難攻不落のメーカーである。何が難しいかって、ガードが固いのだ。まいど屋が何度取材を申し込んでも、答えはいつも判で押したように決まっている。上の許可が下りませんから。たくさん販売していただいて心苦しいのですが、今回ばかりは勘弁してください。今回ばかり!いったい今回ばかりが何度目なのだろう。まるで成城に住んでいるお嬢様が一途な男の誘いを断るときのように、優雅に、それでいて相手に付け入る隙を与えずに、あいまいさの一切ない態度でまいど屋の淡い期待を打ち砕く。ごめんなさい。父が許してくれないの。そして小癪にも相手を傷つけないことを心得ている。でも、あなたのことは大切に思っているわ。
オーケー。いいだろう。きっとお父さんにはお父さんなりの、上層部には上層部なりの、筋の通った考え方があるんだろう。それはきっと、編集部や読者の皆さんにはうかがい知ることのできない、自分だけを頼みにして生きている人特有の、極めて用心深い行動原理から導き出される答えなのだろう。これまでそうやって一人でやってきたんだ。どうか、ほっといてくれ。実際の言葉は優しく丁寧だが、本音はたぶん、そんなところなんだろうと思う。そして確かに、業界の誰もが認めるように、それは全くその通りなのだ。悔しいけれど。
だが、自重堂が間違っていることが一つだけある。メーカーは優れた商品を作りさえすればそれでいいわけではない。作った商品のどこがどういいのか、実際に購入するひとに丁寧に説明する義務がある。メーカーにその気がないのなら、誰かが代わりにそれをしなくてはならない。このレポートを読んでいる皆さんは、おそらくまいど屋にそれを期待しているはずだ。そうでしょ?
月刊まいど屋編集部をナメちゃいけない。蛇の道は蛇という。相手の口が堅くても、取材する方法はいくらでもある。自重堂が誇る、当代一の人気防寒コレクション。編集部の総力を挙げてレポートしよう。
オーケー。いいだろう。きっとお父さんにはお父さんなりの、上層部には上層部なりの、筋の通った考え方があるんだろう。それはきっと、編集部や読者の皆さんにはうかがい知ることのできない、自分だけを頼みにして生きている人特有の、極めて用心深い行動原理から導き出される答えなのだろう。これまでそうやって一人でやってきたんだ。どうか、ほっといてくれ。実際の言葉は優しく丁寧だが、本音はたぶん、そんなところなんだろうと思う。そして確かに、業界の誰もが認めるように、それは全くその通りなのだ。悔しいけれど。
だが、自重堂が間違っていることが一つだけある。メーカーは優れた商品を作りさえすればそれでいいわけではない。作った商品のどこがどういいのか、実際に購入するひとに丁寧に説明する義務がある。メーカーにその気がないのなら、誰かが代わりにそれをしなくてはならない。このレポートを読んでいる皆さんは、おそらくまいど屋にそれを期待しているはずだ。そうでしょ?
月刊まいど屋編集部をナメちゃいけない。蛇の道は蛇という。相手の口が堅くても、取材する方法はいくらでもある。自重堂が誇る、当代一の人気防寒コレクション。編集部の総力を挙げてレポートしよう。
自重堂
シャドーカモフラの新商品、防寒ジャンパー『58500』
表情のある『58500』のカモフラ柄
最初に断わっておくが、この先はフィクションという形で話を進めることにする。そうしないことには取材相手が首を縦に振ってくれないからだ。テレビのニュース番組が取材源を守るため、しばしばインタビュー相手の顔にモザイクをかけ、音声まで加工するように、今回、編集部は細心の注意を払ってこの人物の身元が割れないように努めなければならない。あ、それから、もうひとつ。今回のレポートを完成させるために、読者の皆さんにも協力してもらいたいことがある。このレポートにこれから登場する人物が語る言葉は、全て編集部が作り上げた想像の産物であり、レポート自体が架空の物語であるという前提で続きを読んでもらいたい。そうでなければ、いろいろと厄介なことが起こるのだ。
注意深くあたりをきょろきょろと見まわして、後ろからつけられていないことを確認し、相手と秘密の合言葉を交わしてから、ではそろそろ始めることにする。取材場所は某所である。姿をくらますには都合のいい夕暮れ時だ。「危険が迫っているんです」と男は言う。「自分にとっても、またまいど屋さんにとっても。できれば、自分はこんな危ない橋は渡りたくないんだ。でも、まいど屋さんがどうしてもって言うから」。招き入れられた部屋でその男はコートを脱いで椅子に腰かけ、ふっとため息を漏らす。ここなら誰にも会話を聞かれることがない。
