一昨年の暮れ、突如商標が変わった。ほぼ同時期に、今までとは少し毛色の違う新たなブランド群が姿を現してきた。そして昨年には、彼らに生じた変化はもはや疑いようもなく、誰の目にも明らかなほど、くっきりとした輪郭を見せ始めた。こうした、業界の誰もが息をのむような、ある意味で予想外の変化をもたらした直接の原因については、このレポートでは敢えて触れまい。そのセンシティブな一件は、この月刊まいど屋を読んで最新のメディカルウェア事情を知ろうとしている読者の皆さんにはほとんど関係のないことだし、また興味の外でもあるだろうからだ。よって、ここではただ単に、ある強力な外部環境の変化によって彼らは否応なく変わることを求められ、そしてその試練を見事に乗り越えつつあるのだということだけを書いておく。ちょうど隕石の衝突やら、気候の激変やらのショックに対して自らが進化することで適応して見せた、地球上に生息するしたたかな生物たちのように。
新しい商標名はカゼンという。正直なところを書かせてもらうと、「アプロン」に慣れ親しんでいた長年のユーザーや、もちろんこの月刊まいど屋編集部でさえ、彼らが纏う見慣れぬ衣にはまだしっくりと馴染み切っていない。だが、そうした問題も、遅かれ早かれ時間が解決してくれることだろう。そしてやがて、新奇な外観の下には彼らの本質がそのまま残されていることに気付き、安堵の声を上げるはずだ。生物がどれだけ姿かたちを変えても、体内にあるDNAは必ず引き継がれているものなのだ。
変化によって生まれた新ブランドは、奇しくも惑星の名を冠している。「マゼラン」、「スピカ」、「アイソン」といった星々が、クラリタという生まれたばかりの恒星の周りをまわっている。そしてクラリタ系の惑星たちは、これから時間をかけてさらに増え続けていくのだという。あくまで想像上ではあるが、力強く、希望に満ちたイメージだ。彼らは、彼ら自身が描いた未来図に従って、これからさらに新しい星々を見つける旅に出るのだろう。そして苦労の末に見つけ出す未開の星がどんな環境であろうとも、うまく適応して生き延びていくのだろう。我々が感心するほど、見事に、鮮やかに。彼らのDNAが彼らの中に残されている限り。
新しい商標名はカゼンという。正直なところを書かせてもらうと、「アプロン」に慣れ親しんでいた長年のユーザーや、もちろんこの月刊まいど屋編集部でさえ、彼らが纏う見慣れぬ衣にはまだしっくりと馴染み切っていない。だが、そうした問題も、遅かれ早かれ時間が解決してくれることだろう。そしてやがて、新奇な外観の下には彼らの本質がそのまま残されていることに気付き、安堵の声を上げるはずだ。生物がどれだけ姿かたちを変えても、体内にあるDNAは必ず引き継がれているものなのだ。
変化によって生まれた新ブランドは、奇しくも惑星の名を冠している。「マゼラン」、「スピカ」、「アイソン」といった星々が、クラリタという生まれたばかりの恒星の周りをまわっている。そしてクラリタ系の惑星たちは、これから時間をかけてさらに増え続けていくのだという。あくまで想像上ではあるが、力強く、希望に満ちたイメージだ。彼らは、彼ら自身が描いた未来図に従って、これからさらに新しい星々を見つける旅に出るのだろう。そして苦労の末に見つけ出す未開の星がどんな環境であろうとも、うまく適応して生き延びていくのだろう。我々が感心するほど、見事に、鮮やかに。彼らのDNAが彼らの中に残されている限り。
KAZEN
白モノ看護ウェア『スピカ』
鮮やかなピンクも揃った『アイソン』
迎えてくれたのは、営業部の加藤さんと商品企画室の若林さん。まずは各ブランドの相関関係、いわば立ち位置をざっと紹介してもらおう。「『クラリタ』は2014年に発表した医療用ユニフォームのハウスブランドです。このブランドを使って我々がやりたかったのは、一歩先の未来的な新しさを取り入れたウェアを開発すること。新しさというのは、何もデザイン的な斬新さだけを追い求めるってことではないんです。それももちろん大きなチャレンジですが、我々としてはむしろ上質感とか、動きやすさ、着心地のよさなど、ウェアとしての本質的な部分に新しい息吹を吹き込みたかった。まずそうした大きなコンセプトをこしらえておいて、その中で各ブランドがそれぞれ特徴のある主張をしていけば面白いんじゃないかなと思ったんです。今日お話しする『マゼラン』『スピカ』『アイソン』の3シリーズは、いずれもこの『クラリタ』の中にあるサブブランドです。我々はこれらを星に例え、メディカルウェアが進むべき道を宇宙の旅に例えて発信しています」(営業・加藤さん)。
