【中塚被服】器用なまでの愚直な信念image_maidoya3
ハッキリ言って、過小評価されているきらいがある。ルックスもいい。実力もある。それにもかかわらずなぜか目立たない生徒がクラスに一人はいるように、中塚被服のコレクションはどことなくひっそりと、まいど屋のカテゴリーページの中に埋もれている。それは生来の、社風ともいうべき謙虚さの結果なのかもしれない。あるいは、見るひとが見ればわかるんだという内に秘めた気概がことさらにアピールすることを潔しとしないのかもしれない。だが本当にそれでいいのだろうか。これだけの逸材を、ただ慧眼の士が現れるまで黙って放っておいてもいいものだろうか。
  今回の特集で中塚被服を取り上げた目的はここにある。このページを開いた読者の皆さんはおそらくある目的を持っているはずだ。厳しい寒さから身を守るために必要な防寒着を真剣なまなざしで探しているはずだ。だが、まいど屋に掲載されているとんでもなく多数の防寒着の中からそれを探すのは容易ではない。商品画面一つひとつを全てチェックするのは骨が折れるし、そもそも、画面ではやはり実際の質感や着心地、そして一番大事な防寒性能まで的確につかむのは至難の業だ。そして最終的に中塚被服にたどりつくのは、それに輪をかけて難しいはずだ。
  このレポートは皆さんが求めていた、まさに最適のアイテムにめぐり合う手助けになる。自分一人で探していたときは分からなかったけど、ああ、そういうことだったんだと納得させてくれる手がかりを満載している。こちらから催促しなければなかなか自分のよさをアピールしようとしない中塚被服。健さんじゃあるまいし、今どき、沈黙は金なんて古い古い。この取材で、彼らの熱い想いを洗いざらい語ってもらおうじゃないですか!
 