「まず、ブランドについて話さなければなりません」。男は、こう断ってから淡々と語り始める。「今日ご紹介するのは、カジュアルワークの『Jawin』(ジャウィン)と、作業服のド定番をいく『Jichodo』 (ジチョウドウ)の防寒です。特にJawinはデザイン、品質にこだわったブランドで、誕生から8年、非常に積極的に広告を打ってきたこともあって、今ではかなり認知されています。“新庄剛志が着るジャウィン”って広告、ご覧になったことがありますよね?新庄は昨年の90周年アニバーサリーで起用し、今年も引き続きJawinの顔になっています」。
男はこちらの反応をうかがうようにそこで言葉を止めた。そしてこちらがテーブルの上に置いていた録音用のICレコーダーに目を止め、一瞬、怯えたような表情を見せた。そうか。ならば仕方がない。取材班は男の心情を察してレコーダーのスイッチを止める。そこでようやく男は安心した表情を見せ、持ってきた例のブツをテーブルの上に並べ始める。商品に手を触れて決意が固まったのか、先ほどよりは協力的な態度を示しているように見える。部屋に集まっていた我々は何かを忘れるみたいに、取ってつけたような冗談を言い合い、それから息をのんでその男が再び語り始めるのを待つ。お互い、もう後戻りできないところまで来てしまった。ルビコン川を渡ってしまったのだ。まいど屋も、その男も。
迷いを吹っ切るようにまず男が手にしたのはJawinの防寒着。2013年から3年連続で出しているファイバーダウンのシリーズだった。「2013年に出した『58300』はJawin初のダウンジャンパー。ベストと連番で出していて、ポケットの形状を活かしたステッチワークでハード感あるスタイリングを提案しています。カラーはブラック、シルバー、ネービーの3色。ジャンパーで300g、ベストで250gのファイバーダウンを入れているので、ボリューム感があって着映えします」。
翌2014年は、無地に赤いファスナーを効かせたジャンパー『58400』を単独リリース。広めに間隔をあけたステッチとファスナーポケットがタフな雰囲気を出している。「偶然にも、新庄が赤が好きということで、いい感じでリンクできました。表素材は伸縮性に優れたマルチストレッチ。着るとわかりますが、タテよりヨコの動きによく伸びる。内蔵フード付きで、カラーは赤と相性のいいブラック、シルバー、ネービーの3色。ファイバーダウン250gの適度なボリューム感もポイントです」。
そして2015年。今シーズンのNEWモデル『58500』は、カモフラ柄をシャドーで。ライトでモード感あるスタイリングにより、「展示会で評価が高かったので人気が出ると確信した」と、その男も自信を見せる。
「生地にエンボス加工を施し、単色で表情のあるカモフラを表現しました。光線の加減で柄が浮き出て粋な感じです」。左胸にタテ型ファスナーポケットを配したシンプルなデザイン。内衿は肌当たりのいいボア仕様。後身頃が若干長くなっていてバックスタイルもいい感じだ。持ってみるとかなり軽く感じられるが、ジャンパーで260g、ベストで200gのファイバーダウンが入っていて、名入れしやすい水平ラインのステッチを施してある。なお、カラーはブラック、ネービーの基本色に加え、華やかな雰囲気のワインも揃っている。「どのシリーズも普段にも着られるデザインなので、ジャンパーは仕事場への往復に通勤着として。作業時は動きやすいベストで。関東なら作業時の防寒はコンプレッションにベストで十分です」。
コンプレッションの話が出たところで、人気の吸湿発熱コンプレッションに新しくデニム柄が加わったので、これについても触れてもらおう。「インナーが進化して様々なコンプレッションが登場していますが、どのメーカーも似たり寄ったり。そこで今シーズンは、NEWカラーとしてデニムプリントの『インディゴ』を追加し、差別化を図ってみました」。
吸湿発熱、機能的なカッティング、ストレッチで消臭・抗菌と、機能満載のコンプレッションは、首周りが詰まったローネック(58204)とノーマルタイプ(58214)の2種類。無地3色、カモフラ2色、そしてインディゴの6色展開となっている。「コンプレッションに合わせるベストには、軽くてシンプルでボリューム感のある『58110』や、丈夫であったかい『58140』もあります。特に『58140』はバックスキンのようなヌメリ感を持つ少し重めの生地を使っていて、釘などに引っ掛けても破れにくいのがポイント。中綿には保温性の高いサーモライトを入れています」。