ではこの3シリーズ、いったいどんな特徴を持つ星々なのか。星雲の名であり、NASAの金星探査機の名にもなった『マゼラン』から解説してもらおう。「マゼランは人類史上初めて世界一周を成し遂げた大航海士です。いつの時代も彼のような人間が新しい世界を切り拓いていくという意を込め、医療現場の進化をイメージして名づけました」(営業・加藤さん)。「新しい世界という点でいえば、『マゼラン』のために新素材を開発したんですよ。超極細の銀糸を入れ、銀イオン効果で半永久的に抗菌・防臭・帯電防止効果を発揮する素材で、生地表面に上品な輝きがあり、軽くてさらりとした着心地も特徴です」(企画・若林さん)。
『マゼラン』の診察衣は男女各2タイプ。『CMA211・102』はスタイリッシュなシルエット。『CMA210・101』は背中に内側メッシュのベンチレーションを入れ、トレンチコートのような後ろ姿となっている。「ベンチレーションは作業服や食品工場向け白衣にはよくありますが、診察着では新しいですね」(営業・加藤さん)。
このほか、『マゼラン』では銀イオンの新素材を使ったスクラブ(CMA710)も展開。カラーは、サックス、ピンク、ネイビーの3色に新たに高級感あるシャンパンゴールドとダークブラウンを加え、全5色を揃えている。
では、そろそろ次なる星へ移ろう。名前はおとめ座の一等星にちなんだ『スピカ』。和名を真珠星というように、白衣の天使をイメージした白モノの看護ウェアシリーズだ。「シンプルで美しい看護衣です。『アレニエ』という、柔らかな風合いと適度なストレッチ性を備えた素材を使っています。吸汗速乾、制菌、防透、防汚、制電と生地スペックが高く、しっかりしていてヘタらないので工業洗濯の業者さんにも好評です」(営業・加藤さん)。「すっきりしたシルエットでフロント部分をU型にヨーク切り替えしたタイプ(CSP401)と、丸衿・丸裾で後ろ中央にギャザーを入れたタイプ(CPS400)があり、白だけでフェミニンな美しさを表現しています」(企画・若林さん)。
最後はクラリタ3番目のシリーズ、『アイソン』。2013年に太陽に最接近したアイソン彗星からその名を取っている。「リズミカルで楽しい色彩が特徴の看護衣ラインです。ファスナーをアクセントカラーにしたタイプ(CIS300、420)と、スタンドカラーの変わり衿に配色したタイプ(CIS410、600)があり、素材にはやはり『アレニエ』を採用しています」(営業・加藤さん)。「特に好評なのは、白地にネイビーを効かせたメンズ医務衣(CIS300)。レディスでは白×ピンク、ピンク×白がエステ系にも人気ですね。アイソンパンツ(CIS810、850)も大好評でよく出るので、新色としてチャコールグレーとサンドの2色を出しました」(企画・若林さん)。
パンツはしゃがんでも背中が見えない股上深めタイプ。ウエストのサイドゴムとヒップ上の切り替え効果で腰まわりをすっきり見せながら、ゆったりした着心地を実現しているという。
さて、ここまでクラリタの系3シリーズについてお話ししてもらったが、せっかくの機会なので編集部が非常に興味をひかれるあるシリーズについても話してもらおう。見るからに高級感たっぷり、きめ細かな手技が見て取れる、定価45万円(税別)のオーダーメイド白衣『イサルティ』シリーズのことだ。それはある意味で、彼らがカゼンとして本当に生まれ変わったことを示す、ひとつの強力なメッセージのように思えるからだ。「現在、日本で一番高額な白衣です。生地はイタリアの最高級生地メーカー、ロロピアーナ社製のタスマニアフレスコウール。縫製はルイヴィトングループのファーストラインなどを手掛けるイタリア屈指の縫製工場。パターンは日本を代表するテーラー、清水充則氏と、すべてにこだわったオーダーメイドの白衣です」(営業・加藤さん)。