中塚被服
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ハーフブルゾン『OK3000』と中綿ベスト『OK3001』
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裏アルミの防水防風ブルゾン『OK3002』
語ってくれるのは、営業部の藤原次長。この機会に思いきりPRしちゃってください!と水を向けるも、「いきなり熱い想いと言われても・・・」と戸惑いを隠せない様子。そんなところもなんだか健さんらしい。ならば、数あるラインナップの中から、これは!というアイテムをピックアップしてもらい、商品を紹介がてら語っていただくのはどうでしょう?
  こんな感じで半ば強引に始めたインタビュー。そして、ではそれならと藤原次長が最初に選んだのは、2013年に出したフレックスコンビ『OK3000』シリーズだ。「ハーフブルゾン『OK3000』は、撥水加工したマイクロタフタという柔らかな生地を使っていて、軽くて動きやすいのが特長です。内側に付けたループやタブに中綿ベスト『OK3001』を留めれば、身頃が二重になって真冬でも暖かく着ていただけます」。
  腰まですっぽり隠れるハーフブルゾンは、ムダのないすっきりとしたデザイン。両脇には収納物の落下を防ぐファスナーポケット、左袖にもファスナーポケット(内側にペン差し付き)が付いて、見た目以上に機能的。「両脇ポケットのファスナーは下から上へと開くようになっていて、閉じた時に引手が下にきます。アウトドアブランドによくある仕様で、リュックを背負った時に引手が邪魔にならないよう、あえて逆向きにしているんです」。
  秋は中綿ベストだけ、寒くなってきたらブルゾンコート、真冬になったらブルゾンコートに中綿ベストをプラスして・・・と、春先までロングランで着回せる。なお、このフレックスコンビ、2014年には、よりカジュアル感を出したスタッフブルゾンタイプの『OK3002』が仲間入りし、選択肢も広がった。「『OK3002』は、撥水加工したマイクロリップの裏にアルミプリントを施した防水防風仕様で、薄く、柔らかく、軽くて動きやすいのが特長です」。
  ラグラン袖のシンプルデザインに、右胸にはデザインポイントとなる縦ファスナーポケット。肩の切り替え部には反射材が付いて夜間の視認性もいい。さらに背中にはベンチレーション、内側には中綿ベスト『OK3001』がセットできるループやタブ、袖口は腕時計の傷つきを防ぐウォッチプロテクト仕様と、なかなか芸が細かい。「営業やメンテナンス、介護などソフト系向けに企画したのですが、意外にも製造業などでも引き合いがありまして。中には、自動車工場の組立ラインで、ベスト単体で着用されているケースもあるんです」。フレックスコンビは中綿ベストを含めてすべて男女兼用、SS~5Lの8サイズと大人数のチームウェアにするのに必須の充実したサイズ展開も魅力。カラーはこれまた大勢の意見を反映させやすい、豊富な6色展開だ。
  さて、続いてのピックアップ商品は、今シーズンの新作、エコ防水防寒『CJ50000』シリーズ。見た目は至ってオーソドックスだが、雨にも雪にも風にも負けない全天候型で、冬のアウトドアワークを力強くサポートしてくれる。「一番のウリは“W10000”ということ。耐水圧10000mm、透湿度10000g/㎡/24hrsのユニチカ製で、スノーボードウェアに使われる素材を使用しています。生地裏にフィルム加工をしていますが、薄くて柔らかいので、従来素材のような “重い””ゴワつく”という欠点がなく、非常に軽くて動きやすい。しかも、完全防水で雨はシャットアウトするけど、ウェア内の湿気は外に放出する透湿タイプ。だから汗をかいてもムレないし、汗冷えすることもありません」。
  アイテムは、コート『CJ50000』、ブルゾン『CJ54000』、パンツ『CJ51000』の3点。ちなみに商品名に“エコ”が付くのは、素材に再生PET100を使っているから。表地には細かなハニカムパターンが施され、静電気の発生を抑える制電糸まで入っている。「クセのないデザインでなおかつ高性能なので、リピートで長く着ていただけると思いますよ。また、エコでオーソドックスという点で、役所などの公官庁にもオススメですね。カラーはコン、グリーン、オレンジの3色。安全色のオレンジは北海道など、雪が多くて視界が悪い地域でも安心して使ってもらえると思います」。
  内衿は暖かくて肌当たりのいいブロックマイクロフリースでフード付き。脇ポケットは、水が浸入しにくく、収納物が落ちにくい逆玉縁仕様。さらに内ポケット、ペン差し内ポケットもあって、収納力についても抜かりない。その他、胸と背の反射パイピングや、袖口のマジックテープなど、細部にわたってプロ仕様の丁寧な仕上がりになっている。
  それでは最後にもう1シリーズ。身頃から袖へと続く大胆なラウンドデザインの配色がカッコイイ、透湿防水防寒コート『AT717』とパンツ『AT713』を紹介してもらおう。「寒冷地向けの本格重防寒で、表素材は耐水圧3000mm、透湿度2000g/㎡/24hrsのポリエステルドビー。シームテープを施した完全防水で、内側には下からの風を防ぐウィンドスカートを付けています」。
  ユニフォーム臭さをなくすためにアウトドアウェアを参考に企画したというが、透湿防水防寒と謳っているだけあって、実力はハイレベル。「実は昨年、ゲレンデでこれを着てスノーボードをしている方を見かけましてね。改めて実感しましたよ、ボードウェアでも大丈夫なんだ、と(笑)」。カラーはオレンジ、グレー、クロの3色。オレンジはコントラストの強い配色だが、グレーやクロは渋めの配色なので、オーソドックスを好む方にオススメだ。
  以上、ご紹介してきたように、中塚被服は総じてレベルの高い防寒ユニフォームを展開している。ただ惜しむらくは、その実力が商品をパッと見ただけではわからないこと。今回のレポートでその良さが少しでも伝われば嬉しく思う。
  それでは最後に、藤原次長から一言。「ユニフォームだからこそ、素材、デザイン、機能にこだわっています。他メーカーと差別化するためにもね。ウチは薄利多売ではなく、1つ1つの商品を長く大事に育てていくというスタンスですから」。
  うん、確かにその通り。健さんがちゃらちゃらと流行を追っかけてたらダメだよね。何も言わずとも、本物だけが持つ凄味のようなものが自然に伝わってくるくらいが丁度いいのかな。最後まで自分について多くを語らなかったあの大俳優が、結局はたくさんの人々からその実力を認められていたように。
 
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寒冷地向けの透湿防水防寒コート『AT717』
 

    

防寒着がカッパ以上の防水性能を持ってて何が悪い!最悪のコンディションでもマジで快適に作業できるCJ50000シリーズ

耐水圧10000mm、透湿度10000g/㎡/24hrsの透湿防水素材を使った完全防水の全天候型アウター。薄くて軽くて柔らかいから動きやすく、ハードに動いても汗ムレ知らず。表地は再生PET100%、裏地は再生PET55%のポリエステル。内衿は肌当たりのいいブロックマイクロフリース。胸と背に反射パイピング、内ポケット、ペン差し内ポケット付き。制電仕様。カラー3色。


寒冷地の過酷な天候を克服せよ!雨にも負けず、雪にも負けず、完全防水仕様で真冬の現場を乗り切るAT717シリーズ

大胆なラウンドデザインの配色がカッコいい、本格仕様の透湿防水防寒。細かな楕円ドットパターンの表素材は、耐水圧3000mm、透湿度2000g/㎡/24hrsのポリエステルドビー。縫い目の裏にシームテープを施した完全防水で雨も雪もシャットアウト。内側には下からの風の侵入を防ぐウィンドスカート付き。S~5Lの7サイズ、カラー3色。