ブランド愛からか、「Jawinはオシャレ。仕事するときもカッコよく」と、男は次第に饒舌になってきた。「Jawinの強みは、ブランド、品質、丈夫さ。でも、ブランドにあぐらをかかない。ベースに自重堂の従来ブランドがあってこそのJawinですから」と熱く話す。そしてその勢いのまま、話題を変えてワークの王道『Jichodo』ブランドについて語り始める。
Jichodoブランド、3年ぶりの防寒NEWアイテムは、軽くて魔法瓶のように暖かさをキープする中綿・裏アルミの『48480』シリーズ。引き裂けに強いリップストップを表地に使用し、着るひとを選ばないシンプルなデザインで、ブルゾン、ハーフコート、パンツを展開している。「見てください、背中の中央部分だけ熱反射アルミのパターンが違うでしょ。この部分、メガヒートなんです。裾上まで20cm幅でタテにズドンと入れている。パンツも太ももは普通の熱反射アルミで、ヒップ周りはメガヒート。すべてメガヒートにすると暑くなるので、冷えがちな部分にだけ採用しています」。
カラーはオレンジ、ネービー、ブラックの3色。左胸にタテ型ファスナーポケット、内ポケット、袖ペン差し、袖口とパンツの裾口にはアジャスター、取り外しのできるフードと、機能もきっちり。ブルゾンで定価7,200円、ハーフコートで定価9,000円と、リーズナブルなのも嬉しい。「巷では“裏アルミは剥がれる”なんて声も耳にしますが、ご安心ください。自重堂は裏アルミの品質もいいので長く快適に着ていただけます」。
一通り商品の説明が終わると、男はホッと肩の荷を下ろしたような、それでいてこちらの意図をまだ疑っているような複雑な表情を見せながら、テーブルの上の商品を片付け始めた。何かの間違いで女友達と寝てしまった男のような顔つきで、ばつが悪そうに無言でその作業を続けていった。一時の興奮が冷め、冷静になった頭で考えると、何か致命的な間違いを犯してしまった気がしてきたのだろう。
「決してこのことは口外しないから」。少しでも気を楽にしてもらおうと男の背中にそう声を掛けた。それでも男は何も言わずに商品をかばんに詰め込み、それから持ってきたコートに袖を通した。そしてまるで嵐に備えて窓に木材を打ち付けるみたいに、慎重にコートのボタンを掛けていった。「今回のこの話は危険すぎる」と男は小さな声で言った。「まいど屋さんも十分注意してください。今日、まいど屋さんは私には会わなかった。どこか別の場所で、別のことをやっていた。いいですね。それではお元気で」。男はそう言うと自分でドアを開け、暗くなった街の中に消えて行った。
それ以来、取材班はこの男の姿を見ていない。彼の身に、何かよくないことが起きていなければいいのだが。そしてどこかでこのレポートを読んで、まあ仕方がなかったのかなと苦笑していてくれればいいのだが。
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以上、冒頭のお約束通り、まいど屋は今シーズンの自重堂の最強防寒シリーズを全力でレポートした。フィクションとしての体裁は取っているが、商品の解説については限りなく、いや完全に事実であるから、読者の皆さんはどうか安心してほしい。それならレポートに登場したあの男についてはどうかって?そんなこと、言えるわけないじゃないですか。まいど屋としてはあくまで架空の人物としか答えられません。ただ、皆さんが想像する会社の、想像する役職にある、想像する担当者じゃないかって思うのは勝手ですから、後はご自由に、お好きなようにお楽しみくださいね。
注意深くあたりをきょろきょろと見まわして、後ろからつけられていないことを確認し、相手と秘密の合言葉を交わしてから、ではそろそろ始めることにする。取材場所は某所である。姿をくらますには都合のいい夕暮れ時だ。「危険が迫っているんです」と男は言う。「自分にとっても、またまいど屋さんにとっても。できれば、自分はこんな危ない橋は渡りたくないんだ。でも、まいど屋さんがどうしてもって言うから」。招き入れられた部屋でその男はコートを脱いで椅子に腰かけ、ふっとため息を漏らす。ここなら誰にも会話を聞かれることがない。
「まず、ブランドについて話さなければなりません」。男は、こう断ってから淡々と語り始める。「今日ご紹介するのは、カジュアルワークの『Jawin』(ジャウィン)と、作業服のド定番をいく『Jichodo』 (ジチョウドウ)の防寒です。特にJawinはデザイン、品質にこだわったブランドで、誕生から8年、非常に積極的に広告を打ってきたこともあって、今ではかなり認知されています。“新庄剛志が着るジャウィン”って広告、ご覧になったことがありますよね?新庄は昨年の90周年アニバーサリーで起用し、今年も引き続きJawinの顔になっています」。