実際に見せてもらったのだが、生地はウールとは思えないほど薄くしなやか。ヨーロッパではドクターの白衣は純白ではなく生成り(オフ白)だそうだが、これも同様に自然な生成りで上品さがある。水牛の角で作ったオリジナルボタン、細かな手縫いの衿仕上げなどは高級スーツを見ているよう。いったい、どんなシーンで着るのかとの素朴な質問には、「学会発表の時などに」と答えが返ってきた。
これが本物にこだわった『イサルティ』のファーストラインだが、まいど屋が扱うのは、そのセカンドライン。「セカンドラインでは日々の現場での着用を意識し、ファーストラインのコンセプトをそのまま既製服に落とし込んでいます。生地はイタリア製の最高級綿。縫製はイタリア屈指の縫製工場とすべてがMADE IN ITALY。メンズ、レディス、それぞれロング丈とショート丈があります」(営業・加藤さん)。
価格はメンズロング丈で定価8万円(税別)。身体に自然にフィットする柔らかな着心地、現場での着用に配慮した仕様、そして、その美しさはやはり高級スーツさながら。実際のところ、有名美容外科の先生や、大学病院のとある診療科などで早くも採用され、着心地の面でも意識を高める面でも非常に好評という。
以上、生まれ変わったカゼンの医療ユニフォームを駆け足で紹介してきた。進化しようとする彼らのホンキ度が読者の皆さんにうまく伝わっただろうか。そう、彼らは間違いなく本気である。かつて航海士が命を懸けて新天地を探し求めたように、彼らもまた相当な覚悟を持って未来への旅を始めたのだ。長年多くのユーザーに愛されてきた商標を変えることすらためらわずに。
ではこの3シリーズ、いったいどんな特徴を持つ星々なのか。星雲の名であり、NASAの金星探査機の名にもなった『マゼラン』から解説してもらおう。「マゼランは人類史上初めて世界一周を成し遂げた大航海士です。いつの時代も彼のような人間が新しい世界を切り拓いていくという意を込め、医療現場の進化をイメージして名づけました」(営業・加藤さん)。「新しい世界という点でいえば、『マゼラン』のために新素材を開発したんですよ。超極細の銀糸を入れ、銀イオン効果で半永久的に抗菌・防臭・帯電防止効果を発揮する素材で、生地表面に上品な輝きがあり、軽くてさらりとした着心地も特徴です」(企画・若林さん)。
『マゼラン』の診察衣は男女各2タイプ。『CMA211・102』はスタイリッシュなシルエット。『CMA210・101』は背中に内側メッシュのベンチレーションを入れ、トレンチコートのような後ろ姿となっている。「ベンチレーションは作業服や食品工場向け白衣にはよくありますが、診察着では新しいですね」(営業・加藤さん)。
このほか、『マゼラン』では銀イオンの新素材を使ったスクラブ(CMA710)も展開。カラーは、サックス、ピンク、ネイビーの3色に新たに高級感あるシャンパンゴールドとダークブラウンを加え、全5色を揃えている。
では、そろそろ次なる星へ移ろう。名前はおとめ座の一等星にちなんだ『スピカ』。和名を真珠星というように、白衣の天使をイメージした白モノの看護ウェアシリーズだ。「シンプルで美しい看護衣です。『アレニエ』という、柔らかな風合いと適度なストレッチ性を備えた素材を使っています。吸汗速乾、制菌、防透、防汚、制電と生地スペックが高く、しっかりしていてヘタらないので工業洗濯の業者さんにも好評です」(営業・加藤さん)。「すっきりしたシルエットでフロント部分をU型にヨーク切り替えしたタイプ(CSP401)と、丸衿・丸裾で後ろ中央にギャザーを入れたタイプ(CPS400)があり、白だけでフェミニンな美しさを表現しています」(企画・若林さん)。
