ仕様で軽さと暖かさを両立させているのだそうだ。「高視認性安全服の需要が高まってきたことに応えて、腕、背、パンツの側面に幅広の反射テープを標準装備しました。これまで当社では、反射テープは後付けというカタチで対応してきたんですが、やっぱり後付けではデザインを損なったり、反射材の大きさが限られたりしますから。このシリーズでは最初から反射材ありきでデザインしたんです」。
  反射材に採用したのは、100m先からのヘッドライトも反射する高輝度再帰反射タイプ。その性能を守るために、反射材の上に粗めのメッシュを重ねている。「反射材はビーズのようなガラス粒の集合体なので、擦れると粒が剥がれ落ちてしまうし、手で触れて指紋が付いても劣化します。メッシュで保護すると性能は多少落ちますが、それでも輝度は十分。長く安心して着用するには、これが一番いいのかなと」。
  防風性に優れた表地は、耐水圧5000mmのシャドードビーシェル。裏地は熱反射プリントを施したタフタで、体温を再反射して高い保温性を発揮する。「軽く着ていただくために、中綿の量を減らして熱反射プリントでフォローする感じですね」と柴田さんは解説する。
  さて、ここまでは、どちらかというと軽く、薄く、動きやすくという防寒コレクションの話。コーコスのぶ厚い品揃えを今一度確認するためにも、ここで一発、寒冷地や冷凍庫内作業向けのガッツリ系を紹介しておかねばなるまい。柴田さん、よろしく。「『8310』シリーズは、たっぷりの中綿とシームテープを施した完全防水で、寒さも雪もみぞれもどんと来い!という商品。一言でいえば、カッパ風の重防寒かな。耐水圧10000mm、透湿度10000g/㎡・24hの表地は、引き裂きに強いリップストップ。中綿は、身頃200g、袖に160g入っていてボリューム感があります」。アイテムはブルゾン、パンツ、ツナギの3種類。両胸にタテ型の止水ファスナーポケット、両脇には雨や雪が中に入りにくい逆玉縁ポケットが付いている。
 
  柴田さんが紹介したがっていた商品は、この他にもまだまだたくさんあるのだが、こちらも突然のことで準備を全くしてこなかったため、今回はこれで終わりにしてもらった。インタビュー用の録音機を止めた後も彼がしゃべり続けていたアイテムは、例えば胴体部分にフィルムが入った防風コンプレッション『G-2108』『G-2208』や、昨年の新商品ではあるが、非常に評判のいい裏アルミのカジュアルカラーブルゾン『KS-24』などなど。本文中でレポートするのは編集部の作業的にちょっとつらいので、全部まとめて以下に解説しておきました。ここまで書いてきたアイテム同様、あるいはそれ以上に熱心に説明していたから、多分、すごく魅力的なコレクションなんだろうと思います。ご興味のある読者の方は、是非、チェックしてみてくださいね。彼も喜ぶと思いますよ。きっと。
 
 
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再帰反射と熱反射プリントがウリの『3270』シリーズ
 

    

真冬の寒風に立ち向かえ!トリプルAクラスの防風性能で凍える身体をがっちりガードするG-2240シリーズ

防風フィルムを挟んだ3層ボンディングで風をシャットアウト。表地はニット、裏地はマイクロフリースで動きやすさも暖かさもGOOD。ブルゾン、ベストはやや細身のシルエットで肩・ヒジは丈夫な二重仕様。身頃に中綿を入れたジャケットは、脇・袖は防風ストレッチ素材で動きもスムース。スラリとしたシルエットのパンツは、中腰になってもストレッチが効いてストレスなし。トップスはS~5Lの7サイズ。パンツはS~6Lの8サイズ。


夜間の安全対策はコイツでキマり!モード的洗練で高視認性安全ウェアの概念を打ち破ったA-3270シリーズ

腕、背、パンツのサイドに再帰反射テープをセンスよく配したシリーズ。防風性に優れた表地は耐水圧5000mmで雨にも強し。裏は体温を再反射する熱反射プリントでポッカポカ。防寒パンツは腰周りに熱反射プリントを施して冷えを解消。夜間の視認性を高める高輝度再帰反射テープはメッシュで保護され、劣化を抑えて機能長持ち。サイズS~5Lの8サイズ。