男はこちらの反応をうかがうようにそこで言葉を止めた。そしてこちらがテーブルの上に置いていた録音用のICレコーダーに目を止め、一瞬、怯えたような表情を見せた。そうか。ならば仕方がない。取材班は男の心情を察してレコーダーのスイッチを止める。そこでようやく男は安心した表情を見せ、持ってきた例のブツをテーブルの上に並べ始める。商品に手を触れて決意が固まったのか、先ほどよりは協力的な態度を示しているように見える。部屋に集まっていた我々は何かを忘れるみたいに、取ってつけたような冗談を言い合い、それから息をのんでその男が再び語り始めるのを待つ。お互い、もう後戻りできないところまで来てしまった。ルビコン川を渡ってしまったのだ。まいど屋も、その男も。
迷いを吹っ切るようにまず男が手にしたのはJawinの防寒着。2013年から3年連続で出しているファイバーダウンのシリーズだった。「2013年に出した『58300』はJawin初のダウンジャンパー。ベストと連番で出していて、ポケットの形状を活かしたステッチワークでハード感あるスタイリングを提案しています。カラーはブラック、シルバー、ネービーの3色。ジャンパーで300g、ベストで250gのファイバーダウンを入れているので、ボリューム感があって着映えします」。
翌2014年は、無地に赤いファスナーを効かせたジャンパー『58400』を単独リリース。広めに間隔をあけたステッチとファスナーポケットがタフな雰囲気を出している。「偶然にも、新庄が赤が好きということで、いい感じでリンクできました。表素材は伸縮性に優れたマルチストレッチ。着るとわかりますが、タテよりヨコの動きによく伸びる。内蔵フード付きで、カラーは赤と相性のいいブラック、シルバー、ネービーの3色。ファイバーダウン250gの適度なボリューム感もポイントです」。
そして2015年。今シーズンのNEWモデル『58500』は、カモフラ柄をシャドーで。ライトでモード感あるスタイリングにより、「展示会で評価が高かったので人気が出ると確信した」と、その男も自信を見せる。
「生地にエンボス加工を施し、単色で表情のあるカモフラを表現しました。光線の加減で柄が浮き出て粋な感じです」。左胸にタテ型ファスナーポケットを配したシンプルなデザイン。内衿は肌当たりのいいボア仕様。後身頃が若干長くなっていてバックスタイルもいい感じだ。持ってみるとかなり軽く感じられるが、ジャンパーで260g、ベストで200gのファイバーダウンが入っていて、名入れしやすい水平ラインのステッチを施してある。なお、カラーはブラック、ネービーの基本色に加え、華やかな雰囲気のワインも揃っている。「どのシリーズも普段にも着られるデザインなので、ジャンパーは仕事場への往復に通勤着として。作業時は動きやすいベストで。関東なら作業時の防寒はコンプレッションにベストで十分です」。
コンプレッションの話が出たところで、人気の吸湿発熱コンプレッションに新しくデニム柄が加わったので、これについても触れてもらおう。「インナーが進化して様々なコンプレッションが登場していますが、どのメーカーも似たり寄ったり。そこで今シーズンは、NEWカラーとしてデニムプリントの『インディゴ』を追加し、差別化を図ってみました」。
吸湿発熱、機能的なカッティング、ストレッチで消臭・抗菌と、機能満載のコンプレッションは、首周りが詰まったローネック(58204)とノーマルタイプ(58214)の2種類。無地3色、カモフラ2色、そしてインディゴの6色展開となっている。「コンプレッションに合わせるベストには、軽くてシンプルでボリューム感のある『58110』や、丈夫であったかい『58140』もあります。特に『58140』はバックスキンのようなヌメリ感を持つ少し重めの生地を使っていて、釘などに引っ掛けても破れにくいのがポイント。中綿には保温性の高いサーモライトを入れています」。
ブランド愛からか、「Jawinはオシャレ。仕事するときもカッコよく」と、男は次第に饒舌になってきた。「Jawinの強みは、ブランド、品質、丈夫さ。でも、ブランドにあぐらをかかない。ベースに自重堂の従来ブランドがあってこそのJawinですから」と熱く話す。そしてその勢いのまま、話題を変えてワークの王道『Jichodo』ブランドについて語り始める。