最後はクラリタ3番目のシリーズ、『アイソン』。2013年に太陽に最接近したアイソン彗星からその名を取っている。「リズミカルで楽しい色彩が特徴の看護衣ラインです。ファスナーをアクセントカラーにしたタイプ(CIS300、420)と、スタンドカラーの変わり衿に配色したタイプ(CIS410、600)があり、素材にはやはり『アレニエ』を採用しています」(営業・加藤さん)。「特に好評なのは、白地にネイビーを効かせたメンズ医務衣(CIS300)。レディスでは白×ピンク、ピンク×白がエステ系にも人気ですね。アイソンパンツ(CIS810、850)も大好評でよく出るので、新色としてチャコールグレーとサンドの2色を出しました」(企画・若林さん)。
パンツはしゃがんでも背中が見えない股上深めタイプ。ウエストのサイドゴムとヒップ上の切り替え効果で腰まわりをすっきり見せながら、ゆったりした着心地を実現しているという。
さて、ここまでクラリタの系3シリーズについてお話ししてもらったが、せっかくの機会なので編集部が非常に興味をひかれるあるシリーズについても話してもらおう。見るからに高級感たっぷり、きめ細かな手技が見て取れる、定価45万円(税別)のオーダーメイド白衣『イサルティ』シリーズのことだ。それはある意味で、彼らがカゼンとして本当に生まれ変わったことを示す、ひとつの強力なメッセージのように思えるからだ。「現在、日本で一番高額な白衣です。生地はイタリアの最高級生地メーカー、ロロピアーナ社製のタスマニアフレスコウール。縫製はルイヴィトングループのファーストラインなどを手掛けるイタリア屈指の縫製工場。パターンは日本を代表するテーラー、清水充則氏と、すべてにこだわったオーダーメイドの白衣です」(営業・加藤さん)。
実際に見せてもらったのだが、生地はウールとは思えないほど薄くしなやか。ヨーロッパではドクターの白衣は純白ではなく生成り(オフ白)だそうだが、これも同様に自然な生成りで上品さがある。水牛の角で作ったオリジナルボタン、細かな手縫いの衿仕上げなどは高級スーツを見ているよう。いったい、どんなシーンで着るのかとの素朴な質問には、「学会発表の時などに」と答えが返ってきた。
これが本物にこだわった『イサルティ』のファーストラインだが、まいど屋が扱うのは、そのセカンドライン。「セカンドラインでは日々の現場での着用を意識し、ファーストラインのコンセプトをそのまま既製服に落とし込んでいます。生地はイタリア製の最高級綿。縫製はイタリア屈指の縫製工場とすべてがMADE IN ITALY。メンズ、レディス、それぞれロング丈とショート丈があります」(営業・加藤さん)。
価格はメンズロング丈で定価8万円(税別)。身体に自然にフィットする柔らかな着心地、現場での着用に配慮した仕様、そして、その美しさはやはり高級スーツさながら。実際のところ、有名美容外科の先生や、大学病院のとある診療科などで早くも採用され、着心地の面でも意識を高める面でも非常に好評という。
以上、生まれ変わったカゼンの医療ユニフォームを駆け足で紹介してきた。進化しようとする彼らのホンキ度が読者の皆さんにうまく伝わっただろうか。そう、彼らは間違いなく本気である。かつて航海士が命を懸けて新天地を探し求めたように、彼らもまた相当な覚悟を持って未来への旅を始めたのだ。長年多くのユーザーに愛されてきた商標を変えることすらためらわずに。
オーダーメイドの『イサルティ』ファーストライン
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ゆったりなのに美しく見える!誰がはいてもカッコよくキマるけど着用感は不思議とラクちんなパンツシリーズ はき心地の良さで人気のアイソンパンツ。ウエストはサイドゴムでピッタリフィット。深めの股上でしゃがんでも背中が見えず、ヒップ上部の切り替えですっきり見せ。吸汗速乾で柔らかな風合いの生地はポリエステル100%のアレニエ。適度なストレッチ性があって動きやすく、型崩れしにくいので美シルエットをキープ。制菌、防透、防汚、制電、工業洗濯OK。新色チャコールグレーとサンドの2色が新登場。 |
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