Jichodoブランド、3年ぶりの防寒NEWアイテムは、軽くて魔法瓶のように暖かさをキープする中綿・裏アルミの『48480』シリーズ。引き裂けに強いリップストップを表地に使用し、着るひとを選ばないシンプルなデザインで、ブルゾン、ハーフコート、パンツを展開している。「見てください、背中の中央部分だけ熱反射アルミのパターンが違うでしょ。この部分、メガヒートなんです。裾上まで20cm幅でタテにズドンと入れている。パンツも太ももは普通の熱反射アルミで、ヒップ周りはメガヒート。すべてメガヒートにすると暑くなるので、冷えがちな部分にだけ採用しています」。
カラーはオレンジ、ネービー、ブラックの3色。左胸にタテ型ファスナーポケット、内ポケット、袖ペン差し、袖口とパンツの裾口にはアジャスター、取り外しのできるフードと、機能もきっちり。ブルゾンで定価7,200円、ハーフコートで定価9,000円と、リーズナブルなのも嬉しい。「巷では“裏アルミは剥がれる”なんて声も耳にしますが、ご安心ください。自重堂は裏アルミの品質もいいので長く快適に着ていただけます」。
一通り商品の説明が終わると、男はホッと肩の荷を下ろしたような、それでいてこちらの意図をまだ疑っているような複雑な表情を見せながら、テーブルの上の商品を片付け始めた。何かの間違いで女友達と寝てしまった男のような顔つきで、ばつが悪そうに無言でその作業を続けていった。一時の興奮が冷め、冷静になった頭で考えると、何か致命的な間違いを犯してしまった気がしてきたのだろう。
「決してこのことは口外しないから」。少しでも気を楽にしてもらおうと男の背中にそう声を掛けた。それでも男は何も言わずに商品をかばんに詰め込み、それから持ってきたコートに袖を通した。そしてまるで嵐に備えて窓に木材を打ち付けるみたいに、慎重にコートのボタンを掛けていった。「今回のこの話は危険すぎる」と男は小さな声で言った。「まいど屋さんも十分注意してください。今日、まいど屋さんは私には会わなかった。どこか別の場所で、別のことをやっていた。いいですね。それではお元気で」。男はそう言うと自分でドアを開け、暗くなった街の中に消えて行った。
それ以来、取材班はこの男の姿を見ていない。彼の身に、何かよくないことが起きていなければいいのだが。そしてどこかでこのレポートを読んで、まあ仕方がなかったのかなと苦笑していてくれればいいのだが。
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以上、冒頭のお約束通り、まいど屋は今シーズンの自重堂の最強防寒シリーズを全力でレポートした。フィクションとしての体裁は取っているが、商品の解説については限りなく、いや完全に事実であるから、読者の皆さんはどうか安心してほしい。それならレポートに登場したあの男についてはどうかって?そんなこと、言えるわけないじゃないですか。まいど屋としてはあくまで架空の人物としか答えられません。ただ、皆さんが想像する会社の、想像する役職にある、想像する担当者じゃないかって思うのは勝手ですから、後はご自由に、お好きなようにお楽しみくださいね。
魔法瓶効果で暖かい防寒ハーフコート『48481』
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あきれるほどゴージャス!シビれるほどグラマラス!つややかな光沢感とカモフラ柄のエンボス加工でHIPなワークシーンを演出する58500シリーズ ポリエステル100%のデュスポ生地にエンボス加工で、表情のあるシャドーカモフラ柄を表現。ライトでモード感あるジャンパーは通勤着に。ベストはコンプレッションと合わせて作業時に。左胸にタテ型ファスナーポケット、内衿は肌当たりのいいボア仕様。ジャンパー260g、ベスト200gのファイバーダウン入りで、裏地は滑りのいいポリエステルタフタ。M~4Lの5サイズ。カラーはブラック、ネービー、ワインの3色。 |
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仕事ができて顔もいい!現場でも、ストリートでも、マルチなシーンで大活躍の58400 無地に赤いファスナーをピリッと効かせたハンサムフェイス。広めに間隔をあけたステッチとファスナーポケットがタフな雰囲気。表素材は伸縮性に優れたポリエステル100%のマルチストレッチで動きもスムーズ。裏地は暖かくて肌当たりのいいフリースで、ファイバーダウン250gの適度なボリューム感もナイス。M~4Lの5サイズ。カラーはブラック、シルバー、ネービーの3色。 |
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